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wiki編集,修正スレ
84
:
◆k7RtnnRnf2
:2020/06/13(土) 17:48:08 ID:joiqRQdY0
再度、加筆修正をさせて頂いた部分を投下させて頂きます。
「まさか、キサマ一人で俺と戦うつもりとはな」
「不満か? フォルテ」
「いいや、余計な奴らにキサマとの一騎打ちを邪魔されては興が削がれる……さあ、始めようかッ!
――《ジ・インフィニティ》ッ!」
その叫びと共に、フォルテは猛スピードで突貫しながらジ・インフィニティを展開し、勢いよく振るってきた。
以前の戦いでも行った戦法を前に、俺もまた双剣を交差させる形で防御を選び、激突した。だが、その衝撃は凄まじく、これまでの戦いとは比較にならない。
「ぐっ!?」
フォルテの一閃によって、俺は悲鳴をこぼしながら弾き飛ばされた。
瞬時に体勢を立て直したが、フォルテの剣戟は迫る。俺は慣れたSAOアバターによるスペックで回避を選ぶが、コスチュームが掠められた。反撃の為、ダークリパルサーでフォルテの刃を弾き返すが、奴の勢いは微塵にも衰えない。
むしろ、いつの間にかバスターとなった左手を突き出し、銃口を輝かせた。
「受けろ!」
光弾による機銃掃射が行われるが、俺は高く跳躍したことで回避に成功する。
しかし次の瞬間、標的を失ったエネルギーの塊が大爆発を起こし、俺はいとも簡単に吹き飛ばされてしまった。爆風に巻き込まれながらも着地し、フォルテを睨みつける。
一方のフォルテは笑っていた。圧倒的な優越感に浸っていて、まるで俺のことなど取るに足りない存在と見下しているように思える。
「どうしたんだ、キリト? 俺とたった一人で戦うと意気込んでおきながら、この様か?」
「ふざけるなっ!」
フォルテの嘲笑が迫るが、俺とて言われっぱなしにするつもりはない。
俺は再び突貫し、ダークリパルサーを振るう。だが、フォルテが持つジ・インフィニティに受け止められてしまい、衝突音が空しく響いた。
鍔迫り合いになり、俺はフォルテを弾き飛ばそうとするも、漆黒の体躯は微塵も揺らがない。ならば、一度背後に飛んで距離を取った瞬間、見てしまった。
何故か、フォルテがジ・インフィニティをストレージに収めていることを。
「キサマに俺の新たな力を見せてやろう……《ダーク・アームブレード》ッ!」
疑問に対する答えは、フォルテの腕から出現した闇の刃だった。
フォルテが《ダーク・アームブレード》と呼んだ刃は禍々しい雰囲気を放っており、冷や汗を流す。俺が持つダークリパルサーやエリュシデータとは、根本的に何かが違う。
(こいつ、いつの間にこんな力を……!?)
闇の刃に危惧を抱くが、今は深く考えている余裕はなかった。
リズが俺の為に作ってくれた名剣を取り戻した以上は簡単に負ける訳がない。俺はそう言い聞かせながら、エリュシデータを振るう。だが、フォルテの身を守るダークネスオーラによって弾かれてしまった。
しかし、俺はその衝撃すらも利用して、フォルテと上手く距離を取ることに成功する。だが。
(どうすればいい……フォルテには……)
「フォルテにはオーラや予測があるから、ソードスキルは通用しない」
まるで俺の思考を読み取ったかのように、フォルテは言葉を紡いだ。
85
:
◆k7RtnnRnf2
:2020/06/13(土) 17:48:58 ID:joiqRQdY0
「奴は俺の戦闘スタイルを把握しているから、一筋縄ではいかない……まさか、キサマがそんな弱音を見せるようになったとはな」
「なっ……お前は、何を言っているんだ……!?」
「フン、ほんの少し見てない間にここまで弱くなっていたとはな。所詮、キサマは”絆”の力とやらがなければ何もできない弱者だったということか」
「……違う!」
嘲りに激高しながら突貫し、俺はダークリパルサーを振るうが避けられた。
(しまった! あいつは……)
「『あいつは先読み能力を持っていた』……知っていながら、わざわざ飛びかかってきたとはな!」
素早く俺の真横に回り込んだフォルテから、がら空きになった脇腹をめがけてハイキックを叩きこまれてしまう。その衝撃で俺は容易く吹き飛び、地面に叩き込まれた。
激痛で悶え、せき込みながらも俺は考えていた。フォルテは先読みだけでなく、俺の思考そのものを把握していて、俺の僅かな挙動すらも読み取った上で戦っている。
だが、ピンクの能力はそこまで高性能ではなかったはず。仮に持っていたとしても、彼女一人では相応の反動が襲いかかるはずだ。
なのに、何故フォルテは悠然と立ったままでいられるのか?
