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安産神社の語源

1名無しさん:2021/12/05(日) 01:59:15
「とりあえず追っては撒いたな。
美濃大丈夫か?」
「ふぅーはい。なんとか。」
高貴な寝巻きの装いをしている男女が山の中を追手から逃げるために
早足で抜けていた。
ただ女性の方は寝巻き着物の上からでもわかるくらいにお腹が膨らんでいた。
2人を守るように何人かの家来と忍びが囲っている。
夜襲に遭い、城を追われた城主と身重の妻が命かながら逃げ出したのだ。
そして一つの小さい神社にたどりついた。

2正和:2021/12/12(日) 23:57:28
「一旦ここに隠れて休もう。」
「わかりましたわ、あなた。」
城主とその妻は神社に隠れ暫く休むことにした。
家来達は中に入らずに神社を守るような配置で周りを囲んだ。
忍びの方は警戒の為、周囲の偵察に行った。

3名無しさん:2021/12/13(月) 03:07:56
忍びが確認したところ離れに神主が住んでるようだが、
夜が明けるまでは休めるようだ。
ひとまず安心した領主は妻を守るように抱きしめ眠った。
元々この領主は家臣の中では愛妻家で有名だった。
若くして領主になり領地への対応も手厚く領民からは評判が良かった。
そのため米糧も豊富でそれを妬み隣国が攻めてきたようだ。

4正和:2021/12/13(月) 20:09:53
隣国が攻めて来たとき家臣達が決死の殿をしてくれたおかげで2人は逃げることが出来た。
最も殆どの家臣を失う結果となったが・・・・・・
「これからどうするのですかあなた?」
「体力が回復したら兄上の所に行こう。兄上なら助けてくれるはずだ。」
領主は妻にそう言った。

5名無しさん:2021/12/13(月) 22:53:52
「私のことは置いてってください。」
「何を言うんだ!?」
「身重でもうすぐやや子が産まれる身です。
途中で産気づいたりしたら足手まといになります。」
「それでも私は美濃が必要だ。
置いてくことはできない。」
領主は妻を抱きしめて応えた。

6正和:2021/12/13(月) 23:21:17
しかし妻の足手まといになると言う心配は意外な形で解決することになる。
「・・・・・!?」
妻が突然顔色を変えたかと思うと自分のお腹に手を当てた。
「どうしたのだ美濃?」
「産まれそうですわあなた。」
「何!?」
その妻の言葉を聞いた領主は驚愕した。

7名無しさん:2021/12/14(火) 03:30:51
流石に今いる家臣に産婆はいない。
しかも朝になれば神主もやってくるだろうし、野宿ではないと言え
ここには布団すらなかった。
すでに明け方で恐らく数刻しないうちに神主がやってくるだろう。
「(最悪私の首を差し出してでも美濃のお産だけは無事に
ここでさせてくれないか交渉せねば。)」
領主は自分の首と引き換えでも妻と我が子を守ることを決めていた。

「美濃、大丈夫か?」
ただ領主にとっても初めての子であり、
お産に立ち会うこともしたことがなく、オロオロしていた。

8正和:2021/12/16(木) 00:52:19
しかし領主が気にしていた神主が来る様子は一向になかった。
実はこの神社は普段は無人で神事の時ぐらいにしか神主が来ることはないのだ。
強いて他に来る可能性があるとすれば掃除の時ぐらいだが頻繁にするものではなく。
おまけに機能掃除したばかりなので神主が来る可能性は低かった。
無論出産が始まった妻に右往左往している領主は知る由もなかった。

9名無しさん:2021/12/16(木) 01:53:26
「ふぅーふぅー…。」
妻の陣痛はまだ15分間隔で痛みにも余裕があるようだ。
「こんなことなら世話係を1人連れてくるのだった。」
世話係の女たちは逃げ遅れの可能性を示唆し別々に逃したのだ。
「大丈夫ですよ、きっと…っ。」
妻はオロオロしている領主に陣痛に耐えながら身微笑む。
出産経験があるものももちろん家臣の中にはいないため、
今どのくらいお産が進んでいるかも分からず時だけが過ぎていく。

