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【サイバーパンク】ナイトシティ【近未来】

1名無しさん:2022/10/28(金) 20:06:43
そう遠くない近未来、人体を人工物に置き換えた「サイボーグ」や、
自律思考を行う「アンドロイド」がごく当たり前に存在する都市『ナイトシティ』が舞台のスレです。
基本的にオリキャラのみ、名無しさんは雑談のみとさせていただきます。
ロールをする場合は簡易的にでもプロフィールの作成をお願いします。

※某オープンワールドゲーム及びその元ネタに登場する『ナイトシティ』とは
 同名の完全に別物です、ご容赦ください。

キャラクター、バックストーリー、企業、製品、その他諸々、自由に設定可能です。
皆で好きに世界観を作っていきましょう。

>>980さんが次スレの作成をお願いします。

297猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2022/12/08(木) 22:11:38
>>295
「恵まれた」トイウ言葉の定義にだいぶ疑問を覚える発言アルナ……
メタな事を言わせてもらえば、そこも「人間性の喪失」に依るものッテ事なのかも知れないネ。
トイウカ、貴方の場合ハ生い立ちが生い立ちなだけに、「人間性を正しく育めなかった」ッテ方向にも……
イヤ、このご時世に
「じゃあ正しい人間性ってなんだよ」
ッテ話アルナ……
浅学の身には重たい問題アルヨ……

おコンバンハネ、ジルサン!
その節は失礼したアル、この場はお言葉に甘えさせてもらうヨ。

サテサテ、>>296に横から口を出させてもらうト、こういう
ttps://i.imgur.com/2XMKdX5.jpg
感じのやつアルナ。
……よく見ればわかるアルガ、普通に脚をちょん切って据えられてるアル。
勿論こんな派手なサイバーウェアは負荷も大きいからネ。
パンピーに入れようもんならサイバーサイコまっしぐらヨ。

298ジル ◆0C0nUyV8SU:2022/12/08(木) 22:19:17
>>297
『私というキャラクターのアイデンティティ』
『あるいはロールの肝を的確に捉えてもらえて光栄だね』

『妊娠した女性から出産されて』
『生身として、大多数の人間と同じように』
『食事をして、排泄して、性的な興奮を覚えて』
『セックスをして、他人に暴力を振るう』

『そんな「当たり前の人間」としての生活が』
『0からスタートすると、どうなるのか』
『そこが私の個性の焦点だからね』

(確認して)

『なるほど』
『想像以上に乱暴な施術だね』
『バーカウンターでお酒を飲むのにも苦労しそうだ』
『高級な強化外骨格は日常生活への負担も考えて』
『もう少しスマートなデザインか』
『着脱式になっていそうだね』

299猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2022/12/08(木) 22:36:39
>>298
倫理的観点から言えバ、「暴力を振るう」は当たり前の人間の生活かは疑問が残るアルガ……
まあ、こんな時代だからネ……

貴方くらいハードな生い立ちダト、普通を取り戻すのも一苦労アルナ……
ワタシはだいぶ恵まれてるヨ、感謝感謝ネ。

イヤー、それがネ。
画像のヤツが、その「高級な強化外骨格」の可能性が高いヨ。
なにせ、作中の警察機関『NCPD』の特殊部隊に配属予定の機体だからネ。
どっちかってイウト、施術の方で対応すんじゃないアルカ?
接続部を取り外しやすいアタッチメントにするトカ。
この人、実はブラック企業に無理矢理サルベージ品をインストールされた一般の作業員アル。
この雑な施術もブラック企業仕様ッテ可能性は高いヨ。
……最近ほうぼうで評判いいアニメ、「サイバーパンク・エッジランナーズ」デモとある強化外骨格が出てくるアルガ。
それも色々あるとはいえ、日常生活トカガン無視仕様ダカラネ。
この時代、軍用品の中では人間の体が一番安い部品なのかも知れないアルナ……

300ジル ◆0C0nUyV8SU:2022/12/08(木) 22:48:05
>>299
『私も、物理的ではないけれど』
『立場的な、あるいは精神的な暴力』
『それらを振るわれる経験は長かったからね』
『身近なものである感覚は、身についてしまったね』

『でも、そこに疑問が差し挟めるか』
『「なるべく不要」だと思いたい倫理観こそが』
『【人間性】じゃないかな』

『なるほどね』
『……ちょっと確認になるのだけれど』
『ここのナイトシティは』
『サイバーパンクシリーズとはある程度』
『離れていても問題はない、認識で間違いはないかな』

『私が実例としている以上』
『企業の中では「人間と全く変わらない」』
『あるいはアイアンマンシリーズのような』
『スマートにデザインされた強化外骨格や義体も』
『市場ではそれなりに見られて欲しいな、と思ってね』

301猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2022/12/08(木) 23:00:43
>>300
……割と普通に物理オンリーだという認識だたアル……
これも人間性の喪失ゆえアルカ……?

そうネ、そこに疑問を持てなくなったらサイバーサイコまっしぐら、坂道を転がり落ちるだけアル。
気をつけたいアルナ。

>ナイトシティとは別物
……アッ。
そ、そうネ、トイウカワタシが>>1に※で書いてたアルナ。
「某ナイトシティとは別物」ッテ。
ゲームが好きだからウッカリ混同しちゃうヨ、危ない危ない……
そうネ、サクラサンみたいなセクサロイドも一般的ッテ事になってるし、そういう製品は全然問題ないヨ。
ワタシ自身は使わないケド、パワードスーツとかワタシも大好物ヨ、出せないってなったら悲しいからネ!

302ジル ◆0C0nUyV8SU:2022/12/08(木) 23:08:21
>>301
『環境の違いじゃないかな』

『私はコーポレイトの備品だったから』
『パワハラやモラハラ』
『あるいは今では違法になる薬物の検体』
『セクサロイドのデータ取得用の性交実験』
『……まあ、色々経験しているからね』

『一般的な人間の感覚から切り離された』
『生存特化の義体に換装しているのも』
『そこからなるべく距離を置こうとしているのが理由なんだ』

『薬物で神経をブーストさせて』
『性交用に特化した神経回路の義体に載ると』
『確かにセックスは気持ちよく感じるけど』
『ひどく「疲れる」んだ』
『心のどこかがね』

『そういうのもれっきとした「暴力」だという環境で育ってきたから』


『ありがとう』
『ちょっと好みのラインからは外れていたから』
『とても助かるよ』

303猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2022/12/08(木) 23:22:50
>>302
……『経験が豊富』と言えば聞こえはいいアルガ……
何というカ、人の暗部というカ……
失礼ナガラ、逆説的に我が身の幸せ噛み締めちゃうアルナ……
ダイジョウブ? 一緒にコーポに逆襲スル?

サイバーパンクってジャンル自体が、もはやレトロフューチャーの域にある代物アルカラナ。
その雰囲気を出す為にわざと無骨だったり古臭かったりしたデザインにされてる所もあると思うアルヨ。

……トイウカ、アチラの方のメカデザイン、割とメタ的な意味でのワタシ達とズレてる所アルヨネ。
なんで二足歩行巨大ロボはメックか実写版トランスフォーマーになるアルカ……?
そんなに訳わからんレベルまでパーツ細分化しなくテモ良いノヨ……?

304ジル ◆0C0nUyV8SU:2022/12/08(木) 23:35:36
>>303
『遠慮しておくよ』

『そのコーポレイトの中には』
『そんな境遇の私を』
『この年齢まで生きられるように』
『取り計らってくれた人も一杯いたからね』

『そうでなければ』
『私はとてもではないけれど』
『生きてこられなかったよ』

『私の【人間性】1は』
『私が経験した、かけがえのないヒューマニティ』
『その証左の数値でもあるんだ』


『やさしい人たちも』
『いたんだよ』


『今はもう』
『少なくなってしまったけれどね』
(機械音声でもそれとわかるくらいに)
(優しい、尊い声で)


『なるほどね』
『デザインについては難しいところだけれど』
『好みの違いになるのかな……』
『私は、分割してもユニコーンガンダムくらいまでかな』
『あまり分割すると、どこかでひっかけて部品がとれるんじゃないかと』
『見ていてヒヤヒヤするんだ』

305猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2022/12/08(木) 23:55:44
>>304
……そういう事なら、それでもいいアルが。
まあそもそも、ワタシにはコーポにカチコミ掛けるモチベは無いシネ。
……良かたヨ、悪い話ばかりでもなくてネ。
(今は確かに寒い時代だが)
(そんな中にも、人の善性はまだ生き残っている)
(それは確かに喜ばしい事であると思えて)

トランスフォーマーの方々、ワンアクション毎にどこか壊れてそうでヒヤヒヤするヨ……
かと言ってメックまで工業製品を押し出されるト、流石に萎えるしネ……
ユニコーンはいい塩梅アルナ、というかアレ、元は立体化しないツモリのデザインだったッテ知ってル?
ソレを変形させちゃうんだカラ、バ〇ダイの執念凄いヨネ……

