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古き神々の呼び声─次元の狭間から来たる者２
1
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/06/28(土) 22:01:16 ID:lMIMbwRI00
ジャンルは伝奇、オカルト、ホラー、サスペンス、ミステリー、怪異幻想ものです。
オリジナル作品になります。
合いの手、雑談、まとめは大歓迎、更新は不定期です。
前スレ１
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/15956/1746805848/
542
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/20(日) 21:20:59 ID:GcrUGQxA00
頑張ってるのは分かるが、洗脳（？）が解けた後が思いやられる
543
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/20(日) 21:29:53 ID:IOcwwFdk00
なかなか強くなったな
544
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/20(日) 21:34:23 ID:WBPBlKUI00
┌──────┐
│::::::::::::::::::::::::::::::::│
│::::::::::::::::::::::::::::::::│
│::::::::::::::::::::::::::::::::│
│::::::::::::::::::::::::::::::::│
└──────┘
┌───┐
│::::::::::::::::│
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└───┘
┌─┐
│ :: │
└─┘
┌┐
└┘
□
・
＿＿＿
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●）（○） ＼ 仕事終わりのトンスルはうまいニダ。
| （__人__） |
> ￣｀ <
／ ー‐ ＼
/ 、 ,.-―､ |
| | ／ 、 ヽ | |
,ヽ. ／ 人 !i l |..、-―´⌒. |
＿＿＿＿_|＿＼ ／＿|::rYﾛ::| ＿＿＿/＿＿＿
`ｰ´ .|::｀^ﾞ´:|
￣￣
⊂ニ⊃
545
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/20(日) 21:40:38 ID:WBPBlKUI00
.....:::::::::￣￣:::::::::.....
...:::´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ
.／::::::::::::i::::::::::::::::ヽ:::::ヽ::::::::::::::::::＼
/::::::/::::::::{:::::::::{::::::::::V::::::'.::::::ヽ::::::::∧
,′::/:::}::::::ﾊ:{:::::ﾄ､:}::::::}::::::::|::::::/》:::/:::::,
.'::{::/:}:/|:::::{ |∨ﾊ ∨:::ﾄ:::::::}:::/ ハ::::::::::.
ｌ{:::|/}/.斗 - ､ ￣￣｀ V::ハ/::::::}::::::::::!
ｌ|:::|::{ _ .ｨzzｘ }/ }:::::_:::!:::::::::|
.八:{八《示ﾊ しr坏 }/ .Y:::::::: あたし達ので作ったあのお酒ってどんな味なんだろうね？
Vハ. Vｿ .Vrソ r ﾉ八::::′
Ⅵ::}. ､ ,､ _.ｲ::::::/
',:从 ＿ /:::::::/:::::/
V::::ヽ V ﾌ イ:::::::/:::::/
Ⅵ}::::＞ こ . ＜ 八:::::::::/
V|:::／´ 千} ./:::::::::／
∨ _ﾉ /-=≦-､
.ｨ´／ ｨ≦ﾆﾆ＼
,.ｒ＜ﾆﾆ/､ , - ＜ﾆﾆﾆﾆﾆニ.＼
./: :∨ﾆﾆ.′￣ ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=- ７⌒＼
{/: : {＼ﾆ{ .／ニ=- ／ ／⌒ }l
{:/ 八_ｒ＜ヽ'＜ __ -=≦ :／: : : : :.|}
.／: .: :ィ{_{/_ノ￣￣: : : : : : : : : : : : :ｌ{: : : : ||
_,.. -‐=＝ー- ..,
. : : : : : : : : : : : : : : : ｀: .
／. : : :_:_:_ : : : : : : : : : : : : : : : .
. :＞ '"rv ｀ ＜: : : : : : : : : : ヽ
/ / fﾆ＋ニ」 ∨: : : : : : : : : ::.
′} _,.. -‐＝ー- ., V. : : : : : : : : ::.
′7 7 { : '. ｀ ＜: : : : : : : : : : :.
: :./ .:i ｲv { 八 ': : : : : : : : : : :.
i: { i_{_,v {V____＼ : : : : : : : : : : :.
|: } .从{ ∨ {. ＼ ｀:ﾊ ,: : : : : : : : : : :.
|八. :ff^r=ﾒxNi从≫:f Vj笊刈i: : : : : : : : : : :i あんまり美味しいとは思えないけど。
l: : : . 从 ∨ﾗ{: '. 乂_ノｲN |: : : : : : : : : :｜
: : :.}八.ﾊ^冖7/////^冖//jﾉ !: : : : : : : : : : |
|: :..i∧: '. ^ ー=彡!: : : : : : : : : : l
l: : :! ∧ ゝ っ ｨ i /ﾊ: : : : : : : : : ::
: : :.|:i:i:iﾊN i ≫ ..,_ ,.. イ j/ |(ｲﾍ∨. : : : : : : :.,
/.: :.:ﾉ:i:i:i:i:i:i}从八{:i:f^iニﾆ/ 八斗=ミv. : : : : : : :,
. /. :／／7 乂 ｲ￣ V}__ / /'" ∨v: : : : : : }ﾄ.
. : : / / }((ｲ: 乂≠fﾇ ｲ≠ v.＼: : : : :}:, ∨
／.: ::/ / .∨//／イﾊ ∨ ,: :} i:i: ＼: L__ ヌ
／.: : ::/ / .v/ { {／ } } } .}/ ,: } i:i:i:i:i:iヾ ∨ﾍ:.＼
＿
／/⌒
／ ./
/ /
{ -―‐-
＼{ ´ ｀
／ .i ＼ ヽ
/ l ヽ ＼ ＼
j{ .ｉ､ ヽ `､
. ' | j{ ∨ .{ ＼ ｨ `、 !
