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仮投下スレ

694 ◆X8NDX.mgrA:2016/04/21(木) 21:34:42 ID:my5wRt/E0

 ロシアンルーレットというゲームがある。
 リボルバーの弾を一発だけ装填し、何発目に飛び出すか分からない状態にして、二人で自分の頭に向けて引き金を引くゲームだ。
 負ければ即刻死が確定する、狂気のゲーム。
 ホル・ホースは今、それに挑んでいるような感覚だった。

「脱出する方法?」
「あぁそうさ。この邪魔な腕輪も外せて、無事にトンズラこける方法よ!」

 生き延びるためには、多少の嘘はご愛嬌だ。
 縫も興味はあるらしく、問答無用で殺そうとはしてこない。
 ホル・ホースはその猶予を逃さずに、質問を投げかける。

「放送は見たか?」
「放送?……それがどうかしたの?」

 ホル・ホースはその反応から、既にアザゼルの指示のもと、放送が行なわれたことを察した。
 なので、それを前提として話を進めていく。
 脳内では、放送局でアザゼルや三好夏凜たちと交わした情報を必死で思い出しながら。

「あれを流したやつは、俺やセルティの旦那とも組んでいる。
 放送の中身を覚えてるか?
 小湊るう子、紅林遊月、浦添伊緒奈。俺たちはこの三人を集めようとしているんだ」

――ならば俺と三好、そしてセルティで放送局に向かい、セレクター達に繭打倒を呼びかける。

 アザゼルはこう言っていた。
 となれば、第二回目の放送で呼ばれた蒼井晶を除く三人のセレクターへと、放送で呼びかけているはず。
 縫もそれを否定しない以上、当たらずとも遠からずといったところだろう。

「なんでそんなことをするか?
 答えは決まってるぜ。セレクターが繭に対抗するキーパーソンだからだ」

 横目でちらりと縫を見る。
 口を挟んでくる様子がない以上、同じ予測をしていたと考えられる。
 それならば、とホル・ホースは縫の思考に先んじた。

「おーっと、縫い目よ。テメーは今、こう考えただろ?」
『その三人が関係しているというのなら、目の前の男は殺しても構わない』ってな」

 考えを言い当てられたからか、縫は手を止めた。
 二人の距離は、さほど遠くない。
 縫が手にした片太刀バサミを一振りすれば、ホル・ホースは即座に殺される位置だ。

「だが、そうは問屋が卸さないぜ?
 放送局には嬢ちゃんに匹敵する相手が三人以上いる。
 そして俺は、情報を交換したときに、そいつらに嬢ちゃんの危険性を伝えてある」

 その言葉に、縫は怪訝そうな顔つきをした。
 ホル・ホースは顔を上向きにして、得意げな顔で続きを言う。


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