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神宮寺勇太×岩橋玄樹 BL小説 Part3

1PUUさん:2016/06/09(木) 21:18:57
とうとうPart3になってしまいました。

*頑張って書いていますが駄作です。
*すべて、私の自己満足なので本人には一切関係無いです。
*基本Pinkありだと思われます。
*気軽にコメントしてやって下さいm(_ _)m
*中傷や荒しは受け付けておりません。

基本は、じぐいわですがたまーに違うCPが出てくるかもしれません。
暖かい目で見てやって下さい。

2PUUさん:2016/06/09(木) 21:49:37
『当たり前』

【設定】
玄樹 23歳、勇太と高校時代から付き合っており一緒に暮らしている。
勇太 23歳、大手企業に勤める会社員。


Genki side

「神宮寺、大好き!」

「ねぇ神宮寺、今度デートしよ?」

あの頃の僕たちは、端から見たらラブラブだっただろう。

けど今はどうだ。
一緒に暮らしはじめて約3年。

「じゃ、仕事行ってくる」

勇太の態度は素っ気なくなり、僕も甘えたりなんかしない。

「いってらっしゃい、今日晩ごは…」

「あぁ、今日大事な会議があるんだ。遅くなる」

ガチャン

玄関のドアがやけに大きく音を立てて閉まった。

「……」

泣いたりなんかしないから。もぅ、慣れたから。

18歳、高校を卒業してすぐに社会人になった勇太はすごいと思う。
それに感謝もしてる。
だから、攻めたりなんか…甘えたりなんかできない。

静まり返った家に少し恐怖を感じながらも憂鬱な一日が始まった。

3PUUさん:2016/06/10(金) 09:51:24


高校2年の時に、僕たちは付き合い始めた。
それから約7年。

会話も少なくなり、最近はご飯も一緒に食べれていない。

夜も、飲み会とか接待とかで。


僕は、家事を一通りこなしてバイトに出た。


「おはようございます」

「おはよ〜」

次々と、返事が返ってくる。

バイトしているお店の人は、皆優しい。
僕が男の人は付き合ってるのも知ってるけど、他と変わりなく接してくれる人ばかりだ。

「玄樹〜!」

「うぁ!」

飛び付いてきたのは、友達の顕嵐。
ここで知り合って、同い年だからかどんどん仲良くなった。

顕嵐は自由人で本職が何なんなのか聞いたことがない。

「顕嵐、着替えるから離れて?」

腰に絡まる腕をほどこうとするけど顕嵐は一行に離してくれない。

「玄樹って、いい臭いするよね…やっぱり神の香水うつってるのかな?」

「そうかな?(笑)」

顕嵐と勇太は知り合いだそうだ。
なぜかは分からないけど…勇太が前、お店に来たときにやけに仲良さそうに話していた。

「開店準備始めるよ〜」

店長の声に我に返ると、僕は急いで着替えてバイトが始まった。

4PUUさん:2016/06/12(日) 00:15:44


「はぁ〜」

やっとバイトが終わり、着替えていると顕嵐に話しかけられた。

「もぉ、帰っちゃうの?」

「うん、顕嵐はまだ帰んないの?」

「帰るけど、玄樹と話したい〜」

「ご飯の準備あるし…」

甘えてくる、顕嵐に困っていると顕嵐がハッと顔を上げた。

「ねぇ!今度2人で遊びにいかない?」

「え…?」

「玄樹だって、毎日大変じゃん?たまには息抜きしようよ」

「勇太のほうが何倍も忙しいのに、そんなことできないよ」

「もぅ!いいの!神はいいから…俺と遊ぼうよ!」

「じゃ、じゃぁ。勇太に聞いてみる。」

「うん!そうして?」

「じゃ、じゃあね!もぅ行かなきゃ」

「バイバイ!頑張れ〜」

顕嵐に見送られ、俺は家へと急いだ。

5PUUさん:2016/06/14(火) 01:00:45
「ただいま」

スーパーに行き、家に帰ってくるとやっぱりまだ勇太は帰っていなかった。
早く、夕食作って食べちゃわなきゃ。
勇太が帰ってこないのは寂しい。わがままだって分かってるのに。