10正和:2021/12/19(日) 12:17:41
そうしている内に変化が訪れた。
「あ・・」
「どうしたのだ美濃よ?」
妻が突然何かに気付いたかのような声を上げたので領主が聞いてみると。
「あなた破水しました。」
「何!?」
妻の言葉を聞いた領主は妻の下半身を見てみる。
確かにその下半身は濡れていた。

11名無しさん:2021/12/19(日) 19:57:30
「もうすぐやや子に会えますね。」
妻は苦しそうだが領主に微笑む。
「そのままでは冷たいだろう。
何か布はないかの。」
夜襲にあったため、肌着しか着ていないが、
子が生まれた時に包む布もないためいざという時に
肌着を使う気でいたため使えそうになものはなかった。

12正和:2021/12/22(水) 23:36:33
領主が何か布がないかと困っていると。
「殿これを・・・・・」
神社の外にいた家臣の一人が入ってきたかと思うと反物を領主に渡した。
「おお・・・ありがたいがお主これは・・・・・?」
「路銀が必要かと思い城から出る際に持ち出しました。本来はどこかの町で売るつもりでした。」
「おおそうかすまないの。」
部下が渡した反物は旅の路銀にするつもりで持ち出した城にあった物だった。

13名無しさん:2021/12/24(金) 01:38:02
「私の肌着を下にひくぞ。」
領主はまだ清潔な反物は赤ん坊をくるむように残し
下に自身の肌着をひいた。
「はぁはぁ...んんーー」
妻は私に掴まりいきみ始めた。
この時代通常産み綱を掴んで息むのだが吊るすところも綱にする余裕もないため領主を摘むようにしたのだ。

14正和:2022/01/10(月) 23:38:56
領主はその妻の手を離さない様にしっかりと掴んだ。
「んんーーーー!!!んんーーー!」
妻は息を散発的に息を整えながら息み続けた。

15名無しさん:2022/02/03(木) 13:48:18
妻が何度か息むと黒い頭が見え隠れ始めた。
「美濃、頭が、頭がみえてきたぞ!」
領主は妻が息むと見え隠れする頭に興奮をしているようだ。
「はぁはぁ。。。。んんんーーー!」
妻も順調に子供が降りてきていることに安堵しつつさらに息んでいく。

16名無しさん:2022/02/06(日) 09:22:33
「――ぅううッ…、ふ、んんっ、…ぁうう!」
妻が息む度に黒々と艶めく頭がはっきりと見え始める。
「はッはッはッ――ぅんっ、……んんんっ!!」
先程まで見え隠れしていた頭が、もうがっしりと挟まっている。
妻のお産は粛々と進んでいた。

17正和:2022/02/12(土) 21:33:07
子供の頭は妻が息む度に少しずつ進んでいった。
「んんーーーー!!ふんーーーーーー!!!」
それから数分たった頃、もう少しで頭が完全に出ようとしていた。

18名無しさん:2022/07/11(月) 18:21:38
「んんーーー……  んんんッ、ーーッは、ぁああッッ!!」
そして遂に何度かの息みの末、子供の頭がぽろんと娩出された。

その様子を見て領主が興奮から冷めぬまま美濃に声を掛ける。
「頭が出たぞ美濃、もう一踏ん張りだっ!」
そんな領主に美濃は産みの苦しみの最中にも関わらず微笑みながら、
「はい… 後少しで私達のやや子に会えるのですね」
と一息付きつつも気丈に返すのであった。

19正和:2022/07/14(木) 00:20:25
「もう少しだ頑張れ。」
「はいあなた。」
その後も美濃は痛みに耐えながらも息み続けた。
子供は頭が出たからか進みが少し早くなった。


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