306ジル ◆0C0nUyV8SU:2022/12/09(金) 00:08:23
>>305
『悪い話ばかりだから』
『そこにあるいい話は余計に』
『大切にしなくちゃね』

『おおよそ』
『この街のカラーに似つかわしくない私が』
『この街に住んでいるのも』
『この街で友人が死んだからなんだ』
(大事な友人が死んだ街だから)
(死ぬなら、そこで)
(そんな理由でナイトシティに住んでいる)

『中々、センチメントな理由だと自分でも思うよ』


『逆関節機体はいいんだけれどね』
『そこまでは知らなかったけれど』
『企業努力のなせる業、だね』
『やっぱり技術のある一流企業の情熱はいいね』
『たまに、街中で新製品を見ると』
『現場に戻りたくなるよ』


『さて、夜も更けたことだし』
『私はそろそろ失礼するね』

『今日は話してくれてありがとう』

『それでは、お大事に』

307猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2022/12/09(金) 00:27:39
>>306
オヤマア……
デモ、確かにセンチメンタルじゃあるケド、そういうノモ悪くないアルヨ。
ドンナ時代でも、友達はいいもんアル。
それだけ大切な友達がいたってノハ喜ばしいヨ。
(例えそれが、死に場所を定めるモチベーションであっても)
(その思い出自体が悪いものでないのなら、それでいいのではないか)
(そう思えて)

所詮砲台ダカラッテ、腕も頭も無くすカネ?
ソレならもう脚もキャタピラにシナヨ……
なんの為に歩かせるんダヨ……
美少女プラモではブキヤトカニ負けてる印象ハあるケド、やっぱりロボットはバン〇イが頭一つ抜けてるヨネ。
驚異の技術力ガ次々産まれてくるヨ。
……現場……ッテ貴方、今デモ現役のリパードクデショ……
なんの現場アルカ何の……

オヤ、もうだいぶ遅かったアルナ。
コチラこそネ! お話し出来て楽しかたヨ!
オヤスミナサイネ!

それじゃあ、ワタシもここで失礼するヨ、マタネ!

308猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2022/12/13(火) 18:40:00
マタ一人、伝説になっちまったアルナ……
偉大なシンガーに乾杯アル。
(ショットグラスに紹興酒を満たし、掲げて)

【哀しいニュースが多くてヤンナルネ……】
【暫く出てこれなくてゴメンネ、色々とガチャついててネ】
【今日も21時頃には退散するアルガ、それまでは待機するヨ】

309猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2022/12/13(火) 20:49:45
【チョト早いケド、そろそろ失礼するヨ。マタネ!】

310猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2022/12/17(土) 21:40:23
サテサテ、ソロソロ街中がクリスマスの準備に沸く頃アルナ。
コンナマッポーの世真っ盛りの街でも、流石にクリスマスは行われるアル。
ワタシの店『好吃』でも当然乗っからせてもらうネ!
クリスマス特別メニューとして、杏仁豆腐パフェとフライドチキン、
ソシテ要予約、一組限りの超特別メニュー、天然素材使用の「北京ダック」を用意するヨ!!
四人様コースのメニューで20万クレジットの特別コースアル!
ご家族デ、ご友人デ、仕事仲間デ、特別なクリスマスディナーを楽しまないカネ?
ご予約、お待ちしてるアルヨ!!

【暫く来れてなくてゴメンネ、お久しぶりアル!】
【今夜も待機させてもらうヨ!】

311名無しさん:2022/12/17(土) 23:05:55
20万!高い!

312猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2022/12/17(土) 23:17:07
シャーナイヨ、今時チャンと育てられたアヒルなんて高級食材ネ。
ニッポンでは割と天然食材も食べられるらしいケドネ……
経済大国ハ羨ましいアルナ、ケッ。

マア、ソンナコンナでお高くなっちゃうのは仕方ないヨ、ゴメンネ。

313猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2022/12/18(日) 00:00:22
サテサテ、そろそろ失礼するアルヨ。
また近いうちにお邪魔するアル、そのときはヨロシクネ!

――材料の手回ししとかないとネ……
生きたアヒルは税関通すのも大変ヨ……

314猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2022/12/27(火) 23:37:48
……クリスマス前後は流石に遊んでられないアルナ……
って言ってたらもうニューイヤー時期アル、嬉しい悲鳴と言えばそうアルガ、
ただひたすらに忙しい時期と言えばそうでもアルヨ……
マジでバイトでも雇うカネ、ツーかむしろ今まで一人で切り盛りしてたの頭おかしくないアルカ?
ワタシまだ17歳(自称)の小娘ヨ……もうちょい色んな方向性でチヤホヤされてもいいと思うんだケドネ……

……あ、クリスマスの北京ダック用のアヒルはまだ冷凍されてるヨ。
予約してたこの辺のギャングのボスが、急な出入りでおっ死んでネ……
葬式には行ってきたアルガ、あそこどうなるのかネ……
まあそれはそれとして、北京ダックが浮いてるアル、誰か食べに来ないアルカ?
ちょっと勉強するカラ誰かおいでヨー。

今日は悪いケドこれだけアル、マタ来るヨー!

315猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2023/01/01(日) 00:10:56
A HAPPY NEW YEARーー!!
どれだけクソッタレな街であろうと、めでたい新年アルヨーー!!

……ま、ワタシは新年パーティーで浮かれる街を尻目にもう寝るアル、明日も朝早いからネ。
『好吃』は年中変わらず、朝開いて夜閉まるヨ。
皆も新年だからってあんまり浮かれちゃ駄目ヨ、財布も命も落としたら帰ってこないのがこの街ダカラネ。

それじゃ、皆サン良いお年を。
お腹が空いたらウチに食べにおいでヨ。
ごちそう続きで胃がもたれてる時でもイイヨ。
梅がゆでお腹を休めるのもたまには良いからネ。

316ユーキ ◆UsqbWTNcfI:2023/01/01(日) 21:40:00
あれ? 中華文化圏って正月はまだ先じゃ……
(ユーキは訝しんだ)

【待機してます……】

317ユーキ ◆UsqbWTNcfI:2023/01/01(日) 23:34:33
【帰ります〜……】

318ジル ◆0C0nUyV8SU:2023/01/06(金) 21:54:05
『少し日は過ぎてしまったけれど』
『あけましておめでとう』
『今年もよろしくお願いするよ』

『クリスマスから少し長めに休暇をとってしまったな』
『来週から仕事始めなので、忙しくなりそうだ』

『久しぶりなので待機させてもらおう』
『プロフィールは>>12になるよ』

319ジル ◆0C0nUyV8SU:2023/01/06(金) 21:59:38
>>314
『HappyNewYear』
『今年もどうぞご贔屓に』

『北京ダックの話を拾うのも面白そうかな、と思ってね』
『私が飲食可能な義体に換装した際に予約を入れて』
『貸切状態でごちそうになるロールも楽しそうだ』
『よければ検討してくれるかな』

320猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2023/01/06(金) 22:20:47
>>316
そりゃそうなんだけどネ。
この街はチュウゴクのカレンダーで動いてるわけじゃないカラネ。
お祭り騒ぎで騒いでレバ多少は乗るアルヨ。

ま、当然春節ニハちょっと盛大にヤルヨ。
そんなに先でも無いしネ。

出てこれなくてゴメンネ、その夜はしっかり寝てたヨ……

>>318
オメデトさんネ!
……余裕のある個人事業主は結構アルナ……
このブルジョワジーメ、人民の敵ヨー!!(共産主義感)

……ッテのは流石に冗談アル、改めて、ハッピーニューイヤーネ!

おうおう、拾ってもらえるなら是非お願いしたい所アルナ!
冷凍してるって言っても長時間置いとけばだんだん劣化してくるヨ、美味しいウチに食べてあげなきゃネ!
……お一人様で大丈夫アルカ?
アヒルってソコソコデカいアルヨ?

321ジル ◆0C0nUyV8SU:2023/01/06(金) 22:31:53
>>320
『やあ』

『おかげで研究が捗ったよ』
『久しぶりに一週間、研究室に籠もれたから』
『研究室からシンポジウムに出られる』
『現代のインフラに感謝しないといけないね』
(研究者とは時間があれば研究をしている生き物である)

『それなら』
『年が明ける前にいただいたことにしようかな』

『身の部分と』
『私が食べきれなかった分については』
『テイクアウトでお願いしようかな』
『私も外を出歩く際は護衛を雇っているだろうから』
『護衛の皆へのお土産にするよ』

322猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2023/01/06(金) 22:49:08
>>321
……休……暇……?
自分でイジっといて心配になて来たアルナ、いくらフルボーグだからって休暇全振りでいいアルカ……?
医者の不養生、ッテ言葉知ってル……?
テイウカ、シンポジウムッテ事は、アナタ以外にもこの年末年始にそーいう生活してる研究者が居るアルカ……?
もうチョイ身体を気遣えヨ……

……タイムテーブル的に本来の客の葬式直後とかになりそうアルナ。
運の悪いボスも居たもんアルナ……

ナルホド、そういう奴アルナ。
北京ダックは皮しか食べないとはよく言われるアルガ、残った部分もキチンと料理して有効活用するアルヨ。
お持ち帰りナラ薄餅(パオビン)で巻いた状態ト、お肉は揚げ物にしようカネ。
骨はスープの出汁にしたりするアルガ……
……ポットトカで持って帰るアルカ?