僕は、簡単に夕食を済ませるとお風呂を沸かして勇太の着替えも用意して帰りを待っていた。

_______


時刻は、0時を過ぎた。
待ち始めて、既に5時間が経っていた。さすがに睡魔が襲ってくる。

そんなに長引いたのかな。それとも事故…とか?どうしよう……。
不安に駈られて、僕は顕嵐と電話することにした。


「もしもし?顕嵐?夜遅くにごめんね?」

「玄樹!どうしたの?珍しいね?嬉しいよ!で?なんか急用?」

「んー、ちょっと話したい」

「ふーん、神帰ってこない?」

「ぅ、う…ん……」

「まったく、連絡も無いの?」

「うん、大事な会議って言ってたから。でも少し寂しくて(笑)寝てた?」

「寝てたけど大丈夫だよ、じゃぁ何話そっか?あ。面白い話する?」

それから、顕嵐とずっと話してた。
面白い話とか、真面目な話。顕嵐と話していると不思議と寂しさは消えていった。

「神、まだ帰ってこない?」

時刻は、2時半だった。電車も無いだろう。タクシーで帰ってくるのかな。

「うん、どうしよう…事故とかないよね……?」

こんなに遅くなるのは始めてで、不安が大きくなっていく。

「大丈夫だよ!電話してみたら?」

「でも、会議中…」

「大丈夫!してみな?」

「ぅ、ん……ありがとう。ごめんね?こんな遅くに付き合わせちゃって」

「いいよ!玄樹と話せて楽しかったもん」

「ふふっ…じゃぁまた明日ね」

「うん!おやすみ!」

「おやすみなさい」

通話を切ると、僕はひとつため息をついた。

6PUUさん:2016/06/15(水) 01:28:59
勇太に電話しても大丈夫、かな?もしかして、徹夜とかするのかな?

僕は、思いきって勇太に電話を掛けた。

1回、2回、3回とコールが鳴る。

『もしもし』

疲れきった、そんな声で勇太が出た。

「あ、勇太。ごめんなさい……今どこ?」

『今、会社だけど』

「いつ帰ってくるの?」

『今日は、徹夜になりそうだから先寝てて』

「……ぅ、うん。ごめんね?仕事忙しいのに」

僕は、苦笑いを溢す。

『それだけ?』

「うん、頑張ってね」

『ん』

すると、あっという間に通話は切れてしまった。
一気に不安が込み上げる。もしかして、浮気とかないよね?

って、勇太仕事頑張ってるんだ……。疑うなんて僕酷い。

さっさと寝てしまおう。


僕は、モヤモヤする心を必死に抑えて眠りについた。

7かのん:2016/06/15(水) 20:37:02
初めまして、かのんです!

puuさんさんの作品、part1から読ませてもらってます!
コメントもしないで、申し訳ないです..。

puuさんさんのかく小説は、すっごくおもしろくて、
もう、めっちゃファンです!!

これからも、頑張ってください、☆ミ

8PUUさん:2016/06/16(木) 01:05:26
かのんさん

初めまして!!コメントありがとうございます(*>∀<*)ノ

今してくれただけ嬉しいですし、読んでくれてただけでも充分嬉しいです!!
ありがとうございますm(_ _)m

めっちゃ変態チックすぎて申し訳ないですけど…(;・_・)
でも、ファンなんてホントに嬉しいです……嬉泣

頑張ります!最近、更新できずにすみません。
あと、PUUかPUUさんで良いですよ!

