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OP案募集スレ

13Tutorial ◆NZZhM9gmig:2012/12/31(月) 18:18:42 ID:I5/VOgKE0

 他人を殺して、という言葉に再燃したどよめきが、クリア報酬によって静まり返る。
 ただ強制的に殺し合うだけではなく、望外の報酬も用意されている。
 その事に、多くのプレイヤー達の欲が少なからず刺激されたのだ。
 それを見てとった言峰は最後の締めに入る。

「以上でデスゲームのルール説明を終了する。
 優勝を目指し一人で行動するのも、生き残るために仲間を集めて協力し合うのも自由。
 あるいは、このデスゲームを破綻させるために主催者に反旗を翻すのも、また自由だ。君達の好きにするといい。
 一つ確かな事は、“聖杯はもっとも強き者にのみ与えられる”という事だ。
 ―――それでは今ここに、バトルロワイアルの開始を宣言する! 諸君らの健闘を祈る」

 言峰がそう締めくくると同時に、プレイヤー達が一斉に光に包まれて消える。
 会場のどこかへと転送されたのだ。

 ―――そうして、自身の生き残りをかけたデスゲームが始まった。
    彼らの内何人が死に、何人が生き残るのか。それはまだ、誰にもわからない。


【???@Fate/EXTRA Delete】

     †

 プレイヤー達がフィールドへと転送され、言峰綺礼一人が残された。
 周囲に人影はなく、広間には彼しかいない。

「こんな感じでよかったかね? 須郷伸之」

 それを確認したうえで、言峰は誰もいない空間へと声をかける。
 だが返って来るはずのない問いに、どこからか応える声があった。

「いいんじゃないかな。彼らも、自分の立場を十分に解ってくれたと思うよ」

 そう言いながら転移してきたのは、黄金の長髪と王冠に濃緑色のローブを身に纏った男性だった。
 そして彼の背中からは、薄緑色をした半透明の羽が生えている。
 その存在を知る人物が見れば、彼が妖精と呼ばれる種族である事にすぐに気がつくだろう。

「それはそうと言峰君。前にも言ったけど、僕の事は」
「妖精王オベイロンと呼べ、か。いやすまないな、うっかり失念していたよ」
「わかっているならいいけどね。次からは気を付けてくれよ?」
 そう言ってオベイロンは、言峰の隣に立ってポンと彼の肩を叩く。
 言峰はそれを、特に拒絶することなく受け止める。

「にしても見たかい、言峰君? 見せしめに削除された奴の顔を。
 隔離された瞬間、何が起きたのか理解できずにポカンとしていたよ。いやぁ面白かった。
 その後の反応はつまらなかったけど、他の連中の無様な様子が見れたから良しとしよう」
 別所から眺めていたチュートリアルの光景を思い出し、込み上げる笑いに肩を震わす。
 しかしそれもすぐに収まり、今度はその顔に喜悦の表情を浮かべる。

「だがこれで、ようやく僕が真の神になる準備が整ったという訳だ。
 あぁ、楽しみだなぁ。その瞬間が待ち遠しくて仕方がないよ。今すぐあいつら全員を消してしまいそうなほどだ」
「楽しみにするのは構わんが、少し落ち着いてはどうかね? そんな事をすれば、聖杯は手に入らないかもしれんぞ?」
「わかっているさ。神になりたければ、僕もあいつらと殺し合えって言うんだろう?
 けど心配はいらないよ。だって僕は、既にこの世界の王なんだから!」
 そう言うとオベイロンは大仰な手振りで自身の高ぶりを表す。

「そう! 馬鹿なプレイヤー共が必死でボスを倒したその瞬間、この僕が真のラスボスとして登場してそいつらを嬲り殺す!
 僕にはゲームマスターとしての権限がある! あいつ等は何も出来ずに一人、また一人と虫けらみたいに死んでいくんだ!
 そして僕は、こんな偽物の世界だけではなく、現実世界においても神となる!!
 くははっ、今からでもその光景が目に浮かぶようだよ」
 オベイロンは哄笑を上げながら、約束された未来を想像して歓喜に身を震わせる。
 彼は自身の敗北など想像していないし、システムに従えば事実その通りなのだ。


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