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【事件発生】連続放火事件
3
:
飛翔体
:2015/07/13(月) 22:48:07
《突入しました》
現場の数km離れた場所で、一本の煙が上がった。
天高く打ち出されたソレは、やがて白煙のベールを脱ぎ捨てて、アーチを描いて落下を開始する。
目標は、放火現場。G00gle社ご自慢のリアルタイムマップを参考に、犯人の近くを狙ってやってくる。
そいつは人型をしていた。二本の足、二本の腕、頭がひとつ、でっかい背負い物を三つ。
ただそいつは全身を真っ黒な金属で覆っているため、中身が人なのかは判断はしにくい。
打ち上げブースターを切り離し、太股の補助ブースターを展開。逆噴射で着地位置を調整する。
噴射口から魔方陣が発生しているのは、その動力が魔力によって供給されているからだ。
地面が近づく。残念ながら犯人を轢殺するには5mほど右に逸れてしまっている。
そのまま手前10mほどに着地。煌々と燃える家を、地面を抉りながら、火子とすれ違うように滑走していく。
30mほど過ぎてから、何事もなかったかのように立ち上がり、振り向きざまに、そいつは言った。
「ンンー……着地(nice land)!」
同時、左右の背負い物が花開く。
展開されたのは複数のアームとその手に持った武器の数々。
そのうち、ブルバック方式のアサルトライフルが、篭手に包まれた右手左手まで運ばれ、受け取られる。
「ハァロォオ、ジャリガール!」
向けた銃口は2門。素っ頓狂な叫びは男のもの。
ずんぐりとした、曲面の目立つ全身鎧の男だった。生身の肉の部分が見える場所は皆無。全身を黒金で包み、そのふちを赤い文字、呪文式で彩った禍々しい色彩の男。
身長は具足で底上げされた分を含め200cmはあろうか。
フルフェイスの兜に仕込まれたモノアイが光る。
「そして、おやすみの時間だ!」
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