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ただ話すだけの夢のようです

14ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:28:44 ID:MwXFfWDE
川 ゚ -゚)「夢は支離滅裂であった方が面白いだろうと思ってな」

('A`)「残念ながら、夢っていうのは記憶を素材に出来ているらしい」

川; ゚ -゚)「それはつまり、夢が殺風景なのは私のせい?」

('A`)「そうだと思うならそうだ」

川; ゚ -゚)「ぐ……しかし君こそ同じ夢を見ているんだろう? 君こそ地味な人生だ」

('A`)「まあな」

川 ゚ -゚)「そのうえ人を小ばかにしたくて仕方のないといういやらしい奴だ」

('A`)「……」

川 ゚ -゚)「目も死んでいる」

ミ,,゚Д゚彡「にゃー」

15ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:31:26 ID:MwXFfWDE
('A`)「そうだなー」

川 ゚ -゚)「……またか」

('A`)「ん?」

川 ゚ -゚)「またひらりとするのか。ほかの大人と同じように」

('A`)「……そうなるな」

川 ゚ -゚)「いや、違う。君はしない人だった」

('A`)「今はしているよ」

川 ゚ -゚)「させるもんか」

('A`)?「なんだって」

16ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:33:31 ID:MwXFfWDE
川 ゚ -゚)「君がひらりとしたがるならば、私がきっと止めてやる」

('A`)「どうしてそんなこと言い出すんだ」

川 ゚ -゚)「散々小ばかにされたから、復讐したくなったんだ」

('A`)「そんなに根に持つ奴だったのか」

川 ゚ -゚)「私は物覚えがいいんだ」

('A`)「君こそろくでもない子どもだ」

川 ゚ -゚)「あ、また子ども扱いしたな」

('A`)「事実だろう」

川#゚ -゚)「むう」

17ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:35:44 ID:MwXFfWDE
('A`)「ん? 空が白んできた」

川 ゚ -゚)「夜が明けるのか?」

('A`)「というよりも、夢が終わるんじゃないだろうか」

川 ゚ -゚)「なんだ、逃げる気か」

('A`)「仕方ないだろう。目覚めてしまうんだから」

川 ゚ -゚)「いつか必ず君の鼻を明かしてやるから覚えていろよ。私が大人になるまでな」

('A`)「わかったから早く、起きな。子どもは学校に行ってなさい」

川; ゚ -゚)「え? あ、ああ」

('A`)そ「……なあ、お前」

川; ゚ -゚)「なんだ?」

('A`)「もしかして不登校なのか?」

川; ゚ -゚)「なんでわかr――

18ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:38:08 ID:MwXFfWDE
瞼を開くと、薄暗い部屋が滲んで見えた。

変な夢を見た。
生意気な子どもと言い合っている夢だ。
誰ともわからぬ相手だった。

起きてから、人と話すのが久しぶりだと気づいた。
よくあんなに流暢に話せたものだと感心したくなる。

カーテンの向こう側で、陽光が溢れている。
古びた布だ。もう何年も洗っていない。
そんな気力を持つことさえなかったからだ。

しかし、今の俺の気分は若干上向きだった。
とても珍しいことだ。

光があまりに暖かかったからだろうか。
人と話したからだろうか。

19ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:39:34 ID:MwXFfWDE
カーテンを開くと、光はさらに強烈になった。
すぐに目を閉じて瞳を守る。

数回瞬いて、見えたのは、塀だ。
うちを取り囲む石の塀。

見知った光景ではあったが、俺は驚いた。驚く原因があった。
あの夢で見た猫がいたのである。

ミ,,゚Д゚彡「にゃー」

ひとつ鳴いて、猫はその首を仰け反らせた。
傷だらけの首輪が光を反射する。

リードは完全に途切れていた。
猫は何にも縛られていない。

20ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:43:38 ID:MwXFfWDE
こちらを一瞥して、猫はさっさと塀の上を駆けていった。
自らの自由を全身で表わしていた。

飼い猫の気持ちを考えたことなど今までなかった。
常に家にいるわけだから、野生に比べれば動かない。
その意味で、案外俺と同じなのか。


俺は外から内へと目を移した。
すっかり荒れ果てた俺の部屋。
もう何年も片づけていない。

('A`)「これは、まずいな」

俺は頬をひくつかせた。

21ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:49:16 ID:MwXFfWDE
あの子がこれを見たら失望するだろう。
お前もまだまだ子どもだなっと。
大人に憧れるあの子に、こんなものは見せられない。

あの子は本当に俺と会うのか。
わからないけど、嘘はつかなそうだ。
彼女なら、やりかねない。

まず片付けから始めることにした。
できることからこつこつと。

きっとどこか、遠い街にいるあの子もまた
ゆっくり大人になるのだろう。



〜おわり〜

22 ◆MgfCBKfMmo:2014/03/24(月) 00:50:23 ID:MwXFfWDE
おわりです。

さようなら。

23ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 01:10:44 ID:???
乙 クーが本当にいるならロマンチックな話だな。結構好き。

24ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 01:37:13 ID:???
おつ


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