【安価】やる夫は誰かのために戦うようです【R-18】 - 1542546882

1： ◆x0SRSoJXe.：2018/11/18(日) 22:14:42 ID:NOfdPGR20: 　　∧　｀i¨ヽ　　　i 　 i 　γ⌒ヽ｀i¨ヽ　｀i￣'｀|￣｀ヽ.　　.i＼　i＼
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●この作品は株式会社フロム・ソフトウェアによって平成18年12月21日に発売された、『アーマード・コア4』の二次創作作品です

●原作との相違点も多く、作者の知識の至らない点は自己解釈によって補われています。あらかじめご了承ください

●この作品はフィクションであり、実在する人物・地名・団体とは一切関係ありません
4095： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 20:38:54 ID:Nub7M.4A0: 　　　　　 :　 |　　　　||　　　　　　　　　　　 || 　　　　 ||　　　　　　　　　 ||
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／　　（●）　（●）＼　　　　　　あの店から楽し気な音楽が聞こえてくるお……しかし小さいお。
|　　　　（__人__）　　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　「あー、あれな、ゲーセンちうねん。正確にはゲームセンター」
(　＼　／＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　カジノみたいなもんですかお？
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　　　　　　　　　　 -──- ，
　　　　　　　　　　／ : : : : : : : : : :ヽ
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　　　　　　　 //:!::!::ｲ.i:.!: : :i: :.ヽ :ヽヽ ',　　　　そないたいそうなもんとちゃうで。
.　　　　　　 |:l :! | :ﾄkﾊ: : :ﾄ､斗j:: ﾍ: : ',
.　　　　　　 l:Ⅳ ﾄ{●　＼l ● ﾉl><|、:|　　　　子供の遊び場に近いもんや。ま、大人が入ってもええんやけど。
　　　　　　　 l |:ゝ⊃ ､_,､_,　⊂⊃::/ﾉ:/　　　
　　　　　 /⌒ヽW ﾍ　　ゝ._）　/: :/⌒i　　　　　　筐体のゲーム機やらがたくさんあるで。
　　　　　　＼∥::∥゜＞,､ __　/／ﾍ =./!
.　　　　　　 ∥::∥＼ﾍ/只ﾍ/／|::::::::/!
.　　　　　　　｀ヽ《::::/::ﾍ〈;;;;〉/:::::::ヾ::::::::|

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ゆっくりゆっくり商店街を進んでいくと、途中で楽し気な音楽が脇から聞こえてきた。
人もまばらの商店街に軽快な音楽を響かせるその建物は、小さく、
けれど看板は煌びやかなネオンに彩られている。

慣れた様子のはやてから説明を受け、一人納得する。
つまりは遊興施設だ。ならば、はやてを連れて入るにはうってつけのはずだ。

意気込んで動きの鈍い自動ドアをくぐる。
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4096： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 20:39:04 ID:Nub7M.4A0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿,,,,,,,。。--ｰｰ
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薄暗い店内に侵入した途端、極彩色の光を四方八方から照射される。
ちかちかする目を瞬かせ、眉を顰めて周囲をうかがうと、
あたり一面にカジノのスロット台を彷彿とさせるような筐体が並んでいた。

