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投句板 〜自由律俳句〜
1
:
湯原/海紅社★
:2012/10/06(土) 21:37:56
自由律俳句・随句・自由律句・自由律
定型俳句もOKです
462
:
田中恭平
:2014/12/25(木) 03:51:05
2014年12月25日(木)。
・寂しさに星燃えるなり星月夜
・夜の闇に眼球二つ動きけり
・不調なり句を書いてなお不調なり
・冬至より断酒断煙世界が尚も狭くなり
・文人として六畳一間で済む身かな
・午前三時の祈りの如く詩を綴る
・首の裏痛めつづけてクリスマス
・最終のバスに乗りつつソウビを抱え
・クリスマスすることもなく部屋掃除
・天罰を受け入れて尚眠るかな
463
:
田中恭平
:2014/12/26(金) 16:24:42
2014年12月26日(金)。
・孤独感じつつ本日一日誠実でいる
・悩みしつこく寂しいこと泣いている
・赦されず歩むもう頼るひともなく
・この一瞬を生きその後の一瞬を生きる
・反省しこのまま敗れつづける、冬陽
・冬陽照ること、無常であっても赦されない
・赦されないのは己の所為で寒風
・己を責めつづける、寒風吹きつづける
・緩やかに自責すること夜も年老いた
・まだ生きているから賀状を出す冬の星のもと
464
:
田中恭平
:2014/12/27(土) 18:00:50
2014年12月27日(土)。
・富岳にて失調寸前荒療治
・野に灯あり狸も詠める俳句かな
・文人志願の縁なし仮屋にて眠る
・冬苦い薬を含みよく眠る
・明日も休日今朝筆跡を強くする
・冬の野火家事かも知れずじっと視る
・こころざしだけでつづけてゆくことに
・父母に虚ろはなくて病者の息子
・被験者の棚よりキャラメルあらわれる
・原発の背も綺麗なり年のくれ
465
:
田中恭平
:2014/12/28(日) 16:14:41
2014年12月28日(日)。
・午後四時となり幽霊は出る準備する
・幽霊も身震いするかこの寒さ
・文人となるや父方祖父の命日に
・冬夕焼け隣のマンションを赤くさせて
・魂と水混じりこぼるる年のくれ
・悪徳を庭の隅にて積にけり
・赦しては赦されず往く遍路かな
・もうこれで善いのだ人生諦めて
・我が道と思えず歩む統合失調の道
・祖父いなくてあゝ仕舞われた桐箪笥
・日曜の天使の足に虹かかる
466
:
田中恭平
:2014/12/29(月) 05:31:44
2014年12月29日(月)。
・雨降りの今日はしずかに大掃除
・感情平坦男、私、アカシジアに立っており
・ガムを噛むガムに憎しみの在る如く
・我病みて水槽の底にじっとして居る
・不自由なベッドに横臥し句を成しぬ
・寂しさや一人の朝や冬の月
・外来の花咲きにけり冬の土
・内臓を痛ませ眠る孤独かな
・骨と肉そして少しの魂よ
・胃を病んでそれから永い峠かな
467
:
田中恭平
:2014/12/30(火) 12:46:02
2014年12月30日(火)。
・己宥めて草に水滴ひかる道往く
・太陽の芯を求めくさはらのなかを彷徨う
・どうしてもひとりになりたがる未熟な果実
468
:
田中恭平
:2014/12/30(火) 20:29:14
・薬で弛緩してゆく筋肉のこのまま水母になりたい
469
:
田中恭平
:2014/12/31(水) 01:54:49
今宵の自由律俳句 2014年12月31日(水)。
・冬枯れその酷さに脚をとめる南無阿弥陀仏
・寒さ厳しく震えて文士の日記を指で追えば大晦日
・結局変われなかった一年を暖に当たって送る
470
:
田中恭平
:2014/12/31(水) 09:27:34
2014年12月31日(水)。
・死と遊びもう泳がない海を見ている
・冬陽親しくすべてのひとひに祝福を
・普通のひとには成れず只管胡桃割りつづく
・呪われた寝室、コピー用紙だけがまっしろ
・孤独を食べてこんなに痩せた私です
471
:
田中恭平
:2014/12/31(水) 21:21:26
