したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【妄想爆発】チラシの裏【大上等】

610適当:2013/04/19(金) 16:51:26 ID:g4r8f.Hg
俺が懸命に、もう一匹の自分へ訴えると、もう一匹の自分は“わかった。宿主(ぬし)の好きにせい。”と納得し、俺の頭の中から声を消した。俺は、もう一匹の自分が消えた後、すぐに彼へ降参の意を伝えた。

「ぐぐ…。まいった…、俺の負け…だ。」

俺の声を聞くと、彼は草木特有の紐(ひも)をゆるめ、俺を解放した。彼は、解放した俺が、地面に仰向けになって倒れて、肩で呼吸をしている様子を見て笑い、俺へ優しい眼(まな)差しを向けて言い放った。

「がはっ!!はぁ…はぁ…。」
「ほっほっほ。最初から、そう言えばいいんじゃよ。吸われるがままに吸われおって。」
「はぁ…はぁ…、あともうちょっとで…」
「勝たさぬわ、バカ者が。」
「はぁ…はぁ…。え?」

俺は、彼の言葉を聞いて“なぜ?”とばかりに、驚いた表情を浮かべた。彼は、しゃがみ込み、俺の顔を見つめて、いたずら気に微笑み、俺へ理由を述べた。

「ふっふっふ、拘束したワシのツルを使って、電磁波なんて考えておったんじゃろう?」
「な!?な…なんでそれを?」
「お前さんなら、体力を吸われても電気を溜める程の集中力はあると思ったんじゃよ。だから、ワシは吸い取るでジワジワ攻めるよりも、手っ取り早くギガドレインへ変えたんじゃ。まぁ、最初から変えなかったのは、お前さんの“苦しい”と言う顔の中に、何かの企みがあると後で気付いたからじゃよ。」
「は?どういう意味だ?」

“苦しいと言う顔の中の企み?”俺は、彼の言葉を受けてもワケがわからず首を傾げていた。彼は、俺へ言葉を変えて説明を行って来た。

「わかりやすく言えば、お前さんの僅(わず)かな“殺気”を感じ取ったんじゃ。」
「殺気?」
「あ、いや。殺気は言い過ぎじゃな。相手を見透かす“気配”とでも言っておこうかのう。」

“気配?もしかして、俺はずっとこのじいさんに気配で攻撃を読まれていたのか?”俺は、彼の言葉を受けて、自分の中で一つの推測を立てつつも、彼へ質問をぶつけた。

「じいさん、アンタひょっとして俺の攻撃の“気配”がわかるのか?」
「そうじゃよ。ワシは、体力も素早さも無い。じゃから、相手の攻撃の気配を読み取り、攻撃を寸前でかわし、カウンターするしか勝つ方法は無いんじゃ。」

彼の答えを聞いた俺は、勝ち目が無いにもかかわらず、彼を倒そうとしていた自分を嘲笑った。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板