人気がないためか、垂れ流されるゲーム音が響き渡っている。
アルトリアに連れられて行ったカジノとは似て非なるものだった。
どうも賭け事をする場所とは違うらしい。

後ろをついてくるはやてに「何がなんだが分からへんやろ」とぼやかれるが、
はいそうです、はやてさん案内してください、とも言いづらい。
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4097： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 20:47:48 ID:Nub7M.4A0: 　　　　　　　　　　　　　　|ヽ／|＿
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　　　／ヽ、　_ノ＼
　／　（○）　（○）＼　　　　　　　　なっ、このクレーンゲームっての、アコギな商売してやがるお……
／　　　（___人__）　　..＼
|　　u　　ﾉ　　　ヽ,　　　|　　　　　　　　このアームの関節ぐらぐらじゃないかお。
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　　 :| :|.: | :| .: |.::八⌒　jﾊ .: | :斗tミx.: .|.: :|.: :|.: 八
　　 :| :|.: |八.:.:|.: .:.:y^うx: |: :ﾊ.:/ _ノﾊ Y.: :/).:.|.: .: .:＼　　　　　　　　　　あー、そういんはなあ、胴元がそうそう損せえへんようできとんねや。
　　 :| :|.: |: .: ､.: .:.:.:乂Vﾂ |/　　ゞ''" 厶ｲ|.: .:|.: .: ＼ :＼
　　 :|八八.: .:(＼.:. :〈' '　　､　　　' ' / {.: |.: .:|.: .: .: .:＼:(＼　　　　　　　　簡単に行くもんでもあらへんで。
.　　　＼＼.:＼＼込　　　､　一　 . :.八.:|.: .:| ￣|＼＿＼: ＼
.　　　　　　　＼.: .:|.:| :＞　.,　　／／ﾆ∧ .: .| //|:::: ＼|￣＼ )　　　　　　　「ぐぬぬ……（少し恰好つけられるかと思ったのに）」
　　　　　　　　　八:|.:|＼ :＼　「ニニニ〈 ∧.: :〈　 |￣／|　　　＼
　　　　　　 /.: : |.:|＼＼.:.Ⅵ::.＼ニニ〉⌒＼:＼|／　 |　　　　厂＼　　　　　あはは、無理せんでもええよ。百円玉なくなってまうで？
　　　　　　　 /.: ..:/|八:: ＼＼:|::::∨￣〈/」　　|:＼(　　　|＼__／　　 |
　　　　　　　.: .:./_.〕／_____＼j::::::::. 　　〈/＼ |::::: ＼　 |　〈＿＿＿__〕
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　　　　　　 //|　 |　　　／八＿＿|::::::＼:::: |::::::: 厂::::::::::Yニﾆ＼ //// ＼＼
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　　　　　　　〉 /　　／Yﾆ./:: } :::::::::::: ｀`～､、:＼:{:::::::::::::::: 八::::::::::::::'////／＼⌒＼
　　　　　 / /　／　八7::::::{:::::::::...::'":::::::::::::｀`～〉‐--::イ､:: ＼::::::::: V／＼　　＼　 |

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しかもこのゲーム群、過去の遺物であるくせに、中々一筋縄ではいかなかった。

レースゲームに格闘ゲーム、シューティング、ほかにもアナログ志向な
パンチングマシーンだのバスケットゲームだのモグラたたきだの、
品ぞろえは豊富だったが、そのどれもが曲者だった。
どれ一つとっても、初見でははやてに惨敗である。

クレーンゲームという、ガラスケースの中に詰まった景品を、
ケース内を行き来できる天井から伸びたアームで取るゲームに飛びつくが、
百円玉をいくつも飲み込まれ、気づけば財布の小銭入れが空にされていた。

