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避難所スレ

1サイバーゴースト名無しさん:2014/08/01(金) 21:19:56 ID:RQYHIKXM0
本スレの避難所としてのスレです。
規制で書き込めないときなどに本編・感想問わずどうぞ。
代理投下の依頼もこちらから。

2サイバーゴースト名無しさん:2014/08/01(金) 21:22:32 ID:RQYHIKXM0
ではさっき書き込めなかったやつ。

原作知らんけどカッツェさんパネェ
言動は一々ふざけながら最悪の方向に振り切った邪悪だというのはよくわかった
全体を程よく漂うシリアス臭とシュールギャグ
旦那って案外付き合いいいなぁ

気付いた限りの誤字

アーチャーもトキョンとしていた。
→アーチャーもキョトンとしていた。

弾を断層に入れ
→弾を弾装に入れ

[令呪]残り1角
→[令呪]残り1画

[令呪]残り3角
→[令呪]残り3画

トキョンで草

3 ◆IbPU6nWySo:2014/08/01(金) 21:36:24 ID:v5ZmC/QU0
誤字指摘ありがとうございます。
wiki収録時には修正します。

4サイバーゴースト名無しさん:2014/08/02(土) 00:31:31 ID:jXR.4xys0
麻婆ペア&復讐者ペア乙。
痛み分けであるが、回復が効かないマスターが損傷していない分、
どちらかと言えば麻婆が有利か。
麻婆がどっちに転ぶかジツに楽しみである。

何かケチをつけるような物言いだから気が引けるんだが、どうしても気になった点。
「鉄塊と表現する方が正しい大剣を携え、禍々しい黒の鎧を身に纏った隻腕隻眼の英霊。理性無き隻眼が、綺礼とオルステッドを睨み付ける。」
この場面は綺礼&セイバー視点を主体とした描写だが、
それでは甲冑を纏ったガッツが隻腕隻眼だとは判断できないのではないか…?

5 ◆OSPfO9RMfA:2014/08/02(土) 02:19:03 ID:XLGMizOk0
確かに、甲冑装備中は全身覆ってて、外見から隻腕隻眼分かりませんね……ご指摘ありがとうございます。
後、義手砲と連射式ボウガンも使えませんね。

>>102
誤:鉄塊と表現する方が正しい大剣を携え、禍々しい黒の鎧を身に纏った隻腕隻眼の英霊。理性無き隻眼が、綺礼とオルステッドを睨み付ける。

正:鉄塊と表現する方が正しい大剣を携え、禍々しい黒の鎧を身に纏った巨大な体躯の英霊。獣のような兜が、綺礼とオルステッドを睨み付ける。

>>107
誤:オルステッドが放った真空の刃も、アキトを狙っている。ガッツはその方向に連装式ボウガンを放つが、当たった気配はない。

正:オルステッドが放った真空の刃も、アキトを狙っている。ガッツはその方向に投げナイフを放つが、当たった気配はない。


wikiへの登録時に上記のように修正しました。
……が、登録時にタイトルを「慄然たる戦い」と誤って登録してしまいました……このページの削除を誰かお願いします……。

6サイバーゴースト名無しさん:2014/08/02(土) 07:26:02 ID:tpILUv6c0
甲冑装備時にも仕込み大砲は使ってるし
武練効果もあり戦闘時は部分的に鎧が可変する可能性

7 ◆OSPfO9RMfA:2014/08/02(土) 11:44:33 ID:XLGMizOk0
要望・連絡スレにて対応して貰いました。
お騒がせして申し訳ありませんでした…

8サイバーゴースト名無しさん:2014/08/04(月) 00:48:05 ID:Fwrmfc5g0
乗り遅れて感想しそびれたSS感想をここで
>働け
ジナコさんは相変わらずここでも消極的か
ゴルゴがしっかり働きそうだが、
ジナコの職業が後に響きそうな感じ
>母なる海
シリアスな文なのにところどころに漂うロリコンw
シャア、情けないヤツ!
>冬木市学生諜報記録
マップは冬木市ベースだし地の利がある
桜の描写があるのはいいね。
シアンの蟲も登校してくる学生マスターたちの
反応が楽しみだ
>ウーマン・イン・ザ・ミラー
ほむほむも学校登校か
学校にマスターが集まってドンパチなってもおかしくないなw

9 ◆ZTnr6IpaKg:2014/08/06(水) 01:26:25 ID:okJmU5eE0
規制につき、こちらに投下させていただきます。
どなたか本スレに転載をお願いいたします。

10破戒すべき全ての電人(ルールブレイカー) ◆ZTnr6IpaKg:2014/08/06(水) 01:28:18 ID:okJmU5eE0
錯刃大学、春川研究室。電人HALはそこにいた。
パソコンを使い、朝早くから仕事を片づけている…
という体裁を整え、洗脳した人間から逐一送られてくる情報を処理する。
電人が実体があるキーボードを一々叩くというのも妙ではあるが、
現在のHALは『春川英輔』としてここにいることになっている。
一応、外面だけでも人間として取り繕っておくのは、情報秘匿の観点からも無駄ではないだろうという考えだ。
当然ながら、キーを叩きながらも電人としての能力を駆使してパソコンを通じて処理を行っているため、
実際の作業量としては見かけ以上に膨大なものとなっている。

アサシンは既に周囲の見回りを済ませ、HALの背後に待機している。
流石に畑違いであるためか、画面に映る情報からでは有効な考えを引き出せないようだ。
この仮想空間という場での専門家であるHALが基本的な戦術戦略全般を担当し、
戦闘に関わる領域ではアサシンが主導するというのがこの二人のスタイルである。
つまり、今現在は電人HALが仕事をする場面だということである。
得られた情報から、今後の立ち回りを考えなくてはならない。

「ふむ…ネットワークにはある程度網を張ったが、どうしても手を出しにくい領域が幾つかある。
 私以外のハッキングによる侵入者…。特に、極めて高度な外部演算装置の補助を得ているモノがいる。
 ……私以上に電脳世界で力を持つなど、私が元いた時代では有り得ぬことだ。
 未来か、より技術が進んだ世界からの参加者といったところか」

「"ますたぁ"は、本来その"ねっとわぁく"や電脳世界とやらに生きる存在だと聞いたが、
 それでも手が出せぬ、と?」
 
「コンピューター…私の力の源でもある、この絡繰の性能が違いすぎるようだ。
 私以上の処理能力を持つ、というのは非常に興味深いがな。
 それでも、外部から侵入して行われる補助と、内部から直接電人としての力を使える私では、
 私の方が力を行使しやすいという優位がある。それ故にどうにか直接対峙せずに済んでいる。
 ハック能力を持つ数人の参加者は、私の存在を察しているかもしれないが、こちらの所在が割れることはない。
 ……迅速に始末する必要はあるがな」
 
この拮抗がいつまで続くかはわからない。
彼がアドバンテージを保つためには、この仮想世界で彼に対抗できるマスターとは、
可能な限り早めに決着をつける必要がある。無論、サーヴァントの力を以て。
ネットワークから自由に情報を得られるのは、その後の話である。
 
「それよりはわしの任となるな。
 …しかし、やはり、わしが直に探るのではなく、お主の手下が絞り込んでからになるか」

「情報源としては、洗脳した人間の方が優位であるからな。現状は。数が必要だ。
 ……ままならぬものだ。ここはあくまで仮想空間だというのに」

現実世界での限界を"0"と"1"の世界で越えるための存在が、
仮想世界において人間のふりをして実体を保ち、人間を第一の情報源として当てにするとは中々の皮肉だ。
HALは、そう自嘲した。
もしも街中のパソコンや監視カメラ等のデバイスを掌握できれば、マスター探しも楽に済む。
その能力もあるのだが、そこまで派手にやらかすと、逆に位置がばれる可能性が高い。
故に、情報収集は洗脳した人間を使い、地道に行うこととした。 

地道だが、これが一番確実ではある。
攻撃されないNPCという、安全を保障された目を町中にばら撒いておけるのは大きな優位である。
殆どの手駒が大学の人間といっても、一日中大学にいるわけではない。
日中からそれなりの人数が外に出ていても、決して不自然ではない。
情報の受け渡しはメールなどによるものが主となるが、
彼の元へと送られるものだけであれば盗聴されないように回線を保護するのは容易い。

それに、病院に洗脳済みの人間を入れることができたのも大きい。
大学病院だからこそ、医学部の人間を送り込んでも不自然ではなかった。
多くの人間が集まり、また令呪の有無をごく自然に調べることができる場所だ。
怪我をしたマスターが来ることもあるかもしれない。
……流石にそれは話が旨過ぎるか。

ともかく、現時点では順調であり、情報もそれなりに集まっている。
殆どは戦闘の痕跡を見つけた程度のものであり、マスターを直接捉えたような決定的なものは無いが。
ある程度マスターとサーヴァントの居場所を絞り込めることは可能である。
手下に、目星を付けた地点へ行き、自然にうろついて監視を行うように指示を飛ばす。
今は、こちら側で網を張る時。



 ◆ □ ■ ◇ ◆ □ ■ ◇ ◆ □ ■ ◇

11破戒すべき全ての電人(ルールブレイカー) ◆ZTnr6IpaKg:2014/08/06(水) 01:30:24 ID:okJmU5eE0



……しかし。

「この『方舟』とやらは、聖杯戦争をまともに管理する気など無いらしいな」

腑に落ちないのは、この聖杯戦争のルールのあまりの杜撰さである。
自分が電人だからこそ、仮想世界で行われるこの戦争に対する違和感をどうしても無視できない。

"0"と"1"による演算を支配する電人である自分は、自らが構築した電子世界内で無敵と言ってもいい力を振るえる。
ここが『方舟』が構築した仮想世界というならば、『方舟』もまた同様、いやそれ以上の力を持つはずだ。
ならば、『方舟』がルーラーなる監督役を用意し、それに一切の仕切りを任せているのはなぜだ?
『方舟』自身が参加者を監視し、違反者を消せばよいだけではないか。
もし自分がこの戦争を管理するなら、そうするだろう。仮想空間内ならその方が確実だ。

そのルーラーにしても、監督役として十分な力を持っているとは言い難い。
相応の実力や特権はあるのだろうが、ルーラーはあくまでサーヴァントに過ぎず、
つまり参加者の手によって打倒され得る存在でしかない。
ルーラーは各サーヴァントに対する二画の令呪を持つ?
確かにそれは脅威だ。だがマスターが持つ令呪は三画だ。
極端な話、ルーラーの令呪による命令をこちらの令呪で相殺するように使用すれば、
マスターとサーヴァントは令呪一画を確保したままルーラーの支配から抜け出せるのだ。
つまり、ルーラーは本気で反抗しようとするマスターとサーヴァントに対し、
独力でそれを押さえきることができる力を持っていない。

そして、この冬木市もまた戦争の舞台として適しているとは言い難い。
メモリーデータを思い出す予選に必要であるから用意したというならば理解できなくもない。
しかし、そのままここで戦い続ける必要は無いはずだ。NPCの殺害にペナルティがあるからである。
なぜNPCへの被害が出る危険性を放置するのだ。
適当なバトルフィールドを構築してそこにマスターとサーヴァントを跳ばせばよいはず。

あるいは、NPCの殺害に対するペナルティそのものが不合理というべきか。
仮想データに過ぎないそれらを監督役が保護するなど必要あるまい。
たとえ未覚醒のマスター候補が混じっているのだとしても、だ。予選落ちした以上、考慮に値する存在ではない。
NPCを保護するルールがわざわざ存在するからこそ、冬木で戦争をすることに不都合が生じている。
何らかの必要性を以て保護しているというなら、「過度に殺害するとペナルティ」といったように
ある程度の被害を許容するようなルールを敷く理由も無い。殺した時点で厳罰に処せばよいだけのはず。
管理者側にとって、NPCを守る意味も、その重要性も、非常に曖昧過ぎる。





総じて、ルール違反となる行為を定めておきながら同時に許容し、その抑止力も甘過ぎるということだ。
このような矛盾に満ちたルールを『方舟』があえて採用した理由があるとすれば、それは……。

(本気でルールの網を掻い潜り、破れるならば、やっても構わない、ということか…?)

