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仮投下スレ
739
:
第三回放送
◆WqZH3L6gH6
:2016/08/18(木) 23:42:18 ID:fIO4wV760
『全部で15人よ。残り24人。
ふふ……ここまでやる気があるなんて驚いたわ。今夜中に決着がつきそう。
でもね、決着がいつになるにしても優勝した子にはご褒美を上げるから心配しないで。
次は正子――午前0時に放送を始めるわ』
放送が終わった。
「……」
繭は一息をつくと、椅子状になった窪みに腰を下ろし考える。
放送数分前に協力者の一人から忠告された繭自らによる白カードの確認と黒カードの確認。
繭は遅くとも優勝者が決まる瞬間までに、カードに封じられた参加者の魂を手元に集めなければならない。
でなければゲーム終了後、予定していた取っておきの遊びができなくなる。それではつまらない。
黒カードに関しては自分の力がちゃんと支給品に影響を及ぼしているかの確認である。
ひとつ妙な動きをしているのがいる。所持者が死んだこともあり放っておこうかと思ったが。
枷を外す所謂、意思持ち支給品が増えても難儀だ。
密かに手を打つか、もしくは臨時放送でもするか。もしくは……。
「……まあ、9時を回ってからでいいわよね」
繭は歩く。協力者たち、ヒース・オスロとテュポーンらの元へ。
「クロがそののままで、シロもシロのままでいてくれればよかったのだけど……」
足取りは重い。まだ身体は健全とまではいかないようだ。
でもヒースらの協力があってこその肉体。このまま時間が経てば……。
そう奮い立たせ、繭は未練を打ち切り、さらにそれを強調するかのように呟く。
「あのシロはタマ、クロはユキ……。
わたしの知るシロとクロじゃないもの。
ねえ……もうひとりの繭……。あなたはいまどうしてるの?
わたしはね、呪いながらしあわせになるの。
シロとクロが消えてしまった代わりに動けるようになった、このわたしで。
バハムートといっしょに」
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