後ろで余裕を取り戻したはやてがけらけらと腹を抱えている。
空調の風を浴びているのもあるだろうが、単純に自分の様子がおかしいのだろう。
少しは格好をつけたかったのだが、ひどい結果に終わった。
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4098： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 20:50:06 ID:Nub7M.4A0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. .: '"~~￣￣￣~~"''～､、
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　　　　　　　　　 |＼.: ..:{　)＼　ｨ芋芋ﾐ　:|.: .: .: /　ｨ芋芋ミ:/.: .:.人.: : |.: |　　　　　　　博打と同じや。一回勝つ前に百回負けとるんや。
　　　　　　　　　　八..:＼:{　} ＾)＼　　　　|/):／　　　　　　/.: ／ : .: .: |.: |
　　　　　　　 /.: .: .: .: {,/　//⌒:/:/:/:. 　〈i　　　 :/:/:/: イ　ﾉ.: .:/.: :| 八　　　　　　　十万儲ける前に百万溶かしとるのが博打や。
　　　　　　　　　/.: .: /.: ／　.:.∧　　　　＿＿＿　　　　八.: .: / : : |.: |.:＼
　　　　　　 /ｲ. .:/.:./　〈 : : : ＼＿_ 　　|　　　　|　　　　 . : .: ／ .: .: .|.: |.: |⌒　　　　　　そん中のぬいぐるみが五百いくらとしよか。
　　　　　　　 |.::∧.: ｀丶、￣￣＼.: .＼　＼＿／　　　イ : .／:|.: .: .: .:|.: |:八
　　　　　　＿|:〈_∧.: .: .:L＼　　　).:.:..八　　　　　イ￣＼/.: : |.: .: .: .:|.: |.: : ＼　　　　　　取れるころには千取られとる。そうゆうもんや。
　　　　　　／　　＼￣￣＼.: ｀丶、 .:.／⌒＼＞＜　 |＼　 /＼.: |.: .: .: .:|.: |.: .: .: |
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そんなことを言ったら元も子もない気がする。
にこやかに残酷な現実を淡々と告げるはやてを前に、
クレーンゲームへの再挑戦を素直にあきらめるのであった。
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4099： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 20:57:03 ID:Nub7M.4A0: 　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
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　　　　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : . 　　　　　　　　　……そないに頑張って。欲しかったん？
.　　　从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　　」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」,:,:,:,　 ,　　、　,:,:,:: /|:| : /: : :|i　　　　　　　　　「いや、はやてさんの前で格好つけたくて……」
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　　　あんなぁ、自分、そういうんは当人の前で言うたらあかんて。
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　　　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　　ほんま、無理はせんと、自然体でええよ。
　　　　〈,　　 / 　　 V　V^V__/^V　|/　/　　＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　」　/　 ______　/　　 __　　　　　　私たち、そういうんとちゃうやろ。
.　　　 {　　V　　　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　／　　 |ー━=ﾐ」
　　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　　 _.」Ｌ
　　 |⌒ー}　　　　 /　　＼ V　　 /　　＼　　_|　　ー=ミ__ )
　　 |　　ﾉ　　　 ,/　　　　＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗～'へ　￣￣| 　」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　　　　 .V　 rﾉ.　　　＼

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　　　　／　─　　 ─　＼　　　　　　　そういう……？
　　　／　（●）　（●）　＼
　　　|　　　（__人__）　　　 |　　　　　　「ニブチンやなぁ……」
　　　＼　　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　　 /⌒ヽ　　ー‐ 　　ｨヽ　　　　　　　　はやてさんには言われたくな「なんか言うた？」
　　 / 　　　　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　/　　／　r─--⊃、　|　　　　　　　　アッハイ。なんでもないです。
　　|　ヽ,.ｲ　　｀二ﾆﾆうヽ.　|
4100： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 21:04:51 ID:Nub7M.4A0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　. . :''"ﾟ~￣￣~~"''～､、
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　　　　乂､,,)＼}ニニ＼ﾊ　　　　　　　　 |.:八.: |八.: : 乂∨ﾂ＼ .: |　ノ狄( ﾊ:/.: .: /.: .: |.: .: |
　　　　　　＼ﾆ}〕トミﾆﾆ八　　　　　　 |　　〉:|.: .:＼:.(_' ' 〈ｉ　　＼　乂少' ノ : .: /'Y.: .八.: :|　　　男の人は女の前で格好つけたがるけど、
　　　　　　　　 :､ﾆニﾆ＼ﾆ.ﾊ　　　　　　　　 /.: | .: .: .: {⌒　r.　　_ 　　 ' ' ／ : .:/ ノ.:.:/.: .: .:|
　　　　　　　　　＼ニニ Y /〉　　　　　　　　　.: .: :|.: .: | 八　　∨ ::::::)　　　⌒7:.:.:/.: .: .:/.: .: .: :|　　　女からすれば……相手が好きな人、
　　　　　　　　　　〈-=ニニ人　　　　　　　　　| : /|.: .: |.:.:.心　　‐-　　＿_ ／ : /.:.:／/.: :|.: .:.:.|
　　　　　　　　　　　 |ﾆﾆ=---=）　　　　　　 | /八.:.:.:|.: :|:／＼__ 　〈⌒∨:／/.: .: .:/.: .: |.: .:.:.|　　　　な場合やったらやけどな？
　　　　　　　　　　　 |ニニニﾆ〈　　　　　　　　 :(　　＼.: .:几￣　_〕＿__＼ |:/／.: .: .:∧.:|.: | .: .八　　
　　　　　　　　　　　　|~''‐-=ﾆﾆ〕　　　　　　　　＿__.､-'' 〕 |＼　〕ニニﾆ〕.|:/.: .: .::.:/／ |.: |＼ .: .＼　　　一緒に居られるだけで満足なんよ。
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　　　　　　　　　　　　|　　　 '， ____r＜￣￣￣＼　＼|.　　 /ニ＼T彡〈　 |.: , 　|　 |　人:八｜ : : 八
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店内に響き渡る音楽に負けぬよう、はやては声を張る。

