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投下用SS一時置き場4th
55
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エンドロールは流れない -自由軍、我等の胸にはミアキスを-
:2014/10/01(水) 22:09:39 ID:CSHND38c0
「俺達ァ、自由なんだ。縛られちゃいけねェ。だから、アレは気に入らねェよ。
さっきも言ったアレだがよ、そこは兄ちゃんと一緒なんだぜ。アレは、許せねェ」
「サイグローグ?」
私は尋ねた。おう、とフォッグは頷く。
「おめェはどうだ? 気に入らなきゃぁ、どうする?
アレするか? アレか? おぅ、いいぜ。そいつも“自由”だかんな。
だがな、俺は単純だ。そいつぶっとばして、好きにする。アレがアレしてりゃあ、全力で助けてやる。
そんだけよ」
「それだけ、か」私は呟いた。「その“それだけ”をするのが、どれほど難しいか……」
フォッグは少しだけ表情だけで笑うと、再び前を向いた。私の何倍もある大きな背は傷だらけで、しかし真っ直ぐ天まで筋を伸ばしている。
誰よりも現実を見ず夢を求めてきた彼の言葉に痺れるのは、やはりその夢を現実にしてきたからだ。
……今でもまだ、分からなくなる。彼がこのゲームには最も適しておらず私が知る現実から乖離しているのは間違いなかったし、
しかしそれでも彼の姿と台詞には胸を打ち感動させる力があり、その理想を実現させる説得力もあり、その夢は誰もが羨むほどに輝いていた。
強過ぎる光に私が目を眩ませているだけなのか、疑心暗鬼になっているだけなのか。
どうにも答えは出なかったが、それでも一つだけ分かる事があった。
「行くぜ、兄ちゃん。俺様を死なせなくないんだろ? だったら、着いてこい。
悪いがよ、俺様は無茶するぜ。それでも死なせなくねェんなら、アレしてみせろ。
そんでアレが終わったらーーーーーー浴びるほど酒飲もうぜ。それで全部、いいじゃねェか」
――――――――――――彼が、格好良いという事だ。
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