今日の自由律俳句
・回心し露草のなかゆっくり急ぐ大晦日 恭平
・ゆっくりと死につつあゝ寝正月の明日明後日 恭平
・halleluiahと呟いた唇が十字架にかけられる 恭平
・人それぞれの世界で一輪の花となりはつはる 恭平
・自分の動かなくなってゆく頭に向いてゆく興味 恭平
472
:
田中恭平
:2015/01/01(木) 19:35:42
2015年1月1日(木)。
・火の前で父と語らう御元日
・日記初めの掃除初めや荷風に倣い
・断煙をつづけて年を越しにけり
・心臓を大事に歩む初春の道
・素直になって日々是好日、白い畑
・不安となりデパスを含む就寝前
・元日にゾンビ映画をぼうっと眺め
・人生はつづいて元日という区切
・病永くて今年も参る雑煮哉
・真剣に素直になろう御元日
473
:
田中恭平
:2015/01/01(木) 19:36:19
2015年1月1日(木)。
・火の前で父と語らう御元日
・日記初めの掃除初めや荷風に倣い
・断煙をつづけて年を越しにけり
・心臓を大事に歩む初春の道
・素直になって日々是好日、白い畑
・不安となりデパスを含む就寝前
・元日にゾンビ映画をぼうっと眺め
・人生はつづいて元日という区切
・病永くて今年も参る雑煮哉
・真剣に素直になろう御元日
474
:
田中恭平
:2015/01/03(土) 18:05:01
2015年1月3日(土)。
・白い空青い空よりよき眠り
・午後五時の鐘鳴り母はゆっくり急ぐ
・ソナタ聞くカーディガンのあなた初春のくさはら
・小鳥囀り椿蹴り落とす初春がやってきました
・初夢に観た富士山のオレンジ色であったこと
・冬、柳のもと女は狐に変わりけり
・初春を暗い部屋目を光らせて過ごしけり
・脳病も愛には勝てず冬枯れの道
・魂の救済に初湯に遊んでいる
・非俗しかし聖(ひじり)でもなき病者かな
475
:
田中恭平
:2015/01/04(日) 06:32:39
2015年1月4日(日)。
・初春の病み深くなり寝室に吐血する
・寂しがらせるな嗚呼みんな自分のことを考えている
・眠りたがる頭を支えてチーズバーガーに食らいつく
・夜に問う
・涙乾かして夕闇の道を帰ってきた
476
:
田中恭平
:2015/01/05(月) 02:51:11
2015年1月5日(月)。
・寒風も吹かない只しんしんと垂直に冷える初春
・ひとり正しくなって正しさの非力なこと、蟲
・陽は出ようとしつつ私は眠り直そうとしつつ夢が怖い
・真夜中水を飲みつづくこと水母になってゆく
・幻覚にやられてひとり吐くことの静か真夜中
・初鶯のその声聞けず来た道を戻る
・くさはらここがさいわいと体操座りして目を閉じる
・どれほど寂しい今朝も富士によく雪降っとる
・胃の痛むこと孤独つのらせて屋根も漏ったか
・薬含むこと万感の今朝は囚われずゆく
477
:
田中恭平
:2015/01/06(火) 20:24:47
2015年1月6日(火)。
・鴉を見ない冬の燃えるゴミの日
・寒さ極まってひとり筆をとること何も浮かばず
・弧寒極まることくさはらに白い花となる
・青空のぞむことどうにもならない筆のゆきかた
・薬効くこと多幸感じつつ草を抜く
・どうして寂しい今朝の米を頂く
・汗かいて体冷えること益々冬を嫌ってゆく
・体温めて眠りに就くこと安心のデイケア
・新年の小唄愉しく御茶を頂く
・体温めて横になっていると餅を焼く匂い
478
:
田中恭平
:2015/01/06(火) 22:16:49
2015年1月6日(火)。
・蟲を殺した手で合掌して念仏唱えている
・山下さんより黒いコート頂き詩人に近づく
・夜の散歩の愉しきかな父母に黙ってゆけば
・善い月が出て歯に沁みる光だったよ
・書くこと愉しい今日は沢山書いてしあわせ
・私には中身がない、猫に優しくしつづける
・土地神参りてそこに生きていることの重みを背負う
・デイケア愉しいみんな真面目の頑張り屋さん
・私は病んでいたけれど寒ン空にそんなこと忘れる
・ときに悪と化す私を閉じ込めよ夜の精神科病院
479
:
田中恭平
