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仮投下スレ

499和を以て尊しと為す(下) ◆3LWjgcR03U:2015/11/15(日) 21:35:38 ID:UtG9Nc7s0
7人もの参加者が集ったラビットハウス。
そのうち3人の男と1人の少女が去り、2人の少女と1人の青年がここに残っていた。

「……」

青年――風見雄二は、しかしシックな店内に似合わない、難しい顔をしていた。
その頭を悩ませるのは、先ほどの会合の中にいた1人の男の存在だった。

(衛宮……切嗣)

あの中では最も年長に見え、そして最も言葉少なだった黒いコートの男。
雄二はラビットハウスの会合の前に彼に会っている。
そして。

『(衛宮切嗣――この男が平和島静雄に罪を着せた……?)』

僅かな、疑惑を抱いた。
その彼と、空条承太郎を共に行かせても良かったのだろうか。
さらに――放送の男、「ジル・ド・レェ」の存在。

(あれが本物の青髭――ジル・ド・レェだとしても、誇大妄想狂の類だとしても。あの声は、いったい――)

気のせいなどではない。
思い返せば思い返すほど、似ている。
自分を殺人マシーンに仕立て上げたあの男、ヒース・オスロに。

「大丈夫ですか」

思いに沈んでいた雄二を現実に引き戻したのは、この喫茶店のマスターの娘だという少女――香風智乃。

「何だか怖い顔をしてらしたので……。よかったら、リゼさんみたいに休みますか」

そういって、テーブルに突っ伏して寝入るもう1人の少女……天々座理世の姿を見やる。
不慣れな状況で、精神的な疲れが限界だったのだろう。
会合が終わった後ほどなくして、こうして眠りに落ちてしまったのだ。

「……俺は、そんなに怖い顔をしていたか」

「い、いえそんな! ただ少し元気がなさそうに見えたので、その」

(……まずいな、失態だ)

護衛対象に余計な心配をかけさせるなど、あってはならないことだ。
思わぬ事態の連続で、集中力が乱れている。

「……承太郎さん、心配です」

会話が途切れてしばらくして、チノが口を開いた。

「実は承太郎さん、言っていたんです。……衛宮さんは怪しいかもしれない、帰ってきたら問い詰めるって」

「何……!」

雄二の身体に少なくない衝撃が走る。
自分が衛宮切嗣に抱いた疑念。承太郎は、その疑念をさらにはっきりした形で持っていたということだ。

「じゃあ、2人で向かったのは――問い詰めにかかろうとしたということか」

チノが小さく頷く。

(どうする……今からでも追うか?)


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