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俺「ストライクウィッチーズと洒落込もうか」

714ミーナの幼馴染な俺:2016/07/03(日) 22:26:35 ID:sB6VQk8Q0
「8時方向、戦車砲!」

だれかが叫ぶ。軽戦車の口径ではありえない。砲弾の飛んできた方角へ首を巡らせると、4kmほど離れた丘の上にゴマ粒のようにネウロイが見えた。
はっきりとは分からないが、大口径砲を装備した支援火器型だろう。足の遅い連中だが、ついに追いついてきたのだ。
見る間に稜線を越え、同じような影が数両現れた。

「退却する!急げ!」

隊長が命令を下した。断固とした口調だった。横転したトラックは捨て置かれた。
トラックは車両前部を撃ち抜かれ吹き飛ばされていた。運転手は即死だ。撃たれたことも痛みも感じる暇はなかっただろう。
この距離の第一射が命中するとは、不運だったとしか言いようがない。
後部車体は比較的原型をとどめていた。生存者がいるかも知れない。しかしすぐにもタンクに火が回り、残った部分も爆発炎上するだろう。
隊長の命令は的確といえた。

だが、俺は見つけてしまった。
横転した荷車の中、何人もの兵士が折り重なって倒れている中に、よりにもよって、クルトがいたのだ。
自分の血の気が引いていく音が聞こえた。ざわざわと、皮膚の下で一万匹の虫が一斉に這っているような。
隊列を離れて駆け寄る。

「おい、どこにいく!?」
「敵が来るぞ」

誰かが声をかけてくる。無視する。脂汗が背中をじっとりと濡らし、一気に寒くなったような錯覚を覚えた。
心臓が早鐘を打つ。叫び出したいような気がしたが、何を叫びたいのか自分でも分からず、また舌が乾燥して口腔にはり付いて声が出せなかった。


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