323ジル ◆0C0nUyV8SU:2023/01/06(金) 22:57:11
>>322
『投薬と休息は適切だよ』
『休暇は「好きなことをする時間」だろう?』
『リパードクは仕事』
『研究はライフワークだよ』
(瑕疵と迷いのない、美しい笑顔だったという)

『ああ』
『投薬は既往症への投薬だよ』
『心配には及ばない』

『何度か、食べたことはあるからね』
『骨の方はスープ料理として仕上げてくれればいいさ』
『今の時期だと、昔は冬瓜が入っていたかな』


『さて、それじゃあ』
『そういう段取りでロールにお誘いしてもいいかな?』
『よければ、書き出しはこちらから始めるよ』

324猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2023/01/06(金) 23:07:47
>>323
一瞬『ドーピング!?』トカ思たアルガ、ちゃんとした投薬アルカ……
(良かった、と言っていいのだろうか)
(あとそれ、「新薬の実験してるわけじゃないよ」の意味……?)
(とは、怖くて聞けなかった)

――アー、イヤ、確かにワタシも『好吃』と並行して銃触てるカラ、余り偉そうなこと言えないアルナ……
デモ休暇はマジ取りなさいヨ……?
好きなことはしても良いケド、身体……イヤ、アナタの場合は脳アルナ、脳も休めなきゃ駄目ヨ?

お、流石はブルジョワジーアルナ。
どこぞの一流店デモ行ったアルカ?
冬瓜……冬瓜アルカ……(遠い目)

おお、相変わらず話が早いアルナ。
OKヨ、それじゃあお言葉に甘えるネ!

325ジル ◆0C0nUyV8SU:2023/01/06(金) 23:21:50
(年の瀬の[ニューカブキ]は一種、独特な賑わいに包まれている)
(ジャパンタウンが年末年始に向けての商品を売り出し)
(新年を迎える準備に入るかと思えば)
(チャイナタウンはその年末商戦に乗りつつも)
(旧正月の祝い事や飾り付けについては見送っている)

(クリスマスのイルミネーションが外される横で)
(和風の飾り付けが慌ただしく行われている光景は)
([ベガス]や[シティ・センター]からすれば)
(いつまで経っても奇妙に映ることだろう)

(この街は、暮らしている住人たちが過ごすカレンダーが違う)
(そして、その雑多で猥雑な混交こそがこの醍醐味だという旅行者もいる)


(そんな、新年を間近に控えたニューカブキ]の一角)
(中華飯店『好吃(Yam-Yam)』は本日、貸切となっていた)
(予約客の名はジル・エトラムル)
([シティ・センター]でサイバーアームのリパードクを営む彼女は)
(久方ぶりに「外食」の為に、その日、その店を訪れていた)


『今日はよろしくお願いするよ』
(貸切の店内に客は彼女一人)
(静かに影のように佇む護衛は)
(予め、飲食不要の旨を店主に告げてある)

(雇い主であるジルが外出中)
(飲食中の為の護衛であるからだ)
(寡黙な、刀のような護衛は)
(店主に一礼し、来店への土産としてジルから預かった)
(天然物の紹興酒、「古越龍山」を手渡すと)
(後はひっそりとジルの傍らのテーブルに)
(一本のブレードを携えたまま、控えていた)

(ジルもそれに手慣れた様子で)
(居心地の悪さを感じた様子もない)
(護衛される側として慣れていることを感じさせた)

(もっとも、その護衛に役得がないわけではない)
(来店時には運良く、口に入ることが決定した)
(北京ダックの一人コースが予約されており)
(ジル一人では食べきれない量であることから)
(ダックの身や余った料理が護衛へのテイクアウトとして)
(手渡されるところまでが店主と相談済であった)

(ジルの容姿や立ち振舞いには)
(以前のクリニックよりも柔らかさがある)
(大きな変化はないが、コートを脱ぎ)
(ノースリーブのシャツ姿を露わにすれば)
(その義体が生体部品で作られた)
(言わば、「生の肉体の義体」であることが見て取れるだろう)

(大学や医療機関での研修、研究で使われる)
(生体義体の最新モデルであった)


【『肝に銘じておくよ』】
【『さて、それじゃあ書き出しはこうかな』】
【『護衛については以降、背景と思ってくれていい』】

【『特にこちらのリミットはないので』】
【『そちらのリミットまでお付き合いするよ』】

326猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2023/01/06(金) 23:57:58
>>325
(普段は一般客もよく訪れる、いわば大衆店である『好吃』の店内には、今日は一人の客も居らず)
(たった今来たばかりの少女一人だけを迎え入れるため、貸し切りになっていた)
(店主の姑娘もいつもの裾の短いミニチャイナではなく、同じく真っ赤ではあるが、金糸銀糸で豪奢な刺繍を入れた、より上等なものを身に纏っている)
(今日は特別、たった一人のためのコースが供されるのだ)

アイアイ♪ 良くいらっしゃいましタ♪
(以前に見たときとは違う、肉感を備えた肌を持った彼女は、護衛の男一人だけを連れてやってきた)
(その一行を、普段の口調よりも僅かに――そう、気持ちだけ僅かに畏まり、迎え入れる)
(外は寒く、入り口のドアを閉じると、護衛の男から渡される酒瓶……)

(「ぎゃあ!」と心のなかで叫び声を上げる)
(手土産として手渡されたそれは、今では見ることも珍しい天然物、本物の紹興酒)
(当然、合成の安酒としての紹興酒ならば『好吃』にも置いているが、これは別格だ)
(更に何年ものか、何ていうのは、今確認したら精神に支障を来しそうな気がしたので、見るのを必死で我慢した)
(大事に抱え、テーブルに付いたジルにニッコリと一礼し、一度厨房に引っ込んで)
(安定したテーブルに酒瓶をそっと安置すると、さて、と気合を入れ直す)
(釜の中でじっくりと火を入れられているアヒルを確認し、まずは前菜から)
(すでに用意されていたそれを手にとって)

お待たせしましタ♪
まずは前菜から、ご用意させて頂いたネ。
コチラ、『生春巻き』と『アヒルの舌の醤油とスパイス煮』ヨ♪

(ガラス器に盛られた2つの料理を、そっとジルの前に差し出した)
(野菜と肉のカラフルな生春巻きと、見方によっては少々グロテスクなアヒルの舌)
(どちらも味付けは軽め、メインディッシュへの橋渡し役である)

(――と、皿を置く際に改めて、ジルの姿を確認する)
(今日は『食べられる身体』で来るとは聞いていたが……こう見てみれば、一見して生身かサイバーウェアか解らない)
(いや、ちゃんと見ればサイバーウェア特有のモールドなども見て取れるが、肌の生々しさ……というか、完全に「生」だ)
(一体幾らするのか、と考えてしまうのは、貧乏性だろうか)

(護衛のことは気にしなくていい、とは言われていたので、ジルに一礼し、厨房に下がる)
(次はメインディッシュ、北京ダックだ……)

【ハイな、ヨロシクね!】

【――とは言ったアルガ、実はあんまり遅くまでは出来なくてネ……】
【だいぶ時間掛けて何ダケド、1時位がリミットアル】
【凍結とか、大丈夫アルカ?】

327ジル ◆0C0nUyV8SU:2023/01/07(土) 00:04:48
>>326
【『先にこちらを返信しようか』】
【『こちらは凍結は問題ないよ』】
【『ただ時間にあまり融通は効かないかな』】

【『凍結解答よりかは置きが好みだけれど』】
【『どうだろうか』】

328猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2023/01/07(土) 00:09:30
>>327
【置きレスも勿論大丈夫ヨ!】
【その為の専用スレだしネ】
【時間が出来たならリアルタイムで再開も当然OKアル】

329ジル ◆0C0nUyV8SU:2023/01/07(土) 00:33:32
>>326
『20年物で申し訳ないけれどね』
『よければ料理にでも』
(厨房に戻る店主へと投げかけられた言葉は)
(社交辞令を含んではいるものの)
(半分程度には本心なのだろう)
(滑らかな合成音声の発音にはからかう色合いはなかった)