聖杯戦争のルールは、破られることを想定されている。
NPCは、もともと魔力源として消費される役割も想定されている。
それを咎めるルーラーもまた、排除されることをも役目として想定されている。

『方舟』が、『聖杯』が、それを想定している。

その、可能性。

12破戒すべき全ての電人(ルールブレイカー) ◆ZTnr6IpaKg:2014/08/06(水) 01:32:25 ID:okJmU5eE0
ルールを守って戦争するのも、リスク覚悟で破るのも任意。
戦争が公平円滑に進行するように、一定の縛りが設けられていることは確かである。
しかし、それを逸脱してまで自分の戦術戦略を通そうとする主従がいるなら、それはそれで構わず。
それができる能力があるか、また実行するか否かということもまた、戦いの要素として組み込まれているのではないか。
ルール違反のペナルティなど、『ルーラー』というプログラムの一つに与えられた役割以上の意味はないのではないか。

そうであると、するならば。

他の連中がルールに縛られている中、逆にルールを打破することで圧倒的な有利に立つこともできるはず。
ならば、破る方を目指すのも手の一つ。
自分の持つ『コードキャスト:電子ドラッグ』が、その理由となる。
この街のNPC全てを洗脳することができれば、それは戦争の舞台そのものの掌握に等しい。
全ての参加者に対し、圧倒的な優位を持てる。
それを阻むのがルーラーだというならば、排除を狙う価値はある。

(仮説の裏付けと、ルーラーにどの程度の能力があるのか、詳しく知る必要があるな。
 こちらの違反行為をどのように感知するのか、状況をどのように把握しているのか。そして実力。
 出し抜くことは不可能ではない。意外と穴は多そうだ)
 
自分は、既に一度ルーラーがその権限を振るった場面を捕捉していた。
無論、正確には、自分が電子ドラッグで洗脳したNPCが、である。
そのNPCは、既に洗脳した大学の人間を通じて電子ドラッグで洗脳したチンピラであった。
大学の教員や学生が大勢で夜中まで外をうろうろしていることは不自然であるため、
隠蔽の為にそういった時間帯でも行動していて不思議ではない人種を少数だが確保していたのだ。
それが早速役に立った。

そのNPCは、新都の廃ビルが倒壊する現場にたまたま居合わせた。
ビルから溢れ出た赤黒い液体と、そこからはい出た人間の様なものに襲われたところ、
旗を持った少女が現れ、走り寄り、ビルの壁面を駆け上がり、
その直後、こちらに襲いかかろうとした液体と人間たちは消え去った。

この報告だけでもルーラーの能力の限界が一部推測できる。
『ルーラーは、直接現場を押さえるか、証拠が無い限り、その権限を振るえない』
わざわざ走って現場まで来たということは、少なくとも通常の戦闘行為に関しては、
監督役の権限として遠隔視や参加者の現状把握を行い、遠距離から警告する能力は無いのだろう。
ルーラーが現れたタイミングが良すぎることから、何らかの感知能力があるのかもしれないが、
NPCへの被害を感知できるというならば、大学の人間を数百人単位で洗脳した自分の所へ来ない理由は無く、
目の前にいた洗脳済のNPCを見過ごすことも無いはずだ。
つまり、感知能力があったとしても、サーヴァントの位置や戦闘の現場がどこなのか知る程度。

(あくまで仮説ではあるが、そこまで大きく外れているとも思えない。
 そう考えると、市一つをカバーするには能力が不足していると言わざるを得ないが…。
 もしそこまでザルだとすると、逆に本命の監視がいて、ルーラーはその囮という可能性もある、か?
 …たとえそうだとしても、令呪を二画持ち、戦闘を強制中断できる力があることは軽視できることではないが。
 こちらを放置しているのも、とりあえず現段階でNPCに直接的な被害が無いから見逃しているだけかもしれん)

だが、現在の情報からでも、ルーラーの排除が不可能ではないことは間違いあるまい。
ならば、それを目標の一つとして考えておく必要はある。

(少しでも情報を、というならば、もうすぐのルーラーからの通達以降だな。
 ルーラーが電子ドラッグの事をどれだけ把握しているのか、何かアクションがあるかもしれん。
 そこからでも、わかることはあるか)
 
無論、他の主従のことに関しても。
通達を機に、行動を開始する主従は多いだろう。
つまり、ルーラーも含め参加者の情報を得る最大のチャンスだということだ。
通達後もひとまず研究室に留まり、自分の尖兵から上がってくる情報を解析し、
より重要度の高い組に対してはアサシンによる偵察を、可能ならば暗殺を試みる。

「アサシン。当面の方針が決まった」



 ◆ □ ■ ◇ ◆ □ ■ ◇ ◆ □ ■ ◇

13破戒すべき全ての電人(ルールブレイカー) ◆ZTnr6IpaKg:2014/08/06(水) 01:34:11 ID:okJmU5eE0



("るぅらぁ"を仕留めるか…。
 大将首どころではないな。恐ろしいことを考えるものよ)

再び周囲の偵察に戻ったアサシンは、HALから伝えられ、相談し合った戦略を反芻する。

この戦における約定、それを司るルーラーの排除による優位の確立。
採用する可能性がある戦略の一つだというが、その有効性には疑い様が無い。
他者を意のままの傀儡とする、甲賀や伊賀にも存在しなかった魔性の術。
その枷を全て解き放つ、それはこの戦の趨勢を決めるものとなろう。

その戦略に否やは無い。元より、基本的な方針を定めるのはHALに任せてある。
自身の業を上回る輩が跋扈するであろうこの戦、闇討ちだけで全て片が付くとも思えず、
ならば虎穴に入ってでも敵に先んじる必要もあろう。
そのためにルーラーを倒す必要があるのであれば、全力を以てそれを成す覚悟はある。

しかし、アサシンは一つの懸念をHALに伝えていた。

("るぅらぁ"を討ち取ったとて、枷が解けるのは、我らだけではない。
 他の"さぁばんと"もまた、己が意のままに暴れ回ることとなろう。
 不戦の誓いを破られるやいなや、憎しみのまま殺し合った伊賀と甲賀の様に。
 ……その時、我ら以上の力を振るう者共がおらぬとは限らぬ)

抑止力の排除、それによる戦況の変化は、HALにもアサシンにも完全には予測できない。
アサシンと想い人の運命を狂わせた、あの混沌とした殺し合いを、この『方舟』で再現しかねない一手である。
悪い様に考えれば、ルーラーの排除によりNPCへの保護が無くなるということは、
事実上無尽蔵の魔力補給の機会を敵に与え、強大な宝具の使用を許すに等しい。
そのことが、NPCの掌握による優位を覆す可能性もまた存在する。
無差別の広域破壊の様な攻撃を解禁してしまうと、アサシンに対しては極めて不利なのも問題である。
故に。

(事を起こす前に、"彼奴(きゃつ)"の力が通じている間に、
 我らを凌駕し得る者共を、探し、討つ。それが、まずわしが成さねばならぬこと。
 そして機を見て事を成し、"ますたぁ"の術で戦場を手中に収める)
 
忍の業を活かしての暗殺を行うならば、ルーラーの存在はむしろ有難いものだ。
アサシンが持ちえない、敵の火力を抑制してくれる。
ならば、それを利用することもまた必要。
ルールの庇護の下で潜在的な脅威を消し、その後にNPCの洗脳で一気に王手をかける。

鍵は、まずどれだけ他の組の秘密を暴き、始末するべき相手を選び、処理できるか。
そして、戦略を転換する時期を間違わぬこと。
そしてやはり、最重要目標であるルーラーの能力の見極め。

容易いことなど何一つ無い苦難、どれだけ続くかもわからぬ茨の道。
だが、伊賀との、朧との戦を強いられたことに比べれば何だというのか。
その全てを踏み越えてみせよう。彼女の元へ辿り着くまで。

朝日が昇り、目覚め始める街に眼を向ける。
その向こうにいる敵を見定める様に。

14破戒すべき全ての電人(ルールブレイカー) ◆ZTnr6IpaKg:2014/08/06(水) 01:35:18 ID:okJmU5eE0
【C-6/錯刃大学・春川研究室/1日目 早朝】
※【C-6】に錯刃大学を配置しました。
 病院と同エリア内であり、更に病院を錯刃大学付属の大学病院としました。

【電人HAL@魔人探偵脳噛ネウロ】
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]『コードキャスト:電子ドラッグ』
[道具] 研究室のパソコン、洗脳済みの人間が多数(主に大学の人間)
[所持金] 豊富
[思考・状況]
基本行動方針:勝利し、聖杯を得る。
1. ルーラーを含む、他の参加者の情報の収集。
2. ルーラーによる12時の通達の後に、得られた情報をもとに行動方針を是正する。
3. 通達の後、特に注意すべき参加者の情報が得られた場合、アサシンによる偵察や暗殺も考える。
 『ハッキングできるマスター』はなるべく早く把握し、排除したい。
[備考]
○『ルーラーの能力』『聖杯戦争のルール』に関して情報を集め、
 ルーラーを排除することを選択肢の一つとして考えています。
 ルーラーは、囮や欺瞞の可能性を考慮しつつも、監視役としては能力不足だと分析しています。
○大学の人間の他に、一部外部の人間も洗脳しています。
○洗脳した大学の人間を、不自然で無い程度の数、外部に出して偵察させています。
○C-6の病院には、洗脳済みの人間が多数入り込んでいます。
○ビルが崩壊するほどの戦闘があり、それにルーラーが介入したことを知っています。
 ルーラー以外の戦闘の当事者が誰なのかは把握していません。
○他の、以前の時間帯に行われた戦闘に関しても、戦闘があった地点はおおよそ把握しています。
 誰が戦ったのかは特定していません。

【アサシン(甲賀弦之介)@バジリスク〜甲賀忍法帖〜】
[状態] 健康
[装備] 忍者刀
[道具] なし
[所持金] なし
[思考・状況]
基本行動方針:勝利し、聖杯を得る。
1. HALの戦略に従う。
2. 自分たちの脅威となる組は、ルーラーによる抑止が機能するうちに討ち取っておきたい。

15 ◆ZTnr6IpaKg:2014/08/06(水) 01:36:32 ID:okJmU5eE0
以上です。
どうしても独白が多くなる。

16あなたのお家はどこですか? ◆2kaleidoSM:2014/08/20(水) 23:15:50 ID:u52cGek.0
「そういえば名前を聞いていなかったね。私はアンデルセン。孤児院の院長をやってる」
「………」

ここでずっと黙秘していては逆にいつか不都合が生まれるだろう。
だが、ここで本当の名前を名乗りたくはない。

美遊・エーデルフェルト。
それが今の自分の本当の名前。
しかしこの場を少しでも乗り切るために、美遊は敢えて忌々しき記憶の奥にある名前を引き出し、偽名を名乗った。

17あなたのお家はどこですか? ◆2kaleidoSM:2014/08/20(水) 23:16:07 ID:u52cGek.0
「……美遊・エインズワース」



神父、アンデルセンはこの子供に少し疑念を抱いていた。

まだ10歳ほどの子供。これくらいの年頃ならば人見知りもするだろう。
だが、この子供、美遊はそういったものとは違うような気がした。
隙を伺って逃げようとする姿、周囲に対するあまりに大きな不信感と警戒心。

ただの家出にしては少し過ぎているように見える。

よほどのトラウマを持っているのか、あるいは――――

(王よ、一つ聞かせてもらいたい)
(何かを見つけたか、神父よ)

18あなたのお家はどこですか? ◆2kaleidoSM:2014/08/20(水) 23:19:56 ID:u52cGek.0
廃教会にいるランサーに念話を図るアンデルセン。

(この聖杯戦争、例えば無垢なる子供自体がマスターに選ばれる、ということは有り得るのか?)
(マスター選出自体は聖杯の意思によるもの、私には図りかねる。だがあり得るのかどうかと言われれば可能性は十分に有り得るものだ)
(…そうか)

19あなたのお家はどこですか? ◆2kaleidoSM:2014/08/20(水) 23:22:34 ID:u52cGek.0
まだ可能性の段階、無理にそれを聞き出すつもりもない。

そう、ただ家出をして道に迷った子供を保護した。ただそれだけのこと。

(分かっているとは思うが、今余はここから動くことはできん。神父自身の身に命の危機でも及ばぬ限りは、な)
(問題ない、こちらはこちらでうまくやる)

自分の横で、密かに警戒するかのように沈黙をする少女。

この少女が、自分と同じ聖杯によって選出されたマスターであるのかどうか。

疑念を持ったまま、しかし少女を案じる心は本心にアンデルセンは孤児院へと歩みだした。



【B-9/市街地/一日目 早朝】

【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]健康、ポニーテール
[令呪]残り三画
[装備]普段着、カレイドサファイア、伊達メガネ他目立たないレベルの変装
[道具]バッグ(衣類、非常食一式) 、クラスカード・セイバー
[所持金] 300万円程(現金少々、残りはクレジットカードで)
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯戦争から脱する方法を探る。
1.戦闘は可能な限り避けるが振りかかる火の粉は払う 。
2.しばらくはおとなしくしているが、できればアンデルセンから離れたい
3.ルヴィア邸、海月原学園には行かない。
4.自身が聖杯であるという事実は何としても隠し通す。
5.聖杯にかけるような願いならある。が、果たして求めることが正しいことなのだろうか…?