9PUUさん:2016/06/16(木) 10:03:09
Genki.I side

ドタンッ

「ん……」

朝、リビングから聞こえた大きな音で目を覚ました。

「勇太?」

僕は、すぐにリビングに向かった。
けど既に時刻は6時。ホントに勇太かな?なんて少し恐怖もある。

リビングのドアを開けると、そこにいたのはスーツ姿で倒れている勇太だった。

「勇太!!」

僕は、勇太に駆け寄った。
すると、漂ってきたのは恐らく女性ものの香水の匂い。

「え……?」

一瞬、焦るものの今は目の前の勇太が心配で。
でも、勇太を見てみると寝息を立てていた。

「スースー…」

久しぶりに見たな、寝顔。
前まで一緒に寝てたのに、仕事部屋でやりたいからって。別々の部屋になっちゃって。

すごく疲れてるのか、勇太は僕の存在にも気づかずに寝ていた。

「お疲れ様」

僕は、勇太のほっぺにキスを落とした。

……でも、何?このキツい香水の匂い。
僕の胸が、ズキズキと疼いた。

10杏子:2016/06/16(木) 15:00:43
PUUへ

久しぶり!
って、何だかいつも久しぶりって書いてる気がするな〜!←
なかなかコメントできなくてごめんね!!!
でも、作品は毎日チェックして読んでたよ〜!!!
新作だね!!!←気づくのおそっ!!
あらんも登場してて嬉しいな〜♪←
後ね、最近おそ松さんにハマっちゃって!
それで、ラインのアイコンを一松にしたら
ジャニーズ仲間の女子に、『杏子ちゃんはジャニーズを裏切った!!!』
て、勘違いされちゃった〜!!!←
でも、アニメはアニメでジャニーズはジャニーズだし、
何より、私はジャニーズを愛してるから〜〜〜!!!!!←キモッ
いきなりの長文でゴメンね!続き楽しみにしてるよ♪
がんばれいあ♪

11PUUさん:2016/06/16(木) 17:31:44
杏子
久しぶり!全然、大丈夫!!少しでも来てくれると物凄く喜びます(笑)←
ありがとう!最近、祖母が来たのであまり更新できず……申し訳ないでございます。

おそ松さん、わしも大好きよ♪♪ちなみに、トド松推し(笑)
杏子は一松?わしも好き!!あのダラッとした感が良すぎるww

それはない(笑)わしも、ジャニーズとアニメ好きだし……!!
ジャニーズ愛も、アニメ愛もあるんだからいいんだよ!他がなんと言おうと!!←お前誰

大丈夫!嬉しかったwwおそ松さんの話をできて((
頑張る!

12PUUさん:2016/06/18(土) 01:18:41
Genki.I side

「勇太、ごめんね?ここで寝たら風邪引いちゃうよ?」

声をかけると、目を開けた。

「ん…今、何時……」

「今、6時すぎだよ」

「ん……あと2時間で家出るから」

「え?ちょっと、勇太…寝ないと……」

「いいから」

「でも、寝ないと倒れちゃう…」

最近、勇太は遅くまで仕事していてあまり寝てないはずだ。
だから、勇太の顔色は少し悪く痩せ細って見える。
僕は心配でならなかった。

「早くしないと…朝食いらないから」

「お願いだから…勇太、倒れちゃ嫌だ……」

僕は、涙を堪えながら言った。

「うるさいっつてんだろ!余計な口出しすんなよ!!」

勇太は大きな声を上げ、スタスタとお風呂場に向かった。

「……」

僕は、その場に座り込む。
あんな勇太見たことない……。

13PUUさん:2016/06/18(土) 12:21:02
「じゃ、今日の夜も飲み会あるから遅くなる」

「うん、気を付けてね」

ガチャンッ

さっきの甘ったるい香水の臭いが鼻に残っている。

勇太は、やっぱり女の子が良いのかな。僕なんかもぅ好きじゃないのかな?

僕は、こんなにも大好きなのに。
今までやったことなかった家事だって、辛かったけど勇太が元気でいられるようにって頑張ってたのは無駄だったの?