' :| | j{`ト∨ ‐匕,ｚ=ミ― |、 ', |
. ' ｜ |ﾊfTik､＼ {比ｉ|｜ :|ヽ ',｜ まあ、でも味の好みはひとそれぞれだし。
/ｲ人 ∧ｔﾘ ＼ゞﾞ' | :!ノ ＼i |
{: ` tｰ,,, ' "" | }
ﾍ＞ - ‐ ｨ:| ' `、
ハ / 丶ゝ_≧r ´ |/ _,,,_ `､
j,/ /≠ﾐ'r┤ ﾉﾆ彡'^ヾk ＼
/ ,' i 入ゝ.,__ イﾉ´ j:i} ＼
. ／ i // [ｌ¨¨ ´/ ./ j:ｉ} ヽ
／ ' 〃 , ..:/ !i:{ ',
. / { i. ∥ ｉ .;' {ｉ:r' ′ } ',
/ /ｌ l: : : ｌｌ '....::;' '､__}i:i} ,′ ﾊ
/ -/ }.}: : ∥ ..::::::::;' /i:i{,′ ./ i }
／ ' ∥ ∥ ':::::: ｌi:i:i,′ / :|
| ./ ' .∥ ∥ , :::::i |i:ｉ;′ | ′
|/ / ./ ∥ ,' .::::| |:i;′ ／ |/
{ // ∥ ...:i:::::::|.... !;′ ／
ﾊ 〈/ .∥ ::|::::::|:::::::::....|' イ
546
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/20(日) 21:42:25 ID:GcrUGQxA00
目の前に美少女3人いて、割と好意持たれてるのに
うんこにしか興味ないのはどうよ
547
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/20(日) 21:43:03 ID:WBPBlKUI00
＿＿＿
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●）（○） ＼ 特にこのトンスルは味がいいお、高級品ニダ。
| （__人__） |
> ￣｀ < スグリ、リーファ、ブリジットのウンコをブレンドしたお。
／ ー‐ ＼
/ 、 ,.-―､ | やる夫はトンスルソムリエだから味の違いがわかるニダ。
| | ／ 、 ヽ | |
,ヽ. ／ 人 !i l |..、-―´⌒. |
＿＿＿＿_|＿＼ ／＿|::rYﾛ::| ＿＿＿/＿＿＿
`ｰ´ .|::｀^ﾞ´:|
￣￣
⊂ニ⊃
548
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/20(日) 21:48:35 ID:IOcwwFdk00
嗜好は人それぞれだしな
549
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/20(日) 21:52:12 ID:WBPBlKUI00
ﾄ､ﾊ/:::7
___/|/:::::::::::/〃
､_}::::::::::::::::::::::::::/
ｰ=ﾐY::::::::::::::::::::::::::/
ミｰ,.::-‐‐:::::::::,/
彡〃 ＼:::::::::::::i ` ,
彡.::ｿ ＼::／ i
. 彡.:::}__,,r:::::::::::::ｪ::::::::y、 トンスルっ、トンスルっ！
. 彡.:::｢t￣`ｰ=='⌒ｰ=''〈
. 彡.:::人⊂⊃ ､_,､_, ⊂/
-=彡:i⌒ く_＼ | （_.ノ ∧,,＿／ ⌒)
. `ｰ=彡'ヽ ヽ._＼__＿＿,/}:::::／ ／
〃´i 弋__ 乂○ｰ===彡○{ ／ﾉ
＼, ヽ |:::::::| i Ⅵ::::::／´
}i }i
}i }i
.}i }i
ｊi ji
}i }i
}i }i
}i }i
:}i , -､ }i
}i (⌒'-―――-' ﾉ }i
, }i´ _ _ ｀丶}i
./ }i ´ ｀ ヽ
:′ }i '" , ,ﾞ` /:/:/: ', きゃきゃっ！
| }i /:/: `T^i´ }
:. }i ﾆ′ /
＼ .}i /-､
乂_つ |}iノ
ヽ}i __ﾉ}i
r┘ ､ '⌒i __ ´_ﾉ ⌒i
＼＼ 二二ﾆ二′＿＿____!
＼|_＿＿＿＿＿＿＿_ﾉ
/::::＼＿＿／::::|
/::::::::::::::::::::::::::::::::!
／＿＿∧:::::::::::::::::::＼
´ - -￣￣￣ ヽ トンスルっ、トンスルっ！
| ⌒ ⌒ |
| /// -人- /// ,
乂 ｀´ '
し' し'
、 ,
＼ ／〜
￣ u u ￣ ￣´
＿ ノ ウ ウ {
| ワ ワ ＞
┼ｧ イ (
│ | | ＼
ヤ イ ｜ ／⌒
ヤ ッ (
ウ ヤ イ ッ ＼ ／｝
ラ ヤ /⌒ ／ / ／￣〉
ラ ヤ { // / / ／
ラ （⌒＼ {_j .′∥ /
＼. /⌒＼. ＼ ／￣￣ ⌒ {j {
∨⌒＼/⌒＼｛. ＼／ ⌒ ＼
/ ﾋｿ ヽ ＼
{ 〃〃(_又_, ﾋｿ }
{ {__/ 〃〃 }
＼ ー /⌒、
｛ ⌒) ／ ヽ
ｰく (⌒ 厂} ､ヽ
｀r r ￣ ﾉ ハ｀
し⌒ーしー─
550
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/20(日) 21:55:57 ID:WBPBlKUI00
＿＿＿
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●）（○） ＼ このようにトンスルは子供たちにも大人気だお。
| （__人__） |
> ￣｀ < トンスルが世の中に平和を齎すニダ。
／ ー‐ ＼
/ 、 ,.-―､ | この祖国の誇るべき伝統酒トンスルを広めるのもやる夫の務めニダお。
| | ／ 、 ヽ | |
,ヽ. ／ 人 !i l |..、-―´⌒. |
＿＿＿＿_|＿＼ ／＿|::rYﾛ::| ＿＿＿/＿＿＿
`ｰ´ .|::｀^ﾞ´:|
￣￣
⊂ニ⊃
551
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/20(日) 22:23:14 ID:IOcwwFdk00
子供たちはご機嫌だ
552
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/20(日) 22:48:18 ID:WBPBlKUI00
┌──────┐
│::::::::::::::::::::::::::::::::│
│::::::::::::::::::::::::::::::::│
│::::::::::::::::::::::::::::::::│
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└──────┘
┌───┐
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└───┘
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└─┘
┌┐
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□
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|| ＼ . :. :. :.:.:. :. :.:.: .: .: .:
|| ＼ . :. :. :.:.:. :. :.:.: .: :.