20 ◆2kaleidoSM:2014/08/20(水) 23:23:12 ID:u52cGek.0
解決しました。お目汚し失礼しました

21善悪アポトーシス ◆y0PHxpnZqw:2014/08/24(日) 23:05:41 ID:j/MX1VsM0
合間の一レスを投下します。

22善悪アポトーシス ◆y0PHxpnZqw:2014/08/24(日) 23:24:47 ID:j/MX1VsM0

『来ましたっ! 即座に移動を!』
「……えっ」
「おやおや、貴方は確か。お久しぶり、というには速すぎますか」

そして、最悪は再び訪れた。
振り返ると、そこには獰猛な笑みを浮かべたアンデルセンが立っている。
だが、その笑みの内面は前とは違う。
不信。孤児院に預けたはずなのに、どうしてここにいる。

23善悪アポトーシス ◆y0PHxpnZqw:2014/08/24(日) 23:25:29 ID:j/MX1VsM0
普通の子供であるならば、ここまで行動的であるはずがない。いくら幼い考えなしの少女とはいえ、少し活発的に過ぎる。
まるで――アンデルセン本人から離れたいと示しているようなものだ。
アンデルセンは、警戒レベルを引き上げ、いつでも銃剣を取り出せるように身構える。
アーカードのように、その身を小さな幼子に変えれる奴もいるのだから油断はできない。

24善悪アポトーシス ◆y0PHxpnZqw:2014/08/24(日) 23:25:47 ID:j/MX1VsM0
「孤児院はお気に召さなかったのですかねぇ……もてなしがなっていませんでしたか」
「一旦、退却するよ!! お願い、バーサーカーッ!」

限界だった。この均衡した状況でいることも、アンデルセンと相対していることも。
あの強烈な存在感、それにむせ返るような血の臭い。
どう考えても、受け入れられるはずがないし、これ以上相対していたら、頭が狂ってしまいそうだ。
もはや、彼が遭遇したくないマスターであることを、美遊は疑わなかった。
故に退却。風よりも速く、この悪寒がする戦場から離れることを決断してしまった。
瞬間、美遊の前に現れた黒衣の死神が彼女を優しく抱き寄せる。
そのまま、背中を向け勢い良く跳躍。急いで場を離れるべく、大地を駆け抜ける。

「どうする、王。お前の観点からして、あの子供は黒か?」
『さぁな。だが、善意で近づいたお前に不信感を抱いていたんだ。黒の可能性は、高い』
「辛辣だな。気に入らぬ何かを感じ取ったのか?」
『それもある。あのサーヴァント、個人的に見ているだけで不快だ。神への冒涜……いうなれば、死神か。
 まあ、余は既にあの者共を敵と認識している。無論、アーカードが最優先というのは変わらんがな』

そして、場に残されたアンデルセンとヴラドは考える。
彼女は敵か、否か。
もっとも、そのような思考をするまでもなく、アンデルセン達の意見は結論に至っていた。
疚しいものが心の内にあるから逃げている。
後ろめたい感情を抱えていなければ、素直に言うはずだ。
先程の二人のように真正面から出てくるはずだ。

「なれば、討つしかあるまい。敵は討滅するのがイスカリオテの定め」
『心得た。悲鳴を上げる暇もなく――刺し貫いてくれよう』

下した結論は――黒。
互いの判断がすれ違い、捻れ、事態は誰もが思いもしない結末へと導いていく。
運命も絶望もごちゃ混ぜにして、戦局は混迷を極めていった。

25善悪アポトーシス ◆y0PHxpnZqw:2014/08/24(日) 23:26:16 ID:j/MX1VsM0
無事、投下は終わりました。ご迷惑をお掛けして本当にすいません。

26近似値 ◆FFa.GfzI16:2014/10/14(火) 23:50:01 ID:NakcSmt60
修正案を投下させていただきます

27近似値 >>238修正 ◆FFa.GfzI16:2014/10/14(火) 23:51:15 ID:NakcSmt60


   ◆   ◆   ◆


「……ふう」

ルリはようやく息をつく。
身体の自由が戻ってきた。
手に持ったゼリー飲料を口に含み、ゆっくりと喉を動かす。
身体に重さは残っているが、殆ど回復したと言っても良い。
問題は、空腹だ。
ゆっくりとゼリー飲料と栄養ドリンクを口にするだけでは、単純な栄養補給。
身体的にも精神的にも、空腹という問題を解消するには物足りなかった。

ルリとて、まるでダイエットのように食事を制限するつもりはなかった。
しかし、宝具の負荷は大きい。
気怠さが半減するまでは、単純な食事すら一仕事となる消耗だったのだ。

スコープドッグを大量に召喚して汗すら流さないルリをして、この状態に陥る宝具。
あらゆる方法で生き延びる力。
仮に死んでも死なない力。
世界を書き換えてでも、その生命を醜く永らえさせる力。
すなわち、異能のライダー自体が宇宙であり、宇宙にとっては常に異端を抱えている状態なのだ。

「凄いですね」

チューチューと可愛らしく栄養ドリンクを吸い込みながら、ルリは口にした。
そんな力を簡単に片付けようとしながらも、確かにその力に恐れを抱いていた。
死んでも死なない。
先ほどの衝撃がすなわちそれなのだ。
仮に死の危険が絶え間なく襲い掛かる本物の戦争が訪れたら。
例えライダーが生き続けても、ルリは生きていられるだろうか。
ゴクリ、と栄養ドリンクを飲み込む。
動揺を隠そうとしていた。

「美遊さん」

そんな感情を隠すためであろうか。
どこかで見ているかもしれない少女へと向かって、ルリは言葉を投げかける。
空腹時特有の、どこか痛みに似た感覚とふらつく視界。
慎重に食事を取らなければ、逆に体力を消化するだけだろう。

「お話は気になるので、またどこかで会いましょう」

ルリは決定的な敵対の言葉は口にしなかった。
そんなルリに対して、異能のライダーは反感の言葉を口にしなかった。
それもまた生き方だった。
己の運命を己のものとしていられるのならば、ライダーはルリに口出しをしない。
そんなライダーの意思をルリは感じ取っていた。
ライダーはルリの仲間だが、それだけだ。
少なくとも、今はただの仲間に過ぎないのだ。

「それじゃ、ご飯を食べに行きましょうか……もう、早い夕ご飯になってしまいますね」

ライダーは言葉を返さず、短く頷くだけだ。
ルリは気怠さの残る身体を、しかし、平時のそれと変わらぬほどには回復したように動かす。
そのまま、そっと上空を眺めた。

28近似値 >>241修正 ◆FFa.GfzI16:2014/10/14(火) 23:53:08 ID:NakcSmt60


   ◆   ◆   ◆


衛宮切嗣は群衆に紛れながら動いていた。
自身のサーヴァント、紅のアーチャーが発見した戦闘痕。
そこへ向かう途中に、やはりアーチャーが戦闘を発見した。
恐らくというべきか、やはりというべきか、アーチャーは斥候に向いたサーヴァントなのだろう。
半ば無意識的に切嗣はアーチャーに襲撃を命じた。
漁夫の利は戦闘において基本であり、アーチャーの射程距離は切嗣の常識からすれば超をつけて余りあるほどの距離だ。

「……」

その一方で、アーチャーを向かわせた切嗣は図書館付近にて緊張に包まれていた。
血を連想させる朱の外套を纏った長身の男と、黒のジャケットを纏った薄い色素の髪をした男。
隠すつもりなど欠片もない、獣じみた気配。
切嗣は補足されてない、『だろう』。
獣のような鋭さが無造作に撒き散らされているだけで、切嗣のみに向けられているわけではないから。
その程度の薄弱な根拠だ。

――――同盟を組んだマスター……いや、違う。

あれはマスターとサーヴァントだ。
恐らく、朱の外套の男が英霊だろう。
隠そうとも隠し切れない、異常性がにじみ出ている。
正規の英雄とは思えない、『結果が英雄となり得た』だけの英雄であろう。

朱の外套、黒い髪、へばりついた笑み。
朱は、すなわち血。
血を浴び続けたことを暗示させる姿だ。

「……」

数分、切嗣はその二人組を見つめていた。
あの二人組は誘っている。
切嗣だけに限らず、どこかで見ているであろう他の聖杯戦争の参加した者を。
常在戦場とはよく聞く言葉だ。
しかし、あの二人組の半ば無責任なまでの堂々とした振る舞いは他者にまでそれを共用させる。
襲えるのだから、襲え。
半ば強制させるような無防備さだった。

「……」

切嗣は動かなかった。
誘いは乗せるものであって、乗るものでない。
静かに、その場から離れる。
アーチャーが持って帰る情報の解析と、朱の外套のサーヴァントが起こした戦闘痕の確認。
まずは、情報を調べる。
あの英霊の宝具が呪詛の類である可能性を否定できる材料すら一つもないのだから。

29近似値 >>241修正 ◆FFa.GfzI16:2014/10/14(火) 23:54:30 ID:NakcSmt60

『……』

そして、実際アーチャーは生還した。
検索を行った限りで現れた錬鉄の英霊の候補たちはいずれも生き汚い連中だ。
何よりも長距離という地の利を得たアーチャーが致命傷を得るとは思えない。

事実、アーチャーは狙撃を行い、失敗した。
しかし、生還した。
ならば、咎めるつもりはない。
アーチャーの言からすると目視を取られたのはバーサーカーのみ。
ならば、正体を探られる可能性は低い。
対してアーチャーはバーサーカーの正体を絞り込んできた。
『髑髏の仮面』と『黒刀』と『斬魄刀』。
三つのキーワード。
かなり、絞り込める。
下手をすれば一発での検索も可能とするほどの材料だ。

『……どうした、アーチャー』

背後から報告を続けてくる自身のサーヴァントの声色の僅かな変化に眉をひそめる。
また新たな異変を嗅ぎとったのかと、切嗣は身構える。
二十八組の参加者。
キャスターなどの使い魔を使役する存在を含めれば、それこそ目の前に敵が居てもおかしくはない。

『……いや、気にするな。私の記憶の中から黒刀の情報を検索していただけだ』
『見覚えがあるのか?』
『そうではない、ただ、死神でありながら仮面というのが引っかかってな。
 仮面とは死神の敵対者のトレードマークのようなものだからな』

異端の死神、そう言いたいのだろうか。

『どうも、『私に対する』怒りが見えたのでな』
『バーサーカーにか? そういう『種』の狂化の逸話を持つ存在だったんだろう?』
『もしくは、私の存在を知っていたか、同種の存在を憎んでいたのか』

