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OP案募集スレ

5プログラム起動 ◆nOp6QQ0GG6:2012/12/31(月) 12:42:46 ID:Wsvgr1/c0
と、そこまで来てまた新たな存在が現れた。
これまでとは全く異質な登場の仕方だった。
真っ白な空間にノイズが走り、歪んだ空間からその男は私たちの遥か上に現れた。

それは一見して侍のような恰好をしていた。
和服を着ていて、ちょんまげのように結ってある長髪。
だが、ただそれだけのPCでないことは明らかだ。
そのPCは黒い何かに浸食され、ポリゴンの形が崩れてしまっているのだ。

「諸君、これから私がルールを説明しよう」
私たちを見下ろし尊大な口調でその男は言った。

「ふむ、流石にこれだけの人数を一斉に起動させることはサーバー負荷が強かったようだな。
 スムーズに同期が取れていない者も居るようだが、まあいい。私の姿と声は聞こえるだろう?」
と、そこで私はその場に人が更に増えているのに気付いた。
それもかなり多い。多種多様な格好をした人間たちが白い空間に現れていた。
彼は急に現れたのではないのだろう。男の言葉によれば「同期が取れていなかった」だけで、最初からそこに居たのだ。
そのこと自体はそこまで驚くべきことではないのかもしれない。が、私はその統一感のなさに面食らっていた。
私と同じくファンタジー小説から抜け出してきたかのような者、ロボットのようなメタリックな姿の者、かなりデフォルメされた者、不気味な黒コートの者などなど。
全く違うジャンルのネットゲームからアバターをひっこぬいてきたみたい……、そんな印象を抱いた。

「私の名は榊。このVRバトルロワイアルの進行役を務めさせてもらう。
 今、諸君らには既に基本のルールが記されたテキストデータが配布されている。先ずはメニューウインドウを展開し、アイテム欄からそれを開いて貰いたい
 取り出し方は分かるかね? アイテム欄に触れると【使う】のコマンドが出るからそれを押して貰いたい。また外にあるものをアイテム欄に入れる場合には【拾う】のコマンドを推す必要がある」
そいつ――榊と名乗った男の言う通り私はメニューを開こうとする。
と、すぐに目の前にウインドウが開かれた。勿論ボタンなんて押していない。ただ「開く」と思っただけで開いたのだ。
そのことに戸惑いつつ、開かれたメニューを見るとそれは見慣れたthe Worldのもの――ではなく、無機質なグレーカラーのメニューだった。

【ステータス】
【装備】
【アイテム】
【設定】
 
その四つで構成されたシンプルなメニューだった。その上には小さな文字で時刻0:00:00と記されている。
慣れないメニューに困惑しつつも、【アイテム】の文字に触れ、展開されたアイテム欄の中から「rule.txt」を見つけて選んでみた。
そして、私を更なる衝撃が襲った。

『VRバトルロワイアル
 ・これから貴方たちには殺し合いをしてもらいます。
 ・生き残った一人のみが優勝となります。』

出てきたテキストの冒頭がこれだった。
その文面に私は「なっ……」と思わず声を漏らす。

「フハハ! 驚きかね。そう、諸君らにはこれから殺し合いをしてもらう。
 会場内で参加者PCを全てkillすることが優勝条件だ」
榊の不快な声が響く。


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