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幻想郷縁起小咄 前編

17砕氷@雲を泳ぐ大蛇:2015/01/14(水) 16:01:21 ID:???
(14) 夢のまた夢に見るー屠自古目線


家に戻り、精神安定剤(という名目で渡された物)をじっと眺める。
眺め続けると目が痛くなった。当たり前だが。
そこで私は休憩し、天井を見る。
太子様との馴れ初め、道教への導き…色々な物が込み上げた。
私はそれをただ、辿る様に丁寧に思い出す。
だが、不思議だった。
まるで走馬灯を見ているかの気分。
…段々気分が悪くなってしまうかの様。
私は貰った精神安定剤を口に押し込む。
口の中で甘味が広がる…というのを想像していたが、現実はそう甘くない。
口の中に激痛が走る。そして辛さで喉が水を求む。
私は辛さでその場を飛び退き、扉を開け、水を求め走り出した。
そして…外に出た瞬間に、誰かとぶつかる。
それは布都だった。
痛そうに頭を押さえる布都。(私が当たったのは胸だが嫌らしい想像をするな)
私は慌てて手を差し延べる。布都もそれを受け取った瞬間ー
床を踏み外して布都の足が床に嵌まる。
滑稽なと思うが、その感情を出さず、慌てて助けを求…
もうと思った時には、目の前で太子様が布都を引っ張り出していた。
「か…辱い…。」
布都がそう言うのに対して、太子様は笑いを押し殺しながら、
「何処へ向かわれていたのですか?」
と聞かれた。すると布都はたじろぎながら
「少し青娥殿の所へ抗議をと…。」
と答える。その返答は以外な物だった。
何と太子様も同じ用件だった用で、そのまま3人で青娥殿の屋敷へ足を運んだ。


はい、毎度お馴染み一発書き。こんだけ長けりゃどっかには必ず誤字あるだろうよ。

18砕氷@余命幾許も無し【小町】:2015/03/07(土) 10:15:14 ID:???
(15) 真実


青娥殿の屋敷は、一言で言えば異質だった。
そこだけ別次元から引っ張って来た様な空間、そこに青娥殿は住んでいた。
門の前に着き、太子様が軽く戸を叩く。青娥殿は家の中に居た様で、すぐに戸を開けてくれた。
「あら、太子様と愉快なお仲間さん、お久しぶりね。」と、戸を開けた青娥殿は言った。
お仲間と言われても私は腐っても太子様の妻である。私は気を悪くした。
それを見越したかの様に青娥殿はクスッと笑う。
阿呆の布都もそれにつられて笑う。意味も分かっていないのだろうが仕方ない。
やがて太子様がその場を抑えるように中に入れて欲しい旨を青娥殿に伝えると、青娥殿はまたクスッと笑って私達を家の中に招く。
そして入った青娥殿の部屋は、外の異質な雰囲気とは裏腹に、普通だった。
薬が入って居るのだろうか、薬草臭い棚に覆われた部屋というのが第一印象。
だが布都は違った。あちこちで燥ぎ回っている。
馬鹿馬鹿しい空気になって嫌気が差していると、太子様がその口を開く。
「青娥殿、あの精神安定剤は一体何なんですか、気分が悪い時に飲んだらまた気分が悪くなったのですが。」
場の空気がさっきまでの騒がしさから一気に重くなる。
青娥殿は少し不敵な笑み…今や邪仙と言われる原因を作った笑みを浮かべ、話し始める。
「道教の最終目的は不老不死という事は…御三方も知っていらっしゃいますよね?」
私達はこくりと頷く。
「最初に述べると…あれが精神安定剤なんて言うのは真っ赤なウソ。本当は…」
場の空気は更に重くなる。さっきまでの騒々しさが嘘だったかのように。
そして青娥殿は言うのを躊躇う様な素振りを見せてからそれを伏せるように続ける。

「あれは本当は…毒、不老不死の為の毒。」


はぁ…。久々の更新です。テスト2日前なのにネタが思いついてしまって…。
神奈子の話が2話半で終わったのに屠自古の話が6話も続いて未だ終わらないのは私が屠自古好きなせいです。
すいません()

19砕氷@デリブルスーヴニール【さとり】:2015/03/28(土) 11:22:30 ID:???
(16)支度の始まり


青娥殿は真実を告白した後、淡々と事を話し始めた。
道教の教えを広める聖職者を探して海を渡って来た事。
道教の最終目的である不老不死を素早く身に着けて貰わなければ聖職者として不十分なのではないかと考えた事。
そして…私達のこの躰の余命も後僅かという事も…。
太子様は偉く不憫な顔をしていたが、一つ間を開けて口を開いた。
「この躰…という事はどう言った事ですか?」
間を置いて青娥殿もまた口を開く。
「私はこの術を使う時に箒を使いました。そしてその箒を…」
と方法を言おうとした所で突然口が止まる。すると単調で大きく、不謹慎な音が辺り一面に響いた。
その音ー鼾の主は布都だった。
「話がそんなに眠くなる様な物だったかしら?」
と私が言うと、太子様は首を縦に振り、布都は大きな鼻提灯を作った。
「仕方が無いので私が木簡に書いて従者に届けさせて貰います。それでも良いですか?」
青娥殿がそう言うと、太子様はきっぱりと
「構いません。布都は私が引っ張って帰りますので、後の事はよろしく頼みます。行きましょう、屠自古。」
そう言われるがままに私も青娥殿の屋敷を後にする。
だが毒のせいか気分のせいか帰りの足取りはおぼつかず、しばらくして転んでしまう。
そして差し出された太子様の手。私はそれに捕まり、立ち上がる。
そして私は太子様と良い感じになっていたのだが…。
「屠自古も太子様も夫婦のようじゃのう…ムニャムニャ」
変なところで横槍が入る。布都、お前本当は起きてるんじゃないのか?
そう思いつつ、再び帰路に付いた。

疲れた…。早くワンドロで屠自古来ないかな…。


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