久しぶりに、泣いてしまった。これからバイトあるのに。


僕は重い体を動かして家事を済ませ、バイトに向かった。


「おはようございまーす」

いつもみたいにしなきゃ。
目は、冷やして腫れはひいたと思うけど……。

「げーんき!おはよ♪」

いつもみたいに、抱きついてきた顕嵐に安心してしまった。

「あらん…」

「ん、ちょっとあっち行こっか」

いつもと様子が違うことに気づいたのか、別室に連れてこられた。

「どうしたの?」

「……勇太、僕のこともぅ嫌いなんじゃないかって…」

「神、帰ってこなかったの?」

「ううん、朝帰ってきてね?すぐ行っちゃったの…その時ね、女性用の香水の臭いして……ッ」

顕嵐は僕の頭を撫でてくれた。
その手に安心してしまい、僕の頬に涙が伝った。

「よしよし、大丈夫だよ」

「グスッ…」

大丈夫って、言われると落ち着く。
けど、今は勇太のことを思い出しちゃうんだ。


◇◆◇

「グスッ…グスッ……」

「どうした?玄樹」

「神宮寺がぁ…ッ女の子に告白されてたからッ…」

「なーに言ってんの、俺はお前一筋だから。大丈夫だよ」

僕が落ち込んでたり泣いてると、いつも言ってくれた魔法の言葉だから。

14かのん:2016/06/18(土) 16:47:37
PUUさん

ありがとうございます!
PUUって呼びたいです( ̄∇ ̄)

うちのことは、好きによんでください!

15杏子:2016/06/18(土) 18:20:07
PUUへ

玄樹君めっちゃ可愛そうだね(涙)!
それと、あらんがめっちゃ優しい!!!
神宮寺が浮気するなんてっ!!玄樹君と言う可愛い彼女が
いると言うのに最低なやつだっ!!!←
でも、まだ完全に浮気してるってわかったわけじゃ
無いからね〜!めちゃめちゃ続きが気になるよ〜!!!

後ね、風磨が新しいドラマに出るんだってっ!!
もぅ、めっちゃうれしい!最近ジャニーズがでるcmとか
ドラマがどんどん増えてきてるから嬉しいね〜♪
Jr.ももっと使って欲しいね〜!!!

じゃあ、これからもがんばれいあ♪

16PUUさん:2016/06/19(日) 02:10:20
かのんさん
いえいえ!!
分かりました♪どうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m笑

じゃぁ、かのんって呼びます♪


杏子
ホント、いやぁ……。うん((
いわあら、密かにめちゃくちゃ好きなんですよ。和む!!あのほわほわコンビ(笑)

ありがとう!そう!まだ、決まったわけじゃ…
続きも頑張るッ!!

そうなんだよね!!時をかける少女とかもぅ楽しみすぎて死ぬ((おい
バーターでJr.出ないかなぁ(笑)

うんうん!!Jr.も、露出増えてる気がするし!Princeももっと世間に知られていってほしいね♪


そして、読者の皆さま。
本当に更新サボっててすみません……。

17かのん:2016/06/20(月) 16:33:15
PUU

はい!よろしくお願いします!

18PUUさん:2016/06/21(火) 00:46:47
かのん
よろしくです♪
良かったらですけど、タメで話しませんか??

19PUUさん:2016/06/21(火) 00:55:02
Genki.I side

バイトが終わり、家に帰る道を辿る。
いつの間にか、視界は滲んでいった。なんでか分からない。

泣かないって決めてたのに……


「ただいま」

暗闇の中、僕の小さな声が響く。



僕は、ずっと思っていたことがあった。
本当に僕で良かったのかな。
勇太は、学校でもモテモテだったし女の子には困らなかったはずなのに。

僕たちは、結婚できない。赤ちゃんだって。

「グスッ、グスッ…うぅッ」

僕は、玄関で泣き崩れた。


やっぱり、別れた方がいいのかな?
今からだったら、遅くない。


<嫌だ、別れたくない…>

そんな僕の本音を気づかない振りをして僕は、決心した。

20杏子:2016/06/21(火) 05:09:31
PUUへ

···えっ!まさか玄樹君、別れるつまりなのっ!?
そんなぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!
でも、何だかんだこう言う展開めっちゃ好きなんだよな〜♪←
ここからまた話がどう発展していくのか楽しみだよ!!
PUUの作品はどれも構成とか展開がすごくしっかりしてて
全然ワンパターンじゃないから何度読読読んでも飽きないよ!
続き楽しみにしてるね!!がんばれいあ♪

