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仮投下スレ

29 ◆7CTbqJqxkE:2015/04/11(土) 15:04:53 ID:1o/8S7rE


「長門さーん! なーがーとーさーん! これって一体なんなんですか。特殊な訓練かなにかなんでしょうか?」

 ようやく知り合いに出会えた嬉しさから、吹雪はモニターの長門へ向けて手を振って大声で呼びかけた。

 長門はそんな吹雪を一瞥したが、しかし相手にすることなく口早に言葉を紡ぎ出す。

「参加者諸君はなぜこのような場所に集められたのか。そのことが今最も知りたい事柄だろう。

 単刀直入に言う。諸君は殺し合い――バトル・ロワイアルをするために集められた」

 長門の端的な発言は、この場にいる者のほとんどに衝撃を与えるものであった。
 戦艦の魂を背負う少女も、契約により魔法を扱う少女も、練達の魔術師も、神に選ばれし勇者も、アイドルも。おおよそ正常な思考を持つ者のほとんどはその発言に息を呑んだ。
 そして直後にざわめき。どこからかそんな馬鹿なことに誰が従うんだという声。


 ――しかしこの場に集められているのは、正常な思考を持つ者だけでない。


 人の死を見ることが好きな人間もいる。殺し屋もいる。ただ人が苦しむ様を見たいだけの人間もいる。狂気に憑かれ、死など恐れぬ英霊がいる。
 この場所には、確かに長門の発言を肯定する存在もいた。

 困惑、恐怖、混乱、狂気、狂喜。様々な感情に参加者が囚われている間に長門は早口で言葉を続ける。

「参加者諸君にはこの説明が終わり次第、会場に移動しそこで殺し合いをしてもらうこととなる。
 生きて帰ることが可能な者は一名のみだ。最後の一人になるまで殺しあってもらう。
 ――では、この時点で質問のある参加者はいるか?」

 冗談で言っているようには見えず、吹雪は目の前のモニターの人物が本当にあの長門なのかと疑いたくなった。
 そのことを聞こうかと思って声を出そうとした瞬間、吹雪のすぐ傍にいた熊のような大男が先に長門へ質問を投げかけていた。

「質問があるかないかで言えば、あるとしか言えんのではないか?
 お前さん、いきなり殺しあえと言われて従う馬鹿ばかりいるとでも?」

 赤髪のその男は仮装大会から連れてこられたかのような、古めかしい大層な衣装に身を包んでいた。
 しかし、誰一人としてその服装のことを笑う者や指摘する者はいなかった。
 なぜなら男の放つ圧倒的な存在感が、この場の全員の本能に彼が人間以上のなにかであると明確に訴え、警告していたからだ。


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