:2015/01/06(火) 22:54:28
2015年1月6日(火)。
・紅葉且つ散り赤い絨毯を敷いたような我が庭よ
・眠れない、から、惰性で句を書いている
・口内苦くなってゾピクロン錠がじわじわ効いて多幸する
・寂しく痩せつづける、あたらしい病気かも知れず不安がる
・嗚呼ゆるされて百合のビニールハウスに眠りたい
・積み上げても積み上げても尽きないひとひ
・寝室を音楽で色付けして寝室掃除はじめる夜更け
・そして生き返る自由律俳句書きつづく
・松も闇のなか
・椅子軋ませてアカシジアに悩みつつ書くに書いている
480
:
田中恭平
:2015/01/07(水) 06:15:45
2015年1月7日(水)。
・筋肉だるく重たくしんじつ水母になりたい
・午前六時まだ陽の昇らず闇に抱かれた窓
・薬疑いつつ薬飲む朝の多幸感訪れる
・薬の副作用にて古椅子軋ませて雑煮頂く
・思い通りにならない体、猫が羨ましく走る
・音もなく朝か
・風もない冬の静かな支度
・些事に過ぎない悪夢書きおこして疲れて
・体疲れているのだここらが峠
・峠越えれば又あたらしい白い道
481
:
田中恭平
:2015/01/07(水) 17:30:04
・「いいよ全然信じ無いから、僕」白菊となって凍っている
482
:
田中恭平
:2015/01/08(木) 08:48:50
・デイケアへとお休みの電話入れて冷えたままの世界で
・寝室に自ら閉じ篭りことば書く、たのしい
・気疲れ起こして寝室に眠ること必死だった
483
:
田中恭平
:2015/01/08(木) 17:17:52
・書き残しても詠み人知らず風邪のひとひ 恭平
・冬の川訪ねては富士より俳味ながれくる 恭平
・白桃の種の燃え立つ薪ストーヴ 恭平
484
:
田中恭平
:2015/01/09(金) 08:15:58
2015年1月9日(金)。
・すっかり冬めく庭の花ぜんぶ枯れちゃった
・だるい体にこころ軽くストレンジ・ストリート
・松明や薬品苦し父厳し
・ジョージ・ハリスン聞きつつ薪ストーヴに指先温め
・今朝も陽にあたった草の匂い
485
:
田中恭平
:2015/01/10(土) 20:42:14
2015年1月10日(土)。
*晩の自由律俳句
・腹充ちて日向に菊となる
・尻の穴火事、小火とのことと文に書く
・少しずつ弱りゆく体、寺の鐘の音響く
・神経の海に漂う薬瓶かな
・水依存症にして水不足の夏を今から心配しとる
486
:
田中恭平
:2015/01/10(土) 20:51:04
田中恭平*筆者近況
正月は、家でひたすら寝正月。
マア、睡眠薬がないと眠れない体質になっているので、横になっても意識はあり
薬の副作用であるアカシジアに悩まされ、ずっと楽な姿勢を探す、手探りの寝正月でした。
抗不安剤デパスへの依存が強く、それは必死に抑えておりました。
以前のように幻聴や、妄想に苛まれることなく、寧ろ
抗不安剤の多幸感で、人生の時期で言えば、収穫の秋さえ感じている冬でありました。
何より皆様の一年のご多幸をお祈り申し上げます。
487
:
田中恭平
:2015/01/11(日) 18:52:50
2015年1月11日(日)。
*晩の自由律俳句
・人間は考える管足穂の忌
・はつはるのコーラ尽きけり冷蔵庫
・壊滅世相闊歩してゆくダンディズム
・かれはらに肥しの匂い陽の匂い
・美少女人形指の先より茶を出して
・迷惑の種を埋めては育てゆく
・時々は力を抜いて水母となり
・寂しさにふっと被せる藁帽子
・母不機嫌に私の病みを酷くさせ
・チョコを食べチョコになりゆく脚の親指──秘密
488
:
田中恭平
:2015/01/13(火) 06:28:10
2015年1月13日(火)、今朝の自由律俳句
・冬銀河その星のひとつになる日も近くなったか
・爽やかな朝に選ばれこの日は起きた
・体のなかで煙の騒ぐ
・風が吹いている、淘汰されるべきもの集っている
・水たらふく飲み水母となりたいよ
489
:
田中恭平
:2015/01/14(水) 07:31:56
2015年1月14日(水)。今朝の自由律俳句