|| ＼ . :. :. :.:.:. :. :.:.: .: .: .: .: . :. :. :. : .: .: . :. :.||:.: . :. :. :. : . :. ::
|| ||＼: .: .:. : .: .: .:. . :. : ,／|￣￣￣￣￣.:.||:.: . :. :. :. : . :. ::
|| || ＼ .:.:. :.:. :. :. ／ || . :. :. .: ||. :.: . :. :. :. : . :.: :
|| || t==-==== | .!| . : :||.: .: .: .: . :. :. :. . :
|| || || | .|| . / . . : .: ||.: .: . ..:: ::::...:
|| || || | ,|| . ||.: .: . :: （) :::
|| || || | .!|. :. :. :.:...: ||.:. :. ;l~l
|| || || | .|| .:.:. .:.:. .:||.: .: . , | .|:::
|| || || | ,|| . .:..:..: .: . || . ム一:::
||. , || |!､_＿_ _! .:.:.:|| . .: .:..: .:.: ||. :. :. :::::::::::::
|| ||. ,!::.:.:.:.:.:.:.:.:..:.＼ || .: .::.:.:. : . ||. :. :. :. :. :. : .: .:
|| :. || ／ . :. :. :. :. :. : ..＼!! . :. :. :. : ||.: . :.: . :. :. :. :.:.
|| ´ .||／ ||.: .:.: .:. :. :. .::.:..:
___＿＿
／ ＼
／＼ ／ ＼
/ （○） （●） ＼ 迷宮でチョッパリを狩るお！
l （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／⌒ ￣＼
| ,､ ,、 ヽ
| || || |
/ ∥ ／ ／
＜三三三三三))(ノ)))ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ]＿__)ﾆﾆﾆﾆﾆｺ
/ _,--‐--､ ヽ
__| ／ ヽ ＼
（＿＿＿ﾉ ﾍ )
`ー‐'′
553
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/20(日) 23:06:17 ID:WBPBlKUI00
投下終了
554
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/20(日) 23:11:15 ID:IOcwwFdk00
乙でした
555
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/21(月) 06:53:09 ID:g5.cS.aw00
乙
やる夫は軍人が一番向いてたのかな？
556
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/21(月) 06:58:42 ID:I91rJloYSr
乙です
557
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/21(月) 07:37:00 ID:XshD5igk00
乙でした！
558
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/24(木) 19:49:11 ID:BL0A/tsA00
『孔乙己――裂けた語の徒』
一
鎮遠の裏町には、ひとつの茶屋がある。瓦は黒ずみ、店主の顔も客の記憶も、幾度となく書き換えられてきた。
そこへ現れる男がいた。背は曲がり、袍は腐蝕を帯び、口元には紙片――古代語の模様が貼り付いている。
誰もが彼を「孔乙己」と呼ぶ。
だが誰もが、それが本名でないことも知っていた。
彼は自らを「原語の学徒」と呼んだ――それは、旧支配者に仕える翻訳者の称号だった。
店主は言う。
「彼は、図書館の奥にある“語られていない書”を盗み見たという。それから……語が裂けた。声が、文字を拒むようになった」
ある夜、孔乙己は茶屋に現れ、笑いながら言った。
「ハスーシュ＝クトゥル、アルア＝リング！ 子供よ、爪の数を数えなさい」
その声は茶屋の壁を震わせ、棚の砂糖壺に刻まれた模様が浮き上がった。店主は恐怖した。なぜなら――壺の内側に古代語の記号が現れたからだ。
客の一人が小声で言った。
「奴は“語を食った”。だから、言葉の形をしていないものを、口にするようになったんだ」
そして誰も知らなかった。
孔乙己が昔、寧武山の神殿で“記録されていない語の原型”を読み、旧支配者の残響を胸に刻まれたことを。
第二部：失われた音素
孔乙己は茶屋に来なくなった。
代わりに、夜毎、路地の奥から“声でない音”が響いた。
それは破れた布を擦るような響きで、人々はそれを「語りの残響」と呼んだ。
ある若者が孔乙己の下宿を訪れると、部屋の床に並べられた紙片に“言語を模した模様”が記されていた。
文ではない。意味をもたない音素の集合だった。
「これは……読めない。なのに、脳が意味を感じてしまう」
それは人間の発声器官では語り得ない言語――失われた原初音素であり、ナグとイェブへの祭文の残響だった。
言葉でなく、語ることそのものの痕跡。
その夜から若者は、語るたびに言葉が変調するようになった。
口にした「水」が「沈黙」に置換され、「母」が「裂け目」と呼ばれた。
孔乙己は、言語の解体者となっていた。
言葉を発しないことで、語られるはずだったものが周囲を侵染していた。
第三部：黒石の祭文
冬のある夜、茶屋にひとつの黒石が持ち込まれた。
孔乙己がかつて寧武山から持ち帰ったとされる、語られぬ石碑。
石には何も刻まれていない。だが、雨に濡れるとその表面に“脈動する記号”が浮かび上がった。
「それは読むものではなく、語られる者に襲いかかる構文だった」
古い言語学者が石に触れた瞬間、彼の声帯が崩壊した。代わりに、皮膚から黒い模様が浮き上がり、“他者に語りかける音のない祭文”が漏れ始めた。
それは「語り手の喪失」を前提とする儀式――つまり、語る者が消滅することで語りが成立する構文だった。
孔乙己は、石碑の前でただ立ち尽くした。
彼は口を閉じ、指で空を撫でるように祭文を“描いた”。
その文は空気を振動させ、茶屋の壁に模様が染みついた。
客は言葉を失い、互いに模様を撫でることで会話するようになった。
街全体が、声なき言語に支配され始めた。
第四部：意味を喪失した都市
春。鎮遠の町は、誰も語らなくなっていた。
学校では黒板に音素の断片が描かれ、教師は発声せず腸を震わせて授業を行った。
病院では患者の声が録音されるたびに、語尾が誰かの記憶にすり替えられた。