「あー、別に、私が君のことをそういうってワケとちゃうで？
でも、覚えとき。女の前で無理して好いてもらえたところでな、
女の子が好きなのは無理してる君なんや。素面が一番や」

なるほど、と思う反面、どうにも腑に落ちない部分もある。
自分ははやてに好いてもらいたくて格好をつけるわけで、男の大部分もそうだろう。
素を晒して、それでもなお女性から慕ってもらえるのは、
余程の人格者か美丈夫くらいのものではないか。

「あ、納得してへん顔やなあ」

はやてがにやりと唇の端を吊り上げる。
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　　　　　　{　ｉ.: .: : | .: 人: .: .: ／￣ノハ　＼.:|　　x===ミ.: .:人八.: .: .:.:'，　　　　　　　　ここぞ！　って時に恰好つけられりゃええんよ。
　　　　　　 |.: .: : |.: : : |:＼ : 乂乂＾ツ　　 )　　　, ,　ﾉ／イ.: :| : : .: .: '，
　　　　　 j八.:.:.|八.: |.: .:| .: .: :＞, ,　　､　　　　　　 /|: j|.:.:.:|.:＼.: .: .:'，　　　　　　　女の子のピンチとか、記念日とかな？
　　　　　　　　　＼| | :＼.:.:.| : .: 込　　　　_　　 '⌒) 　 .: :| :ﾘ.:.:.:|.: .:.:＼.:.:.:'，
　　　　　　　　　　　:|.: .: .: .:|.:|＼.: .:> ,. 　＇‐-‐　／ | ∨/.: .: :|.:＼.: .: .: : :　　　　　　　いつも格好つけてろ、送り迎えしろ、
　　　　　　　　　　/.:|.:|.: .:.:.:|.:|／(　　　＞　　 _／　/:|　| : .: | .:|＼￣＼.: .:i
　　　　　　　 /.: :|.:|.: .:.:.:|.:|//∧　 /:::|　|＼＿／../　:| .: : |.: |/∧　 ∧.:.|　　　　　　　　貢いで尽くしてひれ伏してーって子はな、
　　　　　　　　　. .: .:|.:|.: .:.:.:|.:|／⌒∨:::: |　＼ニﾆ／　 ∧ .: .|.: |＿_〉 /　∨
　　　　　　　　　| 八|八.: .:.:|.:|/＼_/ :::::: | /⌒> <⌒／:::∧.:.:| :八　∨ ＼ '，＼　　　　　　男のことなんて本気で愛してなんぞおらへんのや。
　　　　　　　　　| ／　∧.: : 八　 /::::::::::::|　　〔:i:i:〕 /:／⌒ﾊ :|/　＼＼　＼　＼
　　　　　　　　 /　　/　:).: .: .:∨⌒７⌒:〕　 /:i:i:| /:::::::::::::::〉八￣/￣ニニﾆ-_　　　.
　　　　　　 /　／／⌒＼.: {.ニ〈::::: 八_/:i:ｉ:ｉ:|::::::::::::::／-=ﾆ∨:::::∧ニニニ-_ 　 |
.　　　　　　 /／ _ -ニ／/ニ=- ⌒＼::::::〈⌒:::/:::::: ／〔_______〕L:::/::::::~ﾆﾆニニ-_ |
　　　　　　　/　く_ノ=／:::::{／:::::｀`～､::＼:::ヽ_/::: ／:::::::::::::::::::::::::V::/ ::::: 'ニニニﾆ_|
　　　　　 /::::/___／::::::::: {::::::::::::::::::::::::｀`～､、／::::::::::::::::::::::::::::::::}/:::::::::::::}ニニﾆﾆ.|
.　　　　　 /::::/:::::::::＼::::: 八:::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼::::::::::::::::::::::::::::::::八:::::::::::::＼ニニﾆ|
.　　　　／| :/:::＼:::::::::＼::/ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::: / / ::／:::::::::: ￣￣||
.　　／　 ∨::::::::: ＼::::::::::{　　〕ﾆ=------‐=＜:〕⌒::::::::::ﾆ=-:::∨／::::::::::::::::::::::::::/:|
'⌒＼　　〈:::::::::::::::::::::::::::::}　　〈::::::::::::::::::::::::O)::::〕ト:::::::::::::::::::／:{:::::::::::::::::::::::::::::::/　|
4102： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 21:23:45 ID:Nub7M.4A0: 　　　　＿＿＿_
　　　／_ノ　ヽ､_＼
　／（ ─）／)（─）＼　　　　　「……？　どしたん、やる夫君？」
／::::::⌒／／／)⌒::::: ＼
|　　／,.=ﾞ''"／　　　　　 |　　　　いや……やる夫は、間違ってなかったんだなって……
＼.　i f ,.r='"-‐'つ　　／
／　ｉ　　 _,.-‐'~　　　＼　　　　　「んん？」
..　　i　　　,二ﾆ⊃

