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ξ゚⊿゚)ξ街角絵本と奇譚のようです

3ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:05:52 ID:zwh.XI/U
`

けれどやはり、ここ最近は本当にスマートフォンの置き忘れが多い。
常にと言っていいほど片手に握りっぱなしのそれはあることが当然過ぎて、
その場に無くともあるような気さえしてくるのだ。
友人には鼻で笑われたが、それでもありがちだと思うのは早月だけなのだろうか。

と、視界の隅で何かが動いた。

ξ゚⊿゚)ξ「何かしら」

窓は閉まっている。
季節は春に移ろいつつも、気温をはじめとする随所にまだまだ冬の影が残っているのだ。
空調が整っているこの場所でわざわざ窓を開けるには、外気は少し冷たすぎた。
それに、と早月はいつだか学校で図書整理員の先生が言っていたことを思い出す。
図書館の窓は光を取り入れるための窓であって風を取り込むためにあるんじゃあないんだ。
下手に窓を開け放していれば蔵書はすぐに傷んでしまうからね。

ξ゚⊿゚)ξ「……風」

何気なく移動した視線は、今度こそ動いたものをしっかりと捉えた。
ついで、ぱたん、という音も。
   ・・・・
早月は風もないのに揺れたカーテンの、その後ろに隠れていた一冊の本を手に取った。

ξ゚⊿゚)ξ「『トランクケースに運ばれて』。著者は……誰かしら、高梨れもん?」

聞いたことのない名前だ。
早月は読書が趣味ではあれど、今手に取っているような「絵本」は小学校に通っていたころに読み聞かせてもらった程度の記憶しかない。
この本が有名ならまた違ったかもしれないが、生憎作品名と著者のどちらにも聞き覚えはなかった。


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