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◆grqZWuW4dcと◆MU.DuagW1U
702
:
小夜左文字
◆grqZWuW4dc
:2021/08/16(月) 00:40:47
(江雪と並んで俯せに横たわると、肩甲骨のあたりをぐいっと押されて息を吐き切る)
(痛くはない。心地よい刺激だ)
(「えらい凝ってますなあ」と言う按摩が、侍でもなく農民でもなく、さりとて人足とも違う筋肉のつき方に不思議そうにしていて)
(山暮らしだと伝えると「へえ」と笑う)
(盲の彼らは江雪の見た目について何も言わないので助かる)
(江雪の脛を解しながらも山里の様子はどうかとか、山道は危なくなかったかとか、そんな話題に終始する)
え…いえ、私は……
(髪結まで頼まなくとも纏まっている、と言いかけるが、疲れが取れたか少し饒舌になった江雪に纏まっていないと指摘され)
(肩より少し長い程度に伸びた髪に手櫛を通す)
(兄達同様に髪質自体は柔らかい。ただ決定的に癖が強い…というか反抗的なのだ)
(結ぶと鬣のように跳ねる)
(江雪だけきちんとさせて、自分は構わないままでは可笑しいと指摘され、渋々と髪結の前へ座る)
纏めていただくだけで…結構ですから……
(いっそ坊主らしく剃髪に、とも思ったが、江雪に止められ)
(鬢付け油でキッチリと髷を結われると江雪に向かって)
おかしくないですか…?
(湯上りなので首から下は着崩した上に尻端折りで褌が丸見え)
(腹掛けに股引姿の江雪も似たようなものだが、こちらは絹のような白髪を結い上げると)
(たちまち匂うような若衆ぶりで)
(どこに出しても恥ずかしくない、大名の若様か都で評判の役者に見える)
(髪結までが「ほぉ」と言ったきり絶句した)
【(本丸では、兄弟の短刀と太刀が何らの事故で入れ替わったと思われている)】
【(以前には手入れ中の刀が突如2人に増えたこともあるせいか、おおらかに受け入れられて)】
【包丁…あ、違います】
【(呼んだ?と顔を出す藤四郎に手を振り)】
【水蜜桃、なら…手で剥けますから……】
【(行儀は悪いがかぶりついて食べることを提案)】
【(蜂須賀が乗ってきたことに気を良くして、良い案だろうとドヤ顔)】
【(どうせ浴衣姿だからと(念のために刀は持っていくが)そのまま時空の門をくぐる】
【(緩やかな弧を描く橋の上には既に人集り)】
【(屋形船とかもっと目立たない所になどと言いださないうちに、手を引いて欄干の前へ出る)】
【(長身の四方髪が二人も並んだ事に文句を言おうとした衆人が、何処の役者が並んだかとポカンと口を開けた途端に)】
【(ひゅうっと火球が駆け上るや、パァっと四方に光の花が開く。続いてドーンという音)】
【(間髪入れずにパラパラと小気味良い音をさせながら星が散り、降ってくる。まるで流星群の中に立っているようだ)】
【玉屋ァ!鍵屋ァ!】
【(どっと湧いた歓声に応えて川の両岸から次々に花火が打ち上げられる)】
【(枝垂れ柳に乱菊、二重三重に重なる輪模様に色変わり…)】
【(手を取ったままの蜂須賀の方をそっと盗み見る)】
703
:
江雪
◆MU.DuagW1U
:2021/08/18(水) 22:58:06
(たびたび櫛を通して簡単に結った小夜殿の髪は、その跳ね方さえ何か懐かしいものを思い起こさせて微笑ましいのだが)
(前世からの頑固さで背筋を伸ばしたまま譲らず。とはいえ触れる髪が無くなるのも……惜しい)
つくづく……私も我欲が捨てられない……
(自戒を込めて長く息を吐き窓の外を眺め)
(仕上がりを確かめるような戸惑いを含んだ声に振り返る)
ああ……
(癖のある髪を、しっかりと油を使ってまとめれば、濡れ羽か繻子かのように滑らかな艶が出て)
(この辺りの普通の人間に比べて持て余し気味な引き締まった手足が露わで)
(門前の武神の像のように逞しく)
……
(思わず身を乗り出し、彼の膝の上に両手を重ね置き見上げる)
立派に……なられましたね……
(戦の道具のままであれば叶うはずもない成長した姿)
(自分の中の何かがほろりと涙しそうになるのを指先を目元にやって押さえ)
いえ、妙な事を…申しました……
【なるほど……、では……】
【(つう、と爪を立てた薄皮を向けば滴るような蜜で潤んでいる)】
【はい……】
【(小夜の口元へ差し出せば、手首へと滴り)】
【相変わらずせっかちな……!】
【(急いでついて行く。時を遡った先の人だかりに物怖じしかけるが、考えるより先に連れていかれるまま)】
【あっ、すまない。……わ……!】
【(爆ぜる火が視界を照らす。遅れて届く響きは木の橋を揺さぶっているのかと思うほど体の芯まで響く)】
【(歓声の中、次々と打ちあがる花火が輝き、散ってはまた次の仕掛けが)】
【……】
【(汗を拭うのも忘れて魅入る。そよぐくらいの風が煙と群衆の熱気を柔らかく払う)】
【(大きな花火が上がる時には、欄干に置かれた和泉守の手を無意識にきゅっと握り)】
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