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仮投下スレ

594第二回放送 -その老人は黒幕- ◆DbK4jNFgR6:2016/03/02(水) 17:12:54 ID:4lDIj7gE0
◆◆◆


放送を終えた繭は背後に控える協力者に向き直り言葉をかけた。

「それで、聞きたいことは分かっているわよね」

協力者は男であった。整った顔立ちに真紅のスーツを見事なまでに着こなした中年男性はオルゴールを片手に握っている。

「さて、まずは怒りを静めてもらえないかな。君に怒った顔は似合わない」

猫なで声で繭を宥めながら男性は繭にチョコレートを差し出した。
繭はそれを乱暴に受け取ると、ビニールを破って中身を取り出し口に運び、もきゅもきゅと租借する。

「君が何を言いたいのかは理解しているとも。タマヨリヒメが何故、参加者の支給品に紛れ込んでいるかだろう」

男性は、まるで舞台役者のような素振りで両手を翳しながら、繭の疑問を言い当てる。

「そうよ、私の質問に答えてくれるわよね……ヒース・オスロ」

その男はヒース・オスロと名乗る人物だった。

「非常に申し上げにくいのだが、あれは私の手違いだ。君には大変申し訳ないと思っている」

全く焦った様子もなく、オスロは淡々と告げた。

「ッ! 手違いで済む話ではッ!」
「落ち着くんだ、繭。腕輪がある限り奴らは我々に反抗できない。それに例の保険もあるだろう」

子供に言聞かせるような調子でオスロ。

「それは、そうだけれど」
「タマヨリヒメを誤って支給品に紛れ込ませてしまったことは改めて謝罪する。すまなかった」
「……もう、いいわ」

言いながら手のひらを差し出す繭。その意を汲み取ってオスロは再びチョコレートを手渡す。

「一つじゃ足りないわ」

更に三つほど受け取ってから、繭は満足げに頷き、その場を後にした。


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