答えは出ないがな、とアーチャーは締めくくった。
はぐらかされているということは分かっていた。
分かっていたが探りは入れなかった。
切嗣は紫煙を曇らせる。
紫煙の中に、月が輝いていた。
月。
切嗣は、今、月に居る。
思えば、遠くに来たものだ。
月は切嗣に何をもたらすのか。

30近似値 状態表修正 ◆FFa.GfzI16:2014/10/14(火) 23:54:59 ID:NakcSmt60

【B-9/住宅街のはずれ/一日目 夕方】

【ホシノ・ルリ@機動戦艦ナデシコ〜The prince of darkness】
[状態]:魔力消費(大)、空腹
[令呪]:残り三画
[装備]:警官の制服
[道具]:ペイカード、地図、ゼリー食料・栄養ドリンクを複数
[所持金]:富豪レベル(カード払いのみ)
[思考・状況]
基本行動方針:『方舟』の調査。
0.ちゃんとした『食事』を取る。
1.天河食堂……
2.『方舟』から外へ情報を発する方法が無いかを調査
3.優勝以外で脱出する方法の調査
4.聖杯戦争の調査
5.聖杯戦争の現状の調査
6.B-4にはできるだけ近づかないでおく。
[備考]
※ランサー(佐倉杏子)のパラメーターを確認済。
※NPC時代の職は警察官でした。階級は警視。
※ジナコ・カリギリ(ベルク・カッツェの変装)の容姿を確認済み。
※美遊陣営の容姿、バーサーカーのパラメータを確認し、危険人物と認識しました。

【ライダー(キリコ・キュービィー)@装甲騎兵ボトムズ】
[状態]:負傷
[装備]:アーマーマグナム
[道具]:無し
[思考・状況]
基本行動方針:フィアナと再会したいが、基本的にはホシノ・ルリの命令に従う。
1.ホシノ・ルリの護衛。
[備考]
※無し。


【C-8/図書館周辺/一日目 夕方】

【衛宮切嗣@Fate/Zero】
[状態]健康
[令呪]残り三角
[装備]キャリコ、コンテンダー、起源弾
[道具]地図(借り物)
[所持金]豊富、ただし今所持しているのは資材調達に必要な分+α
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を勝ち取り、恒久的な平和の実現を
0.アーチャーが目にした、ジョンス・リー&アーカードと聖白蓮&ロトの戦闘の痕を確認する。
1.使えそうなNPC、および資材の確保のため街を探索する。
2.昼を回ったら暗示をかけたNPCに連絡を取り、報告を受ける。
3.B-4で起きるであろう戦闘を監視する。
[備考]
※ジョンス・リー、アーカードを目視しました。
 相手方が切嗣の存在に気づいていたかどうかは後続の書き手方にお任せします。

※この街のNPCの幾人かは既に洗脳済みであり、特に学園には多くいると判断しています。
※NPCを操り戦闘に参加させた場合、逆にNPCを操った側にペナルティが課せられるのではないかと考えています。
※この聖杯戦争での役割は『休暇中のフリーランスの傭兵』となっています。
※搬入業者3人に暗示をかけ月海原学園に向かわせました。昼食を学園でとりつつ、情報収集を行うでしょう。暗示を受けた3人は遠坂時臣という名を聞くと催眠状態になり質問に正直に答えます。
※今まで得た情報を基に、アサシン(吉良)とランサー(エリザ)について図書館で調べました。しかし真名まではたどり着いていません。
※アーチャー(エミヤシロウ)については候補となる英霊をかなり絞り込みました。その中には無銘(の基になった人)も居ます。

【アーチャー(エミヤシロウ)@Fate/Stay night】
[状態]右腕負傷(小)、右肩負傷(小)
[装備]実体化した時のための普段着(家主から失敬してきた)
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:切嗣の方針に従い、聖杯が汚れていた場合破壊を
1.出来れば切嗣とエミヤシロウの関係を知られたくない。
[備考]
※岸波白野、ランサー(エリザ)を視認しました。
※エリザについては竜の血が入っているのではないか、と推測しましたが確証はありません。
※『殺意の女王(キラークイーン)』が触れて爆弾化したものを解析すればそうと判別できます。ただしアーチャーが直接触れなければわかりません。
※右腕は軽傷であり、霊体化して魔力供給を受けていれば短時間で完治する程度のものです。

[共通備考]
※C-7にある民家を拠点にしました。
※家主であるNPCには、親戚として居候していると暗示をかけています。
※吉良吉影の姿と宝具『殺意の女王(キラークイーン)』の外観のみ確認しました。宝具は触れたものを爆弾にする効果で、恐らくアサシンだろうと推察していますが、吉良がマスターでキラークイーンがサーヴァントだと勘違い。ただし吉良の振る舞いには強い疑念をもっています。

※黒崎一護を『仮面をつけた』『黒刀の斬魄刀を所持する』『死神』と認識しました。
※ルリ、キリコ、美遊についての認識については後続の書き手にお任せします。

31 ◆OSPfO9RMfA:2014/10/15(水) 01:51:02 ID:ztoshy6c0
修正乙です。
食事をするのも億劫なほどの魔力消費……キリコじゃなきゃ直撃で死亡だったのかな。


重ねてで恐縮ですが、気になる点が二点。
・前話『同じことか』での切嗣とエミヤの会話。

『図書館の近くで戦闘が行われている。サーヴァントだ。
 マスター同士も戦っている。随分と好戦的な輩だな』
『分かった。アーチャー、戦闘から目を離すな。
 戦闘には介入しないでいい。気づかれずに情報を得られるならば越したことはない』

この会話から類推するに、まだ戦闘が始まったばかり、もしくは途中だと思われます。
一方、『近似値』では

自身のサーヴァント、紅のアーチャーが発見した戦闘痕。
そこへ向かう途中に、やはりアーチャーが戦闘を発見した。
恐らくというべきか、やはりというべきか、アーチャーは斥候に向いたサーヴァントなのだろう。
半ば無意識的に切嗣はアーチャーに襲撃を命じた。

と、既に戦闘が終了しています。
その辺が矛盾しているのではないかと、気がかりです。

『同じことか』の段階ではエミヤはまだロトvsアーカードを目視しておらず、見に行ったら既に戦闘が終わっていた。

という解釈もできますが、行間が大きいので、分かりやすい説明があれば良いと思います。
指摘で説明と読み込みが足りず、申し訳ありませんでした。


・切嗣はマスターなので、サーヴァントのアーカードを目視した場合、パラメーターが見えるので一発で分かると思います。
 アーカードにパラメーターなどを隠すスキルや宝具もありませんし。

32近似値 ◆FFa.GfzI16:2014/10/15(水) 22:53:21 ID:lHuODbUA0
>>31
ご指摘ありがとうございます
修正案を再び投下させていただきます
こちらの不手際による矛盾、度々の指摘をいただくこととなり大変申し訳ありませんでした

33近似値 当スレ>>28修正 ◆FFa.GfzI16:2014/10/15(水) 22:54:03 ID:lHuODbUA0


   ◆   ◆   ◆


衛宮切嗣は、様々な情報を整理していた。
自身のサーヴァント、紅のアーチャーが発見した戦闘。
アーチャーはその戦闘を監視した。
アーチャーの持つ千里眼のスキルは戦闘に巻き込まれることなく監視を可能とする。
戦闘の始終を目にし、念話により切嗣へと報告した。

そして、アーチャーは別の二組の参加者の戦闘を発見した。
恐らくというべきか、やはりというべきか、アーチャーは斥候に向いたサーヴァントなのだろう。
何かを隠し、何かを企んでいるということを除けば切嗣にとって理想的な英霊と言える。
そして、切嗣はアーチャーに監視と、可能ならば襲撃を命じた。
漁夫の利は戦闘において基本であり、アーチャーの射程距離は切嗣の常識からすれば超をつけて余りあるほどの距離だ。

セイバーと思しき重装備のサーヴァントと、朱に染まった外套を纏った二丁拳銃を操る長身のサーヴァント。
穏やかな雰囲気を放つ妙齢の女性と、遠目からでも鋭さを放つホスト風の男。
マスター、サーヴァント。
二組の主従はほぼ同時に戦闘を行った。
結果は、ホスト風の男に敗北したマスターのためにセイバーと思しきサーヴァントが撤退。
サーヴァント同士の戦いに限っていれば、セイバーと思しきサーヴァントが圧倒していたとのこと。

切嗣は念話でアーチャーから授かった情報を元に思考を進ませる。

朱に染まった外套のサーヴァント。
身体を無限に再生させ、同時に無数の魔を使役していたとのこと。
恐らく、吸血鬼の類。
当てはまるとすれば、話しに聞く死徒二十七祖が一、ネロ・カオス。
しかし、伝え聞く逸話とは雰囲気がどうにも異なる。

対して、セイバーと思しきサーヴァントは戦闘から詳細を読み取ることは不可能『であった』とのこと。
ただ、単純に強い。
『真っ当な英雄』としか言いようのない強さであった、とのこと。
しかし、こちらは宝具の解放を行った。
その宝具に刻み込まれた『字名』。

――――『ロト』、それは勇者を意味する言葉だ。

『ロト』そのものか、『ロト』の剣を受け継いだ子孫か、それとも『ロト』を騙る偽の英雄か。
戦闘を目撃したアーチャー自身は、『ロト』そのものである可能性が高いと口にした。

上出来だ。
ならば、次は朱の外套のサーヴァントを確認すべき。
そう考え、アーチャーに目撃した次の戦闘を監視させ、今回は先手を取れる場合のみ攻撃も許可をした。

残された切嗣は図書館付近にて緊張に包まれていた。
図書館で何をするでもなく、しかし、確かに検索機構を利用している二人組。
血を連想させる朱の外套を纏った長身の男と、黒のジャケットを纏った薄い色素の髪をした男。
先ほど、『ロト』なる英霊を従えたマスターを撃退した主従だ。
隠すつもりなど欠片もない、獣じみた気配。
切嗣は補足されてない、『だろう』。
獣のような鋭さが無造作に撒き散らされているだけで、切嗣のみに向けられているわけではないから。
その程度の薄弱な根拠だ。

――――マスターは肉弾戦に優れた男、だったか。

八極拳の使い手、アーチャーはそう語っていた。
英霊には及ばずとも、かなりの戦力を有しているとのことだ。

そして、朱の外套を纏ったサーヴァント。
隠そうとも隠し切れない、異常性がにじみ出ている。
正規の英雄とは思えない、『結果が英雄となり得た』だけの英雄であろう。

朱の外套、黒い髪、へばりついた笑み。
朱は、すなわち血。
血を浴び続けたことを暗示させる姿だ。

「……」

数分、切嗣はその二人組を見つめていた。
あの二人組は誘っている。
切嗣だけに限らず、どこかで見ているであろう他の聖杯戦争の参加した者を。
常在戦場とはよく聞く言葉だ。
しかし、あの二人組の半ば無責任なまでの堂々とした振る舞いは他者にまでそれを共用させる。
襲えるのだから、襲え。
半ば強制させるような無防備さだった。

34近似値 当スレ>>28修正 ◆FFa.GfzI16:2014/10/15(水) 22:54:18 ID:lHuODbUA0
修正案投下終了です、度々申し訳ありません

35サイバーゴースト名無しさん:2014/10/15(水) 23:35:19 ID:X3/sM6HI0
度重なる修正、お疲れ様でした!