街中には孔乙己の模様が貼り付けられ、「読まれない文」として祭られていた。
街は変わった。語ることが暴力となり、沈黙が唯一の倫理となった。
「孔乙己は、神ではなかった。だが、語りを“裂いた者”として祀られている」
彼の姿はもうない。だがどの家にも、彼の音素模様が残されていた。
最終的に、言語は“通貨”となった。
一語を発するには、皮膚に模様を刻む“語り税”が必要となった。
そして、模様が増えるごとに、語る者の記憶が消えていった。
孔乙己の哄笑だけが、壁の奥で響いていた。
それは笑いではなく、語られざる原初の祭文の残響だった。
559
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/24(木) 19:56:27 ID:BL0A/tsA00
青空文庫魯迅「孔乙己」井上紅梅訳
https://www.aozora.gr.jp/cards/001124/files/42938_18510.html
_,,....,,_
-''":::::::::::::｀''-､
ヽ::::::::::::::::::::::::::::ヽ
|::::::;ノ´￣＼:::::::::::＼_,. -‐ｧ
|::::ﾉ ヽ､ヽr-r'"´ （.__
_,.!イ_ _,.ﾍｰｧ'二ﾊ二ヽ､へ,_7
_..,,-":::::rｰ''7ｺ-‐'"´ ; ', ｀ヽ/｀7
"-..,,_r-'ｧ'"´/ /! ﾊ ハ ! iヾ_ﾉ
`!イ´ ,' | /__,.!/ V ､!__ﾊ ,' ,ゝ 魯迅の「孔乙己」をクトゥルフホラーにしたよ。
`! !/ﾚi' (ﾋ_] ﾋ_ﾝ ﾚ'i ﾉ
,' ﾉ !'" ,＿__, "' i .ﾚ' 原作は青空文庫で読めるよ。
ノﾉ （ ,ﾊ ヽ _ﾝ 人!
（ ,.ﾍ ,）､ ）＞,､ _____, ,.イ ハ
560
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/24(木) 19:58:35 ID:29Cfu8.200
こんなのあったんだな
561
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/24(木) 19:59:13 ID:BL0A/tsA00
.r-.､ _,,..-‐ｧ
/::.::.:;,＞‐-‐＜;;,::.::.::!
j;::''": : : : : : : : :.｀ﾞヾ:|
／: : : /: : : : :ｌ: : : : : : ヾ
/ /: : :./: l: l: : :l_;,;.ﾊ: : :l: :',
ﾚ'l: : : :|｀ﾞﾞﾄﾊ.: :ﾊノl.:|: : l: :.l AIツールで小説書くと面白いわね。
（⌒'lﾚﾍＶｨ-‐､ }ノ ,ｨ‐､ﾄl: :!: :.!
＼ ＼ｌ:.ｌ jｲ/: : :l
＼ .ヾ､_" ﾏフ "ｲｨﾍﾊ/
ｬﾞヽL_l:マ>n<フ:j_ス-‐'''フ
＼ .{::::ﾑﾊ/::::::}＼.ﾞ'く´
_二〉:::::::::::::::〈二_＼.＼
∠_,／::::::::::::::::::::ヽ--` i)__）
∧;ｨ､:;:､::;:､::;､ﾄｿ
｀''‐ｔ-ｔ--ｔ-ｔ‐''´
ﾋﾅ .ﾋﾅ
562
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/24(木) 20:08:02 ID:29Cfu8.200
AIはどんどん進化してく
563
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/24(木) 20:37:04 ID:BL0A/tsA00
テーマとプロットとキーワード決めて入力すればある程度形ができた文章作成してくれるなら校正とか手直しすればできるわ。
アイディアも出してくれるし。
564
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/25(金) 22:26:42 ID:eHEgTH5w00
みんなもAIで面白そうな小説作れるわよ。
AIでアスキーアートできないかしらね。
565
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/25(金) 23:25:29 ID:qFva3p5g00
AIはアスキーアートを絵でなく文章として認識してるらしいです
566
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/25(金) 23:51:57 ID:eHEgTH5w00
じゃあ、今の所はストーリーやアイディアを出してくれる感じね、AIは。
567
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 00:11:04 ID:1RRE9Sl200
とりあえずAIにアイディア出して貰ったから続けるわ。
568
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 00:29:14 ID:1RRE9Sl200
斗──── 、
＞ ´ ヽ
＞ ´ ∨
＞ ´_斗 ∨
、─≦´ ∨
∨ ────────＜, .∨
∨ ﾑ三三三三三三ﾆ マ ∨
∨ i三三三三三三三三ﾆ.ﾏ＜ ∨
∨ i三三三三ニﾆY ￣ ヽﾆ.ﾏ ＼ |
∨ |ﾏ三/⌒ﾏ三ﾆ.| |三.ﾏ ヽ |
∨ | ﾏﾆ、__ﾉ三三ゝ─ '三三ﾏ |
∨| ﾏ三三三三三三三三ﾑ |ヽ
∨ ﾏ三三三三三ニニ/=i、 ィ'、
∨ ＼三''"´￣｀｀`ﾆ/ﾆ/ .ﾏ .／ ∨
` ＜ ＼三三三 ／ﾆ/ ﾑ ／ ∨
` ＜、` ー-''"ヽﾆ/ / '"´∨ ∨
＞´＼ /ﾆ/ ／ ∨ ∨
/ / i ＼ i=/ ／ ∨ ∨
/ / .i ＼i/ ／ ∨ ∨
| | ｀、 i!' ∨ ∨
| | ヽ ＼ ／ ` ＜ ∨
| | ／ ヽ.∨
やる夫の祖父であった朴宇鎮は元は平凡な神学研究者だった。
キリスト教における神との対話、霊性の探求、そして古代の秘儀に魅せられ、彼はその道を深く掘り下げていた。
しかし、彼の魂を真に捕らえて離さなかったのは、正典からは排除され、あるいは意図的に隠蔽された、異形の信仰の痕跡だった。
特に、遥か東方の地に伝わるという、「穢れ」と「神性」が混じり合う、禁忌の儀式の噂は、彼の知的好奇心を狂おしいまでに掻き立てた。
その噂の核心にあったのは、とある辺境の村に伝わる「神聖なる排泄物」、から作り出された酒を用いた交霊の儀式だった。
それは異神に選ばれた美しき少女たちが自らの糞便を特定の作法で発酵・熟成させ、それを「神の啓示を得るための聖なる酒」として飲むという、
おぞましくも魅惑的な伝承だった。のちに宇鎮は朝鮮呪術を学んでいく。
569
