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なでしこ48

18ポリエステル100%:2013/06/19(水) 23:41:43

「こ、小嶋くん…。」

遥香は完全に固まっていた。
先程まであんなことしてたのに、今は二宮金次郎像並の硬直具合を見せている。
おかげで小嶋ハヤトの目覚めには私1人で立ち会うことになったというのは、なんとも迷惑な話だ。

流石の私も、彼の前では緊張してなかなか声が出なかった。
中学時代、あのメッシですら注目していたという噂の選手だ。
そんな彼が今目の前にいるなんて…。

「………誰?
何か用?」

彼は目を細めながら言った。

「えっ。
いや……あの……。」

彼の不思議なオーラに圧倒された私は、喉に何かつっかえたように話せなかった。
ここまで「あの。」と連発したのは人生初である。

「……用ないの?
なら、眠り妨げんなよ。
ついでに、30分後に起こし撿撿」

「こ、小嶋くん!
さ、サッカー日本代表の小嶋ハヤトくん!!
サ、サインしてください!!!」

突然目を覚ました遥香が、どこから持ってきたかわからないペンと色紙を持って小嶋くんに飛び込んでいった。

「……。」

普通の人なら、こんな美少女が飛び込んできたんだ。
何も言わずに抱きしめてサインをサラサラと書き上げ、アドレスを聞いて撿撿

しかし、彼は何故か顔をしかめて、遥香をかわした。
まるでこの世が終わるかのように。

そのおかげで遥香は見事にゴミ箱にダイブしていった。

「……小嶋くん?」

「…それ、人違いだから。
じゃ。 」

そう言って彼は私たちの前から姿を消した。
寂しそうな背中は今でも目に焼きついている。


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