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銀の彼女はバイクを駆るようです

11ブーン系の名無しさん:2014/03/14(金) 21:30:35 ID:eeR7MseY
郊外を走り抜けていく車両の少ない電車は常に揺れていて、朝早く目覚めたばかりの僕を再び眠らせようと躍起になっていた。

僕の脳裏にはすでに彼女がふわふわと漂っていた。
銀髪は棚引くものの、その内側にある顔まではわからない。

僕は彼女の顔を真正面からは見ていなかった。
見ることができなかったわけではなかったのに、記憶には残っていない。
覚えているのは横顔と後頭部だけ。その不自然な欠落も僕を駆り立てる一因になっていた。

彼女は僕を手招きしていた。
あの大きな無骨なバイクの後部座席。
僕は促されてそこへ座る。彼女は横にいて、ぼやけた顔で僕のことを眺めている。

僕の意識は、今度はバイクに移っていった。
修理屋の目線で見慣れていた計器類、そしてウインドウ越しに見える山間の景色。
僕は免許なんて持っていない。


これは夢だろうと察しがついた。


その途端、景色が灰色に染まっていく。


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