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鏡の世界の迷子の旅路 無断転載

371名無しさん:2018/02/24(土) 22:06:44
「そういえば私も恭ちゃんも当然の様に同席してるけど、外した方が良かった?
 何をする予定か知らないけど、今、する事無いから私も交ぜて貰えると嬉しいんだけど」
「晩ご飯まで一緒に遊ぼうと思って集まったんだけど、まだ何するかは決めてないんだ。
 このままお話してても良いし、ゲームしても良いし。
 誰か、何かやりたいことある?」

 なのはが一同に意向を尋ねるが、知り合って間もない高町兄妹が含まれているせいか、フェイト達に意見を出す様子がない。
 フェイトはもともと人見知りの傾向があるし、恭也に口を開く様子は無く、はやては現在自分の事で手一杯なのであまり期待は出来そうにないのだ。
 美由希もそれを察した様で、交ざりたいと言い出した手前、と言うよりは、知りたくてウズウズしていた事を訪ねてきた。

「じゃあさ、魔法のお話とか聞いても言い?」
「また?お姉ちゃん、最近その話ばっかりだよ?」
「うぅ、だって本の中にしか存在しないと思ってた魔法が実在したんだよ?知りたくなるじゃん!
 最近、ユーノも家にいないし、なのははあんまり知らないし、こんなチャンスあんまり無いんだから」
「ユーノ君みたいに答えるなんて無理だよぉ」
「ユーノ、居ないの?
 あ、無限書庫か。エイミィが報告書のデータがスムーズに手に入るから助かってるって言ってたっけ」
「うん。
 朝、会ったときにお仕事頑張ってるって言ってたよ。
 はやてちゃんも魔法は最近使えるようになったばっかりだから、今、お姉ちゃんの質問に答えられるのはフェイトちゃんだけかな?
 あ、はやてちゃんはリインフォースさんの知識も受け継いでるんだっけ?」
「まあ、経験や実感の伴わん上辺だけの知識になってまうけどな。
 美由希さんは読書されはるんですか?」
「えっと、それなりに」
「図書館のヌシって呼ばれてるんだって」
「なのは!?」
「ヌシとは凄いですね。
 私も市の図書館には結構通ってたんやけど、美由希さん位の年の人は勉強ばっかで本を読んでる人は見かけませんでしたわ。
 同年代の子はすずかちゃんくらいやったし」

 復活したはやてが本という単語に反応した。
 遊びたい盛りの年齢のため同年代の図書館利用者は少ない。
 だからこそ、すずかの存在が浮き彫りとなり交友を結べたと言えるため悪い事ばかりではない訳だが、やはり共通の趣味を持つ人物は多い方がはやてとしても嬉しいのだ。

「あ、はやての姿は何度か見かけたよ?」
「え、そうなんですか?」
「なんとなく眺めてたら、赤味がかった髪の凛々しいおねーさんに睨まれちゃった」
「あー、シグナムの事やろな。
 すいませんでした。少し前までいろいろありまして敏感になっとったんですよ」
「ああ、大丈夫だよ。気にしてないから。
 それに多分、私が剣術を習ってるから警戒されたんだと思うし」
「美由希さんも習ってはるんでしたね。全然ごつい印象が無いから忘れてました」
「あはは、ありがと。
 でも、服で隠れてるだけで、結構ごつごつしてるんだよ?」
「そうなんですか?
 でも、その、凄くスタイルもええらしいし…」
「え、スタイル?
 そ、そんな事無い、…え゛!?」

 謙遜しようとした美由希がはやての言葉の根拠に思い至りぎこちなく恭也へと顔を向けると、ワザとらしく視線を逸らされてしまった。
 それを見て、胸を鷲掴みにされた事実がその感触ごと蘇り、美由希は一気に首筋まで紅く染めた。
 美由希の失態から危うくクリスマス会を潰しかねない大惨事になるところを助けて貰ったのだし、故意ではなかった事も考慮すれば感謝こそすれ責める要素は何処にもない。
 勿論、美由希もそれは承知しているし、実際に感謝の念はあるのだが、だからといって恥ずかしくなくなる訳ではない。
 羞恥に沈黙した妹に変わって、今度は兄が口を開いた。

「戦闘態勢にない美由希の力量に気付いたということは、そのシグナムさんは魔法使いじゃないのかな?」
「え?シグナムも魔法は使いますよ?」
「そうなのかい?」
「なんかおかしんですか?」
「いや、そういう訳ではないんだ。
 ただ、立ち居振る舞いから武術家としての実力を読みとる洞察力は、同じく武術家としての経験を重ねないと身に付かないものなんだよ。
 だから、なのはは勿論だけど、フェイトちゃんも普段の美由希から剣士としての技量は読みとれないだろう?」
「あ、はい…」
「ああ、別にだからといって『剣士より魔法使いの方が劣ってる』なんて言うつもりはないんだ。
 単に、専門分野の違いでしかないからね。
 ただ、魔法使いとしての能力の高さとは別問題だって言いたかっただけだよ。
 ひょっとして、シグナムさんは武術の実力も高いのかな?」
「はい!
 剣の形をした『魔法の杖』を持っとって、魔法使いであり剣士でもある『騎士』、それがシグナムです!」


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