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仮投下スレ

730ろうたけたるおもい ◆WqZH3L6gH6:2016/08/01(月) 06:58:48 ID:Ac9S5Cso0
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2人は走る。先程とは明確に早い速度で。


「魔法は強化されない?」
「ええ、他の能力はかなり強化されてはいるんですが……」


申し訳無さそうにコロナ。
桂はコロナのいう魔法や魔力をあまり理解はできないというか、しきる事はできない。
だが彼女が得意とする技術は勇者の力と同時に扱うのは困難なのは手合わせしたからか理解はできた。


「DIOのような相手と戦っても単独では……」
「僅かな隙を狙われては、か」
「……アインハルトさんならもっと上手く扱えると思うんですが」
「強いんだな」
「……はいっ」


桂のその言葉は自分とアインハルトに向けられたもののように聞こえた。


「……ところで桂さん、神威と針目縫と、あとアザゼルって人と交渉するって本気ですか?」
「奴も、皐月殿から聞いた針目縫も、多分アザゼルという男も性格的に主催に反感を持つのは予想できる」
「だけど……」
「それ以上、殺し合いを加速させるつもりはない」
「それは分かるんですけど」


コロナからしてもこれだけゲームが進行しているだけに足止めの意味でも、
対主催戦の準備という意味でも、あえて敵対戦力と部分的に協力するという行動は否定できない。
だが、神威とアザゼルはまだしも針目縫と交渉となると不安が強かった。
コロナも皐月から針目縫に関して情報を聞いている。
会話は可能だが、交渉は無理な性分だと。
アザゼルに至ってはもっと情報が少ない。

勇者の力はコロナ同様に桂の身体能力も強化できている。
だが、その強化はコロナのと比べて明らかに見劣りするもの。
コロナから見て単独で神威やDIOと戦っても勝ち目はないと思えたし、桂も否定はしていない。
彼女の心は不安で占められていた。


「……なに。直接面前に出て会話しようとは思わん」
「え?それなら、いいんですが……」
「それも皐月殿と、放送後に連絡してからのつもりだ」
「解りました」


一先ずコロナは安心した。



「まあこの力、移動には便利だろう」
「……ですね」

たなびく桂の長髪を見ながら、ようやくコロナは笑った。


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