養成工は毎朝寮から工場まで学生服姿で列を組み出勤し、工場に着くとすぐに作業服に着替える。養成工の作業服の下着はインキンが寮に蔓延するのを防止するため越中褌と指定されていた。だから、更衣室では下半身裸になる。毎日、朝晩2回、陰部を露出する事になる訳である。下半身裸といえば検便もそうであった。私の在職中、二度ばかり寮で赤痢患者が発生したが、その都度、養成工全員缶詰めとなって保健所の検便を受けた。四っ這いのまま、裸の尻に検便棒を突込まれるのである。これも海軍式の検便検査である。この検査に興奮する少年もいて鉛筆を使っての検便遊びが流行し、後には年長の養成工が年少の後輩の肛門を掘るような事件が起った。
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