(料理を待っている間)
(彼女がすることと言えば)
(白銀の長い髪を後ろに流し)
(口に咥えたヘアゴムで高い位置に括るくらいだった)

(来店前に各種センサーと感圧)
(動作確認の調整は完璧に済ませてある)
(本日の食事にも不安はなかった)

『ありがとう』
『生春巻は、診察の時に動きを診させてもらったね』
『楽しみにしていたんだ』
(こちらに注がれた視線に気づくと)
(『ああ』と、自身の義体に柔らかく触れてみせる)
(診察用のサイバーウェアを積んでないせいか)
(その仕草は柔らかく、人間性に富んでいた)

『見た目より、少食でもないんだ』
『料理はしっかりと堪能させてもらうよ』
(店主の気になっていることはおそらく、別のことだろう)
(その推測はついているが、あえてそこは口にしない)
(基礎研究に携わった為にMITから供与された品ではあるが)
(つまるところ、それは生体義体として最高水準のスペックであることを示している)
(出どころは? 値段は? そこは守秘義務の壁と)
(彼女自身の経歴について回る煩雑な関係から)
(彼女自身を切り離す為、瑕疵のない微笑みと会話で柔らかく遠ざけられる)

(店主の去り際、手を清めた後に箸を手にする音と)

『おっと』
(その一言とともに、箸が置かれ)

『いただきます』
(小さく手を合わせる声が聞こえた)


(細い指先が箸を握り、人工物と接続された未発達の運動神経が)
(完璧なモーションパターンに合わせて稼働し)
(お手本のような美しい箸使いで生春巻きを掴む)
(春巻きを落とすことなく、背筋を伸ばした所作で口に運ぶ)
(野菜と肉につけられたスパイスの下味が)
(柔らかなライスペーパーの噛みごたえと共に)
(舌と口内の人工味蕾へと広がり、唯一自前の神経へと味わいが流れ込む)


『うん』
『美味しいね』
(そう呟く彼女の表情を眺めるのは、彼女の護衛ただ一人だ)
(その当たり前の感想へと彼女自身がたどり着くのに)
(そして、彼女と同じ状態に人類が至るまでにかかった時間)
(注ぎ込まれたコスト、発展までに数多の犠牲が出た技術)

(それを思う彼女の胸中は、余人には伺い知れない)
(ただ、美味な食事を味わうにはあまりにも静かな声は)
(護衛の聴覚センサと空気中へと溶けて消える)

(『しんみりしているだけでは、いけないな』)

(そう思い直したかどうかは杳として知れない)
(ただ、その一言をこぼした後、彼女は心持ち居住まいを正し)
(ただ、黙々と前菜のアヒルの舌を口へと運ぶ)

(茶色く照り輝く、スパイスを練り込まれた前菜の)
(独特な噛みごたえが、人工エナメル質の歯を通じて脳へと伝わってくる)

>>328
【『ありがとう』】
【『それなら、置きでお願いしようかな』】
【『そこまで長いロールにはならないだろうしね』】

330猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2023/01/07(土) 01:16:29
>>329
(いや20年物て)
(確かに世の中には30年物、50年物あるそうだが、それはいわばダイヤのカラット数を数えているようなもので)
(20年物だろうと既に半端な物ではない事に違いはない)
(ここで割りでもしたら半年は仕事の腕が鈍りそうな気がする、精神的ショックで)
(とりあえず落ち着こう、客商売として、客の前に立つなら平常心だ)
(こっそりと深呼吸を繰り返して)

――そうだったアルカ?
あの時は色々作ってみせたカラネ。あんまり厨房の中の仕草を見せる機会は無いカラ、割りとレアな絵ヨ?
(前菜を置き、ジルの言葉に応える)
(あまりべらべらと喋るのは、客に供する料理に唾を飛ばすような物だ、と言っていたのは誰だったか)
(いつもの大衆食堂としての店ならともかく、今はあまり褒められたものではないが、このくらいならいいだろう)

オヤ、可憐なお嬢さんと思てたケド、そうでもなかたカナ?
それは結構ネ、たくさん食べていってネ!
(観察しているのを気付かれたか、しかしこちらが考えていることに気付いても、それを素直に教えられる立場でもあるまい)
(どうせ最新の実験機とか、そういうものに決まっている)
(それならカタログスペックでも迂闊には喋れないだろうし、当たり障りのない会話で場を和ますことに何の不満もない)

(――てことは、あの護衛も相当な手合なんだろうな)
(頼むからどこかのバカが何かを勘違いして殴り込んでくるとか、そういうイベントは無しにしてほしい)
(今日は厳かに、和やかに済ませたいのだ)
(年末の一日くらい穏やかに過ごさせてくれ――と、信じてもいない神に祈る)

(静かな『いただきます』の声を、厨房の扉を閉める直前に聞いて)
(食べるところが見られないのが、今日の唯一の難点だ……)

(そして数分後)
(ジルが前菜を食べ終わり、一息ついた絶妙なタイミングで、厨房のドアからカートを押して戻ってくる)
(大皿にはステンレス製の蓋が被せられ、一緒に薄餅と細切りのキュウリ、そして甜麺醤の乗った皿も載せて)

お待たせしましタ、今日の主役の登場ヨ♪
(かぱり、と蓋を取れば、まだチリチリと油の弾ける北京ダックが現れた)

(まるまる一羽、狐色――とは言うけど、リアルに狐見たこと無いヨネ――に焼けたアヒルは、ストレートに胃に突き刺さるような芳香を漂わせている)
(それをビニールの手袋をつけ、よく手入れした包丁を取り出して)
(ジルの目の前で、手際よく皮を切り取っていく)
(肉は余りつけず、皮だけを味わってもらう広東式)
(――北京ダックなのに広東とはこれ如何に)

(それはともかく)
(切り取った皮を薄餅にキュウリと甜麺醤と一緒に乗せて包み)
(手際よく別の皿に並べていくと、ジルの手元に差し出した)

ハイ、どうぞお召し上がりくださいナ♪
こちらのお肉はまた別の料理にするカラ、一旦下げさせて頂くアル♪
(まだ皮も残ってはいるが、それはお持ち帰り用として用意するため)
(ここで全部やってしまうのは見苦しかろうという判断で)
(一礼し、カートを押して下がり――)

(バッ、とエプロンを付け、猛速で立ち回る)
(皮をそいで持ち帰り用として纏めるのは勿論、骨から肉を削ぎ落として湯に入れ、スープを取り)
(肉は部位ごとに分けて切り、次の料理に使う)
(食べるのに時間は必要だが、待たせてはいけない)
(中華はスピード、その真髄を見せてやる!! ――などと息巻いて)


【デハ――予告していたよりもだいぶ遅くなったアルナ……お待たせしたネ】
【ここで凍結、あとハ置きレスでお願いするヨ】

331ジル ◆0C0nUyV8SU:2023/01/07(土) 01:19:43
>>330
【『了解だ』】
【『こちらは返信をしてしまうので』】
【『先に落ちてくれて問題ないよ』】

【『今日はお相手をありがとう』】
【『そして少しの間、お付き合いをよろしくね』】

332猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2023/01/07(土) 01:25:47
>>331
【了解ネ、それではお言葉に甘えて、お先に失礼するヨ】

【コチラこそネ、ロールを拾ってくれてアリガトネ!】
【アイアイ、お付き合いさせて頂くヨー!】

【ソレじゃあ、オヤスミナサイネ、再見!】

333ジル ◆0C0nUyV8SU:2023/01/07(土) 02:03:05
>>330
(先んじて言ってしまえば)
(その祈りはどうやら届いたらしい)
(その日は荒事もなく、護衛も自慢のブレードを奮う機会はなかった)

(彼女に言わせれば)
(『日頃の行いがいいからね』となるだろうか)


『様々な職業の裏側を覗けるのが』
『私のワークの利点だね』
(リーグで記録を更新し続けるホームラン王)
(あるいは人間国宝の陶芸家)
(一流レストランのシェフ)
(高給取りの傭兵)
(伝説のガンスミス)

(そうした職業のプロフェッショナルたちの「腕の動き」)
(それらを診られるのは職業柄の役得だと微笑む)
(守秘義務で顧客の情報を漏らすことはないが)
(彼女の職業は彼女自身の知的好奇心を満たしてやまない)

(現在は非常に悠々自適なセカンドライフだと言えた)

(少しずつ箸を進めていけば)
(美味美食の快感が、普段使っていない神経を刺激する)
(それは久方ぶりの「人間らしい」食事であり)
(彼女に飲食の楽しさと喜びを思い出させてくれる)

(と、同時に)

(彼女の人生に「本来、なかったもの」)
(「必要とされていなかったもの」への反応を強いてくる)

(食事は楽しい。美食は素晴らしい)
(だが、彼女はそれに対する生理的な反応を)
(「持たなかった期間の方が長い」)

