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仮投下スレ

765distract ◆WqZH3L6gH6:2016/09/05(月) 05:17:46 ID:IoUHUwsQ0

気が進まない。ウリスは心はともかく肉体はるう子が好感を抱いた浦添伊緒奈本人のもの。
いくら悪党とはいえむざむざ命を奪わせさせるような行為は許容したくなかった。

「何、悪いようにはならないと思うよ、ウリス君も賢いからね」
「……」


殺されないようにまともな返答をしてほしいとるう子は思った。
るう子は思うままを説明する。
ラヴァレイはそれを聞き、そのままでは使えないなと思った。
3人は向かう、ある地点へ。


「あの竜について心当たりはないかね?ああ、別に似ているものでもいいんだ」
「……ドラゴンならウィクロスにもいますし、あれだけ不思議な現象があったらどこかで同じような存在はいてもおかしくない、かな?」
「……時空を超える力はあるか?」
「カード内の設定、たぶん創作ですけどあってもおかしくないような……」
「伝承だが、私のいた世界のバハムートは時空を超える力があるのだよ」
「えっ」
「恐らく繭はその力を使って我々を拉致したと思われる」
「……何で知ってるんですか?」
「私というか我々はバハムート対策が任務だったからね。ある程度知っていてもおかしくはないだろう」

嘘は言っていない。真実も伝えきっていないが。
るう子も鵜呑みにはしてない。

「そうですか……」
「セレクターバトルはいつから始まったか解るかね」
「何年も前から行われています……ごほっ……」
「……るう子君、水でも飲んではどうかね。このままでは見ていられん」
「……はい」

るう子は足を止め、青カードと黒カードを使い風邪薬を服用する。


「君の思惑が叶うといいな」

一息ついた彼女に掛けられたのは優しい言葉。
上辺だけの、見透かそうとする悪意の込められたもの。
るう子はそれにしぶしぶ頷くと、これまで忘れていた参加者の事を思い出す。

池田華菜と神代小蒔。
宮永咲いわく友人の一人と、直接試合しなかった対戦チームの一人。
池田はまだしも、小蒔については咲さんからどうこうしたいとは言われていなかった。
だが、おおまかな特徴は伝えられていたし、咲さんを喪った直後はなんとか合流し協力しあいたいと思っていた。

なのにるう子はついさっきまで彼女達の事を忘れていた。
タマの事にしても、元いた世界での目標 全ルリグの救出にしてもそう。薄っぺらな物になりかけていた。
少女はウリスを見る。
今のるう子にしてみれば確かに最低と言われても仕方のないたいらく。
だから忘れない。虐められたタマを前にようやく湧き上がった思いを。
こちらが悪く思われてもいい。これ以上何もしない選択を選ばないためにも。
他者の悪意を抑える為にも。たとえ不可能に思えても。


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