銀の彼女はバイクを駆るようです

20：ブーン系の名無しさん：2014/03/14(金) 21:47:26 ID:eeR7MseY: (´･ω･`)「あいつは１０年前に出ていった」

新しい話が、静かなトーンで始まった。

(´･ω･`)「私の妻はすでに亡くなっていてな、
　私とあいつの二人家族、そして使用人だけがこの家で暮らしていた。
　あいつが社会に出ようという頃になって、突然あいつは自分のバイクに乗り、遠くへ行ってしまった。私には何も断りもなく」

(´･ω･`)「ただ、直接に会ってはいないものの、年に数回電子メールを送って連絡は取っていた。
　あいつは別に私のことを嫌って出て行ったわけではないのだろう。もし嫌いなら、連絡など一切よこさないはずだからな」

(´･ω･`)「しかし、だとしたらどうしてあいつは出て行ってしまったのだろう。
　この前あいつと１０年ぶりに再会したわけだが、その理由を質問してもあいつは素知らぬ顔をするばかりだった。
　結局、私にはその理由がいまだにわからないでいるんだ」

彼女の父親の歩みが止まり、僕も足を止めた。
板張りの床の鳴りが止む。
辿り着いたのはひとつの部屋の障子戸の前だった。

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