なぜ二人にこのようなものを作ることが出来るのか。
それは、彼らがモール内の書店で見つけた一冊の本にある。本のタイトルは、そのものずばり『The History of Plastic Explosion(プラスチック爆弾の歴史)』。
早苗に抱きかかえられた権兵衛が、首輪の解除方法を求めて駄目元でミリタリー関連の書籍を渉猟していると、代わりにこれが出てきたのだ。
無論、『The History of Plastic Explosion』は、プラスチック爆弾の発展の歴史を綴った一般的なミリタリー本だ。
RDX爆薬の原材料や、雷管の構造図ぐらいは書かれているが、
たとえばその原材料をどのように調達すればいいのか、また部品をどのように製作すればいいのか、などについては一切記載されていない。
文系の権兵衛に、この本からプラスチック爆弾の製造方法は割り出すことは困難だ。