・デイケア休日無為にして眠れない頭よ
・永すぎる一日に困惑しつつしっかりと墓まで歩む
・冬菊活けて線香は折って供える南無阿弥陀仏
・こころがやっと帰ってきて街に冬陽照る
・無用な者よゴー野菜食ってゴー
490
:
田中恭平
:2015/01/15(木) 19:42:46
2015年1月15日(木)。
晩の自由律俳句五句
・薬で酔っちまって焼き芋の匂い嗅いで満足だ
・己の頭を叩いてみれば何処か寂しい音のする
・雨上がりの道を歩く幻聴と二手に別れつつ
・薬で多幸しつつ冴えない夜に音楽を薄くかけて
・機械と化した体横にしつつ歳月がはやく進む
491
:
田中恭平
:2015/01/16(金) 03:57:25
2015年1月16日(金)。
○朝の自由律俳句
・哀しみは箱のなかの箱のなかの箱・・・否何もない
・チョコレット齧って歩む帰り道空気晴れ上がっている夜
・覚めない夢のひとり歌えば
・薬品が引力を持ち断薬できずにいる、冬、冬、ふゆ
・寂しさ窓を開ければ幻聴の雨おと
492
:
田中恭平
:2015/01/17(土) 20:31:39
2015年1月17日(土)。
・急がずいこう花はまだ凍っている
・洗面所に笑顔を忘れた、黙して青空を仰ぐ
・寒くなるという四枚着て眠る
・泣きたいのに愉しいふりをするのは簡単だね
・愉しいものばかり集めた部屋にみのむし
・親指出血している気にせず歩む
・あなたと出会って完成する宇宙が在る
・痛みが優しさになるまで傍にいてねとくさはらで
・人間は考える管胃に錠剤を三錠通して
・小さな目を持って小さな力を見てみたい
493
:
田中恭平
:2015/01/18(日) 06:27:07
・寝不足さえ連れて往こう枯原をゆく
・私の一日に雀が寒椿を落としていく
・寒過ぎる夜が朝になるころ目を覚ます
・苦痛な日々をつづける抗不安剤にも飽きちまって
・暗い夜を暗い色のコートで歩む
494
:
田中恭平
:2015/01/18(日) 18:45:26
2015年1月18日(日)。
晩の自由律俳句
・顔の冷たく不安なまま壁にもたれて座っている
・やっと善人になれました囀る小鳥もなく
・回心の日曜日あらたな息吹と緑の萌えている
・どこまでも青空それは希望か絶望か
・薬を飲んで吐くに吐く何ひとつ正しくもなく
・わかってもらえなくて冷たい水を飲む
・今日も必死で生きて冷たい水に又薬飲んで寝るだけ
・寂しかったなぁ風呂場で野良猫洗っている
・ひょろひょろ歩けば吐きそうで薬漬けでした
・失くしたもの全部帰ってこいと神頼み
495
:
田中恭平
:2015/01/20(火) 07:46:47
2015年1月19日(火)。
・凍りし花の寄り添うように二輪かな
・まだ眠りたいもう眠れないデイケアがある
・夢の中で夢辞典をめくっていた
・朝はコーンポタージュ頂けて庭のプランターに花
・時代がめぐり詩は歴史性に対し垂直に立つ
・雲を数える
・こころ落ち着かない寝室のこうもり傘
・ごみだらけの部屋にごみと化している
・本のみ綺麗に片付けられた部屋です
・そろそろ今日は今日の旅ゆく
496
:
田中恭平
:2015/01/20(火) 17:24:55
>495
×2015年1月19日(火)。→○2015年1月20日(火)。
2015年1月20日(火)。
・陽を風が押している枯原
・ひとり蜜柑齧るこの蜜柑は死んでいる
・夢を次々見てはやっと朝の青空
・淋しい森を抜けてきた風がいまここらに
・頭のなか冷たくなって夜は明けない
497
:
田中恭平
:2015/01/22(木) 19:51:08
2015年1月22日(木)。
・ツイてない日はひたすら眠る霧の夜
・インヴェガという新しい薬しずかな唇に入れる
・愛の裂け目に何か入れたり出したりしている
・久々に鳥囀るや宮沢賢治の偉業に啼くや
・自己人体実験開始、文系と理系の境なしくさはらに
・雪を舐め私正しく生きてゆく
・さっきの私、別段憎からずじっと手を見る
・寺に立ち作法もなく弥勒菩薩を待つ
・繰り返す私は正しく生きてゆく