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かつて。かつてここまで。男性諸君の心を打つセリフがあっただろうか。
自分は惚れた相手を間違っていなかった。間違いではなかった。
度を越した天然と鈍感が玉に疵だが、はやては最上級にいい女だ。
多くの男性たちが玉砕するのも道理である。彼女はいい女だ。

自分の運というものに密かに感謝する。惚れた相手が彼女で本当に良かった。
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4103： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 21:54:03 ID:Go1kThLo0: ┌――――――――――――――――――――――――― ┐
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｜　｜　　｜｜見積無料！　｜｜四　　　　　士.　　　　　｜｜
｜　｜　　｜｜配達承ります.!｜｜貝います　穴ります　　｜｜
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｜　｜特｜｜ ||　l]　　　　　　　　 || ||＿＿　 ┌─|| ||了ｱ　／　||　｜
｜　｜価｜｜ ||　　　　　　　 || ||　　＼｜　 || ||｜|　| 川: ||　｜
｜　｜￣三｜ ||　　　　　　　 || ||＿＿＿｜　 || ||｜|　| 圭: ||　｜
｜　｜三三｜ ||　　　　　　　 || ||　　 ┌┴―|| ||｜ト.,＼＿||　｜
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　　　　　　　　 |: : : : :/:（_|: : :|:{ 　 /／　>: :.ｲ　　　　　　　　　あ。
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／ -=・=- 　　-=・=-　＼
|　　　（__人__）　　U 　|
＼　　　｀ ⌒´ 　　　／

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クレーンゲームに惨敗した後、両替機に向かうのを堪えて退散した。
格好つけようとあれだけ思っていたにもかかわらず、結局はこうなった。
なんだかんだで、自分ははやてに敵わない。