36 ◆OSPfO9RMfA:2014/10/17(金) 01:59:30 ID:nIgYo/Oo0
修正乙です。
エミヤはアーカードの真名は聞けなかったか。
だが、ロトの真名を手に入れたのはまさしく漁夫の利。

あとは状態表の備考欄に、それらの情報を入れれば問題ないと思います。

37くだらぬ三文劇修正 ◆OSPfO9RMfA:2014/10/20(月) 00:46:11 ID:iIV0uHPM0
修正案を投下します。

38くだらぬ三文劇>>283修正 ◆OSPfO9RMfA:2014/10/20(月) 00:46:46 ID:iIV0uHPM0







 廊下をひたすら駆け抜ける真玉橋に、彼のサーヴァントが念話で語りかける。

『マスター。一応申し上げますが、“副会長がマスターだったら”と言うのは、あの男の例え話です』
『な、なにぃ!?』
『あの男もそう言っていましたが……やはり、聞いておられませんでしたか』

 セイバー、神裂火織は霊体化のまま、溜息をつく。

『ですが、ちょうど良い機会です。改めて、尋ねさせていただきます』


 マスターと出会ってから、その言動に些か矛盾を抱いていた。

『あの男が言うとおり、貧乳の女性がマスターやサーヴァントという場合も有り得ます。幼い子供が相手と言うことも可能性としてはあります。聖杯を手にすると言うことは、それらを屠る必要があると言うことです。マスター、それでもよろしいでしょうか?』

 マスターにはその咎を受け入れ、踏み越える覚悟があるのか。
 それをもう一度、問いただした。
 真玉橋はそれに、こう答えた。

『まぁ、そこは何とかする』
『何とか、ですか』

 その“何とか”が何であるか、具体的には問わない。
 ただ、その“何とか”が何であれ、“何とか”するのであれば、それはルールに則った正攻法ではない。

 だが、方法は一つではない。
 生前、一つの方法に囚われて状況を打開できなかった時、あの男がそのふざけた幻想をぶち壊してくれた。
 例えばここに彼が居たのなら、きっと何とかしてくれるだろう。
 ならば、私もそれに倣おう。

『分かりました。その方向で考えます』
『おう、頼むぜ』

 神裂は苦笑する。
 だが、満更でもない笑みだった。



【C-3/月海原学園/一日目 午後】
【真玉橋孝一@健全ロボ ダイミダラー】
[状態]健康、乳のためとやる気出た
[令呪]残り2画
[装備]学生服(月海原学園の制服に手を加えたもの、旧制服に酷似しているらしい)
[道具]学生鞄、エロ本等のエロ目的のもの
[所持金]通学に困らない程度(仕送りによる生計)
[思考・状況]
基本行動方針:優勝狙い。救われぬ乳に救いの手を
1.敵マスターを探すなり、ウェイバーたちと合流して話し合ってみるなりとにかく動かずにはいられない。
2.貧乳が相手の場合、何とかする。
[備考]
※バーサーカー(デッドプール)とそのマスター・ウェイバーを把握しました。正純がマスターだとは気づいていません。

【セイバー(神裂火織)@とある魔術の禁書目録】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:優勝狙い
1.マスター(考一)の指示に従い行動する。
2.バーサーカー(デッドプール)に関してはあまり信用しない。
3.他のマスターやサーヴァントを生かしたまま聖杯を入手する術はないか、模索する。
[備考]
※バーサーカー(デッドプール)とそのマスター・ウェイバーを把握しました。正純がマスターだとは気づいていません。

39 ◆OSPfO9RMfA:2014/10/20(月) 00:50:19 ID:iIV0uHPM0
修正案投下しました。
問題があれば、お手数ですがご指摘いただきたく願います。

40 ◆OSPfO9RMfA:2014/10/25(土) 02:59:10 ID:rbkMoPfw0
拙作、くだらぬ三文劇を一部分修正したいと思います。
状態表及び、物語の進行には大きな変更は無いはずです。
問題があれば、お手数ですがご指摘いただきたく願います。




【修正前】

 ――いや、そもそも他者の辛苦に愉悦を感じるなど、悪徳の極みだ。罪人の魂だ。
 神に仕える身として、そのような事があってはならない。
 綺礼は自戒し、反省する。

「神は、どうして彼女にこのような苦難を与えたんだ!! 何故、彼女におっぱいを与えなかったのか!!」

 神に仕える身として、そのような事を言われても、困る。
 彼は矢庭に立ち上がると、強く拳を握りしめる。


【修正後】

 ――いや、そもそも他者の辛苦に愉悦を感じるなど、悪徳の極みだ。罪人の魂だ。
 神に仕える身として、そのような事があってはならない。
 綺礼は自戒し、反省する。

 感情は引き起こされるもの。
 つまり、受動的なものだ。能動的に生むものでも無ければ、作るものでもない。
 感情を制御したり、押し殺したりすることは可能であっても、引き起こすことそれ自体を無くすことはできない。

 故に、綺礼は悩み苦しむ。
 綺礼は他者の辛苦に愉悦を感じ、感じる自身に失望しているのだから。
 如何に良識や良心で愉悦を悪と見なし、その感情を押し殺そうとも、それは次から次へと己の内から沸いてしまう。

 一時はそんな己に絶望し、いっそ悪に染まるぐらいならと、自殺をも考えたほどだ。
 こうして自身を戒めようとも、いつ悪に染まるかわからない。
 事実、並行世界には英雄王の流言に従い、己の悪性を受け入れた綺礼も存在する。
 今ここに居る綺礼も、何かの弾みで悪に堕ちる可能性は、いくらでも存在するのだ。

「なぁ! おっさん!! あんたもそう思うだろ!!」

 ――もっとも、仮に悪に堕ちることがあったとしても、この弾みでは悪に堕ちたくはない。
 そんな綺礼の心情も知らずか、彼は矢庭に立ち上がると、強く拳を握りしめる。

41サイバーゴースト名無しさん:2014/10/25(土) 13:50:52 ID:wJ3S6n560
遅ればせながら修正乙です。特別注視する問題は見受けられませんので大丈夫ですよ

42 ◆F3/75Tw8mw:2014/11/19(水) 23:46:52 ID:hCLMdg1s0
戦争考察の修正案を投下します。
スレの536を、以下に差し替えさせていただきます。



『うむ……"るぅらぁ"から警告される程の違反があって、その様な日常などあり得る筈が無い』
『そうだ。
 ルーラーは聖杯戦争の進行に差し障りがあるとして、このB-4に潜む主従を違反と看做した。
 それにも関わらず、B-4エリアの様子は平凡そのもの……矛盾している』


そう……ルーラーの言葉に嘘がなければ、このB-4では聖杯戦争の進行を大きく妨げる程の事態が起きている筈なのだ。
そうなれば、当然街ではそれ相応の騒ぎが起こり、警察やマスコミが動いて然るべきである。
だというのに、街に住む者達は何事もないかの様に生活をしている。
ネットの情報も隈なく集めてみたが、やはり騒ぎという騒ぎは全く見当たっていない。
これはどう考えたって、おかしい事態なのだ。


『ルーラーはわざわざB-4とエリアを名指しして警告を実施した。
これは、その場から違反者がそうそう動かないと踏んだからだろう……
ならばこのエリアに潜むサーヴァントは、陣地防衛を得手とするキャスターの可能性が高い。
そして犯した違反は、恐らく大量の魂食いだろう』


ここでHALは、ゴルゴ13と同じく情報から敵サーヴァントがキャスターであると推測する。
そして犯した違反の内容は、魂食いである可能性が極めて高い。
倉庫群で起きた様な建築物の破壊という線も無くはないだろうが、もしそんな大規模な破壊活動があれば
ルーラーからの警告以前に街の中で大きな噂になっている。
しかし今現在、少なくともこのエリアにはその様な争いの後は見られない。
ならばありえるのは、キャスターというクラス特性から考えれば魂食いだ。
より強固な陣地作成の為、魔力に変えるべくNPCを大量に消滅させて糧とした……
実際そう考えると、綺麗に筋が通る。


『念の為に確認をしておきたいが、一度は倒壊させた建築物を再度何かしらの宝具で建築し直したという線は?』
『それは無いと断言できる。
仮にその様な宝具やスキルがあったにしても、一度は街並にダメージが与えられるという前提が結局ある。
多少のキズなら兎も角、ルーラーが違反と看做す程の規模だ。
幾らなんでもそんな事が起きれば、周囲のものたちが気づくはずだ』


もっとも……魂食いの場合にも、一つだけだが矛盾点がある。
大多数のNPCを魂食いしたにも関わらず、やはりこのB-4では人々は普通に生活をしているのだ。

まるで、"消えたNPCなど何処にもいなかった"かのように。


『だが、キャスターのサーヴァントだとすると……一つ、考えられる可能性がある。
 幻影幻覚の類では、セイバーを筆頭とする対魔力持ちに見破られる恐れがある……ならば』
『魂食いされた住民達は、"きゃすたぁ"の手駒と入れ替わり生活をしているという事か』


元々この違反を行ったサーヴァントも、ルーラーからルール違反の警告を受ける事は重々承知していた筈。
ならば同時に、その隠蔽手段も用意するのは当然のことと言える。
それを踏まえて、ここまでの情報から二人が出した結論が……魂食いされたNPCは、既に他の何者かと入れ替わっているという可能性だ。
そうすると、この何事もない平和で異常な風景にも納得がいく。
敵サーヴァントは己のスキル或いは宝具を用い、消えたNPCのコピーを用意しているとみて間違いない。
それもただ姿形を真似ているだけの、ちょっと突けばボロが出る様なものではない。
思考も、技能も、その何もかもが同一なのだ。

そこに住まうNPC―――もしかすれば、聖杯戦争の参加者ですら含まれるかもしれない―――の誰もが疑問に思わぬほどに本物と寸分違わぬコピーを、このサーヴァントは作る事が出来るのだ。

1ビットたりとも違わない一人の人間を作りだせる可能性を、この敵は持ち合わせている。

43 ◆F3/75Tw8mw:2014/11/19(水) 23:47:26 ID:hCLMdg1s0
修正案投下しました、お手数をおかけしますが問題点などがないかご確認お願いいたします

44サイバーゴースト名無しさん:2014/11/20(木) 00:03:22 ID:c1Z9sTnw0
修正乙です
これなら、特に問題はないと思われます

45 ◆OSPfO9RMfA:2014/11/27(木) 20:23:29 ID:XYR/rc320
修正案を投下します。

46エミヤの霊圧が……消えた……? ◆OSPfO9RMfA:2014/11/27(木) 20:24:02 ID:XYR/rc320



【C-8】

 アーチャーのサーヴァント、エミヤシロウは己のマスター、衛宮切嗣を抱えてビルの屋上を移動していた。
 先ほどの戦場、図書館から離れたビルを選ぶと、そこに腰を落ち着かせることにした。場所はC-8の北西。ちょうど真西に橋がある位置だ。
 エミヤは切嗣を物陰に隠すようにして寝かせる。
 移動中の姿を他の主従に見られ、狙撃され無いとも限らないからだ。
 エミヤ自身も多少の傷は負っているが、霊体化して休む余裕はない。先の戦闘で気を失った切嗣が覚醒するまで、実体化したまま見張りを続けることにする。

「(……少し、情報を整理するか)」

 図書館に着いてから連戦が続き、それに伴い確認済みのサーヴァントも増えた。サーヴァントと戦う者の努めとして、敵対するサーヴァントの情報を整理するのは当然の仕事だ。

 一騎目、貴婦人のランサー。早朝、主従伴って屋外で食事をしていたランサーだ。切嗣が図書館で調べたところ、まだまだ情報不足とのことだ。

 二騎目、爆弾魔のアサシン。午前、ホームセンターで遭遇した猫人のサーヴァントだ。ステータス隠匿や気配遮断に優れることからアサシンと推測。手に触れた物を爆弾に変える能力を持つ。マスターがサーヴァントと余りにも距離を取りたがらないことに疑問を感じる。こちらも真名の特定はできなかったのこと。

 三騎目、ロトのサーヴァント。午後、切嗣が図書館で検索している間、図書館前で戦闘していたサーヴァントの一騎。その剣の刀身に記された文字から『ロト』が読み取れた。エミヤの知る最強のセイバー、アルトリアに匹敵する剣技、宝具、戦闘力などから、勇者の始祖、ロト本人と推測する。そこまで分かっているが、残念ながら、情報検索は行えていない。