21いつもの名無し:2016/06/21(火) 12:13:35
切ないですぅぅぅ。
でも、ネガティブ、玄樹くん、けっこう好きです。
切な過ぎて、目が離せないです。

毎回、毎回、こんな、色々なストーリーですごいです。

22PUUさん:2016/06/21(火) 21:13:56
杏子
今、改めて読んだらこここうすれば良かったとか。後悔しかなくなる←
編集機能が欲しいです。

小説投稿サイトで書きたい((やめろ

ホントに、私が暗いせいで小説までもが被害を受けている…ww
でも、ありがとう!!

全然!めっちゃワンパターンというか。同じようなの書いてるww
もうちょっと、ホラーとか病系とか事件?もの?が書きたい。けど怖いものとかえぐいものとか調べたらわし失神する((どうでもいい

余談失礼しました(笑)頑張ります(笑)


いつもの名無しさん
毎度毎度、切なくて自分でも落ち込んでしまいますがそういってもらえてありがたいです♪♪

そんなことないですよ!!
でも、ホントにありがとうございます!!書く糧です……(笑)

23みぃこ:2016/06/21(火) 21:37:10
PUU
やっとコメント出来る〜‼見てたんだけどコメント出来ずm(__)mごめんね(涙)ドッキドキする〜‼応援してるから頑張れ〜♪

中々落ち込みの闇から出れずテンション下がったまま〜(笑)6月は落ち込みの月にして7月から夏を楽しむ‼(笑)

でも、ここにきてパワーもらったよん♪

24かのん:2016/06/21(火) 23:00:18
PUU

はい!うん! タメ語でいいです‼

けど、うち大阪住みなんで、大阪弁になっちゃうかもです

25PUUさん:2016/06/21(火) 23:16:07
みぃこ
見てくれてたの(°∀°)全然嬉しいっす!!
誰も見てないなぁって思って更新サボってた私を恨みたいww
ありがとう!!頑張るでぃ!

6月は梅雨?があるから気分もどんよりしちゃうよね。。
北海道無いって言われてるけど、最近雨ばっか(笑)
夏だね〜、虫が……←

良かった!わしも、みんなのコメントで生き返っております(笑)


かのん
でわ、よろしくお願いします!
大阪!全然良いですよ!むしろうぇるかむ!(笑)

26PUUさん:2016/06/21(火) 23:42:25
Genki.I side

〜数日後〜


「じゃ、今日は接待あるから遅くなる」

いつもみたいに勇太は家を出た。
今日は、バイトも休みであることをすると決めていた。

一通り家事を済ませ、僕は一枚の便箋にこう書いた。

[勇太へ
忙しいのにごめんなさい。出ていきます。

勇太、素敵な女性と出会ってね?
今までありがとう。
        玄樹より]

書いてるうちに涙が溢れた。
大好きだったよ、って書きかけたけど勇太に迷惑かけるかもしれない。そう思い、ペンを止めた。

一枚の便箋を机の上に置き、数日前から準備していた荷物を持った。

「ありがとう…、大好きだよ。……ッ、…大好き、だったよ_____」


もぅ過去のこと。自分に言い聞かせて、家を出た。




家を出て向かうのは、顕嵐のお家。新居が決まるまで泊めてもらえることになった。
元のお家と、距離も遠いい。バレることは、ないよね?

「えっと、ここらへんのはず…」

事前に顕嵐に教えてもらった、地図を見ながら道を進むと見えたのは、堂々と聳え立つ豪邸だった。
僕は、混乱しながらドラマでしか見たことの無いような大きな門の前にたった。

「電話…」

スマホをを、取りだして顕嵐に連絡しようとすると門が開いた。

「うわっ…」

大きな庭が広がっている。
もしかして顕嵐ってお坊っちゃま?
そう言えば、顕嵐のことってそんなに聞いたこと無いな……。

……入っていいのかな?