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 00:32:08 ID:1RRE9Sl200
,-‐-､
| 糞 | ﾝｸﾞ
ﾝｸﾞ | 正 |
| 宗 |
／￣⌒) (⌒￣＼ﾝｸﾞ
／ ,. ^‐'_ヽ /__ｰ^ ､ ＼
／ ／／￣ ｀ ⌒ ´￣＼＼ ＼
（ <／ ＼ﾉ ）
＼ ＼ ／ ／
ﾝｸﾞ ＼ ＼ ／ ／
ﾝｸﾞ
２８話「聖なる糞尿酒」
570
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 00:32:32 ID:1RRE9Sl200
斗──── 、
＞ ´ ヽ
＞ ´ ∨
＞ ´_斗 ∨
、─≦´ ∨
∨ ────────＜, .∨
∨ ﾑ三三三三三三ﾆ マ ∨
∨ i三三三三三三三三ﾆ.ﾏ＜ ∨
∨ i三三三三ニﾆY ￣ ヽﾆ.ﾏ ＼ |
∨ |ﾏ三/⌒ﾏ三ﾆ.| |三.ﾏ ヽ |
∨ | ﾏﾆ、__ﾉ三三ゝ─ '三三ﾏ |
∨| ﾏ三三三三三三三三ﾑ |ヽ
∨ ﾏ三三三三三ニニ/=i、 ィ'、
∨ ＼三''"´￣｀｀`ﾆ/ﾆ/ .ﾏ .／ ∨
` ＜ ＼三三三 ／ﾆ/ ﾑ ／ ∨
` ＜、` ー-''"ヽﾆ/ / '"´∨ ∨
＞´＼ /ﾆ/ ／ ∨ ∨
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/ / .i ＼i/ ／ ∨ ∨
| | ｀、 i!' ∨ ∨
| | ヽ ＼ ／ ` ＜ ∨
| | ／ ヽ.∨
やる夫の祖父であった朴宇鎮は元は平凡な神学研究者だった。
キリスト教における神との対話、霊性の探求、そして古代の秘儀に魅せられ、彼はその道を深く掘り下げていた。
しかし、彼の魂を真に捕らえて離さなかったのは、正典からは排除され、あるいは意図的に隠蔽された、異形の信仰の痕跡だった。
特に、遥か東方の地に伝わるという、「穢れ」と「神性」が混じり合う、禁忌の儀式の噂は、彼の知的好奇心を狂おしいまでに掻き立てた。
その噂の核心にあったのは、とある辺境の村に伝わる「神聖なる排泄物」、から作り出された酒を用いた交霊の儀式だった。
それは異神に選ばれた美しき少女たちが自らの糞便を特定の作法で発酵・熟成させ、それを「神の啓示を得るための聖なる酒」として飲むという、
おぞましくも魅惑的な伝承だった。のちに宇鎮は朝鮮呪術を学んでいく。
571
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 00:36:23 ID:1RRE9Sl200
:::::::::::', ＾ｹいﾊ∵いソ ＼＿＿＿＼＼ ＼＿|::::::::| ＼|:| ＼|::::
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｀' : . , ｀ ' : . , . . : :´"'ｰ-､ｰ--､ _,,.. -‐ '' "´_--_ . . : : :乂:;_,,.. -‐ ''ﾐ;ﾐXﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;:ﾞ:^'ｹいく<< ＼､ ＼
｀' : ., ｀ ' : . , . . . : : ::__､‐''゛_,､＜vｉvｉvｉ,､_:_:_:_:_:_:|￣|‐┐ｘｘXX'"´__,，〜ｯｯﾐ;ﾐﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾐﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ.:';';';';';';'＼＼|:|ｖｖ
｀': . ,｀ ' : . ,...:.:.:ノヽ(( ｒ'"´´´´´´´´´´´∠二二二二'ミヾ;:ﾐ:ヾ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ヾ;:ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ: : : : : : ｖ从心、＼
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ^'Ｙ:;.:,:;.:,:｀'く｀"二"'ｰ-----------------ノ＿__: : ;:;／￣￣＼:;.:／￣￣へ ｖｖ从i:i:i:i:i:i:i:)>｡,
〈｀'｀'㍉丿;';';';'}:;.:,:;.:,:;.:,ノ∠_／／""""""""""/￣￣∧/＿＿ヽ :|”¨"T´___｢ ┯‐--'--┬;';';';';';';';';';';';'i:i:i:i:
ﾉﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;j;';';';';'ｘﾐﾐxX'""ア ´'ｰ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐' |￣￣|／/ ＼_|. :└-／::::::::::￣¨7＼ :|/￣￣￣＼:;.:,:;.:,
ﾞ;ﾞ;ﾞ;xX爻爻Ｖﾐ;ﾐ;ﾐ;ﾐ;ﾐ／／"""""""""ア／""ア￣ /／￣＼| |´"'ｰ-=ﾆ.,_/＿__＼/＿＿＿＿ｖX爻
;';'爻爻爻爻ﾐ;ﾐ;ﾐ;ﾐ;ﾐ;ﾐ;ﾐx"""""""""" """_､‐''゛＼|￣￣_､‐''／ﾏ¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨‘，::::::::::::::::::::::::::∨爻ミ爻
""""^ｉ ｉ＾⌒"""""""""""""""""""_､‐''゛::::::::::::::::::＼‐''゛ ／ ‘，:::::::::::::::::::::::::‘，＿＿＿＿_ﾐ爻ﾐ爻ミ
""""""""""ア ／""""""ア ／|＼:::::::::::::::: _,､ｒ''｢ ||＼ ‘，＿_xXXx＿__Ｖ￣￣|＿|xﾐ爻ﾐヾ;:ﾐ:
i:i:,､、.:.:.:_､‐''゛,､イｖ.:.:.:.:.:.: ／／ ／＿|＿＼_,.､ｒｉ「|_|┘| .|＼| |xX:X;X:X;Xx |xXxXxXx爻ﾐヾ;:ﾐ:ヾ;:
i:i:批ﾋ＜,､丶ﾞｖ小从k.:.:／／ |￣丁￣ ||_|┘_､‐''゛ ＼ |X;X;X;X;X;Xx |ミ爻／⌒ﾆ=- __
j此批此ﾋv_ｨ狄水从小く :|＿匚]＿..|､‐''゛ |「「「「;X;X;X;X;X;X爻ﾐ／::::::::::::::::::::::::⌒ﾆ
此此此此絲小八从乂小 └─‐;X;X;X;X;X;X;X;´|｀''-､_::::::::::::::::::::::::::
宇鎮は、その噂の真偽を確かめるため、幾月もの調査と文献漁りを経て、ついにその村の近くまで辿り着いた。
村は深い山奥にひっそりと隠されており、外界との交流を極端に嫌う閉鎖的な場所だった。
