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「エラー」

1名無しさん:2015/04/15(水) 15:56:29
雄臭い匂いが充満する部室にユニフォーム姿の部員達が群がっていた。
俺は、レギュラー部員達に取り囲まれ、汚れたユニフォーム姿のまま、冷たい床に正座させられていた。
『てめぇのエラーのせいで勝てる試合に負けちまったんだぞ!!』
四年生でキャプテンの田中先輩が俺の足をスパイクで蹴りながら、苛立ちをぶち撒けていた。
『・・・スンマセン。』
俺は、一瞬痛みに顔を歪めたが、反論する余地もなく、声を震わせながら、土下座して謝った。
『謝って済む問題じゃねぇっすよ。槙村先輩。』
しかし、土下座した俺に向かって、一年生レギュラーの橋本が吐き捨てる様に口を開いた。
『強豪校で有名な我が校が二回戦で敗退なんて・・・監督やOBはメチャクチャ怒っているんっすよ。』
橋本は、土下座している俺の頭上で、大げさな身振りで話し続けていた。
『ま、ひとまず監督やOBの事は置いとくにしても、槙村には責任を取って貰わないとな!!』
橋本の話を遮る様に俺と同期の佐山が口を開いた。
佐山は、土下座している俺の頭をバットで押し付けると、他のレギュラー部員達と何か話し始めた。
俺は、キャプテンや佐山達が話し合っている間、ひたすら土下座して、今日の試合を反省していた。
野球部に入部してから、三年目、ようやくレギュラーに選ばれた俺は、今日の試合に賭けていた。
しかし、緊張と空回りの気合いのせいで、三振の山を築き、挙げ句の果てに痛恨のエラーをし、チームを敗退させてしまった。
試合に負けた直後、監督やOBは、一言も口を聞かず、球場を出て行った。
そして、大学の部室に戻って来た俺は、部員全員の前で正座させられて、制裁を受ける事になったと言う訳であった。
『槙村、お前の処分が決ったぞ!!』
俺が自分のエラーを嘆いていると、キャプテンの田中先輩が叫んだ。
田中先輩は、土下座している俺のケツを蹴飛ばすと、俺の処分を部員全員に聞こえる様に告げた。
『〇〇大学野球部三年、槙村圭吾は、レギュラー部員から部の最下層奴隷に降格!!槙村は部員全員の命令に絶対服従しろ!!』
俺に下された処分は、予想通り最下層奴隷墜ちと言う厳しい処罰だった。
俺は、この処罰をある程度予測していたが、改めて最下層奴隷になる事を言い渡されると、全身の力が一気に抜けてしまった。
俺が所属している野球部は、県下でも有名な強豪チームで、古くから伝わる運動部の悪しき伝統が今だに続いている部だった。
運動部の悪しき伝統、四年は神様、三年は大臣、二年は平民、一年は奴隷と言うのが運動部における厳しい上下関係であった。
只、俺が所属している野球部は実力主義で、たとえ一年であってもレギュラーになれば神様同様の地位に君臨する事が出来た。
『おら!!槙村!!いつまで奴隷がユニフォームを着てるんだ!!さっさとフルチンになれよ!!』
そして、さっそく最下層奴隷になった俺に対して、一年の橋本が俺を呼び捨てにして命令をしてきた。
『・・・ウッス。・・は、・・・橋本さん。』
俺は、数時間前まで呼び捨てにしていた橋本を、さん付けで呼んで、ゆっくりと立ち上がった。
『早く脱げよ!槙村!!オールヌードだ!!』
俺が羞恥に震えながら、ユニフォームを脱ぎ始めると、佐山が俺のケツをバットで突いて怒鳴った。
佐山とは、一応同期だったが、俺と仲が悪く、以前から喧嘩が絶えなかった。
たぶん佐山は、俺が最下層奴隷に墜ちた事を喜んでいる一人だと思う。
現に佐山は、試合に負けた悔しさ等は微塵も見せずにヘラヘラ笑っていた。
『・・・ウッス。佐山さん。スンマセン。』
俺は、そんな佐山を苦々しく思いながらも、何も言い返せず、汚れたユニフォームを脱いでいた。
『槙村、アンダーやストッキングも全部脱げよ!最下層奴隷には必要ねぇモノだからな!!』
ユニフォームを脱いだ俺に田中先輩が追い打ちを掛ける様に怒鳴った。
『ウッス、キャプテン。・・・ユニフォームをお返しさせて貰うっす。』
俺は、ボクサーパンツ一丁になると、ユニフォームを綺麗にたとんで、ユニフォーム一式をキャプテンに返上した。
ユニフォーム一式を返上した俺は、この時点でレギュラーではなくなった。
『ほら、最後の一枚が残ってんぞ!!槙村!!』
そして、パンツ一丁になった俺に、レギュラー部員達の罵声や怒声が容赦なく浴びせられた。


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