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仮投下スレ
764
:
distract
◆WqZH3L6gH6
:2016/09/05(月) 05:15:52 ID:IoUHUwsQ0
あの時のるう子には言えなかった、心の奥に秘めたカードゲームユーザーとしての推理。
「つまりセレクターバトルは主催のルールの範疇だと」
「そうだと思います。るうが知る限り繭はゲーム崩壊に繋がることは簡単に許容したりしません」
ラヴァレイは得心し密かに歓喜した。
少なくとも闇雲に優勝を目指すよりは生存できる可能性が見えてきたから。
ただそれは皆殺し行為への回避から来る安堵ではなく、こちらが有利になる状況からの喜びに過ぎないが。
るう子は黒カードをホワイトホープに戻すと、ルリグカードを取り除き、デッキを彼に向けた。
吐く息はこれまで以上に荒い。
「何かね?」
「ラヴァレイ……さんの目的はあなたも含めた全参加者の……破滅ですか」
ラヴァレイは一瞬、何世迷い言を言ってるのだと思ったが、その言葉はウリスの事を指しているのだろうと判断し返答した。
「いや、私は元の居場所に戻れればそれで構わない」
嘘は言っていない。だが真実を伝えきってもいない。
彼は元の世界の帰還が目的だが、それは世界を滅ぼすバハムートの力と共にだ。
もし、この舞台でバハムートを得られれば間違いなく殺戮に力を行使するだろう。
「……」
「もし、余裕ができれば君達の目的を手伝うのも吝かではないが」
るう子はラヴァレイが悪党だと思っている。
しかし自己含めた全ての破滅が目的なウリスと違い、自らの保身が目的なプレイヤーなら話が通じると思った。
タマの救助も交渉に踏み切った理由でもある。これ以上、翻弄され何もできないでいるのが嫌だった。
るう子は黙って頷く。言葉には出さない。
「次の質問いいかね?」
「はい」
「セレクターは誰にでもなれるものかね?」
「ルールを覚えればなれます。無限……少女になれるかは人それぞれですけど」
「他のゲームでは代用はできないのか」
「るうが知るかぎりでは無理ですけど、ここではどうだろ?」
ラヴァレイはタマ除くルリグデッキをるう子から回収する。
そして、先程気絶させたウリスを猫車に乗せる。
「ウリス君の事聞いていいかね」
「……いいですけど」
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