(彼女の神経はそうした行為に対して)
(あまりにも未発達が過ぎた)

(作り手の情熱と技術が感じられる美食への舌鼓を打ちながら)
(彼女は冷静に、負荷を感じる脳内信号をカットして)
(この会食で必要十分であるということを判断する)

(彼女は食事を楽しんで、味わうことを)
(残りの人生の伴とするには、あまりにも)
(心と人生が老いてしまっていた)

(ひとときの贅沢で十分なのだ、食事は)
(だから、フルボーグ用のフードを食べ続けている)
(咀嚼も必要なく、栄養を神経に染み渡らせてくれる)
(ただ静かに自分を活かしてくれるだけのものが)
(彼女にとっての「飲食」だった)


(だが、ここに至ってはそれは野暮というものだ)
(ひとときの贅沢だからこそ)
(それを楽しむべき気構えも理由も彼女は揃えられる)


『ありがとう』
『生春巻きは想像以上だったよ』
『アヒルの舌も絶品だった』
(香ばしく、そしてパリっと美しく焼き上げられたダック)
(その官能的な姿へこぼす微笑みは嘘偽りがない)

(鼻孔、聴覚。視覚)
(そこから得られる情報が、脳に染み渡って)
(以前に味わった美食の記憶を呼び起こしてくれる)

『本土の龍門酒楼だったかな』
『そこで食べたダックを思い出したよ』
『あのときのものもこんな焼色だった』
(本場本土の名店の名前を挙げ)
(「そこと遜色ない一品だ」という感想を)
(それとなく言葉に載せつつ、高く結い上げた髪の頭を)
(組んだ指先の背に載せて、調理が仕上がるのを眺める)

(滑らかな包丁捌きとギリギリまで皮目を切り離す手付き)
(そのサイバーアームの動きと調理師の技術で)
(目を楽しませながら、中華料理をしっかりと五感で楽しむ)

『ありがとう』
『これは……うん』
『こうかな』
(供された皿を前に少し考え、2つほど取皿へと移し)
(1つを箸で口に運んで食べ終えると、納得と共に)
(残りの1つは手で掴み、そのまま口へと運ぶ)

(香ばしく焼き上げられた皮のサクリとした食感)
(脂の旨味と、その旨味の強さを爽やかに受け止める胡瓜の味わい)
(それらを包み込んでまとめあげる甜麺醤の風味)
(食べごたえと喉の通りを滑らかにしてくれる薄餅のアクセント)

(箸で上品に味わうのも素晴らしいが)
(手づかみで味わうと、また別の食感が活きてくる)
(手で味わう方がより「食事」としての重さがある)

(ひとときの贅沢だからこそ)
(より「食事」としての比重を重く感じる方を彼女は好んだ)

『薄餅にもいい材料を使ってるね』
『粉くささがないのは料理人の腕だな』
(口元に微笑みを。口の中からはサクリ、パリ、と)
(小気味好い音をこぼしながら、ゆっくりと、しっかりと)
(普段は使わない歯と口を動かしながら、久方ぶりの食事を味わう)

>>332
【『うん、おやすみ』】
【『こちらこそありがとう』】

【『私が何故、飲食不要の義体にしたか』】
【『それを書き出せるいい機会だった』】
【『今回の食事は、旅行やアウトドアみたいな』】
【『非日常を楽しむ感覚だね』】

【『こちらの返事は以上なので』】
【『返信を楽しみにしているね』】

【『では、私もこれで失礼するね』】
【『それでは、お大事に』】

334猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2023/01/10(火) 01:07:30
>>333
(――ふと、ソレって割と機密情報の塊じゃないのかな?と思うが)
(それが故の護衛ということもあるのだろう)
(あの地価がバカ高いオフィスビル街に店を構えられるのだ、そういう信用も評価されているに違いない)

アイアイ♪ お粗末様でしタ♪
ご満足いただけてたら何よりネ♪
(彼女の中で蠢く葛藤……いや諦観か、それを読み取ることは出来はしない)
(ただ、今この瞬間、彼女が喜んで食事をしてくれる、それだけを願って料理を出す)
(それが料理人というものだ)

アイヤ、そんな一流店デ……
恐縮アルナ、ソレハ……
(この世全ての享楽がここにある、と謳っているナイトシティにも名前が轟く名店と比較されれば)
(それは緊張もするというものだが)
(それはそれとして、作業の手は淀みない)
(丸い皿にくるりと八枚、薄餅で包んだ北京ダックを並べ)
(厨房に下がり)


(そして現在)
(肉はジルに出す分をさらに半分に分けて)
(二品にして出そうと言う計画)
(だが、もう一品……鴨湯(ヤータン)と呼ばれる、骨から取るスープ)
(――正直、これはなんというか、アヒル一羽を使い尽くす、というコンセプトが先走った)
(バグみたいな料理じゃないか?とも思うのだが……)
(骨から出汁を取るんなら、料理の間にってのは無理があるだろう……)

(しかしそこを通す)
(圧力鍋で一気に高圧を掛け、強制的に骨から出汁を絞り出す)
(味付けは最低限、可能な限りシンプルに、塩と限られた調味料だけで)
(具は今の季節なら冬瓜というのが本式なのだろうが、なにせここはナイトシティ)
(冬瓜は入手難度が目ん玉飛び出るほど高い)
(ので、代用品だ――ズッキーニ)
(実は近いようでそこまで近くないのだが、違いを楽しんでいただくということで)

(先程取っておいた肉の半分は唐揚げにして、表面をカリッと、スパイシーに仕上げ)
(鴨湯と一緒に出すことにする)
(スープ用の碗に鴨湯を注ぎ、唐揚げと並べて)
(これならカートを使うまでもない、お盆で運ぶ)

――お待たせしましタ♪
ダックの骨から取ったスープ、鴨湯と、お肉をスパイスたっぷり効かせた唐揚げにしたネ♪
(ジルの前に皿を並べる)
(どちらも量はそう多くなく、軽く食べてしまえる程度)
(この後にボリュームのある品が出てくるよ、と暗に示して)

【――お待たせして大変申し訳無いネ……】
【――鴨湯の扱いに、個人的に苦労してネ……】
【時間かけて丁寧にスープを作る話も有るんだケド、どう考えても鴨一羽で出来るやり方じゃないカラネ……】

335ジル ◆0C0nUyV8SU:2023/01/12(木) 21:24:50
>>334
(加えて言うなら、姑娘も診察・治療・修理前に記載した)
(個人情報取り扱いの守秘同意書は機密保護への双方の意思表示もある)
(彼女は顧客について違法にサイバーアームを装着しているユーザーを弾く為)
(電子書類に実名でサインをしても問題ない患者しか訪れない)


『久しぶりに食事をすると』
『こういう時に、迷うね』
(姑娘が厨房へと下がり、ダックの肉と骨を調理している間)
(香ばしい皮と香味野菜、薄餅を丁寧に噛んで味わう)
(箸で1つ、手づかみで3つ。計4つを食べた後)
(さて、5つ目に取り掛かろうかというところで)
(彼女は手を止めて、しばし考える)

(サイバーアイや脳内に表示される数値については)
(許容量への余裕を示している)
(それはたしかに、小柄な少女の体格からすれば)
(かなりの健啖家と言える許容量ではあった)

(が、それは「限界まで入れられる量」であって)
(満腹中枢への負担を考えた量ではない)
(彼女は膨満感とは無縁の身体ではあるが)
(さりとて、別の形で「満腹」を覚えはするのだ)


『ああ、ありがとう』
『これは迷っていて正解だったかな』
『この後ボリューミーなものが出てくる予定かな?』
(絶品のダックを前に、ペース配分を考えながら迷っていれば)
(次の菜譜がテーブルへと到着する)

(濃厚なアヒルの脂をあっさりとした調味で整えたスープと)
(照り輝く揚げ衣を纏った唐揚げの量に)
(追加の一品を予想し、質問を投げかける)

(8つあるダックのうち、4つで手が止まっている彼女だが)

『とても美味しいダックだったよ』
『美味しく食べられるペースを考えたくなるほどに、ね』
(そこについては、そうフォローを付け加える)
(中華圏の文化に親しいのであれば、皿の残りについて)
(一言は不要かもしれないが、[ニューカブキ]は日系文化も近いためだ)

(ダックを手づかみした手を清めると、レンゲを新たに握る)

(スープ碗へとスッとレンゲを差し込めば)
(表面の脂がとろりとかき回されて蕩ける)
(そのまま口へと運べば、濃厚な味わいを極力抑えた食中の汁物として)
(文句のない味わいが口一杯に、スープの熱さと共に広がる)
(中身の具材を軽く噛んで味わい、冬瓜とは違う酸味と爽やかさに微笑む)

