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鏡の世界の迷子の旅路 無断転載

354名無しさん:2018/02/24(土) 20:55:19
「僕は兎も角、フェイトはもう『ごちそうさま』か?
 いくら小柄でもフェイトだって育ち盛りなんだからもっと食べた方がいいんじゃないか?」
「え?でも、私本当にお腹いっぱいだし…」
「まあ、無理強いはしないが、士官学校で初めてエイミィと会った時は今の君とそれほど変わらない体格なのにガツガツと、」「うりゃ!」ッゲシ!「アタッ!」
「クロノ君、女の子に対してそういう話題は問題あると思うよ?」
「だからってグーは無いだろ!?」
「恭也も、もっと食べた方が良いと思う?」
「食べられるならそれに越した事はないだろうな。
 比較しても仕方ないだろうが、美由希は同じくらいの体格だったが鍛錬を始めてからお代わりくらいするようになったからな」
「美由希さん、細身なのに大きかったんだよね…」
「…は?それは何か矛盾してないか?」
「その頃の美由希さんは8歳くらい?」
「に、なる前だな」
「…」

 恭也の答えを聞いたフェイトは自分の身体を見下ろす様に俯くとしばし黙考した。
 そして顔を上げると徐に拳を握って恭也に突きつけた。

「恭也、ちょっと握ってみて」
「…おまえの拳をか?」
「うん。包む感じでお願い」

 訝りながらも恭也が突き出されたフェイトの拳を握ると、掌がすっぽりと拳を覆ってしまった。
 目を見開いて引き寄せた自分の拳をまじまじと見つめるフェイトを翠屋のクリスマスパーティに出席しなかった全員が不思議そうに眺めていた。

「こ、こんなに大きく…。
 恭也、私頑張るね!」
「…何を?食事の話じゃなかったのか?
 …いや、まあ、よくは分からんがほどほどにしておけ。意気込み過ぎだ。
 何事も急には変わらない。積み重ねが大事だ」
「うん!16歳までにはきっと立派になるから!」
「…?
 まあ、目標を持つのは良い事だろう。頑張れ」
「うん!」
「あらあら」

 それだけのやり取りを見ていただけでなんとなく察したリンディが楽しそうに微笑み、その笑みをヒントにエイミィも答えに至り笑みを浮かべて頷く。アルフはフェイトのやる気が伝わっているようで、訳も分からず一緒に燃え上がっている。
 クロノもフェイトの言っている言葉の意味が判らなかったが、2人の様子に口を挟むべきではないと無難に判断し再び食事に専念していた。

「あ、恭也もお代わりする?」
「…そうだな、もう一杯だけ貰おうか。ついでに頼めるか」
「うん、任せて!」

 フェイトは自分の茶碗を右手に、その倍はありそうな恭也の茶碗を左手に持つとまじまじと見比べる。
 恭也の茶碗は元々クロノ達と同じサイズの物(フェイトの茶碗は一回り小さい)だったのだが、一度の食事で四・五回お代わりを繰り返すため大きい物に買い換えたのだ。
 フェイトは普段から食事の準備を手伝っているのでこの茶碗に装うのも初めてではないのだが、食事量の話題の後だからか、その量に改めて感動にも似た驚きを感じたのだ。

「どうした?」
「あ、なんでもない。
 お待たせ。はい、ご飯」
「ありがとう」
「何かおかずになるもの作ろうか?」
「いや、そこまでは。漬物か何かあれば貰えるか?」
「ちょっと待っててね、冷蔵庫見てくるから」
「済まんな」


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