・母親の無関心寂しい統合失調症者の夕
498
:
田中恭平
:2015/01/23(金) 06:56:26
2015年1月23日(金)。・朝の五句
・曇天の朝雲の黒さが目にかすむ
・洗顔して言いたいこと洗面所に置いてきた
・今日も「賢治コート」で往く、腰に手をあてて歩む
・星空のひとつとなってあなたを照らす
・冬の今朝のコーラ、机の上には薬のタブレット
499
:
田中恭平
:2015/01/24(土) 08:26:02
2015年1月24日(土)。
朝の自由律俳句
・図書館へ行こうとする壮大な夢のさなか
・降りそうな空、模型飛行機を寝室に眺めている
・綺麗な部屋のバイクの鍵が見つからず
・星めぐりの歌を聞きつつ薬効いてきて目を閉じる
・鬼のように柔らかに土手を歩く病者であろう
500
:
田中恭平
:2015/01/24(土) 11:49:58
・服薬し弥勒待とうか路地の影 恭平
501
:
田中恭平
:2015/01/24(土) 12:48:56
2015年1月24日(土)。
・脳冷えてエアコンの音煩くて切る
・雲厚し、二段のカステラにザクッとフォーク刺す
・牛乳を温めて飲んで牛の子となる
・うどんほくほく大根に汁が滲んでいるね
・冬の月に触れて頭がおかしいのは元々だ
502
:
田中恭平
:2015/01/24(土) 15:11:17
・今宵の月は重いと空が嘆いて雨
・風のつきぬけている空を捜してひょうひょうと
・星空に惚れて真っ赤な葉
・大寒の今宵何に酔い眠るのか
・鶴が来てその白さで私の翳を笑う
503
:
田中恭平
:2015/01/24(土) 19:19:51
・ほくほくとキャベツ焼き食べ畜生と化す 恭平
・哲学を好まぬひとの印刷機 恭平
・白鳥を見たことある?と猫に問う 恭平
・幼児転んだ白梅のあと紅梅のころ 恭平
・剪定のあと枝を集める父の作業着 恭平
504
:
田中恭平
:2015/01/24(土) 23:04:59
2015年1月24日(土)。
・修羅の私に恋愛する資格などなし
・いま鴎がとおく飛んだ──私は時間を掛けた自殺していた
・石の声聞こうとして無言だから放る
・夜の散歩のしんとして静かで愉しい
・眠れない夜の様々な要因を想いペン握る
・淋しいことなんかないと月を指さす
・天上への還り道捜し本日も路傍の草となり
・想えば崩れてゆく天候に笑っちゃう
・私は普通ですよという嘘が行き交う駅前
・私に明日なし自由律俳句書きつつくしゃみする
505
:
田中恭平
:2015/01/24(土) 23:15:46
2015年1月24日(土)。
・睡眠薬の効かない敗因を考えて冬銀河
・やっぱり何か欠損している冬薔薇咲いていた
・狂いはじめているのだろうか瞼
・悪路もやはりうきうきする夜の散歩
・淋しいが答えはないだろう仏壇に花
・動かなければ確かに眠いみのむしとして
・昨日の今日で違う夜をオール漕いでゆく
・きちんと無となって椅子も鳴らさず深夜十一時
・夢の川辺を往こう冬に咲く花を見よう
・すると善も悪もないが後悔こころから拭えない
506
:
田中恭平
:2015/01/25(日) 13:26:01
*昼、自由律俳句五句
・ひとり線路を歩いていくんだよ冬銀河
・さびしさは石を磨いて誤魔化す噴水前
・断捨離の中途読み耽る俳本かな
・抗不安剤二錠含んで晴れた枯原
・夢にみたこと骸骨島を踏めばパキパキ鳴る
507
:
田中恭平
:2015/01/26(月) 18:47:23
○本日の自由律俳句三句
・私は私のこころのなかに浮いている 恭平
・このひとには大切なこと指を使って伝えよう 恭平
・短髪となり頭の上で小人がサッカーしている冬 恭平
508
:
田中恭平
:2015/01/27(火) 20:36:01
2015年1月27日(火)。
・初心者呼ばわりされて後々傷つくデイケアに翳
・Nさんに本貸して頂けて明日は俳句三昧になるでしょう
・Aさんの原付と私の原付がすれ違う路にたんぽぽ
・インヴェガ含んで頭明晰─クリア─になって芋煮ている
・住んでいた町を辿る脚が水たまりに二本浸かる