村の入り口に足を踏み入れた瞬間、宇鎮の鼻腔を刺激したのは、甘く、しかしどこか腐敗したような、奇妙に誘惑的な匂いだった。
それは、彼がこれまで嗅いだことのある、いかなる匂いとも異なっていた。
村の家々は古び、人々はよそ者である宇鎮に警戒と不信の目を向けた。
彼は、村の長老に面会を求めたが、彼らは皆、口を固く閉じ、宇鎮を遠ざけようとした。しかし、諦めずに探し続けた結果、宇鎮は一人の老いた女に出会った。
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：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 00:43:34 ID:1RRE9Sl200
老女は、宇鎮の探求心を見透かすように、しわだらけの顔に深い影を宿し、低い声で語り始めた。
, -―‐- 、
. ´ . : : : : : : : : . 丶
, . : : : : : : : :_: : : : : : : : : ＼
／. : /: : : : ／::::::::::丶 : : : /: : 丶 あんたのような者が、ここに来るべきではなかった。
／ . : ::l: : :／::::::::::::::::::::::::＼/: : : : : ヽ
〃 : : : : |／:ト ､::::::::::::::::; イ::/: : : : : : : . ', あの儀式は、人間が踏み入れてはならぬ領域じゃ。
/ : : : 〃:::::ヽ- ゝ:::::∠ ノ:〃: : : : : : : : : ',
/ . : : : :|:､:::::::::::::::::::::::::::::／: : : :／ : : : : : : ,
/ : : : : :j::ﾊ::::::::::::::::::::::／: : : ／ . : : : : : : : .
, : : : : :',: : ＼:::::::::／: : : ／ . : : : : : : : : : ::|,
l : : : : :ヽ: : : ヽ:/: , '´ . . : : : : : : : : : : : : |:',
,/ : : : : : : : : :／'´. . . . : : : : : : : : : : : : : : : :!: ',
／' . . . : : : : : :／ . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l: ::ヽ
/ /: : : : : . : : : :／ . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',: : : 、
／ ./: : : : : : . : : : :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',: : : ＼
／ . /: : : : : : . : : : :.' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : '; : : : : ヽ
／ . : : : : : : : . : : : : : { : : ヽ: :＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ヽ
。 . : : : : : : : : . : : : : ／: ﾊ : : : :＼: :丶、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
〃 . : : : : : : : : : : : : : ／: :／八: : : : : : : : : :｀: : . 、 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
/ : : : : : : : : : : : : : : : : ／: : : : :＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :',
宇鎮は、その「禁忌の儀式」について尋ねた。老女は、宇鎮の質問に答える代わりに、古びた巻物を広げた。
そこには、奇妙な文字と、おぞましい図形が描かれていた。
それは、宇鎮がこれまで研究してきたどの古代言語にも属さない、異質な文字だった。
しかし、宇鎮の脳裏に、その文字が描くイメージが直接流れ込んでくるかのようだった。
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：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 00:50:21 ID:1RRE9Sl200
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`|i i|′ ヽ_ゝ｀ヽ
ヽ' ,' ヽ ｀ヽ
/ ノ｀ヽ.ｨ''ゝ､
,' ヾ ﾍ ,'
｀ヽ ｀ヽ､ ￣
）'｀ヽ,'
｀ヾ/
それは、天空から降り注ぐ、おぞましい「眼」の形をした光。
その光の下で、人々が、まるで狂ったように舞い踊り、そして、一人の美しき少女が、自らの排泄物を、土器の壺へと排泄する場面。
その壺の中では、液体がブツブツと泡立ち、発酵していく。そして、その壺から放たれる、甘く、腐敗した匂いが、村全体を覆い尽くしていく光景だった。
574
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 00:54:15 ID:1RRE9Sl200
, -―‐- 、
. ´ . : : : : : : : : . 丶
, . : : : : : : : :_: : : : : : : : : ＼ 旧き神々、彼らは・・・・・・星の彼方から来る。人間の理解を超えた存在。
／. : /: : : : ／::::::::::丶 : : : /: : 丶
／ . : ::l: : :／::::::::::::::::::::::::＼/: : : : : ヽ 彼らの『声』は、人間の精神を狂わせる。
〃 : : : : |／:ト ､::::::::::::::::; イ::/: : : : : : : . ',
/ : : : 〃:::::ヽ- ゝ:::::∠ ノ:〃: : : : : : : : : ', しかし、あの『聖なる排泄物』を飲むことで、その『声』を聞き、啓示を得ることができると・・・・・・。
/ . : : : :|:､:::::::::::::::::::::::::::::／: : : :／ : : : : : : ,
/ : : : : :j::ﾊ::::::::::::::::::::::／: : : ／ . : : : : : : : .
