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鏡の世界の迷子の旅路 無断転載

359名無しさん:2018/02/24(土) 21:15:40
 食卓に付いている女性陣は食事を再開した直後こそ話もせずに食べる事に専念していたが、誰からともなくアイコンタクトを始めた。
 別に会話を禁じられた訳ではないので気兼ねする必要はないのだが、恭也の様子を盗み見る様に伺っているためなんとなく後ろめたい気持ちが高まってしまう。
 そして、彼女たちには本人を目の前にして内緒話をするためのスキルが備わっていた。

<恭也さん、なんか雰囲気違わん?>
<そうですね、ちょっと緊張してるように見えますね>
<そうか?私には決意を固めた顔に見えるが>
<そうだね。どちらなのかは特定出来ないけどそんな雰囲気だ>
<はやて、恭也の用事って何か聞いてないの?>
<うん、話したい事があるとしか聞いとれへんな。
 フェイトちゃんは知らん?>
<…確か、何か返したい物があるって言ってたと思う>
<返す…?何か恭也さんに貸しとったっけ?>
<さあ…。あれ、でも『返したい物がある』のに『話したい事がある』って変じゃないですか?>
<確かにな。言い間違えにしても妙な間違え方だ>
<どっちにしても聞いてみんことには進まんな>

 そう結論を出したところで全員で合唱する。

『ごちそうさまでした』
「あれ、フェイトちゃん、結局全部食べたんやね」
「うん、いっぱい食べる事にしたから」
「なんかあったの?」
「…美由希さんは7歳の頃からお代わりするようになってたんだって」
「へ…?
 !恭也さんの手に余るほどやったんよね?」
「私の握り拳より大きいって」
「私は出遅れとるやろから頑張らんといかんな…。
 でも、これって下手したら単に太ってしまうんと違う?」
「私も朝食の後で気が付いた。でも、リスクを恐れたら何も得られないと思うんだ」
「…そうやね。
 運動してコントロール出来るかもしれん。努力代があるんやから怖がっとるだけではあかんな」
「がんばろう、はやて!」
「おうとも!」

 少女達が決意を固めている横では、彼女達に敵視されかねない女性が暢気に呟いていた。

「シャマル、主はやて達は何を」
「シッ!
 シグナム、今2人に話しかけちゃダメよ。私もそうでしょうけど、特にあなたは敵視されるわ」
「何を馬鹿な。私が主はやてに敵対するはずがないだろう?」
「良いから、今だけは言う通りになさい!
 忠誠心だけでは解決しない悩みって物もあるのよ!」
「…私に出来ることはないのか?」
「無いわ。
 時間が解決してくれる事を祈るしか、ね。
 成長するか、それが価値の全てではないと悟るか…
 恭也君のフェティシズムがマニアックならそれはそれでいいのかも」
「シャマル…、何の、話だ…?」

 暴走気味な女性陣の中でヴィータだけは一歩離れて背を向けていた。
 ただ、胸に手を当てている辺り、単に『賢明な判断』という訳でもないようだ。心なしか彼女の周囲だけ照明の明かりが届いていないようにも見える。


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