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鏡の世界の迷子の旅路 無断転載

21語り(管理人):2015/07/06(月) 22:57:38
「これから私たちはやらなくちゃいけないことがあってはやてちゃんの傍から離れる事が多くなるからよ。
 知っての通りはやてちゃんは足が不自由なの。だからどうしても行動範囲が狭くなってしまう。
 はやてちゃん自身はとてもいい子だけど、接点が無ければ人と触れ合いようがない。身体面以上に精神面が孤独に耐えられない。
 だから支えてくれる存在が必要なの」

 一度言葉を切り、恭也の様子を確認すると無言で肯いて寄越したためそのまま続ける。

「気付いているとは思うけど、念のために言っておくと、その”やらなくちゃいけないこと”は、はやてちゃんには内緒なの。内容は勿論何かをしていること自体」
「話すことは出来ない内容だけど、やらずに済ませることは出来ないこと、ですか」

 念を押す恭也の言葉を首を縦に振ることで肯定してシャマルが話を進める。

「病院の先生から聞いた話では私達が来る前のはやてちゃんはとても静かで感情をほとんど表さないような子だったらしいの。
 今は明るくなった。自惚れかも知れないけれど私達がはやてちゃんの支えになれていると思ってる。だからこそ傍に居られない時間が長くなることは危険だと思うの。
 人間の精神はそれほど強くない。一度希望を抱いてしまえばそれまで耐えていた絶望にすら耐えられなくなるわ、先が見えないなら尚更」
「精神が追い詰められることを危惧する以上、長期的な話でしょう?月単位なのか年単位なのかは知りませんが、俺はその間拘束されることになる。俺の都合を考慮していない理由は何ですか?」


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