 四騎目、朱のサーヴァント。ロトのセイバーと交戦していたサーヴァント。脅威的な再生能力を誇り、無数の魔を使役する。後に自身も交戦。頭を破壊してもすぐに再生したときはさすがに驚愕した。魔の使役からキャスターを予想したが、奴は自身が放った十六の矢を一つ残らず二丁拳銃で撃ち落とした。その腕前からアーチャーの可能性も考えられる……剣を扱うアーチャーの自分が言えた口ではないが。切嗣が『死徒』ではないかと疑い、妙な拘りを見せている。無理をするようなら止めに入った方が良いだろう。

 五騎目、仮面のバーサーカー。夕方、B-9にて二騎のサーヴァントが交戦しているのを見て、好機の瞬間に狙撃。仮面のバーサーカーはこちらに対象を変え、迎撃してきた。黒刀を投げつけてきたので、それを肩で受け、トレースした。情報を得たのでそこで撤退。斬魄刀を用いる死神。真名を探るに十分な情報があるが、未だ情報検索を行えていない。

 六騎目、ロボット乗りのサーヴァント。仮面のバーサーカーと交戦していたサーヴァント。4mほどのロボットに乗る。観察した時には既に戦闘の途中で、また、不意打ちの好機が早く訪れたため、あまり観察できていない。ただ、あの不意打ちの矢は確実に当たったはずだ。外すはずがない。だと言うのに、無傷で健在しているのが確認できた。何らかのスキルか宝具か。仮面のバーサーカーが迎撃してきたので、詳しく確認する余裕はなかった。情報はかなり不足している。

「(自身を除けば二十七騎。うち六騎を確認か)」

47エミヤの霊圧が……消えた……? ◆OSPfO9RMfA:2014/11/27(木) 20:24:19 ID:XYR/rc320

 本来の七騎で行う聖杯戦争であればこれで終わりなのに、あと二十一騎も存在する。なかなか難儀な話である。
 だが、彼を知り己を知れば百戦殆うからず。情報収集は依然として必要だ。

「(これぐらいか。あとは見張りに専念……む)」

 見覚えのある影が視界に入る。
 仮面のバーサーカー。彼は実体化したまま、ビルの屋上を駆けていた。

「(バーサーカーが実体化したまま移動? 何をしている?)」

 自身の体を物陰に隠しながら、バーサーカーの様子を伺う。
 既にこちらの射程範囲内の距離で、しかし相手の射程距離外だ。攻撃をすれば、確実に先手が取れる。
 だが、今はマスターの切嗣が気絶中だ。できれば戦闘を起こしたくない。
 この場はやり過ごし、観察に努めよう。
 そう判断する。
 しかし――

「――ッ!?」

 バーサーカーは少しの間だけ足を止めると、駆ける方向を変えた。
 エミヤの居るビルに向けて、真っ直ぐへと。

「(こちらの場所がバレた?! どうやって!? いや、今は後だ!)」

 黒塗りの弓を手にし、無銘の剣を射る。
 しかし、バーサーカーは姿をかき消すほどの速度でビルの隙間に逃げた。
 障害物が多く、射線が通らず、目視もできない。
 だが、奴が近づいてくるのだけは分かる。

「(マスターを連れて撤退……いや、無理だ。あの速度なら追いつかれる! 迎撃してマスターから距離を離すしかない!!)」

 干将・莫耶をその手に投影し、身構える。このビルその物が破壊されたり、切嗣が直接狙うケースも警戒する。
 そして気配を感じ振り向く。
 背後に、バーサーカーはいた。

「■■■■■■■■■■――――!!!」
「ちっ!」

 バーサーカーは右腕を伸ばし、掴みかかってきた。
 それを干将で切り払い、莫耶で脇腹を狙う。
 しかし――

「ぐあっ――!?」

 干将は半ばまで食い込んだところで腕が超速再生し、力の運動を止めてしまう。莫耶も根本まで刺さらず、怯みもしない。
 対するバーサーカーの腕はエミヤの喉を掴み、強く圧迫する。
 ならば霊核を狙うのみ。抜く間も惜しい双剣を手放し、再度その手に干将・莫耶を投影する。

「■■■■■■■■■■――――!!!」
「がっ!?!」

 だが、それよりも速く、バーサーカーの拳がエミヤの顔を打ち抜いた。
 一瞬で意識を刈り取られ、気を失う。干将・莫耶が魔力として霧散する。

「がああああああぁっっっ!!!?」

 それも、束の間。
 バーサーカーの足が、エミヤの右足の甲を踏み砕いた。その痛みで覚醒する。

「■■■■■■■■■■――――!!!」

 バーサーカーは吼えると、エミヤを放り投げた。





48エミヤの霊圧が……消えた……? ◆OSPfO9RMfA:2014/11/27(木) 20:24:44 ID:XYR/rc320



 黒崎一護は狂化により理性と言語能力を喪失している。
 そして保有スキル:完全虚化によって自我も消失している。
 残っているのは、美遊・エーデルフェルトを護るという意思のみ。

 だが、それもままならない。
 令呪で《B-4に存在するサーヴァントを殺せ》と命じられたからだ。
 美遊は今はC-9にいる。側にいなければ護ってやることができない。
 彼女もB-4に連れて行く方法もあったが、その時対峙していた主従がそれを許さないであろう。
 だから、一護にできることは、できるだけ速くその命令を済ませ、一刻も早く美遊の元に戻ることだった。

 実体化したままビルの屋上を駆ける。真っ直ぐB-4に向かう。
 その途中、見知った霊圧を感じた。

 エミヤだ。
 兄でありながら、兄の役割を放棄した男だ。

 許せない。
 一片たりとも存在を認めない。
 消し炭にしてもなお事足りない。

 それは憎しみのごとく、怒りをかき立てる。
 本来守護のスキルにより、戦わぬ者に対しては襲うことはできない。
 ならば許すか? 否だ。この男を許せば、己の兄としての尊厳も失う。
 まるで異教徒に対するイスカリオテのごとく、奴を殲滅せよと心が叫ぶ。
 令呪の命にも逆らい、そちらへ向かおうとする。

 だが、令呪は一護を縛る。即刻B-4のサーヴァントを殺せと。
 一護は抗う。エミヤを殺したい、と。

 足が止まる。
 一護の中で、令呪の命と己の狂気が反発し、混ざり合う。

 そして令呪か、バーサーカーか、どちらとも言えぬ悪魔のような囁きが、脳裏を走る。

 ――ナラ アイツ ヲ B-4 デ 殺セバ イイジャナイカ

 令呪と狂気が歯車のように噛み合う。
 仮面の下で唇を釣り上げ、エミヤに向けて駆け出した。





49エミヤの霊圧が……消えた……? ◆OSPfO9RMfA:2014/11/27(木) 20:25:06 ID:XYR/rc320



【C-7】

「(私を投げ飛ばした……マスターと距離を取らせるためか!?)」

 空中に放り投げられながら、エミヤは思案する。
 “マスターからサーヴァントを引きはがす”。
 エミヤはバーサーカーの戦法をそう判断した。エミヤとしては有り難くもあり、また危惧を抱いていた。

 気絶中の切嗣から戦線を遠ざけるのは、エミヤとしては願ったり叶ったりだ。だが、相手のマスターの所在が知れない。相手のマスターが、切嗣に接触してなんらかの行為をしないとも限らない。令呪を使わせるなどの手段を取るかもしれない。
 バーサーカーからあえて距離を取る手段を選んだのだ。その可能性は十分にありうる。

 通常時であれば、適度にバーサーカーと距離を取った後、令呪を使ってエミヤを呼び戻せばいい。だが、切嗣が気を失ってるため、それができない。
 戦闘をしながら敏捷性に勝るバーサーカーを撒き、バーサーカーより速く切嗣の元に戻らねばならない。
 まずはこの宙を浮く状況を打破しなければならない。
 地を踏みしめられない宙は得手ではなく、対するバーサーカーは宙を駆けることもできる。
 ならば、地を踏むのが第一歩だ。

「――――I am the bone of my sword.(我が骨子は捻じれ狂う)」

 言葉自体には意味のない、精神統一のための呪文を口ずさむ。
 右手に投影したのは、鎖付きの短剣。かの冬木市の聖杯戦争でライダーが使っていた武器だ。短剣を投げ、橋の中央に刺す。
 そこを支点とし、孤を描くように着地する。川の対岸まで飛ばされるとすら思えたエミヤの身体は、橋の半ばほどで落ちた。

「■■■■■■■■■■――――!!!」

 バーサーカーは人目を憚ることなく吼え、道路を走る車を踏みながらエミヤを追う。先ほどの戦いから学んだのか、空を一直線に駆けてはこない。
 エミヤは役目を果たした短剣を放り、弓を番える。バーサーカーを無銘の剣で射るが、斬魄刀によってことくごとく弾かれる。『壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)』は橋が破壊されるおそれがあるので、できれば使いたくない。

「(斬魄刀が使えないわけではない。先ほど素手で投げたのは、やはり、マスターとの距離を離すのが目的か)」

 エミヤはそう判断する。
 ならば尚のこと、無防備な切嗣を護るため、直ぐにでも戻る必要がある。
 だが、敏捷性では勝るバーサーカーを直線距離で振り切ることはできない。さらに、右足の甲をバーサーカーに砕かれ、移動力が激減している。

「(撒くには場所を変える必要があるな)」

 橋を渡って深山町まで行けば、新都ほどではないものの、コンクリートジャングルと化したビル街がある。足の遅さをカバーするためには、地の利を生かすしかない。
 一端は自主的に切嗣から遠ざかることになるが、急がば回れだ。最短距離だけが最適解ではない。
 エミヤはバーサーカーから背を向け、深山町の方へ駆け出した。





50エミヤの霊圧が……消えた……? ◆OSPfO9RMfA:2014/11/27(木) 20:25:26 ID:XYR/rc320



【B-6】

 深山町のビル街の北部、B-6で二騎のサーヴァントが舞う。
 日はまだ落ちておらず、人通りも多い。音速で戦う二騎の姿を、何十と言うNPCが見たであろう。
 神秘を隠匿すべき聖杯戦争ではないが、人前での戦闘は愚考である。己の姿を、技を、宝具を人前に晒すことになり、それは人伝に他の主従にも伝わるだろう。

 だが、バーサーカーにそのデメリットを説き、戦闘を中断させるのは無意味だ。
 それを考慮するだけの理性が残っていれば、そもそも白昼堂々攻撃はしてこまい。

 しかし、霊体化して逃げるのもいくつか問題がある。
 霊体化は現界に必要な魔力消費を少なくし、物質への干渉を極力減らす。それでも、完全に無敵になるわけではない。宝具によっては霊体化した状態のサーヴァントを攻撃することも可能であり、その逆は存在しない。防御すらできず、一方的にやられるのみだ。
 そして、霊体化は一瞬ではできない。戦闘中にあからさまな隙を見せるのは自殺行為でしかない。

 バーサーカーの猛撃は、エミヤに霊体化する隙すら与えなかった。

「■■■■■■■■■■――――!!!」
「しつこい! どこまで追ってくるつもりだ!!」

 愚痴を口に出しながら、刀身がピンク色のシャムシールを振るう。
 バーサーカーの動きは変わることなく、斬魄刀で襲いかかる。シャムシールで受け流すと、刀身が飴細工のごとく粉々になった。

「これもダメか」

 今散ったシャムシールは、誘惑の剣という、相手を混乱させる効果を持つ剣だ。しかし、やはりと言うべきか、宝具ですらないそれはバーサーカーには効果を発揮しなかった。

 光を屈折させ、音波を放ち、闇に紛れ、魔力を散らせ、五感を狂わせる。
 エミヤはあの手この手を使い、バーサーカーから逃れようとする。
 だが、バーサーカーはしつこく付きまとう。

