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【妄想爆発】チラシの裏【大上等】

761適当:2013/05/18(土) 02:55:59 ID:Mu.M8Qpo
最終試練 【幻想】


Day19 【16:00】

俺は、【伝説】の番人である年老いた彼と狙撃対決を行った森から、真っ白に染め上げられた監禁部屋へ姿を現した。姿を戻した後、年老いた彼との死闘(たたかい)の疲れを癒やす為に、姿を現した場所へそのまま腰を下ろした。“ふぅ…。無事に勝てたな…。彼の体に銃弾を当て勝利した時は、喜びが大きかったが、今となっては、喜びよりも、彼との闘いで無事勝利を収める事が出来た事への安心感が、俺の心の中で大きく広がりつつあった。俺は、自力で勝利したワケじゃない。恥ずかしい話だが、先程の勝利は俺自身の実力によるものでは無い。軍獣(軍隊員を目指すポケモン)養成大学へ通い、戦闘、潜入の知識や技術は会得した…。と言っても、経験が結果(もの)を言うという事であろうか。やはり、経験豊富な彼に、自力では勝利する事は実現出来なかった。いや、更に恥ずかしい事に、俺は、【闇】の番人へも自力で勝利したワケでは無かった。自分の中の隠された力が無ければ、俺は年老いた彼へ勝利はおろか、年老いた彼の顔を見る事さえ不可能であったのである。不可能の理由を述べる必要は無いのかもしれない。ここまで言えば、俺が、もし隠された力を備えていなかったのなら、今頃どんな運命をたどっていたかは、容易に想像がつくと思う。だが、一応述べておこう。早い話、俺は、【闇】の間の番人から、自前の小さな刃物を胸に受けて死亡…。である。すなわち、隠された力、スサノオと呼ばれる者の力が無ければ、俺は今頃、現実世界ではなく、あの世と呼ばれる死者が集まる世界へ身を置いていたという事である。俺は、年老いた彼との闘いで“勝利”という名の“未来”を創造した者へ感謝の言葉を述べた。

「ありがとう、スサノオ。お前のお陰で、あのじいさんに勝てた。ふふ。いや、お前がいなければ、とっくに俺は殺されていたな。」

俺は、感謝を理由付けにした独り言をつぶやいた。すると、理由付けした独り言を受け取る、もう一匹の自分返答して来た。

“感謝(れい)などいらぬ。感謝(れい)をする位なら、我に頼らずとも勝てる位の力を身につけよ。”

“確かに。”俺は、もう一匹の自分の返答を受けて笑い、彼へ同意した。

「あっはっは。はぁ…。全く、その通りだ。わかっている。わかっているが…」
“どんなに力を尽くしても、力は及ばずか。”
「ふっ。全く、俺の言いたい事は、全部お見通しか。」
“当然であろう?我は宿主(ぬし)であり、宿主(ぬし)は…。では無いな。とにかく、我が言いたいのはそれよ。”

もう一匹の自分が告げた事は、俺に憑依(ひょうい)しているから俺の心情を容易に読み取る事が出来ると言いたいのだろう。“そこまで言われたら、もう何も言い返せないな。”俺は、もう一匹の自分の言い分を理解し、静かに笑みを浮かべて、年老いた彼との闘いで用いた装備を外し、次々と床へ置いた。最後に、森の地図が描かれた、折り畳まれた一枚の紙を床へ置こうとした時、もう一匹の自分が、俺を焦らせるような一言を言い放った。

“フッフッフ。宿主(ぬし)よ。まさかと思うが、最後の争いでも我を当てにしているのではないか?”
「な、な!?ち、違うぞ!!当てになんか…」
“フン…。かわいげなる(可愛らしい)雄よ。宿主(ぬし)のその姿は、雄と思えぬ程、かわいげなるぞ(可愛いらしい)。”

“か、可愛いだとぉ!?ちっ、調子に乗りやがって。”もう一匹の自分は、俺に先程、“ここまで、無事にたどり着く事が出来たのは、お前のお陰だ。”と言われた事をいい事に、仮説を用いて、俺の本心を試す質問。という名の偽りの言葉を放った。俺がもう一匹の自分のからの質問を、偽りの言葉と判断した理由は、俺の答えに対する返答からである。雄を焦らせて、雄が隠している普段は見せない弱い部分を引き出して楽しむという事は、俺へ“自分を頼るな。”と指導しているのでは無く、からかって楽しんでいるだけだと考えられる。俺は、もう一匹の自分の言葉に対して、“自分が何も出来ない“悔しさ”を噛みしめつつも、地図を床に置き、自分が今、優先すべき行動を起こすために、【幻想】の扉の右隣の、9つのくぼみ(今は、既に7つはまっているので、本来は2つのくぼみである。)がある装置へ目を向けた。


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