『どうぞ、お入り下さい』

そんなアナウンスが聞こえ、僕は恐る恐る大きな豪邸に足を踏み入れた。

「げぇぇんーーきぃぃーーー!!」

遠くから、顕嵐の声が聞こえて顔をあげた。
すると、一目散に僕のほうに向かってくる顕嵐の姿が目に入った。

「顕嵐!」

「待ってたんだよ!ごめんね?うちの執事が言うの遅くて……。
荷物、持つよ?重かったでしょ?」

相変わらずの、性格で少しだけいつも通りになれた。

「ねぇ、ここって顕嵐のお家なの……?」

「うん、そうだよ?あれ?俺言ってなかったっけ?」

「ん?」

「俺たちが、バイトしてるとこ。俺の親父が社長なんだよ」

「え…?は?え?」

言ってなかったっけ?と、天然を発揮する顕嵐を横に僕は、驚きを隠せずにいた。

27PUUさん:2016/06/22(水) 10:32:23
「まぁいいから、上がって?」

僕は、恐る恐る玄関に足を踏み入れる。
すると、視界に広がるのは豪華な装飾とたくさんのメイドさんと執事さん。
漫画のような、服も着ている。

「すごいでしょ?玄樹が来るからこの服作ったんだよ〜!」

どうやら、このメイド服は僕が来るからって特注で注文したらしい。
顕嵐らしいなぁ。

「え?そうなの?じゃぁ、普段は?」

「あ、こんなの着てないよ」

「そ、そうなんだ(笑)」

「でわ、岩橋様。ご案内致します」

案内するメイドさんは、慣れないのか少し恥ずかしがっていていた。

僕の部屋だという場所に連れていってもらい、荷物を置いた。

「こんなおっきい部屋使っていいの?」

案内されたのは、大きな部屋で元の家と同じくらいだと思う。

「いいんだよ!」

「うん…ありがとう」

「そーだ、玄樹。明日休みだったよね?遊び行こうよ!!」

「……うん」

頭によぎるのは、やっぱり勇太だった。
もし探してくれたら?もし見つけてくれたら?なんて、少し期待している自分が嫌だった。

「玄樹、せっかくお泊まり来たんだから。神のことなんて忘れて」

顕嵐には、家を出てきたことなんて言ってなくて。ただのお泊まりってことになってる。
だって、顕嵐にこれ以上気遣わせたくない。

「あ、え?…ごめん」

「あ、そう言えばもうお昼だね」

時計を見ると、短い針は12時を指している。
そう言えば、お腹空いたななんて呑気なこと考えてた。

28PUUさん:2016/06/22(水) 22:35:04
高級レストランのシェフが作ったと言うランチを食べ終えて僕たちは、外へ遊びに行くことにした。

「玄樹と一緒に遊ぶなんて初めてだね?今日は、そんなに大きいところ行けないけど……ゲーセンとか行く?」

「そうだね(笑)」

やっぱり、顕嵐はどこか庶民っぽいというか。
金銭感覚は少しあれだけど、一緒にいてもそんなに変わらないように感じた。


________


ゲームセンターに着き、顕嵐は目を輝かせていた。まるで小さな子供のようだった。

「顕嵐、迷子になっちゃうよ(笑)」

平日で子供はいないけど、ゲームセンターはそれなりに広くて。
顕嵐は方向音痴だからね(笑)