 現時点で、エミヤは多くの点で不利だ。
 スペックを比較すると、バーサーカーの方が大きく上回っている。
 エミヤは右足の甲を砕かれ、距離を取ったり、逃亡する為の機動力を封じられている。
 バーサーカーはエミヤの霊圧を感知し、エミヤはそれに対する対抗策を知らない。
 バーサーカーは強力な再生能力を持ち、魔力の限り負傷することはない。

 唯一エミヤが勝ってる点、それは保有魔力の量。
 エミヤは多数の剣を投影しているが、そのどれもが魔力消費が多い物ではなく、依然としてその身に魔力を十分に確保している。いざとなれば、気絶中の切嗣から吸い上げることも可能だ。
 対するバーサーカーは、現界するだけで多大の魔力を消費し、戦闘により、さらに魔力を消費している。本来は美遊とカレイドステッキ・サファイアによって魔力を補われているが、今はそれができない状況にある。美遊の身を案じるバーサーカーは、現界と戦闘に消費する魔力を、己の身から優先的に消費させている。
 故に、戦闘を長引かせるほど、エミヤの有利に傾く。加えて、バーサーカーはB-4でエミヤを殺すつもりであり、四肢を狙うばかりで霊核を狙わない。

 また、マスターの美遊は現在無力化されており、切嗣を狙う事もない。それどころか、バーサーカーも、美遊も、切嗣の存在には気付いていない。
 勿論、他の主従に襲われる可能性はあるが、今の所は切嗣を狙う者は居ない。

 その為、現状を維持する事がバーサーカー撃退の最適解であり、今現在、バーサーカーも決して有利な状況とは言えない。
 だが、それはあくまで神の視点によるもの。
 エミヤは知る由もなく、一刻も早く切嗣の元に戻るために、焦りを感じていた。

「■■■■■■■■■■――――!!!」
「ぐあぁっ!!」

 バーサーカーの足がエミヤの腹部に入り、ビルへと蹴り飛ばされる。ガラスを割り、フロアに入る。
 良いことと悪いことが重なった。

 良いことは、そのビルが廃ビルであったこと。人気はなく、NPCに被害が出なかったこと。
 悪いこと、それは――その廃ビルが、暁美ほむらが作った陣地だと言うこと。


 ――ワイヤーが引かれ、無数の銃火器が、エミヤに向けられて火を噴く。

51エミヤの霊圧が……消えた……? ◆OSPfO9RMfA:2014/11/27(木) 20:25:43 ID:XYR/rc320


「トレース、オン!!」

 それはもはや反射だった。エミヤは無意識のうちに、四本の大剣を自身の四方に投影し、さらに強化も施す。魔力を少量込めた程度の弾丸は、大剣の前にむなしく弾かれた。

「まさか、こんな罠があるとはな」

 大剣を解除し、深く息をつく。
 それは、全くの偶然。
 バーサーカーが暁美ほむらの仕掛けた罠を知るはずもない。たまたま、エミヤを飛ばした方向に、その廃ビルがあったと言うこと。
 だが、エミヤはそうとは考えない。

「誘い込まれたわけか――」

 バーサーカーは当然、この罠を知っていて誘い込んだと考える。
 サーヴァントを殺すには稚拙な罠だとか、バーサーカーが何故この罠を仕掛けたのかとか、そこまで深く考える前に、一つの推測がよぎる。

「――なるほど。“私をマスターから引き離す”のが目的ではなく、“私をどこかに誘い込む”のが目的なのだな」

 急所を狙わぬ戦い方。エミヤを逃がさぬように追い詰める戦法。引き離すには余りにも離れた距離。
 感じていた違和感を理解した。

「ならば――」
「■■■■■■■■■■――――!!!」

 バーサーカーが吼えながら、廃ビルに入る。斬魄刀を振り上げ、エミヤに迫り――


 ――二騎のサーヴァントは、忽然と消えた。





52エミヤの霊圧が……消えた……? ◆OSPfO9RMfA:2014/11/27(木) 20:26:01 ID:XYR/rc320



【?-?】

 そこは、荒野だった。
 地には無数の剣が大地に突き刺さり、空には回転する歯車。
 地平線すら見え、赤き大地が無限に続くとすら思えた。

 ビル街から場所が急転し、エミヤを見失ったバーサーカーは辺りを見回す。

「ここは私の固有結界」

 エミヤの言葉に、バーサーカーは振り向く。
 エミヤは燃えさかる炎を背に立っていた。


 ――無限の剣製(Unlimited Blade Works)。


 ここは、エミヤの心象風景で塗りつぶされた世界。
 結界により外界から隔離されたこの地に、B-4などという地区は存在しない。

「私を倒さぬ限り、この地からは出られんぞ。どうする、バーサーカー?」

 エミヤが一振りの剣を抜き、バーサーカーに突きつける。

「■■■■■■■■■■――――!!!」

 バーサーカーが吼え、斬魄刀を振り上げ地を駆ける。
 エミヤは剣を煌めかせた。
 斬魄刀を手にしたバーサーカーの腕が宙を舞う。

 エミヤの抜いた剣は、ただの剣ではない。
 それは、人の手によって作られた。
 それは、伝説の金属でできていた。
 それは、ありとあらゆる魔を切り裂いた。
 それは、魔を打ち払う最強の剣。

 刀身に刻まれた『DRAGON QUEST』の意匠――


 ――『王者の剣(ソード・オブ・ロト)』


「行くぞ、バーサーカー!!」
「■■■■■■■■■■――――!!!」

 バーサーカーは即座に腕を再生し、斬魄刀を呼び寄せる。
 二騎のサーヴァントが、荒野を駆け抜けた。





53エミヤの霊圧が……消えた……? ◆OSPfO9RMfA:2014/11/27(木) 20:26:19 ID:XYR/rc320



【固有結界――無限の剣製――】

 エミヤは王者の剣から剣技を吸い上げる。あらゆる魔と戦ったロトの剣技を模倣する。
 バーサーカーは四肢を狙い、戦闘力を削ぐ戦法を止める。B-4への輸送を諦め、結界から脱出するために殺しに掛かる。

 観客の居ない戦場で、二騎は激しく交差する。

「■■■■■■■■■■――――!!!」
「くっ……!!」

 バーサーカーの斬魄刀を、エミヤは受け流した。エミヤのいた場所を刀が通り、荒野を抉る。
 バーサーカーの力は強く、エミヤは振るわれた刀を“受け止める”ことができなかった。故に、力の向きを変え、“受け流す”ことで回避する。その為には体捌きも必要だ。自身の体も動かし、刀を外す。
 だが、ここでもまた、右足の甲の傷がエミヤの足を引っ張る。
 満足でないその足は余計な労力を使わせ、エミヤの身から魔力を削ぐ。

 一方、バーサーカーは戦闘続行スキルは無い物の、超速再生スキルによって負傷を無くも同然の戦いが可能となる。
 さらに、バーサーカーのスタンスが“B-4まで生かして運ぶ”から“即座に殺す”に変わったため、攻撃は以前より苛烈なものとなった。

「■■■■■■■■■■――――!!!」
「はあぁっ!!」

 王者の剣はバーサーカーの身体を容易く切り裂く。だが、切り裂いている間は王者の剣が使えないと言うことでもある。
 肉を切って骨を断つ。バーサーカーが魔力の大量消費を覚悟でその戦法に出たとき、エミヤは防戦に回るしかなかった。
 技量を塗りつぶす、純粋な力の差を改めて思い知らされる。

「■■■■■■■■■■――――!!!」
「がっ……!」

 二十七回目の刃の交差で、戦況が大きく動く。
 受け流し損ねたバーサーカーの斬魄刀が、エミヤの右足首を切り落とした。
 エミヤは転がって距離を取り、片膝立ちになる。足首を失っては立つことも回避することも難しい。

「■■■■■■■■■■――――!!!」
「こうなれば……」

 バーサーカーが雄叫びをあげながら迫り来る。
 エミヤはバーサーカーの上空を囲うように、剣を投影する。その数、十九本。バーサーカーのインファイトにより、自身への誤射を恐れて使わなかったそれを、解放する。
 近距離の『壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)』で自身にも被害が及ぼうとも、下手すれば相打ちになろうとも、勝つためにはこれしかない。

「行けっ!!!」

 覚悟を決め、一斉掃射する。

「■■■■■■■■■■――――!!!」

 バーサーカーが斬魄刀を振り下ろす。



 ――エミヤの霊圧が、消えた。





54エミヤの霊圧が……消えた……? ◆OSPfO9RMfA:2014/11/27(木) 20:26:38 ID:XYR/rc320



【B-6】

 B-6に存在する廃ビルのワンフロアに、突如バーサーカーが出現する。
 見覚えのある風景に、バーサーカーは理解する。
 固有結界が解除されたのだと。

 だが、令呪の効力が消え去ったわけではない。
 投影された剣が刺さることはなかったが、エミヤとの戦闘で多大の魔力を消費してしまった。
 これ以上の戦闘は、美遊からも魔力を補う必要があるかもしれない。

 最後の太刀でエミヤを切った感触は無かった。
 何らかの方法で逃げおおせたのだろう。
 奴だけはいずれ滅ぼす必要がある。
 だが、今は令呪の命令が身を強く縛る。エミヤを探しに行くのは困難だ。

 バーサーカーはB-4へと駆けていった。



【B-6/市街地/一日目 夕方】

【バーサーカー(黒崎一護)@BLEACH】
[状態]健康、エミヤへの激しい怒り、魔力消費(大)
[装備]斬魄刀
[道具]不明
[所持金]無し
[思考・状況]
基本行動方針:美遊を守る
1.令呪・《B-4に存在するサーヴァントを殺す》
2.1を果たし速やかに美遊の元へ戻る
3.エミヤは殺す。
[備考]
※エミヤの霊圧を認識しました
※白昼堂々戦闘を行いました。バーサーカー(黒崎一護)が多数のNPCによって目撃されています。また、ビルや橋、車などが一部破壊されました。その情報がどのように流布されるか、ルーラーがペナルティを与えるか否かは、次の書き手に任せます。





55エミヤの霊圧が……消えた……? ◆OSPfO9RMfA:2014/11/27(木) 20:26:56 ID:XYR/rc320



【C-8】

「『飛べ、アーチャー』」

 切嗣の令呪が煌めき、一画が消失する。
 令呪の効力により、エミヤは空間を『飛んで』切嗣の元に現れた。
 切嗣は頭を抱えながら、傷を負ったエミヤを見て眉をひそめる。

「すまない、マスター。令呪を使わせてしまった」
「待ってくれ。まだ頭がはっきりしないんだ。少しずつ、事情を説明してくれ」

 切嗣は覚醒してまもなく、念話でエミヤに令呪による命令を指示された。
 あまり意識がはっきりしていない状況だったが、その指示の必死さに、理由を聞かずに従った。
 切嗣からしてみれば、自身がどれだけ眠っていたか、エミヤの傷は朱のサーヴァントに付けられたものなのか、それすらわからない。

「あぁ、わかった。だが、一度ここを離れよう。移動しながら説明する」
「頼んだ」

 エミヤは切嗣を抱えると、片足でビルの屋上を跳ぶ。
 それはバーサーカーとの再会を恐れ、東の方角であった。

56エミヤの霊圧が……消えた……? ◆OSPfO9RMfA:2014/11/27(木) 20:27:19 ID:XYR/rc320



【C-8(東)/ビル屋上/一日目 夕方】

【衛宮切嗣@Fate/Zero】
[状態]健康、毛細血管断裂(中)、腹部にダメージ(中)、軽い目眩(直に回復)
[令呪]残り二角
[装備]キャリコ、コンテンダー、起源弾
[道具]地図(借り物)
[所持金]豊富、ただし今所持しているのは資材調達に必要な分+α
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を勝ち取り、恒久的な平和の実現を
0.アーチャー(エミヤシロウ)から気絶中の出来事を聞く。
1.使えそうなNPC、および資材の確保のため街を探索する。
2.昼を回ったら暗示をかけたNPCに連絡を取り、報告を受ける。
3.B-4で起きるであろう戦闘を監視する。
[備考]
※この街のNPCの幾人かは既に洗脳済みであり、特に学園には多くいると判断しています。
※NPCを操り戦闘に参加させた場合、逆にNPCを操った側にペナルティが課せられるのではないかと考えています。
※この聖杯戦争での役割は『休暇中のフリーランスの傭兵』となっています。
※搬入業者3人に暗示をかけ月海原学園に向かわせました。昼食を学園でとりつつ、情報収集を行うでしょう。暗示を受けた3人は遠坂時臣という名を聞くと催眠状態になり質問に正直に答えます。
※今まで得た情報を基に、アサシン(吉良)とランサー(エリザ)について図書館で調べました。しかし真名まではたどり着いていません。
※アーチャー(エミヤシロウ)については候補となる英霊をかなり絞り込みました。その中には無銘(の基になった人)も居ます。
※アーチャー(アーカード)のパラメーターを確認しました。
※アーカードを死徒ではないかと推測しています。そして、そのことにより本人すら気づいていない小さな焦りを感じています。この焦りが今も続いているかどうかは不明です。

