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仮投下スレ

691 ◆X8NDX.mgrA:2016/04/21(木) 21:32:32 ID:f4EOfDks0


 場面は再びホル・ホースに転換する。

「さぁーて、次はどうするかね……とと、そうだそうだ」

 赤カードを四回使い、ハンバーガーを食べに食べたガンマンは、腹を撫でてから呟いた。
 特に健啖家なわけでもないのに、食べる勢いと量は普段の倍以上だったことから、空腹の度合いが分かるだろう。
 そんなホル・ホースも、ようやく自分がするべきことを思い出した。

「あぶねぇあぶねぇ。忘れるところだったぜ」

 ホル・ホースはアザゼルから渡されたタブレットPCを取り出した。
 小湊るう子か紅林遊月、あるいは浦添伊緒奈のうち、どれか一人でも発見したら連絡を入れろと言われていたそれ。
 近代人ではないホル・ホースは、今の今まで存在を忘れていた。
 セルティに教わった操作を反復して、どうにかメールの画面を出す。

『夏凛さんたちがそっちに行きます。合流したら、詳しい話を聞いてください』

 出てきたのは、こんな内容のメールだった。
 内容はごくごく自然な連絡。しかし、見た瞬間にホル・ホースは首を傾げた。

「ん……?このメール、誰からだぁ?」

 メールの文面は、ですます調の敬語が使用されている。
 放送局で別れた三人の内、誰がこのような文章を書くか。
 アザゼルは敬語を使う性格ではない。
 セルティは敬語も使いそうだが、今までホル・ホースに対しては使用していない。
 残るは夏凜だが、本人が書いた文章にしては違和感がある。

「するってーと、誰かが放送局に来たってことか」

 となれば考えられるのは、第三者による文章である。
 ホル・ホースたちが別れた後で、何者かが放送局を訪れ、アザゼルたちに協力することになった。
 このメールは、その何者かが送ったものだと考えれば辻褄は合う。

「……ふむ、合流するときたか。
 だったら動かないのも手だけどよ……こっちから向かうのもアリだよなぁ」

 ホル・ホースは考える。
 本来なら今頃は、ラビットハウスへ向かっているはずだった。
 しかし、襲撃され同行者は死亡。この状態で、単騎で進むのでは心もとない。
 夏凜たちが来るまで待つのもいいが、こちらからも放送局方面に向かい、合流して話を聞いてから次の目標を定める方が安全だ。
 誰かと組んで真価を発揮するホル・ホースだからこその臆病さである。

 そうしてホル・ホースは、近くのメルセデス・ベンツを見やった。
 近づいて確認すると、フロントガラスは割れているものの、それ以外の場所、エンジンなどに損傷はないようだ。
 少し寒くなるが、ドライブも可能だろう。


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