・ぽっと梅咲き流れる河
・星一つへたゆまず歩むに汗一滴
・ちょっと多幸しているとさっと風に時間は吹かれる
・嗚呼、友は先に灰になったか
・澄んだ青空に澄んだこころで動く
509
:
田中恭平
:2015/01/28(水) 19:16:55
2015年1月28日(水)。
・もう凩は吹かない心のなかを歩いてゆく
・しんじつ金なく病気は酷くしかし今朝も善い日で
・風流でゆく判断は風に任せて
・のっぱらやさしく微熱でいた
・ひとりの夢でたらふく食べていた
・病気のことも詠めばよいと諭され青空
・今宵は幻聴もなくしんじつ静かな寝室です
・「死」というタイトルの本正座して読む
・急がず散歩しよう落としてきた脳の欠片を捜そう
・多幸しつつそれは終焉の感覚に充ちております
510
:
田中恭平
:2015/01/29(木) 20:29:48
2015年1月29日(木)。
・夜──、モーツァルト聞きつつ機械人間は畦道を往く
・闇を二つ抱えて参る
・痩せた体で畑(はた)も打てない
・お菓子以外に囚われず私は自由に書く指
・風鈴の音もない仏間に安心している
・薬と仏と安心して眠る
・陽が射して不安はどこにも落ちてはいない
・アブラカタブラ星が一つ落ちましたよね
・こんなに兎が血の涙を出し──、私の友は何処にいる
・チェロが先導するが何故この道を往くか知らない
511
:
田中恭平
:2015/01/30(金) 19:41:51
2015年1月30日(金)。
・難あって人生止まる一夜です
・寂しさの冷たい窓にハート書く
・祈りあり千の鴉が夜を成す
・ピアノの音降り来る空が紫に
・朝八時家の全ての鍵を掛け
・母不徳しかし叱れず眠ります
・鬱酷く総てが詩へのレールかと
・手招いて来る犬もなく大柳
・冬の夢うどんを外で食べたいよ
・昼休み雨の中行き安心する
512
:
田中恭平
:2015/01/30(金) 22:50:21
2015年1月30日(金)。
詩誌空想用原稿
・月となり背中が寒い、抗不安剤
・ねぇ水が歩いてくるよ枯原を
・地球に飽きて正座を崩す傍に模型飛行機
・天体を家へと入れたい意地に泣く
・湧き水が全部毒だと鬼が吐く
・竹槍をいま何故創る躁総理
・寒さより逃れはできず御花散り
・箱庭の猿が俺なり独りなり
・祭とて死の哀しみは癒されず
・落下する林檎に学ぶことはなし
513
:
田中恭平
:2015/02/05(木) 19:57:44
・苦しみもなく一句も得られず春
514
:
田中恭平
:2015/02/05(木) 22:34:21
2015年2月5日(木)。
・降りしきる雪もなく枯草している
・夕飯の魚が善かったそんなこともどんどん忘れる
・書庫に姉の部屋の光が入って逃げ道を捜している
・不思議な水を飲む心の芥、浮いてはまた沈んで
・風に白い砂かけていて老人
・あたらしい印刷用の紙が届いて万感である
・はためく黒い旗下げる方法は知らない
・今日も不安定であって仮面が取れないように必死でした
・素敵な水の青空を眺めて飲む
・句があって善かった、句に救われていた
515
:
田中恭平
:2015/02/05(木) 22:47:34
2015年2月5日(木)。
・死と遊ぶ今宵野良猫が過ぎ行く
・骸骨となり誰も入ってこない寝室に眠る
・やっと薬が効いてきて安堵する
・疲れすぎた体は眠り動かない
・ひとそれぞれ闘っている、笑えやしない
・どろっとした血巡りして今宵も星を嗜好します
・しんじつ静かになって私は句作する理由忘れた
・天に届くまで句作する毎日が大望
・自殺念慮烈しく硝子に映る私をみていた
・風吹いて爽やかな夜にペン握っている
516
:
田中恭平
:2015/02/06(金) 19:43:29
・酔う位旨い水飲める富士の麓で
517
:
田中恭平
:2015/02/07(土) 20:49:47
2015年2月7日(土)。
今日の自由律俳句十句
・白い樹の下で白い本開く
・一日を酒で潰した男が歩いている
・妹の寝室にデパス、不穏
・これが幸せなのでしょう句を書きつづく
