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鏡の世界の迷子の旅路 無断転載
344
:
小閑者
:2017/12/24(日) 17:55:37
だが、辛うじて保たれていた均衡が一気に崩れた。集中力の問題か、単なる魔力不足か、強度が不足した足場を恭也が踏み抜いてしまったのだ。
何とかバランスを取り戻し、地面に到達する前に再び走り始めた恭也だが、極度の集中力を発揮している彼女達に対してその隙は大き過ぎた。
「チャーンス!
フィールド形成完了!
フェイトちゃん!」
「いつでもいいよ、なのは!」
『N&F 中距離殲滅コンビネーション 空間攻撃ブラストカラミティッ!』
「全力全開!」「疾風迅雷!」
『ブラストシュート!』
轟音が訓練室の隅に避難していたクロノ達の身体を揺さぶる。
なのはの展開したフィールド内を、なのはの魔力を上乗せしたフェイトの斬撃による威力放射が荒れ狂う様を見て、観戦組みの誰かが呆然と呟いた。
「そこまでするの?」
だが、実際にはそれだけではなかった。
「魔力充填完了!
こっちも行くで!
来よ、白銀の風、天より注ぐ矢羽となれ!」
耳に届いた詠唱に、該当する魔法が脳裏に浮かんだシャマルの顔が蒼褪めた。
「フレースヴェルグ!シューート!」
爆圧が訓練室全体を揺るがし、轟音と閃光が広い室内を隅々まで満たす。
耳がイカレるほどの轟音の中、誰にも聞こえない懺悔がクロノとユーノの口から異口同音に零れ落ちた。
「すみませんでした。
少しでも『羨ましい』とか思って、本当に申し訳ありませんでした」
本来であれば殲滅兵器と呼べるほどの威力を誇る魔法だが、ユーノの広域結界に守られているとはいっても訓練室が原形を保っているからにはかなり威力が絞られているのだろう。
それが手加減なのか単に現在のはやての制御力の限界なのかは不明だが、それでも個人に向けて使用する魔法ではないし、室内で使う魔法でもない。
「あたたたた…
ちょう、強過ぎたやろか?」
バックファイアを打ち消しきれずに地面をごろごろと転がる羽目になったはやては、座り込んだまま周囲を見渡す。そして、少し先で同じ様に尻餅をついていたなのはとフェイトに気付くと、互いに照れ笑いと苦笑いを折半したような顔になる。
流石に3人とも正気を取り戻し、やり過ぎた事に気恥ずかしさを覚えたのだ。
「っと、恭也さんは!?」
我に返ったはやてが声を上げると、タイミング良くクロノの風系統の魔法が一気に砂埃を吹き消した。
だが、見事な更地に変わり果てた訓練場には恭也の姿は見当たらなかった。身を隠すような物陰も無いのに見つからない。
不思議そうに辺りを見渡す当事者達とは対照的に、観戦者一同の背中を冷や汗が滴る。
誰か非殺傷設定にしてなかったんじゃ…?
湧き上がる不安を払拭するために全員で必死に視線を廻らせるが、樹木や岩どころか起伏さえほとんど無くなった訓練室では如何な恭也とて隠れきれる訳が無い。
絶望感さえ漂い始めた一同を救ったのはシャマルだった。
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