, : : : : :',: : ＼:::::::::／: : : ／ . : : : : : : : : : ::|,
l : : : : :ヽ: : : ヽ:/: , '´ . . : : : : : : : : : : : : |:',
,/ : : : : : : : : :／'´. . . . : : : : : : : : : : : : : : : :!: ',
／' . . . : : : : : :／ . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l: ::ヽ
/ /: : : : : . : : : :／ . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',: : : 、
／ ./: : : : : : . : : : :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',: : : ＼
／ . /: : : : : : . : : : :.' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : '; : : : : ヽ
／ . : : : : : : : . : : : : : { : : ヽ: :＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ヽ
。 . : : : : : : : : . : : : : ／: ﾊ : : : :＼: :丶、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
〃 . : : : : : : : : : : : : : ／: :／八: : : : : : : : : :｀: : . 、 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
/ : : : : : : : : : : : : : : : : ／: : : : :＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :',
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ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 01:02:53 ID:1RRE9Sl200
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ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 01:06:21 ID:1RRE9Sl200
, -―‐- 、
. ´ . : : : : : : : : . 丶
, . : : : : : : : :_: : : : : : : : : ＼ 飲めば、あんたも『声』を聞くことができるだろう。
／. : /: : : : ／::::::::::丶 : : : /: : 丶
／ . : ::l: : :／::::::::::::::::::::::::＼/: : : : : ヽ しかし、その代償は、あんたの魂と、そして精神だ。
〃 : : : : |／:ト ､::::::::::::::::; イ::/: : : : : : : . ',
/ : : : 〃:::::ヽ- ゝ:::::∠ ノ:〃: : : : : : : : : ', それでも欲するなら、村のはずれにある祠に行くがよい。
/ . : : : :|:､:::::::::::::::::::::::::::::／: : : :／ : : : : : : ,
/ : : : : :j::ﾊ::::::::::::::::::::::／: : : ／ . : : : : : : : . 選ばれれば、あんたは神の酒を得られる。
, : : : : :',: : ＼:::::::::／: : : ／ . : : : : : : : : : ::|,
l : : : : :ヽ: : : ヽ:/: , '´ . . : : : : : : : : : : : : |:',
,/ : : : : : : : : :／'´. . . . : : : : : : : : : : : : : : : :!: ',
／' . . . : : : : : :／ . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l: ::ヽ
/ /: : : : : . : : : :／ . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',: : : 、
／ ./: : : : : : . : : : :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',: : : ＼
／ . /: : : : : : . : : : :.' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : '; : : : : ヽ
／ . : : : : : : : . : : : : : { : : ヽ: :＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ヽ
。 . : : : : : : : : . : : : : ／: ﾊ : : : :＼: :丶、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
〃 . : : : : : : : : : : : : : ／: :／八: : : : : : : : : :｀: : . 、 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
/ : : : : : : : : : : : : : : : : ／: : : : :＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :',
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ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 01:11:16 ID:1RRE9Sl200
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爻爻／＼i:i:i:i:i:ム;:jノ:;.:,:;.:,／.:.: イ─=彡ヘ､、: : : 乢;';';';';
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. ..ﾉi:i:〈淡淡ﾊi:i:i:/i:i:;:;:;:;:;:;:ノ ／⌒'㍉i:i:i:i:i_､‐'゛;:;:;:;:;:;:メミ
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. . . : ; ;;淡淡j'}i:i:{;:;:;:;:;:;:/ ノ }i:i:i:＞''";:;:;:;:;:;_､＜￣⌒""
＼;:;:爻爻渋'7／〉;:;:;:;:/.:.: ´ ﾉj／;:;:;:;:;:;:;:;:／i:i:i:i:i:｀｀''ー‐
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：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 01:15:18 ID:1RRE9Sl200
斗──── 、
＞ ´ ヽ
＞ ´ ∨
＞ ´_斗 ∨
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∨ ────────＜, .∨
∨ ﾑ三三三三三三ﾆ マ ∨
∨ i三三三三三三三三ﾆ.ﾏ＜ ∨
∨ i三三三三ニﾆY ￣ ヽﾆ.ﾏ ＼ |
∨ |ﾏ三/⌒ﾏ三ﾆ.| |三.ﾏ ヽ |
∨ | ﾏﾆ、__ﾉ三三ゝ─ '三三ﾏ |
∨| ﾏ三三三三三三三三ﾑ |ヽ
∨ ﾏ三三三三三ニニ/=i、 ィ'、
∨ ＼三''"´￣｀｀`ﾆ/ﾆ/ .ﾏ .／ ∨
` ＜ ＼三三三 ／ﾆ/ ﾑ ／ ∨
` ＜、` ー-''"ヽﾆ/ / '"´∨ ∨
＞´＼ /ﾆ/ ／ ∨ ∨
/ / i ＼ i=/ ／ ∨ ∨
/ / .i ＼i/ ／ ∨ ∨
| | ｀、 i!' ∨ ∨
| | ヽ ＼ ／ ` ＜ ∨
| | ／ ヽ.∨
その夜、宇鎮は村外れの祠の前に座っていた。目の前には壷があった。
この壷は何だ、どこで見つけたのだと自問する。記憶がどこかで欠如していた。
579
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 01:19:43 ID:1RRE9Sl200
