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黒猫のウィズ 精霊を性的な目で愛でるスレ 避難所 Part.4

31名無しの魔法使いさん:2016/05/23(月) 17:26:52 ID:taHPnOxU
 歴史を司る神殿の戸を叩いたが、何故か返事がなかった。渋々脇にある飼育小屋まで行ってみる。
「まさかレメモちゃんから会いに来てくれるとは思わんかった」
「別にトートに用がある訳ではありません。今日は神殿の仕事休みでしたっけ」
「今は昼休憩なんや」
 おっと。タイミングの悪い。
「仕方ない、しばらく待ちますか」
 どうせトートは鍵付きの檻の中だし、何も出来まい。
スクブスに誘拐され、そして何度となく脱走している件に対応するため、トートの小屋は金属製の風通しの良い住まいに建て替えられた。金網が貼ってあって指一本通らないのだ。
「その新聞がどうかしたんか?」
「ああ、これですか」
 私は脇に抱えていた新聞を広げた。魔界で最も発行部数の多い週刊紙『魔界新聞』である。イザーク様の管轄で作られている新聞なので、こうして天界にも配達を求めれば届けてくれる。
「この中にちょっと気になる記事がありましてね」
 真ん中の見開き紙面を使って書かれた、聖サタニック女学院の特集記事を開く。
「『PTA』なる秘密組織が学園内にあって、それがスパイ工作や戦争を画策しているという話で、王侯会議で現在審査中、とのことなんです。この『PTA』ってどこかの異界にもあったような気がしたんですが」
「それは、ほら、アレやん」
「何か変なの考えてる顔ですね」
「そ、そんなわけ」
 考えてたな。
「王侯会議の話題になるくらいなので規模は想像しているより大きいのかも知れませんね。学園から戦争が始まるなんて、魔族らしい」
「『アリーサが学園の秩序よ』? 誰やこの子。メデューサかいな」
 PTA摘発記事の下にある、生徒インタビューの欄を見てトートが言った。
「とは少し違いますね。彼女は毒蛇の魔族で、女学院の生徒会長です。って、彼女が生徒会長に? ああいうナルシシストには権力を与えたら大変なことになるでしょうに」
「自分のことを名前で呼ぶんか……初々しくてそれもええなぁ」
 何故赤くなる。
「トートもそういうしゃべり方にすれば『偉い神獣』らしくなるんじゃないですか?」
「トートはな、トート・タピーロっていうんや。トートはこう見えても記憶を食べる偉い偉い神獣で……笑いこらえるのやめてくれへん? ほら、レメモちゃんも」
「レメモはトートと会話するのに飽きました」
「何やろ、思ってたのとちゃうな」
「でしょうね」
「きっと言ってる内容のせいや。試しにこう言うてみたらどうや。『レメモはトートのことが好きなんだけど素直になれないのぉ』」
「死んでも言いません」
 トートが檻の中にいるということはこっちから叩くことも出来ない、ということだった。



一人称が自分の名前という話題にしたかったのにどうしてこうなった


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