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俺「ストライクウィッチーズと洒落込もうか」
242
:
衝撃波 ラル√最終話前編
:2013/08/24(土) 05:19:06 ID:BQ30L.Pw0
サーシャ『――俺さん……こうなった以上は何も言いません』
俺「悪いな。最後の最後に我侭聞いてもらって」
流れ出した声は真正面の標的を見据えながら断続的に対物ライフルの引き金を絞るサーシャのそれであった。
日頃に比べ幾分か落ち込む声色から彼女が自分の身を案じていることを察した俺は、口許に苦笑を零しながらも引き金を引き続ける。
思えばここ数日は彼女らに心配をかけてばかりだ。基地を飛び出し、戦場に入り込み、ジグラットの崩壊に巻き込まれた。
まだ半世紀も生きていない若造であることは自覚していたが、青臭さだけはとっくの昔に抜け落ちているものとばかり思っていた。
にも拘わらず、この有様だ。魔力障壁を展開すら力を失っているというのに乱戦の渦中に身を置いている始末だ。
どれだけ世界を渡り歩いても。どれだけ砲火のなかを突き進み、実戦経験を積んだとしても。
結局自分は未だ青臭いままの若造なのだと己の未熟さに自嘲の念を禁じえない。
なにが自分をここまで変えたのかと原因を探り始める。時間にして数秒、答えはすぐさま弾き出された。
愛しい女性の笑顔を脳裏に思い浮かべ、銃口炎に照らされる俺の表情が緩やかに綻んでいく。
あの笑顔のためなら、彼女のためなら自分は何度だって命を張れる。
この感情が青臭いというならば自分は一生青臭い小僧だと嘲笑われ続けても構わない。
けれども、
ロスマン『最後だなんて……縁起でもないこと言わないでください』
クルピンスキー『そうだよ。君には何が何でも生き残ってもらうからね? 途中で死んだりして、隊長を泣かせたら一生恨むよ』
俺「わかってる。俺だって惚れた女の泣き顔なんざ見たくないんでね」
それでは無意味なのだ。片方が生き残るような結末など彼女は望んでいない。
彼女が欲しているのは自分が隣にいる平穏な未来。故にここで死ぬわけにはいかない。
露出したコアに銃弾が直撃。砕け散る爆撃機級から視線を外すと同時に再びインカムから雑音が迸った。
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