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投下用SS一時置き場4th

37エンドロールは流れない -broken gold gear- 4:2014/08/29(金) 23:27:30 ID:4bhZgOjE0
後日ハーメルから発見された手記によれば、当時はスカーレット夫妻が要となり取り組んでいた魔科学研究が、軌道に乗り始めていた頃だったという。
そうしてライゼン率いるハーフエルフを中心とした、魔科学研究を完成させる為のチームが結成された。
後にダオスがマーテルの口からそれを知りミッドガルズに忠告をした際に、その研究は表向きに発表される事となる。
魔術でしか傷付かないとされるダオスへの攻撃手段という目的を得たミッドガルズにとって、これほど良い隠れ蓑は無かった。
その頃既に魔科学の理論は確立しており、ライゼンは公に一般国民や軍人、科学者を動員し、
また渋るアルヴァニスタを世界の為だと説得し金銭及び魔術的支援を得て、魔導砲の着工に取り掛かった。
察しの良い者は、それがダオスが来てから始めた研究にしては手際が良過ぎると怪しんだが、足を踏み込む事は出来なかった。
何故ならミッドガルズが以前から魔科学研究をしていた確かな証拠など、どこにもなかったからだ。
そして、5年の月日が流れた。

アセリア暦4202年、夏。

そうして遂に、悪夢が訪れる。かの魔導砲はヴァルハラの上空に放たれてしまう。
喘ぐマーテル、朽ちる魔物、揺らぐマナ。不気味な啼き声を上げる空、暴走する閃光。
あの日見た醜悪な光は、破滅の白は、人間の業の深さは、今でも忘れられず網膜に焼きついている。



その光景が、色が、破滅が―――――――――目前に、再び広がっていた。


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