若干調子を取り戻しつつあるはやてと一緒に、変わらぬ商店街の風景の中へと
戻ると、また歩き始める。見当といえる見当もなく、彷徨うように。

そんな時だった。立ち並ぶ店の中、こじんまりとしたリサイクルショップが目に入った。
ガラス越しに、カウンターに座る主人と視線がぶつかる。

先ほど通話越しになのはと舌戦を交えていた、その当人が、そこに佇んでいた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4104： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 22:01:34 ID:Go1kThLo0: 　　　　　　　　　　　　／|＼　　　 _, . :‐: : : : : : ＼＿＿_.ノ
　　　　　　　　　 .ｨ__〉｜:ト＼.／: : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
.　　　　　　　 /　　r::|:::|＼/: : : : : |: :i : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　 /　o./::/:::ル': : : : : : :|: :{ : : : : i: : : : : : : : : : : ＼
.　　　　　　 |_　 /::/::://: : : : : : : λ: :､ : : : |: : : ﾄ: : ヽ: : : : : :ヽ
.　　　　　　 | し'／／/: :/ : : : : : {: ﾄ: : ゝ: : :!:.／|⌒i: :} : : : :| : ',
.　　　　　　　し.';／　 {: :/: :/ {: : : |: |}从:〉 : : !ヽ: }ヽハ:!|: : : :|: : :',
　　　　　　　　　　　　　 |:/: : {: :|: : :／|:l {＼: : : i'´V-―z|:!: : : :!: : : ',.　　　　 /ヽ _
　　　　　　　　　　　　　 |: : : :| : |: : :|:.:|.メ〉　＼__i '"￣￣|ｊﾉ: : :i! : : : ',　　　　　/ // /､
　　　　　　　　　　　　|: {: :/!: :|: : :Ⅳ .ｨ:ﾁ　　　,. 　 '' "/:/: : /|: : : : ',　{ ヽ　/ // / /　　　　　やっほー、はやてちゃん。
　　　　　　　　　　 V|: :{ |: : : : :|ｨ／　　　 ′　　 l:/: : /: |:＼: : 丶!　ﾚ　// / /　 __
　　　　　　　　　　 |: :| |: : :＼{ ､'' "　　　　ノ　/: ／: : |: : :＼: :ﾉ　、　　〈／／　　　　「束、お店にいたんか」
　　　　　　　　　　　　　Ｖ　ト　＿{.:_;>.._　　￣　　 ∠ィ: : l: : :|: : : : _/　　）　　　／
　　　　　　　　( ＼　　　丿: : : :: ヽ: : ｀i ーr---　　 |: : :|: : :|／い{　　 / 　　 /　　　　　　　　文化再現も立派なお仕事だからねえ。
　　　　　　　　　　　＼＼(＼: : : : : : : 丶: | : : | 　　　 |: : :|: : :!ヽヽ)ヽ　　　／===ｭ
　　　　　　　　　＼＼＼: : : : ／λ|: : ﾉ　　　　 | : V: : |　＼うト=＝'"　i　 [_]　　　　　　ま、ちょっと息抜きってのもあるけど。
　　　　　　　＿＿＿＿〉　i 　ヽ: /　（ﾊ: : { |) ＿_　 /ヽ:_: : /＿／/〉|　　　｜　｜
　　　　　　　　}――――　　{　　 V　　（| |: 丿|) 〉　｀　　〈:ヽ:）--～ヾ |　　　　　 ,..イ＼
　　　　　　　(二二二　　　　 _}　　 (| |}:!:|_|)/　　　　　）:〈＼＿＿_ >r――イ､.丿: : ヽ
　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_.ノ∧ 　X (:.:ﾉ / 　　ヽ/　} : :）∧::::ヽ　｜　　 |/}: : :＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はやても篠ノ之束の存在に気付くと、何を言うでもなく向かっていった。
同僚であるためか、顔を出していこうということなのだろうが、
自分としては気まずいことこの上ない。

狭い店内にはガラクタまがいの家電から訳のわからない雑貨まで、
とにかく物がうず高く積まれ、空間を埋め尽くしていた。

カウンターの中の、質素な店には不釣り合いなオフィスチェアの上で
跳ねる彼女の眼中に、相変わらず自分はいない。
隣のはやても苦笑いを浮かべながらも咎める様子はなかった。