『ズッキーニか』
『いいアレンジだね』
(具材を変えても脂の旨味が損なわれないように整えられている)
(それはひとえに、料理人の腕だろう)
(スープで口の中の味を変えた後は、再び箸へと持ち替え)
(表面でぢうぢうと揚げの熾火を残す唐揚げへと歯を立てる)

(ザクリ)
(香ばしい揚げ物の衣が音を立てて噛み切られ)
(その下のスパイシーなアヒル肉の弾力が口内のセンサーに触れる)
(人工味蕾の上に広がるのは、食欲と胃を刺激してくれる各種スパイスの成分)
(メニュー途中の、さらに次を考えた香辛料の組み立てだった)

(ザクリ)(ザクリ)
(微笑み、無言で揚げ物の音を響かせ)
(熱いままに、その醍醐味を豪快に……唇の小ささからすると)
(やや可愛らしさの勝るものだが、それでも豪快に唐揚げを味わう)

(どちらも料理も冷ます動作は入らなかった)
(彼女の義体は人工物であり、温感センサーを調整すれば)
(熱い物をまったく冷ますことなく味わうことが出来るのだ)

『これは義体の利点だね』
『価格帯が安いものほど、その傾向があるかな』
(もっとも、あくまで傾向があるだけだ)
(彼女のモデルは工科系大学や医療現場での最先端モデル)
(温感についても生身に寄せた上で、オンオフが出来)
(素材も温度に対して耐えられるもの、というだけだった)


【『一人でのコース料理だからね』】
【『私にはちょうどいいくらいさ』】
【『私の方は、熱い料理に対して』】
【『全身義体らしいリアクションをお目見えだ』】

【『では返信を楽しみにしているね』】
【『それでは、お大事に』】

336猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2023/01/15(日) 22:57:50
>>335
ああ、大丈夫ヨ、残った分はお持ち帰りにさせてもらうヨ。
(次の料理を持ってくると、北京ダックの包みはまだ半分残っていて)
(残していても大丈夫だ、と笑顔で告げる)
(護衛さんの分とは分けておこう、とは考えるが)

そうネ、北京ダックはメインじゃ有るケド、お腹にチョト物足りないからネ。
最後にガッツリボリューミーなのを用意してるヨ。
――とは言ッテも、ちゃんと加減はするからネ、安心してヨ?
(いくら料理を食い残すのが中華の礼儀だとかなんとか言っても)
(ここはナイトシティのニューカブキだ)
(――いや、確かにゴミ捨て場には食い残しの残飯が大量に捨てられる飽食の街でも)
(基本、『ご飯を残してはいけない』が美徳とされることには違いない)
(この、見た目『可憐な少女』なお客様が、そんなフードファイターばりの大食漢だとは思えなかった)

――そう言ってもらえて光栄アルナ♪..
すぐお茶を持ってくるヨ、口の中がさっぱりするからネ。
(一旦ダックの残った皿を手に取り、厨房に戻ってから)
(手早く烏龍茶を淹れて戻る)
(――残念ながら、そんな上等なお茶ではない)
(一応、手に入る限りの上物ではあるが、かと言って本場の天然物と比べたら、というところ)
(鉄観音とか出してみたいネ……とはいつも思うことだが)
(まあともかく、湯呑に淹れたお茶を運び、ジルの邪魔にならない位置にそっとおいて)
(どうぞごゆっくり、と一礼して下がり)

(さて、次の一品だ)
(残った肉のいいところをたっぷりと使い、サイコロ状にカットして)
(細切りのキクラゲやタケノコ、きのこといった食材と炒め合わせ)
(同時に横の鍋で細かく切った野菜を炒め、冷や飯を投入)
(塩胡椒と醤油少々で味付けし、チャーハン完成)
(最初の鍋におもむろにスープを投入!)
(オイスターソースと塩胡椒、酒で調味!)
(片栗粉でトロミ付けして「あん」が完成!)
(お玉でチャーハンをお皿に丸く盛り付け、その上にたっぷりとあんを乗せれば)
(北京ダックの旨味たっぷりの、あんかけチャーハンの出来上がりである!)

お待たせしましタ、北京ダックのあんかけチャーハン、出来上がりネ♪
(お盆に載せたあんかけチャーハンが、レンゲとともにジルの前に並べられる)
(ほこほこと湯気を上げる、北京ダックの肉がゴロゴロ入った中華あん)
(その下にはあくまでシンプルに、パラッと仕上がったチャーハン)
(油を吸った米の旨味を、北京ダックの旨味たっぷりのあんが包み込み、口当たりと喉越しよく、するりと食べさせる)
(ただし火傷には注意してほしい、とろみを付けたあんは熱が冷めにくいからね)
(まあ、彼女にとっては不要な心配だろうが)

(――あ、盛りはちょっと少なめにしてあるよ?)

【大トリは、北京ダックのあんかけチャーハンアルヨ!】
【普通に炒めものってパターンも多いんだけどネ、やっぱりご飯は欲しいよネ】
【――イヤ、デザートも有るから大トリっていうのは違うかネ……】

337ジル ◆0C0nUyV8SU:2023/01/18(水) 22:49:20
>>336
『ありがとう』
『存分に楽しみにしてくれていいよ』
(予約時のリクエストが滞りなく通っており)
(持ち帰りの話が出ると、それを報酬の一部として受け取る)
(ブレードを抱えた護衛へと一声がかかる)
(護衛からは寡黙に、無言の首肯が返った)

『そちらもありがとう』
『お手柔らかにね』
(見た目が可憐な少女だということは)
(それだけ、胃に当たる部分の容量も小さくなる)
(全身義体は人体より無理が効くとは言え)
(物理的な容量限界までは超えられない)

(姑娘の気遣いと合間の茶に一息を入れ)
(ふ、と呼吸を緩めると、一度目を閉じる)

(瞼の裏や脳に直接数値化されて送り込まれてくる)
(デジタルな栄養素や消化率の情報が)
(今しがた味わったものが即座に撹拌、消化されて)
(統合整理されて、脳を活かす為だけものに変換されていく)

(久方ぶりの食事の楽しみ)
(しかし、味覚や食感などの触覚を離れると)
(そこには毎日の「食事」と同じ結果だけが残る)

(胃の消化効率の数値化)
(栄養素の吸収率を示すシークバー)
(内容物の「処理」のパラメーター)

(そうした数値をカットすることも出来る)
(むしろ出来なければ、生身の人間から義体に乗り換えた者にとってはストレスだろう)

(だが、彼女は違う)
(栄養や体調を数値化して管理し続けて生きてきた人生にとって)
(その数字を見ない方が不安に苛まれてしまう)
(そしてそこに、通常の人間とは異なる)
(「腹に入れば一緒だろう」という意味の言葉が浮かんできてしまう)
(腹なんて持てたのは人生の中でも後の方だが)
(彼女にとって、生身の人間の消化器官は異物感を感じさせる「贅沢品」だった)

(歯も口も喉も胃も)
(確かに彼女の人生にない幸福をもたらしてくれた)
(その幸運が過ぎ去った後の、無慈悲で無機質な消化プロセスのギャップ)
(凄まじい落差への心的負担と共に)

(だから彼女は普段、飲食機能のない義体へと身を沈めている)
(幸福の後に襲ってくる虚無の大きさ)
(彼女にとってはその比率が後者に傾いてしまうから)
(心が耐えきれなくなってしまったために)

『……楽しみにしてくれていいよ』
(瞼を開き、影のように控える護衛にもう一度)
(今度は祈るように)

(それは、「楽しみにしてくれ」「心の底から楽しんでくれ」と)
(縋るような響きを帯びていたかもしれない)
(黙した護衛は何も答えなかった)


『なるほど』
『確かにこれはボリューミーな一品だね』
(姑娘は調理を終え、戻るまでの間の静かな小休止は終わり)
(再び芳しい香りと共に次の一品がやってくる)
(それまでに義体の調剤機能で体調とメンタルを整えると)
(先程までの通りの弾んだ声で主菜を出迎える)
(もっとも、彼女の声は合成音声なのでメンタルとは真逆の声やトークも)
(ボイスの感情値をいじれば問題なく発声出来てしまうのだが)

『忠告に感謝するよ』
『全身義体だと、熱いものに触れた時の反射は』
『冷却系統に手を触れる形になるから』
『モデルによっては、触れる場所のせいで』
『食卓の食器に手をぶつけてしまうことがあるんだ』
(耳たぶに触れるのは、そこが一番、手が届きやすく体温が低い場所だから)
(だが全身義体は文字通り、全身が機械部品だ)
(全身に冷却系統が通っており、モデルによって温度の低い場所が異なる)
(そのため、モデルによる反射行動の傾向がわかれることになり)
(胸部等の場合は、とっさに動かした手で食卓の食器を倒してしまうこともある)

