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仮投下スレ

85 ◆M4XZIlxfsw:2015/04/17(金) 20:58:22 ID:zErdc7jM
鼓膜を破らんばかりの両津の大声に、DIOは平静なままの声で冷たく応える。

「申し訳ないが両津巡査長、まだ説明が途中でね……静粛にしてもらいたい」
「なにぃ〜〜!?」

両津が一発ぶん殴るためにDIOに詰め寄ろうとしたその時、DIOのすぐ隣に蟠っていた闇の空間が明かりで照らされた。

「なっ……!」

思わず両津の足が止まる。
新たに照らされたその空間には一脚の椅子と、その上に座らされている幼い少女の姿があった。


「桜ッ!?」

闇の中で、顎鬚をたくわえた身なりのいい紳士が少女の名を叫ぶ。

その声に反応するように少女――遠坂桜――今の名は間桐桜――は俯いていた顔を上げる。
紫の髪に紅いリボン、仕立てのいい紫色のワンピースを纏った少女の愛らしい顔にはしかし
その年頃の子供にある溌剌とした表情も、それどころか人間らしい表情の一つも浮かぶことなく
ただ壊れた人形のような空虚がその瞳の中に映し出されているだけだった。

「貴様ぁ!その子供に何をした!!」
「おい誤解するなよ……この娘は連れてきた時からこうだったんだ」

両津の今までとは比べ物にならない怒りに満ちた怒号にも冷笑を崩さぬまま、DIOは少女の座る椅子の背後へと回る。

「全く困ったものだよ。これでは殺し合いにおいて使い物にならない……
 ――だが、君達が黙って話を聞いてくれるための人質程度にはなるんじゃあないか?」

次の瞬間、DIOの背後に人ともロボットともつかない異形の影が出現した。
その姿と突然の出現に、参加者達が大きくざわめく。

「な、何だそいつは!? お前の仲間か!?」
「これは私のスタンド『ザ・ワールド』
 『スタンド』とは生命の作り出すヴィジョン……まあ、超能力が可視化したものだと思ってくれればいい」
「超能力ゥ〜!? お前日暮の同類か!?」

両津の叫びに応えず、『ザ・ワールド』は拳を手刀の形にすると桜の座っている椅子へと振り下ろした。
まるでバターのように椅子の背もたれの上部分が切り飛ばされて床に転がる。
その手刀がもう少しずれていれば、背もたれごと少女の頭を切断していたことは誰の目にも明らかだった。

「では両津巡査長、そして暗がりの中にいる『正義の味方』の諸君も――
 今しばしお静かに傾聴願えるかね?」

倣岸に笑うDIOを睨みつけながら、両津は闇の中へと後退する。それと同時に暗闇の中からも悔しげな声が漏れ聞こえた。
その間、椅子に座らされた壊れた少女――間桐桜は自分の命が危機に瀕したというのに、身動き一つしなかった。

「……さて、今説明した『スタンド』だが――これは本来同じスタンド能力を持つもの同士にしか視認できない。
 だがこの会場においては全ての参加者がスタンドを目視することが可能になっている。見えないものに襲われて全滅――なんてのは味気ないからな。
 スタンドだけじゃあない。特殊な能力を持ったもの、強力すぎる力を持っているものには、ある程度の『制限』をかけさせてもらったよ。
 ――おい、どうやってかなんてのは聞くなよ。そこは重要な部分じゃあないんだから――
 全ては殺し合いの『公正さ』のためだ。『公正さこそルール』であり『ルールこそパワー』を生み出すんだからな……」

「今から君達『参加者』は殺し合いの『会場』へと送られる。
 送られた先には各々に食料等の活動に必要な基本支給品と『特殊支給品』の入ったデイパックが置かれている。
 『特殊支給品』は殺し合いの上で役に立つもの――武器や特別な性能を持った物品などで一人につき最大三つまで支給されている。
 もっとも、どの支給品がどのデイパックに入っているかは完全にランダムだがね……。役に立たない道具も混ざっているかもしれないが
 まあそれを引き当てたとしても腐らずに頑張ってくれ」

「君達が嵌めている『首輪』に内蔵された発信機で、君達の現在地と生死の如何は常にチェックさせてもらう。
 そして殺し合いの中で発生した『死亡者』は、6時間ごとに行う『定時放送』でその名前を読み上げる。
 パックの中には『参加者名簿』が入っているのでその都度チェックするといい……。
 参加者のうち生存者が『残り二名』になった時点で殺し合いは『終了』。生存者は『会場』より『帰還』できる。
 ――――どうだろう。大体のところはわかってもらえただろうか」


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