「あ!このキャラクターさぁ!玄樹に似てない?」

指されたのは、クレーンゲームのパンダのぬいぐるみ。たれ目で可愛いけど……似てない(笑)
心の中でそんなことを思っていると、顕嵐は、財布からお金を取り出した。

「え?これやるの?」

「うん!俺、こう見えて高校生の時はめっちゃ得意だったんだよね〜!」

「そうなんだ〜」

そう言えば、高校生の時勇太にくまのぬいぐるみを取ってもらった。
今でも大切に取ってある。
勇太は、そんなこと忘れちゃってるんだろうな……。

「あ!!いけ!!そのままー!」

そんな声に顕嵐を見ると、ぬいぐるみはクレーンに引っ掛かり入り口に運ばれてっていた。

でも、こう言うのってすぐ落ちちゃうんだよね……。
そんなことを思っていたけど。

「やったー!玄樹ゲットー!」

「取れたの?!」

顕嵐は、パンダのぬいぐるみを抱き抱えていた。

「はい、玄樹。どーぞ」

「え?」

「これあげる」

「いや、良いよ!顕嵐が取ったんだし」

「これ、玄樹の為に取ったんだよ?」

そう言い放つと、顕嵐は別の場所に歩き出した。
不覚にも、胸が高鳴ってしまって。思わずぬいぐるみで顔を隠した。

29PUUさん:2016/06/23(木) 21:36:08


________


「あーぁ!遊んだ遊んだ♪」

ゲームやショッピングを約2時間満喫した僕たちは、カフェに向かっていた。

顕嵐はぬいぐるみとか、全部持ってくれている。
遠慮したけど、いいよって言ってくれて。
でも結局思い出すのは、勇太のこと。僕のお買い物に付き合ってくれていっぱい荷物持ってくれたっけ……。

