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【妄想爆発】チラシの裏【大上等】

776適当:2013/05/18(土) 09:17:53 ID:i4g0Mkog
「じゃあ、例えば“お父さん。”って呼んでくれたりもするのか?」
「お安いご用です。」
「本当か?」

「疑うなら、今ここでやってみせます。」

“言ってくれたら、嬉しいが…。無理だろう。第一、カオスは親にならないんだ。覚えさせているワケが無い。”彼の返答を受けても、俺は未だに信じる事が出来ず、怪訝(けげん)そうな表情で彼を見つめていた。怪訝(けげん)そうな表情を浮かべる俺に対し、彼は微笑みを消して、無表情かつ自信に満ち溢れた表情を作り出し、彼女へ呼びかけ、優しい笑顔を向け指示を出した。

「イーブイさん、こっちを見て下さい。」
「ブィ?(え?)」
「仁さんの事を、“パパ”って呼んでみて下さい。」

彼は指示を与えた後、俺を指差して彼女に俺の名前が“仁”である事を認識させた。すると、彼女は俺の方を振り向き、彼の指示を実行した。

「ブィ…ぱ…パ?」

“あっ…。”俺は、嬉しさを通り越した驚きにより、彼女に対して微笑みかける事も、頭をなでてあげる事も出来ず、ただ呆気(あっけ)にとられていた。俺が呆気(あっけ)にとられていたので、彼は俺の名前を二、三度呼びかけた。

「仁さ〜ん。仁さぁ〜ん。」
「……。え?な、何だ?」
「名前は、もう決めたんですか?」

“な、名前か…。”彼は、やはり優しい雄である。彼は、呆気(あっけ)にとられた俺に対して、“ほら、見ろ!!”と言い返さず、俺の示した態度を流してくれていたからだ。俺は、彼から小さな彼女に一生に寄り添う、命名を訊ねられ、顎に手を添えて、しばらく思考を行った。思考し終えた後、俺の頭の中に1つの文字が浮かんで来た。俺は、小さく笑い彼の質問に答えた。

「ふっ。零だ。」
「れい…。No.0ですか?」
「ああ。」
「なぜ、そう名付けたんですか?」

“答えは、1つしか無い。”俺は、自信あり気に彼の質問へ答えた。

「決まっているじゃないか。」
「決まっている?」
「壱の上が零だろう?つまり、本当の一番最初だ。」
「はぁ。」
「この娘が一番可愛いからだ。だから、壱の上の零なんだ。それ以外に、どんな理由がある?」

俺が自信に満ちた笑顔で彼へ理由を告げると、彼は口元に右手を添えて吹き出すように笑い始めた。

「ぷっ…あはははは。仁さん、意外と親バカなんですね。」

“お、俺が親バカだとぉ!?”彼に指摘された俺は、急激に恥じらいを感じた。彼に、予想もしなかった新たな感情を抱かされるが、恥じらいを隠すように反論し、彼を羨(うらや)ましがせる一言を言い放った。

「う、うるさいな。あっ、カオス“零をやっぱり返してくれ”なんて言ったって、俺はもう返さないからな?」
「ふふ、喜んで頂けて光栄です。是非、この娘を立派に育てて下さるようお願いします。」

“ちっ、つまらない雄(ヤツ)だ。”愛くるしい愛娘(まなむすめ)の父親になる良さを、彼に垣間見せても、彼の考えは変わらないようである。彼は、俺の望む台詞(セリフ)とは異なる感謝の言葉を言い放ち、言い終えた後、丁寧で上品なお辞儀を行って来た。俺は、自分の願いが叶わなかった事で彼には納得がいかないと訴えるような、不満気な表情を見せ、心の中では舌打ちを行い、彼をにらみつけていた。“コイツに何か、言ってやりたいが…。”彼が、今後“父親になる俺が羨(うらや)ましい!!”と放ってしまうような言葉を誘う方法はないかと、彼に気付かれないように頭を働かせていると、彼が左方へ目を向け、小さくつぶやいた。


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