【アーチャー(エミヤシロウ)@Fate/Stay night】
[状態]右腕負傷(小)、右肩負傷(小)、左足と脇腹に銃創(小)、魔力消費(中)、右足首消失、腹部に打撲
[装備]実体化した時のための普段着(家主から失敬してきた)
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:切嗣の方針に従い、聖杯が汚れていた場合破壊を
0.今はこの場から離れ、切嗣に状況を報告する。
1.出来れば切嗣とエミヤシロウの関係を知られたくない。
[備考]
※岸波白野、ランサー(エリザ)を視認しました。
※エリザについては竜の血が入っているのではないか、と推測しましたが確証はありません。
※『殺意の女王(キラークイーン)』が触れて爆弾化したものを解析すればそうと判別できます。ただしアーチャーが直接触れなければわかりません。
※右腕、左足、脇腹、腹部は軽傷であり、霊体化して魔力供給を受けていれば短時間で完治する程度のものです。
※右足首は消失しており、霊体化して魔力供給を受けても、短時間で完治しません。完治には適切な治療か、多大な魔力、もしくは長時間の休養が必要です。
※キリコを『ロボットに乗る』『何らかの手段で攻撃を無効化する』と認識しました。
※ルリ、美遊についての認識していません。
※黒崎一護は『何らかの手段でエミヤを感知する』『エミヤをどこかへ連れて行こうとしていた』と認識しました。
※白昼堂々戦闘を行いました。アーチャー(エミヤシロウ)が多数のNPCによって目撃されています。また、ビルや橋、車などが一部破壊されました。その情報がどのように流布されるか、ルーラーがペナルティを与えるか否かは、次の書き手に任せます。

[共通備考]
※C-7にある民家を拠点にしました。
※家主であるNPCには、親戚として居候していると暗示をかけています。
※吉良吉影の姿と宝具『殺意の女王(キラークイーン)』の外観のみ確認しました。宝具は触れたものを爆弾にする効果で、恐らくアサシンだろうと推察していますが、吉良がマスターでキラークイーンがサーヴァントだと勘違い。ただし吉良の振る舞いには強い疑念をもっています。
※黒崎一護を『仮面をつけた』『黒刀の斬魄刀を所持する』『死神』と認識しました。
※レンタカーは図書館付近の駐車場に停車してあります。

※B-6の暁美ほむらが仕掛けた罠は使用されました。

57エミヤの霊圧が……消えた……? ◆OSPfO9RMfA:2014/11/27(木) 20:29:21 ID:XYR/rc320
修正案投下終了です。
問題点、指摘事項があれば、お手数ですが指摘願います。

58サイバーゴースト名無しさん:2014/11/27(木) 22:35:04 ID:G.IT8Jpk0
修正乙です
ただ読み返して思ったのですが、固有結界の展開の際に呪文の詠唱は行ったのでしょうか
呪文詠唱の描写が完全に省かれていたことが、今更ながらに気になりました

ちなみに、呪文の細部は違いますが、固有結界の展開にはこれくらい時間が掛かります(ネタバレ注意です)
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm275950
あとついでに、これも把握用にどうぞ
ttps://www.youtube.com/watch?v=-1LBozFVHu8&list=PLA7FE440D65A73C92

59サイバーゴースト名無しさん:2014/11/27(木) 22:45:55 ID:G.IT8Jpk0
連投失礼
アーチャーの詠唱については、こっちの方がわかりやすいかと
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm12281911

60サイバーゴースト名無しさん:2014/11/27(木) 23:05:08 ID:/Z9mMDOA0
問題指摘点を並べます。

・エミヤの口調、というよりリアクションが大きすぎます。ダメージにいちいち叫ぶ真似は殆どしないキャラです。

・すでに言われている通りですが、通常のバーサーカーに敵を所定地に追い込んで倒すという綿密な戦略は見込めません。
 「特定のエリアでサーヴァントを殺す」という令呪の内容と、「近場のエリアにいるエミヤを殺す」という一護の感情は直接繋げられる事柄ではないからです。
 どちらかを優先せず両方遂行できるような合理的な思考は望めません。
 ましてエミヤを襲う場合、守護スキルのデメリットで戦意なき者を攻撃できないという二重の制約があるのでなおさら行動が縛られます。
 それすら無視して感情でエミヤに襲い掛かるという選択肢もあるにはあるでしょうが、その場合相当な制約が追加されることになることは認識してください。
 付け加えるに、四肢を狙い手加減するという文も消した方がいいです。

・五次ライダーの鎖短剣を投影するのは問題ないでしょうが、「冬木市の聖杯戦争でライダーが〜」と明言するのは避けた方がいいでしょう。
 生前の聖杯戦争で会ったライダーが同一である保証はないし、第五次に参戦した記憶(記録ならまだ許容範囲)があるのは今までの心情を破壊する真似になりかねません。

61サイバーゴースト名無しさん:2014/11/27(木) 23:12:50 ID:/Z9mMDOA0
続き。主に固有結界関連。

・固有結界の使用には八節の呪文詠唱が必要です。
 ……とはいえ、原作ルート中ではたびたび途中が省略されているので書かれてないこと自体は問題ありません。 
 その場合、「ほむらの陣地に突っ込んで一護の意図を理解した後詠唱を始めた」ことになりますが。

・自分をどこかへ追い込むという意図を理解したからといって、宝具扱いである固有結界を使って閉じ込めるという行為に移る意味が分かりません。
 だいいち自分諸共閉じ込めてはもう逃げられません。負傷した状態で一護との一騎討ちにしかなりません。気絶中のマスターもほったらかしです。
 これだけ悪条件が重なりながらも宝具の使用に踏み切るだけの理由は無い筈です。

>>53中での描写で、
>王者の剣はバーサーカーの身体を容易く切り裂く。だが、切り裂いている間は王者の剣が使えないと言うことでもある。
 無数の剣が周囲にあるエミヤにとってこれは欠点になり得ません。自動で手元に引き寄せることも可能です。

>エミヤはバーサーカーの上空を囲うように、剣を投影する。
・固有結界使用中には剣を投影する必要は皆無です。元々結界内にある剣を外界に取り出すという設定なので。

62 ◆OSPfO9RMfA:2014/11/28(金) 00:06:24 ID:IE5HPMEM0
指摘ありがとうございます。

今回の話はこのままでは通すのが難しく、また修正も難しいので、破棄します。
多くの助言を頂いたのに、誠申し訳ありません。
キャラクターの長期拘束、申し訳ありませんでした。

63 ◆ysja5Nyqn6:2014/11/29(土) 23:25:13 ID:pMYEkxmw0
話の内容が内容ですので、まずはこちらに仮投下させていただきます。

64角笛(届かず) ◆ysja5Nyqn6:2014/11/29(土) 23:25:57 ID:pMYEkxmw0


 世界は広いが
 世間は狭い

 配点(偶然、必然、運命)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


     01/ 聖杯問答(門前払い)


 バスを乗り継ぎ、新都から深山町へと移動する。
 目指す場所はエリア【D-5】の一角――裁定者たちが拠点とする、もう一つの教会だ。
 そこにいるはずのルーラー達に、東風谷早苗は聖杯の是非を問おうとしていた。


 そんなマスターの隣に座りながら、アーチャーのサーヴァント、アシタカは窓の外を眺めていた。
 その理由は二つ。
 一つは警戒のため。そしてもう一つは、今自分たちが乗っているバスについて考えていたからだ。

 このバスという乗り物は、移動手段としては非常に優秀だ。
 一度に十人以上の人間が乗車でき、移動時の振動も少なく、その速度も速い。そして何より疲れ知らずだ。
 また鉄で構成されたその車体はそれなりに頑丈であり、街中におけるその利便性は騎馬にも勝るだろう。

 だがこのバスには、それ相応の欠点も存在する。
 まず道路上でなければその安定性を発揮できず、さらにその巨体故に小回りが利かない。
 また多少の空腹であっても無理をすれば動ける馬と違い、燃料が尽きればただの鉄の箱になり下がる。
 そして何より、その運用は社会秩序に縛られている。
 発車時間、走行位置、走行速度、停車地点、停車時間。その全てが定められており、原則としてそれを外れることは許されていない。
 つまり、好きな時に、好きなように利用できる乗り物ではないのだ。

 それらの欠点は、戦闘を想定して考えればより顕著になる。
 もし今このタイミングで襲撃を受けてしまえば、自分たちは一瞬で窮地に立たされるだろう。
 なにしろ、このバスの手綱を握っているのは、NPCである運転手だ。襲撃に対する咄嗟の対応など、望むべくもない。
 仮に自分たちが即座にバスを降車しようと思うのなら、窓ガラスを叩き割って飛び出すしかないのだ。

 しかし、その行為にも危険が伴う。
 地面はそれなりに柔らかい草原ではなく、非常に固いアスファルト。加えてバスは高速で移動している。
 物理的ダメージの及ばないサーヴァントならともかく、当たり前の人間であるマスターの場合、大怪我をする危険性がある。
 そして当然、そんな事をすれば注目を集めることに繋がり、他のマスターやサーヴァントに目を付けられる可能性が高まる。

 また、これがバズではなく自家用車であっても、その危険性は変わらない。
 確かにその手綱は自由に扱えるようになり、襲撃には対処しやすくなるだろう。
 だが規律から外れた走行を行なえば、今度は社会秩序自体に目を付けられることになる。
 何しろ道路にはNPCの乗車する車も走っている。走行方向や制限速度を破れば、彼らに迷惑を掛けてしまうのだから。
 これが夜間であれば、NPCの車も減り、多少は無茶な走行もできるだろう。
 だが今度は、車のエンジン音によって自分たちの存在を知らせることに繋がりかねない。
 ……まあもっとも、自身の騎乗スキルには車などの機械は該当しないため、車を運転する事自体がまずないのだが。


 アーチャーのクラスにある身としては、注目を集めるようなことは絶対に避けなければならない事態だ。
 何しろ自分には、一撃の火力というものに欠けている。狙撃による暗殺を狙うのであればともかく、真正面からの戦闘には向いていないのだ。
 ヤックルがいれば他にやり様もあったのだろうが、現在のクラスでは呼び出すこともできない。
 つまり今の自分には、セイバーやランサー、バーサーカーと言った、近接戦闘を得意とするサーヴァントが天敵といえる。
 だからこそ、今も気配感知のスキルによって周囲を警戒しているのだが。

 幸いにして、いくつかサーヴァントらしき気配はあったが、こちらに近づいてくるような気配は感じ取れなかった。
 だが自分はアサシンと違い、気配遮断スキルを持ってない。今の自分と同様、気付いたうえで無視した可能性もある。
 更には、感知範囲外から攻撃できるアーチャーや、気配を隠せるアサシンといったクラスも存在する。
 今の時間帯は利用客が多いため襲撃される可能性は低いが、よほど急ぎでもない限り、今後はバスの利用は控えた方がいいだろう。
 アシタカはそう判断し、マスターである早苗にそう伝えるとともに、一層車外への警戒を強めた。
 ………その際に、


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