壺からは、あの甘く腐敗した匂いが漂っていた。
それは、もはや嫌悪感を超え、宇鎮の嗅覚を麻痺させ、意識を朦朧とさせていく。
＿＿
´,. -── - ､｀ ､
／／ ヽ ヽ
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| i´! .ヽ / / __
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|‐ _ _ --─'´
＼ _ ｀ 一 ´ ／
｀､ _＿ ＿_ ´
｀ ‐- 二 -‐ ´
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：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 01:20:58 ID:1RRE9Sl200
宇鎮は、懐から小さな懐中電灯を取り出し、壺の中を照らした。
壺の中には、真っ黒で粘性を帯びた液体が満たされていた。
それは、まるで、発酵しすぎた黒い泥のようでありながら、表面では、微かに、ブツブツと泡が弾ける音が聞こえる。
その泡が弾けるたびに、あの甘く腐敗した匂いが、より濃厚さを増していく。
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581
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 01:22:48 ID:1RRE9Sl200
彼は、ロマネスク美術におけるブドウの房の象徴性を思い出した。楽園の至福、キリストの受難と救済、生命の木。
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582
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 01:24:00 ID:1RRE9Sl200
しかし、この壺の中の液体は、その全ての象徴を嘲笑うかのような、異質な存在だった。
これは、「聖なる排泄物」。
しかし、それは、この地の土着信仰と、遥か星の彼方から来る「旧き神々」の力が混じり合い、発酵・熟成された、禁忌ともいえるトンスルだ。
＿＿
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583
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 01:26:41 ID:1RRE9Sl200
宇鎮は、勇気を振り絞り、壺に口をつけた。
匂いと味が、同時に宇鎮を襲った。
それは、想像を絶する、おぞましい味だった。苦く、酸っぱく、そして、どこか血のような鉄の味がする。
しかし、その奥には、麻薬のように甘く、誘惑的な味が潜んでいた。
それは、飲み込むそばから、宇鎮の喉を焼き、食道を這いずり、胃の中で、まるで生きているかのように蠢き始めた。
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：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 01:28:13 ID:1RRE9Sl200
その瞬間、宇鎮の全身に、激しい痛みが走った。
それは、身体中の細胞が、一つ一つバラバラに引き裂かれ、そして、新たなものに再構築されていくかのような、耐え難い苦痛だった。
そして、彼の脳裏に、洪水のような「声」が押し寄せた。
斗──── 、
＞ ´ ヽ
＞ ´ ∨
＞ ´_斗 ∨
、─≦´ ∨
∨ ────────＜, .∨
∨ ﾑ三三三三三三ﾆ マ ∨
∨ i三三三三三三三三ﾆ.ﾏ＜ ∨
∨ i三三三三ニﾆY ￣ ヽﾆ.ﾏ ＼ | ああああああ・・・・・・・・・。
∨ |ﾏ三/⌒ﾏ三ﾆ.| |三.ﾏ ヽ |
∨ | ﾏﾆ、__ﾉ三三ゝ─ '三三ﾏ |
∨| ﾏ三三三三三三三三ﾑ |ヽ
∨ ﾏ三三三三三ニニ/=i、 ィ'、
∨ ＼三''"´￣｀｀`ﾆ/ﾆ/ .ﾏ .／ ∨
` ＜ ＼三三三 ／ﾆ/ ﾑ ／ ∨
` ＜、` ー-''"ヽﾆ/ / '"´∨ ∨
＞´＼ /ﾆ/ ／ ∨ ∨
/ / i ＼ i=/ ／ ∨ ∨
/ / .i ＼i/ ／ ∨ ∨
| | ｀、 i!' ∨ ∨
| | ヽ ＼ ／ ` ＜ ∨
| | ／ ヽ.∨
585
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 01:34:54 ID:1RRE9Sl200
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│ :: │
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＿＿＿
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●）（○） ＼ このようにトンスルを飲むことで神と交信できるお。
| （__人__） |
> ￣｀ < でも神に選ばれた美少女や男の娘のトンスルを飲まないと効果が薄いニダ。
／ ー‐ ＼
/ 、 ,.-―､ |
| | ／ 、 ヽ | |
,ヽ. ／ 人 !i l |..、-―´⌒. |
＿＿＿＿_|＿＼ ／＿|::rYﾛ::| ＿＿＿/＿＿＿
`ｰ´ .|::｀^ﾞ´:|
￣￣
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ﾄ､ﾊ/:::7
___/|/:::::::::::/〃
､_}::::::::::::::::::::::::::/
ｰ=ﾐY::::::::::::::::::::::::::/
ミｰ,.::-‐‐:::::::::,/
彡〃 ＼:::::::::::::i ` ,
彡.::ｿ ＼::／ i
. 彡.:::}__,,r:::::::::::::ｪ::::::::y、 トンスルすげえっ！
. 彡.:::｢t￣`ｰ=='⌒ｰ=''〈
. 彡.:::人⊂⊃ ､_,､_, ⊂/
-=彡:i⌒ く_＼ | （_.ノ ∧,,＿／ ⌒)
. `ｰ=彡'ヽ ヽ._＼__＿＿,/}:::::／ ／
〃´i 弋__ 乂○ｰ===彡○{ ／ﾉ
＼, ヽ |:::::::| i Ⅵ::::::／´
586
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 01:39:49 ID:1RRE9Sl200
/:::＼ ／
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／::::::::::::::人:::::::::::::::::::::,
´￣￣_￣ __｀ー――´＼
, ,
| 炒 炒 | トンスルを飲むと神様と交信できるんだね。
|/// _人_ /// ,
ヽ .＾ .／
l ＿＿ ｒ
人＿つ｜＿ｒ― ,_ノ＼
ヽ ｀￣ ﾉ:::::::ノ
＼ ＿＿_ ／￣￣
∪ ∪ ´
ﾄ､ﾊ/:::7
___/|/:::::::::::/〃
､_}::::::::::::::::::::::::::/
ｰ=ﾐY::::::::::::::::::::::::::/
ミｰ,.::-‐‐:::::::::,/
彡〃 ＼:::::::::::::i ` ,
彡.::ｿ ＼::／ i
. 彡.:::}__,,r:::::::::::::ｪ::::::::y、 トンスルっ、トンスルっ。
. 彡.:::｢t￣`ｰ=='⌒ｰ=''〈
. 彡.:::人⊂⊃ ､_,､_, ⊂/
-=彡:i⌒ く_＼ | （_.ノ ∧,,＿／ ⌒)
. `ｰ=彡'ヽ ヽ._＼__＿＿,/}:::::／ ／
〃´i 弋__ 乂○ｰ===彡○{ ／ﾉ
＼, ヽ |:::::::| i Ⅵ::::::／´
587
：
ちるのふ
◆3eW3RQc8hA
：2025/07/26(土) 01:45:02 ID:1RRE9Sl200
投下終了。
588
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/26(土) 08:17:34 ID:UytzIhMY00
乙
589
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/26(土) 17:08:14 ID:ebtstNHE00
乙でした
590
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/26(土) 18:49:36 ID:SXLCO/SQ00
乙
トンスルってすげー
591
：
令和もどこかの名無しさん
：2025/07/27(日) 07:07:53 ID:w3.P9OesSr
乙です
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