キリトは知らないが、今のフォルテが有する未来予測の能力は格段に強化されている。
ピンクの持つ先読み能力をベースに、『THE MATRIX』の世界で機械に反旗を翻す人類を導いた『運命の預言者』オラクルの予言が加わっていた。オラクルの予言は世界の運命自体を変革する程に凄まじく、またネオやエージェント・スミスの来訪すらも簡単に予知している。
そして今のフォルテは心意と救世主の力を獲得しており、従来のシステムを上書き(オーバーライド)することを可能とした。フォルテは自らの予知能力を応用し、他者の行動だけでなく思考の予測すらも成功した結果、キリトの心すらも読み取っている。
もちろん、フォルテは日本エリアでの戦いにおいて、過剰に未来予測を行えば相応の反動が襲いかかるデメリットも把握している。故に、思考予測を数秒間のみに留めることで、情報処理による負荷を軽減した。
例え僅かな情報でも、思考を読み取られたというプレッシャーを与えれば平常心を崩すことは可能であり、またキリトはフォルテの未来予測のデメリットを知らない。故に、自らの思考が読み取られるという、致命的な不利を背負わされてしまった。
「さあ、次はどうするつもりだ? まさか、こんな所で終わりな訳がないだろうな?」
俺の焦燥すらも見抜いているのか、フォルテは尚も嘲笑してくる。
悔しいが、今のフォルテに対抗する術がまるで思いつかない。いや、仮に策が出てきたとしても、フォルテの予知能力の前では容易く破られてしまう。
「そんな訳……ないだろ!」
それでも、俺はフォルテを目掛けてダークリパルサーを振るうが、オーラで弾き返された。ソードスキルですらなく、ただ勢いに任せた一閃などフォルテにとって何の脅威でもない。
ただ、俺は諦められなかった。ここで倒れる訳にはいかないし、何よりもユイ達に約束をしたから。
「どうかな? キサマは今まで幾度となく俺と戦い、そして勝利を掴んだが……キサマ一人だけで俺に届いたことはなかったはずだが?」
「そ、それは……違う!」
嘲りに心が揺らぎ、そのまま鍔迫り合いに負けてしまう。倒れることだけは避けたが、俺の心は平静を保てなくなった。
口では否定したものの、フォルテの言葉は事実だ。これまでの戦いでは確かにフォルテを打ち倒したが、それは力を貸してくれる恋人や仲間がいたからで、俺一人では確実に負けている。
アスナやシルバー・クロウとの”絆”の力があったが、今は隣に誰もいない。俺自らが黒雪達を逃がすため、殿を務めてしまったのだから。キシナミやレオ達もそれぞれのミッションがあり、助けなど期待できなかった。
「この期に及んで、まだ見苦しい言い訳を続けるのか……まぁ、どうでもいいが。
キサマは結局、あの女……アスナを見殺しにしたのだからな」
「ッ! ア、アスナは……!」
「キサマ達人間がどれだけ”絆”の力を掲げようとも、所詮はすぐに失ってしまう程度のもろさに過ぎない!」
ーーキサマはあの人間を守ろうとしているようだが、守れていない……そして、今まで忘れていたのではないのか?
目の前に立つフォルテと、悪夢の中で見たフォルテの言葉が重なってしまう。
あの悪夢のように、俺は誰も守ることはできなかった。アスナとサチを失い、心を通わせた仲間達はみんないなくなっている。俺を信じてくれたシルバー・クロウだって、オーヴァンによってPKされた。
それでも、守るべき娘であるユイがいるから、俺は戦わないといけなかった。キシナミや黒雪たちだって戦っているから、俺も力を尽くさないといけなかった。その想いがあるから、俺は剣を握って戦うことができた。
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◆k7RtnnRnf2
:2020/06/13(土) 17:49:53 ID:joiqRQdY0
「……そんな訳がない! みんなは俺を信じてくれた! だから、俺は戦えるんだ!」
この気持ちを証明するため、俺はダークリパルサーとエリュシデータを構える。
そして、腹の底から叫びながら力強く走り、剣を振るう。案の定、漆黒と白銀の刃はフォルテのオーラに受け止められるが、関係ない。バックステップを取って距離を取る。
少しでもフォルテを足止めするため、俺は構えたが……
「”絆”にそこまでしがみつくか……反吐が出るッ!」
フォルテは憤怒で表情を歪めながら、あの《ダーク・アームブレード》を横に一閃する。
暗黒色のエフェクトに込められた殺意を前に、反射的にダークリパルサーとエリュシデータを交差させる形で構え、防御の型を取った。
……次の瞬間、フォルテが浮かべた笑みの意味に気付かないまま。
「させるかっ!」
迫りくる闇の刃を、俺は二つの刀で受け止める。
しかし、拮抗は起こらない。何故なら、耳障りな破壊音と共に、俺が握っていたダークリパルサーとエシュリデータの刀身が砕け散ったからだ。
「な、何……!?」
美しく煌く欠片が散らばる中、俺は驚愕する。
二つの魔剣がこうも容易く砕け散るなどありえないからだ。確かにフォルテのステータスは凄まじいが、SAOで数多の敵を打ち倒したダークリパルサーやエシュリデータも決して弱くない。
しかし、俺自身の誇りが砕かれたショックに浸る余裕はない。何故なら、フォルテの攻撃は尚も迫るからだ。
「ッ!? 光剣・カゲミツG4だっ!」
俺は反射的にハセヲのストレージから光剣・カゲミツG4を取り出しながら、フォルテの刃を避ける。
理由はない。ただ、フォルテの刃が実体を持たないから、俺もエネルギーで構成された光剣(フォトンソード)で立ち向かっただけ。
だが、状況は悪くなっているし、共に戦った名剣達が破壊された事実を受け入られないままだ。
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