・前進できているのか、デイケアに西日射す
・世界がなくなれば私がなくなれば信仰のお祈りはできない
・ひとのことばかり熱心でしんじつ御金がない
・ふわっとふくらんだ枯原にポツポツ青い花
・夜空を叩けば星の降る
・酒に強い身の亡き祖父の血を感じた
518
:
田中恭平
:2015/02/08(日) 20:41:33
・星を眺めようと出たベランダの板が雨に濡れ冷たい
・今朝もヒトリの食パンをボソボソ頂く
・書きに書き積み上げた紙にまだ充たされず書く
519
:
田中恭平
:2015/02/10(火) 18:06:38
2015年2月10日(火)。
・青い夜の明かりぽつんと消えた
・硝子に写る私を嫌ってカーテン閉じていた
・鴉ににらまれて傘ふりまわす
・かなしみをちからに一輪咲いた
・かなしみをちからに一人歩いた
・何かで埋め合わせたいだけ、心の隙間
・きっと頭も良くなるから、社会の闇も知っているから
・苦吟の日々が続く、それは平穏な日々で雪
・私の、いてもいなくてもよい人間の寝室だ
・頭中に泥色の雪降る
520
:
田中恭平
:2015/02/11(水) 13:28:32
今日の自由律俳句
・ひとつふたつ忘れ物しつつ原付を飛ばす
・春の陽、干された掛布団が少し揺れている
・飴が大好き、小さなメロディー大好き、春を散策
521
:
田中恭平
:2015/02/12(木) 20:04:02
2015年2月12日(木)。
・熱いこころが謝って謝って鉄となった
・「それでは善い日を」と砂の建物を去った
・箸一膳巧く握れず二十八歳になる
・眼前にちらつく死を肴に晩酌しとる
・できないことばかり己励まそうと月観る
・宇宙の塵のなかに宇宙あり、春
・約束できず家族で拉麵がとおくなる
・春の雨降る山だちょっと休んだ
・もう春という春が近く又歩きはじめる
・白梅の花薫って目は直線に青空へ
522
:
田中恭平
:2015/02/13(金) 21:23:53
2015年2月13日(金)。
・魂が硬化したまま春の浜
・のっぱらのっぱら、さよならを告げる相手もいない
・真に書斎に落ちつきつつも夜の散歩をしたい
・弥勒菩薩待ちつつ私はあたらしい眼鏡を選ぶ
・よく書いてまだ足らない、頭のなかに詩神が座る
・薬が睾丸にじわりと効いてもう去勢された猫です
・雨降らずの春にあなたの匂いがする
・この峠は永いと薬に酔いつつ句を書いていた
・断捨離します、私のこころも軽くなります
・よく食べてよく眠るのは物の少ない部屋です
523
:
田中恭平
:2015/02/13(金) 22:17:12
2015年2月13日(金)。
・死んだ枝が星を実らせている
・今日も新聞が読めなかった、寒風吹きすさぶ
・冬に青い花咲く、私の目がじっと濡れた
・山を分け入るとぶちまけられてのり弁
・濡れすぎた私を母は急いで迎えてくれる
・やっぱり酒か、山頭火のいそうな昼ののっぱら
・不治の病持ち私も一人
・生きる態度の今日は酔い潰れたい、圧倒した冬
・枯葉舞う、思い詰める
・野良猫最近よく観る、他人の罪に罰が悪くなる
524
:
田中恭平
:2015/02/14(土) 14:15:34
2015年2月14日(土)。
・書を待ちつつ薬を含む影の薄く在るキッチン
・梅にうぐいす、悟ったことを明かせないまま昼休み
・ときは充ちてきらめき苛々して刃物を入れる
・春の陽が夕暮となり復讐してくる
・血の味がして席に過呼吸しとる
・まだ無色なる明日に青い心持ちで往く
・長いお別れになるまで帰路手を繋いで行く
・なかなか溶けないこころのまま風呂に入(い)る
・あなたのことは私のこころと同じでわからないんだ
・バスに乗ってとおく行くきみ、空をのぞいている
525
:
田中恭平
:2015/02/15(日) 13:51:26
・春めいてコロン沢山並べている
・クスリやっと効いてきて陽を愛せる
・酒に溶けて小便として出る脳みそか
526
:
刹那
◆GbvohmL8bU
:2015/05/08(金) 11:11:02
蝉時雨儚い命恋模様
527
:
yuri.