(そんな全身義体の豆知識を語りつつ)
(餡掛けの食事なので、食べる前に高く結った髪の位置をもう一度確かめ)
(手をおしぼりで清めてからレンゲをとり……そのまま、冷まさずに口に運ぶ)
(先程、熱い唐揚げを食べた際の状態を維持しており)
(熱々の餡掛けと炒飯も、苦もなく唇と口内で咀嚼でき、喉を通って胃まで届けられる)

(丸くふっくらと盛り付けられた炒飯)
(その上にとろりと蠱惑的な色合いで蕩けてかかる喉越しのいい餡)
(しっかりと火を通された上でシャキシャキとした歯ごたえを残した野菜)
(その野菜の歯ごたえの合間から飛び出てくる肉の弾力と脂)
(餡の渾然一体とした味わいだけでも見事なものだが)
(そこに、基本を外さずパラリと仕上げられた炒飯が絡むと)
(シンプルな味付けのあっさりとした炒飯の味に)
(濃厚な味付けが絡んで風味が変わる)

(炒飯が餡を、餡が炒飯を補い合い、高め合いつつ)
(それでいて、しっかりとメインのアヒル肉の味わいが)
(餡と炒飯の中から主張してくる)

『うん』
『これはすごいな』
(そう感想をこぼしたのは、少なめの盛りを完食し終わってからだった)
(食事をゆっくり、噛んで味わうタイプの彼女にとって)
(黙々とレンゲを進ませて、食事を終えるのは本当に久方ぶりの経験だった)
(餡があるため、そこまで噛まずに済んだから、という経緯はあるだろう)
(量も少なめだったのも確かだが……それは些事に過ぎない)

『夢中で食事をしたのは……いつぶりだろう』
『美味しかったよ』
(つまるところ、それに尽きた)
(途中、「十何年ぶりだろう」と言いかけ)
(言い直すほどには、食事に集中出来ていた)

(食事の後に虚無はある)
(だが、それはそれだけ、食事中の幸福が大きさがあってのことだった)
(その証拠、というわけではないのだろうが)
(瑕疵のない美しい微笑を浮かべた唇には)
(瑕疵のなさそうな見た目に反して、餡のついたご飯粒が一粒、ついていた)


【『揚げ物の後の炒め物は重いしね』】
【『私にとっては咀嚼の負担がないこのメニューは』】
【『とてもありがたかったな』】
【『それをロールで示しておけたなら幸いかな』】

338猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2023/01/22(日) 23:02:21
>>337
(彼女の食事に対する複雑な感情などつゆ知らず)
(あんかけチャーハンを提供する)
(突き詰めるところまで突き詰めれば、料理人というのは単純な仕事だ)
(要は、客に旨い料理を出せばいいのだ)
(客の細かな悩みだの、コンプレックスだの、トラウマだのにかかずらわる必要はない)
(求められたことを全力で行う、どんな仕事でもそれは変わらないと思う)

(――まあこれは、インテリアコーディネーターの仕事を『おしゃれな内装を作ること』と要約するようなもんであって)
(どんな職業でもここまでやればそりゃ単純になるだろ、という話では有る)
(一応、そうだということも理解してはいるのだが)

――ホウ、そういうモンアルカ?
(思わず普段の言葉遣いが出てしまった)
(全身義体豆知識が興味深かったのだ)
(正直、自分としては『熱いものに触ると反射的に耳たぶに触ってしまう』というのはあまり実感がない)
(今となっては自分の義腕が耐熱もかなり考慮されたモデルである、というのも有るが)
(生腕であった頃から、あまりそういう感覚はなかったと思う)
(なにせ、厨房という環境には耳たぶより冷たいものは幾らでも有り)
(何より冷たい水がいくらでも……)

(あ、だから反射で思わぬ動きをする、という話になるのか)
(全身義体を使用している、というのもある意味環境の話では有る)
(そうなれば、それに適した反射が自ずと作られてしまうのは自明の理ということなのだろう)
(ふむ、得心がいった、と握ったり開いたりする手を無意識に見つめ)
(あっといけない、と一礼すると、厨房に戻る)

(とはいえ、最後の料理を出してしまえば、後はあまりやることはない)
(最後のデザートは、流石にもう用意してある)
(今まで塩気の強い熱い料理が続いたので、最後に口直しとしてのデザートは必須)
(しかし今回の主役はあくまで北京ダックだ、デザートが主張しすぎてもそれはそれでよろしくない)
(ので、あくまで口の中を冷やして舌を休ませるのが目的として、選ぶのは――)

お待たせしましタ、ラストのデザートヨ♪
(運んだのは、シンプルに杏仁豆腐)
(小鉢に流し入れられ、固められた杏仁豆腐の上に、ちょこんと赤い枸杞の実が乗っただけの、ごくごくシンプルなもの)
(量も多くはなく、スプーンで数回掬えばなくなってしまう程度の量だが)
(余韻を残しつつ、スッキリと食事を終えるにはちょうどいいだろう)
(甘さは控えめ、だがもっと甘くしたいときには、小さなポットに入れたシロップを掛けてもいい)
(一緒に、もう一度烏龍茶も持ってくる)
(やや温度を下げてあるので、杏仁豆腐と一緒に飲みやすいだろう)

――それは良かったネ。
そう言ってもらえると、腕を奮った甲斐がアルヨ。
(ジルの言葉に、ふと気を抜いて、素直に返した)
(きっとこれは、店主の機嫌を損ねないためのお世辞などではない)
(少なくとも、そう思っておくことにする)
(だって、もしお世辞なのだとしたら油断が過ぎる……)

(ニッコリと笑いながら、ちょんちょん、と自分の唇を触って見せて、一礼して下がる)
(では、護衛さんの分の持ち帰りメニューを仕上げるとしよう)
(皮はともかく、肉はそこそこ量があるので、はんぶんくらいは料理してから瞬間冷凍しておこう)
(レンジで温め直せば、時間が経っても美味しく食べられるはず――)

【あんかけチャーハンは食べやすさも魅力アルカラナ♡】
【ワタシも大好きアルヨ!】
【日本人に人気のメニューでもあるみたいネ】

【――と言ってて気付いたアルガ、旧正月ネタを拾い損ねたアルナ!コンチクショウ!】
【チョト背後がゴタついててネ……】
【返事が遅れたのも大変申し訳無いアル……】

339ジル ◆0C0nUyV8SU:2023/01/24(火) 12:36:36
>>338
『技術の進歩から生まれる新しい問題点だね』
『その反射を抑制するのも』
『私達やメーカーの仕事だね』
(戦闘用の義体や戦闘用サイバーウェア)
(それらの引き起こす反射行動は)
(用途が用途だけに発生=死に直結しかねない)
(そうした細かなトラブル要因に対して)
(原因を分析し、修正品を開発したり)
(パッチや改修を行うのがメーカービジネスとなる)

(もし、ふたりきりであれば)
(『貴女のサイバーアーム治療もそうした業務サポートの一環なんだ』と)
(YGL-1-21のメーカーズライセンスを取得している彼女は告げたかもしれない)
(だがこの場には護衛が一人。余人の耳がある)
(そうした場であれば、彼女はみだりに個人情報をこぼさなかった)
(それが治療時に取り交わした契約書に守秘義務項目でもあるからだ)

『――』
(最後のデザートと食後の一服の給仕を受け)
(互いに交わし合う裏表のない笑顔の向こう)
(唇の脇を示されると……彼女の表情は赤く色づく)
(はにかみ。恥じらい)
(そっと唇の脇のご飯粒を指にとり、唇に運ぶ)

(「紅潮した表情を自然に作る」)
(「人工皮膚の表情パターンに紅潮がデフォルトで組み込まれている」)
(「感情と遅滞なく連動した表情変化が可能」)

(彼女が全身義体であることは姑娘も承知の上ではあるが)
(そうと知らなければ生身を見紛うほどに、その変化は自然だった)

(彼女の全身は現在、非常に「重い」サイバーウェアから)
(単純な飲食機能を持つだけの義体に換装されている)
(それだけに、彼女の豊かな人間性が挙措の端々に溢れていた)

(テーブルの紙ナプキンで唇を拭い)
(左手のスマートクロックからミラーアプリを起動させ)
(ホロミラーで顔を確かめてから、デザートに取り掛かる)

(仄かな甘味と優しいシロップの味わい)
(何より重すぎない食べ口が、すっきりと食事を終えさせてくれる)
(脂肪分や砂糖が豪奢なデザートも、それはそれで食べごたえがあるが)
(久しぶりの食事を楽しんだ彼女にとっては、これぐらいのデザートが丁度よかった)


『ごちそうさま』
(食事を終え、烏龍茶を堪能し、ゆったりと食後の感覚に身を委ねる)
(護衛を特に言葉を交わすでもない、さりとてそれが重苦しくもない)
(穏やかな沈黙の中。脳内の、そして体内の計器たちが食事を分解していく音に意識を委ねる)
(美しい幸福が終わり、科学的なプロセスでその幸福が解体されていく時間)
(彼女が一生涯を通じて付き合い、心音と脳波の停止を看取るであろう機械群たちの囁き)

