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仮投下スレ
650
:
EXiSTENCE
◆45MxoM2216
:2016/03/21(月) 02:04:25 ID:3vBKHcMg0
「ファバロ!」
急に耳元で響いた声にハッと我に帰る。
何故か自分のすぐそばに遊○王みたいなカードが置いてあり、その中で緑子がファバロの名を叫んでいる。
(そもそも、あのハナ○ソ頭はさっきから突っ立って何をやってるアル……え?)
突っ立ったまま動こうとしないファバロに痺れを切らして首を伸ばしてファバロの方を覗き込んだ神楽は、絶句する。
夜兎である自分すらも霞む程異常なまでに青白い肌をした少女が、短剣をファバロに突き刺していた。
ドクン、と心臓が波打ち、血が滾る。
「やめろ……」
ファバロは動かない。
ただ、少女にされるがままになっている。
何をやってるのだと緑子が叫ぶも、ファバロはまるで動かない。
「やめろ……!」
神楽は動けない。
白い女にやられた傷のせいだ。
何をやってるのだと自問するも、身体はまるで動かない。
『どいつもこいつも、やれ意地だ、救いだと。
地獄でやってろ』
『人を傷つけたくない、人を殺したくない、大層立派な考えだ。
このぬるま湯地球ではな』
「やめろぉおおおおおおおおおおおおお!!」
グシャリ、という嫌な音がした。
リタが折れたカイザルの剣でファバロを突き刺した音……ではない。
気絶していた少女が突如起き上がり、リタを殴り飛ばした音だ。
その人ならざる腕力によってありえない程吹き飛ばされたリタは、何が起こったのか理解できなかった。
それはそうだろう。
重傷を負っていた少女が急に起き上がるなど予想できるはずもない。
起き上がった少女が常識外れの腕力を発揮してくるなど予想できるはずもない。
(一体……何が……)
なんとか状況を把握するため起き上がろうとするも―――
次の瞬間、肩を踏みつぶされた。
思わず悲鳴をあげるリタだが、目の前の獣は止まらない。
執拗なまでに何度も何度も、リタの肩を、足を、腕を、腹を踏みつけ続ける。
(見誤ったわね……!ファバロは後回しにして、どうにかして先にこのお子様に対処しておくべきだったわ)
どうせ気絶しているから計算に入れる必要もないと侮っていた少女は、手負いの獣だった。
情け容赦ない、夜の兎が解き放たれた。
こうなっては四の五の言っていられない。
虎の子のアスティオンを使おうと黒カードを取り出そうとして―――腕を蹴り飛ばされた。
嫌な音を立てながら千切れた右腕があらぬ方向へと飛んでいく。
左腕は先ほどのファバロとの戦闘で使い物にならなくなった。
両腕を失い、目の前には獣……いや、化け物がそびえ立つ。
ああ、自分は死ぬんだな、と他人事のように思う。
カイザルの魂を救うこともできずに、ただ無為に死ぬ。
結局、外道は何をしても失敗するようだ。
そう、自分はただの外道だ。
ネクロマンサーとして、ゾンビとして、人殺しに乗った危険人物として。
真っ当な人間というには、余りにも道を踏み外しすぎた。
それでも、ネクロマンサーとしての、ゾンビとしての、危険人物としての生き方は―――全部ひっくるめて自分の性。
(腕輪ごと腕が飛ばされたから捕まらない……なんてお気楽なことにはならないわよね)
これから殺されるというのに、妙に晴れやかな気分だ。
誰も手にかけないうちに死ねるのは、それはそれで悪くないようにも思う。
カイザルの魂を救えずに死ぬのは心残りだが、逆に言えばそれぐらいしか無念はない。
自分は長く生きすぎた。
そろそろ年貢の納め時だろう。
(カイザル、魂が囚われた先で―――私はあんたに呼びかけ続けるわ。
向こうで喋れるかは分からないし、喋れても届かないかもしれない。
それでも、ずっとずっと、呼びかけ続けるわ。
だから、もし私の声が聞こえたら―――ちゃんと返事してよね)
化け物の足が振り上げられる。
狙いはリタの首だ。
(向こうに行ったら、ちょっと今までとは違う私になってるかもね。だって―――)
足で首を撥ねられた。
死ぬのは二度目だが、どうにも慣れないものだ。
(死んだらもう、私はゾンビじゃないから)
【リタ@神撃のバハムートGENESIS 死亡】
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