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【妄想爆発】チラシの裏【大上等】

774適当:2013/05/18(土) 09:02:00 ID:JhhDha.2
「あはは。起きてしまいましたね。」

“え?”彼は、腹部を見つめたまま、腹部へ左手を伸ばした。俺は、彼の腹部に何がいるのかを確かめる為に、彼の腹部へ目を落とした。すると、彼の礼儀正しく折り曲げられた膝(といっても、正座をしているのではなく、礼儀正しくイスに座っている。)の上には、小さくて茶色の毛皮をまとい、マフラーを巻いている者。彼の膝(ひざ)には、一匹の小さなイーブイが存在していた。赤ん坊だからか、小さなイーブイは、おしめをはいている。小さなイーブイからは、雌特有の匂いがほのかに香って来た。“女の子か…。”小さな彼女が、彼に頭をなでられて嬉しそうに笑っており、頭をなでる彼の指を小さな口でくわえたり、離したりという事を繰り返していた。彼は片手間で、膝(ひざ)におく彼女を遊ばせつつ、俺へ彼女を紹介した。

「私達の軍に所属しる、α〜μ(アルファーからミュー)の隊員達の遺伝子を取り入れた、私達の軍が作成したT-イーブイです。」
「T…イーブイ?」
「Transform-イーブイの事です。この子は、7つのタイプを持ち合わせています。」
「ええ!?7タイプ!?」
「はい。あっ、言い忘れました。T-イーブイは女の子です。7つのタイプを持ち合わせているので、成長すれば、炎、水、雷、念、悪、草、氷タイプそれぞれの技が使えます。ですが、遺伝子が初めから複合し過ぎているので、進化は出来ません。」
「すごいな…。」

“T…イーブイ…か。”俺は、彼の説明を受けて驚きを隠せずにいた。驚きの感情を軽減する為に、一言つぶやき、感情を外へ発散させるが、未だに驚きの感情を消す事は出来無い。それ程、彼から耳にした情報が聞き慣れる情報(もの)でも、ましてや耳に入れる機会が全く無いと考えていたからであろう。彼は、俺の驚きの表情を見ても遠慮せずに、感謝し、衝撃の頼み事を持ちかけて来た。

「私達を救っていただき、本当にありがとうございます。」
「お前達のボスを倒した事か?」
「はい。ですが、アナタにもう一つだけ頼み事が。アナタが、この娘を引き取って欲しいのです。」

“は…はぁ!?”俺は、急過ぎる彼の頼み事に更に驚き、目を見開き耳を疑った。“じょ、冗談だろう?意味がわからん…。”俺は、彼へ理由を訊ねた。

「カオス、何を考えている?君が育てればいいじゃないか。君達の軍で生み出した、イーブイだろう?」
「いえ、それは出来ません。」
「は?なぜだ?」

俺に訊ねられた彼は、理由を述べた。

「私達の悪事の元は、アナタが絶ったとはいえ、私も元帥様と同じ誘拐の共犯者です。私と共にいても、この娘は幸せになんかなれません。」
「そ、そうか…。」
「はい。ですから、私達の英雄、武田 仁さん。申し訳ありませんが、この娘をよろしくお願いします。」

俺は、彼に理由を聞かされ、再度懇願(こんがん)までされた事により、“ああ、わかった。”と肯定の意思の返事しか返す事が出来なくなっていた。子供を授かるのは、今の彼女の綾では到底出来無い。彼女と俺では、遺伝子の構成が異なるからである。俺は、彼の理由を真っ直ぐに受け取ったつもりで、彼の膝(ひざ)に乗る、小さな彼女を育てる事を承諾したつもりであるが、もしかしたら、将来的に子供が受胎(つく)れないからという心配もあり、また、小さな彼女があまりにも可愛過ぎた為、自分の所有物(モノ)にしたいと思っていたからかもしれない。いや、それでは彼女に失礼だ。彼女は所有物(モノ)では無い。彼女は、初対面の俺をすぐに親であるとは認めないだろう。それ程、彼女は優しく微笑む彼へなついていると、自分にも判断出来たから、俺は“俺はいいが、彼女は認めてくれないかもしれない…。”と懸念を抱き始めた。俺の懸念は的中した。彼が、小さな彼女を抱き上げ、俺の手(広げた両手の間)の中へ渡らせようとした時、彼女は驚いて声を上げ、“いやだ!!いやだ!!離れたくない!!”と訴えるように、彼女自身の言語(俗に言う、イーブイの鳴き声。赤ん坊の頃は、言葉が形にならず、鳴き声でしか喋る事は出来無い。)を用いて彼へ訴えかけて来た。彼は、彼女が嫌がり、また悲しみの為か今にも泣き出しそうな彼女を抱き上げて、自分の顔の高さまで上げ、彼女に優しい微笑みを送って、彼女を安心させた。


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