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【妄想爆発】チラシの裏【大上等】

762適当:2013/05/18(土) 03:02:42 ID:FyaQoDAw
9つのくぼみには、左から順に、それぞれ異なる色が、天井から降り注ぐ真っ白い光を反射して光っていた。【業火】と示されたプレートの下には、赤色の光を放つ“α(アルファー)”のバッチが。【氾濫】と示されたプレートの下には、青色の光を放つ“β(ベータ)”のバッチが。【雷神】と示されたプレートの下には、黄と白の光を放つ“γ(ガンマ)”のバッチが。【光】と示されたプレートの下には、紫色の光を放つ“θ(シータ)”のバッチが。【闇】と示されたプレートの下には、藍色の光を放つ“λ(ラムダ)”のバッチが。【若葉】と示されたプレートの下には、あの少女と同じ、リーフィアの目を表すような、琥珀色(こはくいろ)の光を放つ“π(パイ)”のバッチが。【零下】と示されたプレートの下には、水色の光を放つ“μ(ミュー)”のバッチが。【伝説】と示されたプレートと【幻想】と示されたプレートの下には、それぞれ“χ(カイ)”の文字型と“ω(オメガ)”の文字型のくぼみがあり、当然、光を反射する物は存在しない。だが、今から俺が、手に握っている“χ(カイ)”と描かれた銀色のバッチをはめ込むので、実質は、それぞれ異なった色を持つ8つの光が、もうじき俺の目の中へ入り込む事になる。“ようやく…ここまで来たな。”俺は、赤、青、黄と白、紫、藍の光を9つのくぼみから反射される光を7色(なないろ)から8色(やいろ)へと変化させた。8色(やいろ)へ変化させたと同時に、部屋のどこかからかブザー音が鳴り響き、ブザー音が止むと同時に、“カッシャン”と、左から鍵をかける音が聞こえた。“後一回…。いや、もうこの音を聞く事は無いかもしれないな。”なぜ、この、鍵をかける音をもう耳に入れる事は無いだろうと、俺が考えたのか。その理由の1つに、年老いた彼が別れ際に伝えて来た台詞にある。彼が言うには、“最後の番人は、本来の番人では無く、自分の最上級上官(ボス)である。”との事。あと1つのくぼみは、“ω(オメガ)”の文字を型取ったくぼみである。だが、“ω(オメガ)”のバッチを所持しているのは、本来の番人である。本来の番人では無い者と最後の闘いを行うので、勝利しても“ω(オメガ)”のバッチは俺へ手渡す事は出来ないだろう。…。いや、手渡す事が出来ても手渡すつもりなんか無いと考えを改める。なぜなら、年老いた彼は、“俺を探し、闘う為にこの実験を行い続けている。”とも語っていたからである。闘う為といっても、結局の所は殺すつもりなんだろう。この、真っ白い監禁部屋から、俺を脱出させる気など、連中をまとめる真の黒幕には到底無かったのである。鍵をかける音を【伝説】の間を封印し終えたともいえる音を聞き終えた後、年老いた彼との戦闘の疲れかつ汚れを落とす為、俺はシャワールームへ歩を進めようと、9つのくぼみへ背を向け、踏み出す為に足へ力を入れた。だが、俺が1歩前へ踏み出そうとした時、後ろから開錠(かいじょう)を合図する音が鳴り響いた。

カッ…シャン…。

“なる程。来いという事か。”開錠(かいじょう)の合図が意味するもの。それは、おそらく“かかって来い。”という事だけであろう。ルール上、8つのバッチをはめれば確かに【幻想】と示された、残す所1つの番人の間は開く仕掛けとなっている。待ち受ける番人は、かかって来いなんて思ってないのかもしれないが、思っていないかもしれないと別の推測が出来るのは、あくまで本来の番人の時だけである。だが、今は違う。今は、俺を殺そうとしている、俺を監禁した連中をまとめる長(おさ)であり、逆らう者を皆、処刑にする恐ろしい者。真の黒幕が、【幻想】の間の番人を務めているのである。いや、やはり最初に述べた通り、務めているのでは無く、自身の目的を達する為に、“今か今か”と俺を待ち受けているといった方が正しいだろう。俺は、開錠の音を聞き入れて、シャワーを浴びる事を頭の中から瞬時に消し去り、【幻想】と示された扉へ歩を進め始めた。歩を進めている途中、俺の頭の中にある記憶が次々と蘇(よみがえ)って来た。


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