「玄樹?」

思わず下を向いた僕に顕嵐が話しかけてきた。

「あ、ごめんね」

「ううん。大丈夫!もぅすぐでつくよ?玄樹が好きそうなのたくさんあるからいっぱい食べて元気出して?」

「うん(笑)ありがとう」

それから、少ししたところに隠れ家的なカフェがあった。
お店の中には2人、テラスには1人の小さなカフェ。

「岸くん!!」

顕嵐が真っ先に行ったのは、厨房の中。
そんなに、常連なんだ。

「顕嵐か、びくった。何回も言うけどさ厨房の中勝手に入んなよ?」

「はーい」

反省してねぇだろと若干、キレ気味に言うのは僕たちと同じくらいの年齢であろう男性だった。

「で、あの人は?顕嵐が誰か連れてくるなんて珍しい」

岸くんと、呼ばれた男性が僕に視線を向ける。
人見知りな僕は、目をそらしてしまった。

「んー、友達!」

「ぁ、あ…あの、いわはひ…!…岩橋、玄樹です……」

噛んでしまって、顔が真っ赤になるのが分かった。
すると、男性がこちらに歩いてくる。殴られる…?なんでかそう思った僕は後ずさった。

「なんで逃げんだよ(笑)俺は、岸優太。ここの店主。顕嵐の高校のときの先輩。よろし…え?」

“ゆうた”そう聞いて、僕は思わず涙腺を緩ませた。
だって頭に浮かぶのは、もちろん勇太だ。

「ん?おい、え?」

「グスッ、ごめんなさい……ちがくて…」

「お、おい!顕嵐。コイツ泣き出したんだけど!俺怖い?え、俺こわ…」

「玄樹、そこ座って。ごめんね?岸くんが」

「え?!俺なの?」

戸惑っている岸さんだけど、僕の涙はいっこうに止まらない。
やっぱり、僕には勇太が必要なのかもしれない。

「玄樹、神と何かあったでしょ」

「え?」

顕嵐のこんな真剣な目、初めてみた。

30PUUさん:2016/06/24(金) 14:50:49
「な、なんでもない…」

泣いてる理由なんてもちろん説明できるわけなくて。
僕は、必死に言い訳を探していた。

「嘘だ、今日の玄樹変だもん」

「そんなことない」

家を出てきたなんて言ったらどんな反応をするだろう。
お互い気を遣って気まずくなるだけ。

「……玄樹と神のことだからあんまり口出ししたくない。
けどさ?玄樹は、我慢しすぎだよ」

なんだか全部心の中を読まれているみたいだった。
甘えたかった、いっぱい一緒にテレビ見たりご飯食べたりしたかった。

でも、勇太が忙しいから全部我慢してた。

「うッ…く……グスッ…」

涙が止まったと思ったらまた溢れてくる。
顕嵐は、ただただ背中を擦ってくれた。

_____

それから数分、泣き止んで岸さんに謝ったら全然いいよって言ってくれた。
顕嵐の回りは優しい人で溢れてる。
もちろん、勇太も……。

「玄樹、何頼む?玄樹は生クリームが苦手だから〜」

夢中でメニューを見る顕嵐。
そんなとき……。

ヴーヴー

僕の携帯のバイブ音が鳴った。

「……」

表示されてるのは“勇太”の文字。

{今どこ?}

{別れたくない}

{話し合おうよ}

次々と、送られてくる文字。


でも、俺決めてるから。
勇太は、素敵な女性と普通に結婚して普通に赤ちゃんに恵まれてほしい。

これが、僕の幸せだから。


{ごめんなさい}

僕は、それだけ返して携帯を閉じた。

「誰?」

「ん?なんでもなかった(笑)」

せっかく慰めてくれた顕嵐には、申し訳ないけどもぅ…決めたんだよ。


でも、なんでこんな時間に勇太は家に帰ったんだろう。
仕事中じゃ……

31平橋れあ:2016/06/25(土) 15:50:38
PUUさん初めまして!

part1から読ませていただいてました
コメントもせず読むだけですみません

part1からずっとお話しさせていただけないかなぁと思っていました!
よかったらお友達になってもらえませんか?←図々しくてすみません

すごくおもしろいです!
頑張ってください!

32PUUさん:2016/06/25(土) 16:34:55
平橋れあさん
初めましてm(_ _)m
いえいえ!!読むだけでもめちゃくちゃ嬉しいです!

ホントですか!ありがたいです…
こんな私で良ければ!!是非!図々しく無いですよ♪

ありがとうございます!頑張りますο(^○^)ο

33PUUさん:2016/06/27(月) 10:55:07
Genki.I side

あれから、顕嵐と岸さんとしばらくお話してからお店を出た。
岸さんは、気さくですごくいい人だった。

「あーぁ、お腹空いたぁ」

顕嵐が、ポツリと呟く。
携帯を見てみれば、時刻は既に6時。つい話し込んでしまった。

「早く帰らないと、心配しちゃうんじゃない?」

「大丈夫大丈夫!だって、俺こう見えても23だよ?」

「そうでした〜(笑)」

顕嵐と一緒にいると、なんだか高校生のときにタイムスリップしたような感覚に陥る。

時間を忘れちゃう、そんなことは久しぶりだった。



_____

顕嵐の家に戻ってくると、すぐにディナーだった。
自分で作ってないのに、出てくるのなんて前までは普通だったのに。こんなにも不思議。

「うわぁ、美味しそう……」

豪華な料理を目の前にし、思わずそんな声が漏れた。

「早く食べよ!!」

「うん」

「「いただきます」」

どれから食べようかと迷うほどたくさんの数があった。

「すっごく美味しい!」

「ん、ホントに!!さすがだね!」

シェフは、ありがとうございますと一礼するとにっこり微笑んだ。

それから僕たちはすべての料理を完食し、部屋に戻った。



「ふぁ〜、お腹いっぱい」

「うん、久しぶりにこんなにいっぱい食べちゃった(笑)ここのお家に居たら太っちゃうなぁ〜」

「ふふっ…」

褒められて、嬉しかったのか顕嵐が笑う。
つられて僕も口角を上げた。

「あ、お風呂入ろっか?もうちょっとあとにする?」

「うーん、あとにする。顕嵐先入ってきて?」

「俺、玄樹と入る!」

「な、なっ…な…何言って……」

「だから、一緒にお風呂入るの」

「え?」

顕嵐は、忘れているんだろうか。
僕がゲイのこと……。僕にとって男の人の体は普通の人にとって異性の体のようなもの。

それなのに、顕嵐と一緒になんて入れるわけない。

34名無しさん:2016/06/27(月) 16:34:00
PUU


返信遅くなってごめんなさい(泣

PUUは、じぐいわが好きなん?←ため語ごめんなさい


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