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仮投下スレ
693
:
◆X8NDX.mgrA
:2016/04/21(木) 21:34:07 ID:wovwAFeU0
声をかけて数秒後。
油をさしていないブリキの人形のように、小刻みな挙動で振り向いたガンマンを見て、縫はにっこりと笑んだ。
「久しぶりだね、ガンマンさん!」
「あ、あ……」
かろうじて返事をしたホル・ホースだが、その表情は硬いなんてものではない。
恐怖。絶望。諦観。そうした感情が渦巻いているのが、傍目からでもよく分かる。
極制服が飛んできた方角に来てみて正解だった。
「首の無いお仲間さんはどうしたの?」
「……」
歩み寄りながら問いかけると、無言のまま後ずさりされる。
いくらなんでも恐れすぎじゃないかと、縫としては不満も出てくる対応だったが、我慢して話しかける。
見ればホル・ホースも怪我をしているらしい。
周りにある死体と、戦闘をくり広げてでもいたのだろう。
仲間も近くにいないようで、フラストレーションを発散するにはこれ以上ない相手だ。
「ちょっと遊んでよ♪」
「……はは、お嬢ちゃん。冗談はよくないぜ」
乾いた声で答えたホル・ホースに、縫は片太刀バサミをくるくると回して見せた。
縫も傷付いて万全ではないが、元々の身体能力では遥かに上回っているのだ。負ける道理はない。
さらににじり寄ると、ホル・ホースが声を上げた。
「……提案がある」
「聞いてあげるよ!答えるとは限らないけど☆」
真面目に返すつもりがないことがバレバレな返事。
縫は武器を下ろさぬまま、さらに近づいていく。
それでも、ホル・ホースは真面目な顔で言葉を続けた。
「俺も縫い目の嬢ちゃんも、究極的には目標は同じ。
このくだらねぇ殺し合いから脱出すること――違うか?」
縫はこれを否定しない。いや、否定できない。
ホル・ホースの言葉に間違いはないからだ。
縫には鬼龍院羅暁のために、神羅纐纈を完成させるという使命がある。
務めを果たすためにも、元の世界に帰らなければならない。
ただし、縫が目指すのはあくまで優勝。
無粋な制限をかけた繭には怒りをぶつけたいが、それ以外の参加者は、利用できるなら利用して、できないなら殺すだけだ。
「だったら、まずはこれを見な」
そう言いながらホル・ホースが渡してきたのは、タブレットPC。
画面にはメールの文面が表示されていた。
「そのメールを見れば分かるだろーが、俺は三好夏凜と繋がりがある」
「ふ〜ん。で?それが何だっていうの?」
ホル・ホースが三好某と関係があろうがなかろうが、些細なことだ。
しかし、その次に出てきた言葉で、縫の意識は転換する。
「この島から、殺し合いから、脱出できるかもしれねぇ」
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