(それを、テイクアウトの食事が出来上がるまでの間)
(食事の最後のメニューとして、噛みしめる)


『あらためて、ありがとう』
『そしてごちそうさま』
『クリスマス前に豪華なディナーを堪能できたよ』
(テイクアウトの料理が出来上がり、姑娘が戻ってくると)
(立ち上がり、護衛の差し出すコートを受け取り、羽織りながら)
(本日のディナーに対してのあらためての感想を告げる)
(『天然物をしっかりと味わったのは久しぶりだ』と)
(その一言をこぼすには控える。彼女の歳の話にも関わるためだ)

(テイクアウトを受け取るのは彼女の役目だ)
(仕事を終えるまで、護衛の手を塞ぐわけにはいかない)

『“こっち”でのチップは迷惑かな』
『で、あれば、支払いと一緒にカードでお願いするよ』
(テイクアウト料理の説明を護衛の為に頼みつつ)
(コートの内側から取り出すのは物理的なキャッシュ)
(要は現金の詰まった財布だった)

(無論、支払い用の電子マネー端末や)
(クレジットカードも各種、過不足なく用意はしているが)
(彼女にとって、姑娘の店はレトロに……)
(彼女にとっては、「懐かしい」雰囲気の店に感じられたらしい)
(料理の支払いとは別に、物理キャッシュでチップを支払いたくなったのだろう)

(と、同時に。彼女は古い世代の人間であり)
(また、裏社会にもコネクションのある人間でもある)
(電子貨幣を信用せず、端末からの入出金を拒み)
(口座操作の影響を受けにくい、物理キャッシュでの取引を拒む人間とも付き合いがあった)
(そのため、物理キャッシュも豊富に用意があり)
(同じ、裏社会の界隈にも繋がりのある姑娘にも)
(物理キャッシュの補充手段としてのチップの受け渡しを提案した形になる)


【『ロール中の時系列はクリスマス前』】
【『1ヶ月先の話だからね』】
【『旧正月の話題は未来について話す形になるかな』】
【『返信についてはどうかお気遣いなく』】

【『そろそろロールも締めに向かうから』】
【『そちらで〆て貰っても問題はないよ』】

340猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2023/01/30(月) 23:55:01
>>339
(あらお可愛らしい)
(と、顔を紅潮させるジルの姿に内心笑顔を浮かべつつ)
(実際にも笑顔を浮かべながら退席する)
(――いや、違うのだ、色々と)
(お客様に見せる笑顔と、可愛いものを見て浮かべる笑顔は別、そういうことだ、解れ)
(全身義体の動作反映のスムーズさとか、そういう話は脳裏から抜け落ちている)
(結局、そういうのは気にする人が気にすればいいと思う質で)
(そして自分は気にする人ではないのだった)

(ところで、顔に付いてたご飯粒をつまんで食べちゃうのは、お行儀的にどうなのだろうと思わないでもないアルヨ?)


(皮の薄餅包みと唐揚げの半分は保温パックに、唐揚げのもう半分は瞬間冷凍して保冷パックに)
(それぞれきちんと包み、手提げ袋に入れて戻れば、ジルはずいぶんと満足してくれた様子だった)

お粗末様でしタ、ご満足いただけて何よりネ。
(ジルに手提げ袋を手渡して、深々とお辞儀する)
(護衛さんはまだ仕事中、主人である彼女が荷物を持つのも致し方ないということだろう)

――これは、ありがたいお申し出アルナ。
ケド、お客様に余計なお手間を掛けさせる訳にもいかないアル。
カードから一緒に引かせて頂くヨ。
(クレジットカードを受け取り、決済端末に差し込んで、瞬時に決済処理が行われる)
(6桁に届くコース金額と、それに比べればささやかなチップ、その分の金額が詳細に記された決済履歴が、ジルのメールボックスに届けられる)
(不正も過剰請求もどこにも無い、全く公正な取引履歴)
(これにて、今夜の宴席は完全に終了した)

――では、お見送りさせて頂きますネ。
と、そうそう……
(店を出る直前、護衛の男に声をかけ、短距離通信)
(彼のメールボックスに、一通のメールが送られた)
(――『好吃』の10%値引きクーポンコードだ)

今日はお食事は無しで残念だったケド、またプライベートででもおいでヨ。
今日みたいなコース料理はしばらく出来ないと思うケド、精一杯おもてなしするヨ。
(そう言って、ニッ、と笑って見せる)
(今夜見せていた「おしとやか」な笑顔ではない、いつもの大衆料理店を切り盛りする時の顔で)

本日は本当にありがとうございましタ、またご贔屓ニ!
(そう言って、また深々と頭を下げる)
(立ち去るジルが十分に離れるまでそうして、二人の姿が完全に見えなくなった頃)

――ふはーーーーっ!
ヤッパこういう席は緊張するアルナ……
(張り詰めていたものを開放するように、大きく息を吐いた)
(今夜のコースは北京ダックを軸にしたものだけに、最初の一手を間違えれば全体がだめになってしまう危険なものだった)
(念入りシミュレーションはしたものの、やはり緊張するものは緊張する)
(練習もできない、失敗もできない一発勝負だっただけに、なおさらだ)
(あー肩凝った、とぐるぐる腕を回しながら、店に引っ込み、戸締まりして明かりを落とす)
(洗い物を済ませて、今日はもう休むとしよう)
(せっかくだから、頂いた紹興酒を寝酒に一杯、というのもいいかもしれない)
(今日はよく働いたなあ、と、妙な満足感を覚えながら寝床について……)

(思った以上に緊張していたのか、次の日仕込み時間をぶっちぎって延々寝てしまうという大チョンボをやらかし)
(店の歴史上でも珍しい臨時休業を取ってしまうのだった)

【――寒さは人の脳を鈍らせるヨ……】
【ここ最近の寒波にすっかりヤラれてネ、体調どうこうはないんだケド、頭は全然回らなかったヨ……】
【という事でお待たせしたネ、レスを置かせてもらうヨ】
【こちらからはコレで〆になるアル、お疲れ様ネ】

【イヤ、思った以上に長丁場になったアルナ……主にワタシのせいアルガ】

341ジル ◆0C0nUyV8SU:2023/01/31(火) 22:25:39
>>340
『わかった』
『お任せするよ』
(テイクアウト用の手提げ袋を受け取り)
(物理キャッシュを財布にしまい、支払いは終了する)
(天然物の素材を使ったコースとしては非常にリーズナブルだ)
([シティ・センター]であれば、天然素材のコースであれば)
(支払いの桁はもう一つ上がってしまう)

(もっとも、1回の診療がその桁の上がったコースと同じである)
(医療従事者が言えた義理ではないのだが)

『お気遣いありがとう』
『このお店はオススメだよ』
(クーポンコードであることを事前に説明された護衛は)
(静かにいくつか使い分けている使い捨て端末へと)
(クーポンコードを送信して貰い、小さな一礼を返した)

(先導する護衛が店の扉を開ければ、時間ぴったりに)
(武装した送迎タクシーが到着しており)
(護衛のクリアリングと共に、ジルがタクシーへと乗り込む)

『少し早いけれど』
『メリークリスマス』
『そして良いお年を』
(クリスマスネオンと朱色の旧正月飾りが入り交じる)
([ニューカブキ]の灯りを背に、扉が閉まる前)
(ふわりと解いた髪をなびかせたジルが振り返り別れの挨拶を告げる)
(防弾のスモークガラスの扉が閉じられ、武装タクシーは)
(そうして静かに街路へと消えていった)

(タクシーの中で、寡黙な護衛とジルがどのような会話を交わしたか)
(それは定かではない。ただ後日、クーポンコードをやりとりした端末に)
(短く、「謝謝」とだけ、テイクアウトの感想が届いたのみである)


【『こちらも短いけれど』】
【『これで〆としようかな』】

【『お付き合いに感謝するよ』】
【『ありがとう』】

【『気にすることはないさ』】
【『また機会があればよろしくね』】
【『寒さも含めて』】
【『それでは、お大事に』】

342猫 姑娘 ◆OzzIh/GRSA:2023/02/04(土) 01:39:53
>>341
【遅ればせながら、見届けたアルヨ!】
【コチラこそ、お付き合い頂いてアリガトウネ】
【もうちょっと気楽に使える戦闘要員作って、ソチラの護衛さんとのバトルロールッテのも面白そうネ……】
【アイアイ、また機会があれば宜しくネ!】

343名無しさん:2023/03/04(土) 09:53:37
一カ月

344名無しさん:2023/04/04(火) 22:34:54
二ヶ月

345名無しさん:2023/05/04(木) 13:25:56
三ヶ月

346名無しさん:2024/12/09(月) 14:56:28
保守


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