:2015/06/06(土) 17:38:10
アザレア枯れて葉に重たし
528
:
yuri.
:2015/06/09(火) 15:48:01
曇り空にアザミ曇れり
529
:
yuri.
:2015/06/15(月) 19:28:28
すれちがう人に死の匂いしたる
530
:
yuri.
:2015/06/21(日) 20:43:12
あぢさゐに蝶咲いている
531
:
yuri.
:2015/06/23(火) 23:29:51
階段に星の止まり木
水たまりの地図広がる雨上がり
闇の中から雨降りぬ
532
:
yuri.
:2015/06/24(水) 00:26:40
闇の中から雨落ちて来る
533
:
yuri.
:2015/06/24(水) 10:46:43
水たまりの地図に広がる雨の王国
534
:
yuri.
:2015/06/24(水) 17:40:35
文字と話す女
535
:
yuri.
:2015/07/01(水) 22:00:32
紫陽花の枯れ花に一つ青
自転車止めたら蜘蛛乗っていた夕暮れ
536
:
yuri.
:2015/07/03(金) 21:42:29
闇雨に降っている
537
:
yuri.
:2015/07/04(土) 17:11:59
雨の糸に絡まる心
闇に雨の音降っている
538
:
yuri.
:2015/07/05(日) 14:42:49
小熊座届いて開く星空
539
:
yuri.
:2015/07/06(月) 20:51:17
石ころみたいに蹴られる平和
540
:
yuri.
:2015/07/08(水) 18:43:42
蝉のモールス信号聞こえた夏の朝
541
:
yuri.
:2015/07/11(土) 19:00:36
蝉降る前のしづけさ
影も蒸発する炎天
542
:
田中恭平
:2015/07/11(土) 20:31:11
あじさい崩れて半日すうすう寝ていたようだ 恭平
543
:
田中恭平
:2015/07/12(日) 05:53:19
梅雨空マスカット実る道へあなたと逃避する 恭平
544
:
yuri.
:2015/07/12(日) 13:11:22
「復帰したんですね。よろしく。自由に発表出来る場にしましょう」。
545
:
田中恭平
:2015/07/12(日) 17:46:27
「宜しくお願い致します。」
546
:
田中恭平
:2015/07/12(日) 19:05:10
風鈴ほのかすゝしく葉のおと 恭平
547
:
田中恭平
:2015/07/13(月) 17:13:40
(福)と旗に画かれた船は雲峯のむこうひかりへ 恭平
548
:
田中恭平
:2015/07/14(火) 08:15:01
夕栄そして月もでていて雲峯 恭平
549
:
田中恭平
:2015/07/14(火) 19:56:54
大鍋のしろいけむり届いたのは雲峯 恭平
550
:
田中恭平
:2015/07/15(水) 11:30:57
焼砂に中也の御墓雲の峰 恭平
551
:
yuri.
:2015/07/15(水) 19:07:11
炎天に影を探しているのか蟻
星のように言葉を置く夜空に
552
:
yuri.
:2015/07/15(水) 21:15:29
舵を切つた空が泣いている
553
:
田中恭平
:2015/07/17(金) 01:08:42
夏の夜の明けはじめへと社あり 恭平
554
:
田中恭平
:2015/07/17(金) 21:56:52
夕立や煙草の煙押さへこむ 恭平
555
:
田中恭平
:2015/07/18(土) 08:51:35
夕立とおいあなたを思うはだかにて 恭平
556
:
田中恭平
:2015/07/18(土) 19:28:16
夕立雀がともだち夏の内 恭平
557
:
田中恭平
:2015/07/20(月) 09:15:46
短夜明ければ軍手落ちているみち 恭平
558
:
yuri.
:2015/07/20(月) 19:11:51
夕焼け歩いて来る
559
:
田中恭平
:2015/07/20(月) 19:55:31
短夜明けかねこのままとまれと腕時計にぎる 恭平
560
:
_
:2015/07/21(火) 00:54:43
友の鼻を笑う他愛もない日
561
:
_
:2015/07/21(火) 00:55:51
憂鬱が夏の風に炙り出される
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