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投下用SS一時置き場4th

38エンドロールは流れない -broken gold gear- 5:2014/08/29(金) 23:35:06 ID:4bhZgOjE0
目の眩む様な光、大地と空の啼き声。耳を突き飛ばす様な爆音。影すら溶けてしまいそうな、白、白、白。
辺りは尽く真っ白で、何もかもが無くて。まるでお前にも何もないんじゃないかと迫られているみたいで。
全部見透かされてしまいそうなその寂しげで空虚な閃光が、肌を突き刺す様な白が、物言わぬ暴力が、ただただ怖った。

「ぅ、」

少し遅れて、事の重大さに気付く。余りに現実から乖離した景色が、漸く意識に重なった。
何が何だか分からないが、とてつもない事が起きたには違いない。
私は細めた目を開いた。景色から眩い光が消えて、同時に今度は闇が世界を包み込んだ瞬間だった。

    ...
―――闇だと?


待て、と思う。おかしいぞ。だって今は朝だ。何故太陽が出ているのに、アーリィの様に暗くなる?
“有り得ない”。疑問と結論が警鐘を鳴らす電流となって、脳天から爪先まで駆け抜ける。
冷や汗がどっと吹き出した。マズい、と第六感が叫ぶ。
肉が震える。骨が怯える。汗が迸る。血が逃げ惑う。アドレナリンが、ドーパミンが、どくどくと溢れ出る。
逃げろ、と。本能がそう告げていた。
闇が世界を覆って、一秒半。ここで初めて弾かれる様に上空を見上げて、目を見開き、息を飲み口を開ける。
馬鹿みたいな表情の中に浮かぶ双眸に、馬鹿みたいな景色が写っていた。

「う、 ぉ、お  、」

まず、我が目を疑う。少し遅れて理解がやってきて、半秒遅れで状況を整理し、結果を悟った。
それは、その正体は、青い空を覆っていたのは。
聳える塔が砕け、数を数える事すら億劫になるほどに空に散った……巨大な、礫だったのだ。

「ぉ、おお、、お、ぉおぉぉッ!!?」

太陽の光を遮り、青を切り取り、いつか見た時空を超えたメテオよりも遥かに悪趣味な、
無数の意思無き殺人流星群が―――――――――気紛れで命を狩りに、墜ちて来る。


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