そういう人なのだろう。
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4105： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 22:14:14 ID:Go1kThLo0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.--- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　＿__　　　　　　/∧　r∧
　　　　　　　　　　／　 ||/＼ _,. .--- ミ∧-､,∧
　　　　　　　　　　　 |　　 _||/／: : : : : : : : : :乂__ノ
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　　　　　　　　　　　　　　乂__／: : : :.:|{､: Ⅵ: |: l .∨: : : :.
　　　　　　　　　　　　　　 /:,: /: :|: |:_|､:从､__､_l:__l: |:.|: :,::.
　　　　　　　　　　　　 /:ｲ: |: : |:ｲ: |-､､: :.:|{: | ､l｀|:.|: :.|: .
　　　　　　　　　　　　　　{:/, ｨｧ : |:.|!:.| 　＼｣ｰ__＼!:|: :.|: : .
　　　　　　　　　　　__　／／|: : { ｨ≠=　　　'´￣｀j:/: : |: :＼､
　　　　　　　　 ,r/／｀' ／: : |: 从　　　　 ,　　　/': : :.:|: :|: :｀＼　　　　　　　いやさー、なんかさっきから社内がギスギスしててねー。
　　　　　　　 {〈{_!_{とヽ l/: |､: : ﾑ　　　　　　, 　ム:イ: :.|: :|
　　　　　　　 { ｀／´　/ ,: :/: :＼｣込､　｀　　　 .ｲ: : : : : : |: :|　　　　　　　　　ギスギス？　んー、とにかく、あんま雰囲気良くないの。
　　　　　　＿r￣｀ヽ､／ /: /:r､:,: : : : : |l＞　 -く| ∨: : : :.:.:|: :
　　　　 /　/　　　〉--＜￣{ Ⅵ: : : ;'|!　　　 Ⅵ:,: : : : : |-､　　　　　　　　　　だから、こっちに逃げてきちゃった。
　　　〈＿{----､ /　　　　　〈l ﾏ: : :/l|ﾑ＿　　_,|　､: : :.:.:| l〉｀ヽ
　　　　　 /　　　/／⌒ヽ　　〈l |!: ://ﾉ　|　｀ ´　,　　､: : :|li〉　　￣ Y　　　　　　周りも不安なのか怖がってるのかうるさくてさー。
　　　　　,　　　　'´ ＼///}　　　/: /イ　　{　　　　ﾏ　　∨:|ｲ　　　　　j
　　　　 ,　　　 }　　 }//｣　　｢:ノ　　 ,｣　　､　　＼　Ⅵﾊ､　　＿,ｲ　　　　　　　「どないしたん？」
　　　　 {　　　/　 ,..イ--'＼__,.〉:,ﾉ ____イ＿　　∨:.　　〉＿乂:ﾊ／// ∧
　　　　　,　　 _,..イ: :/: /: : : : 〈: :〉´{//ﾉ　　｀ヽ l:::イ´　{//,}ト,:}///／´ヽ　　　　　　さあ？　なんか上がモメてるみたい。
　　　　￣　/:/: :/: /: : : : : :}从 ||￣　　　　｀´　　　￣ jj }从Y､　　　 :.
.　　　　　 /:/: :/: /: :.,: : : | /人 :.､　　　　　　　　 ///: :|: : :〉　　　 :,
　　　　　 /:/: :/: /:.:.:.{: : : :|: : : :|｀ｰl｀＿,...:　　　　､＿_//ｲ: :.:|:／　　　／
　　　　 ,.:/: :/: ,:: : :.:.|: : : :|: : : ﾑ　 | |　　　　　　 //{: r-rく_　　／
　　　　　 ,: {: :/: / l: : : |: : : :|: : : : :.〉 | |　　　　　　　　 { {ヽ{ /　　ヽ '
　　　　　 {: |: {:.:.'　|: : : |: : : :|:_:_: :〈　//_,..ィ========､ﾉﾉイ=､　／:|
　　　　　 |: |: l:/ 　|: : : |: ,..ィ二二/{二二||ﾆ||二二||ﾆ||二ﾆ| 　 Yﾆ＼!
　　　　　 |: |: /　　|:,.ィニニニニr{/!ニニ||ﾆ||二二||ﾆ||二ﾆト､　∨ﾆﾆ｀ヽ､
　　　　　 |: |: {　／ニニニニ／､＼ー ||ﾆ||二二||ﾆ||二イ　}　 }N^〉ニニ＼

　　　ゝ｢.￣￣∧───､,.ィ=-- ､
　　／: :|　o　_,|∧ニニニ///＼　　＼
　／: : : :|-､__ﾉ |: : : : : : : : : ｀ヽ/＼　 _ﾊ
　{:: : : : :〉､＿ノ: : :ｉ: : : : : :ｉ: :寸　　＼＿}
　|.: : : : : : : : : : : : ﾄ､: : : :.:ﾄ､: :ヽ
　|,/: : : ///: : :ｉ: :/⌒'，:.:/zxi: /:}
. /: : : //∧ : : |:/ｘf斧j:./ ﾋﾘj/:八
/: : : /／...∧:.:.|{弋::ﾘ /　　､ i/:ﾊ　　　　　　……そういえば、なんで二人なの？
: : : /' 　i 　 ∧.ゝ　　　　　_ /.､.:.:ﾊ
: : : : :|::::i 　/ . Y:≧　　　_, ′: :､:.ﾊ　ﾁﾗｯ
: : : : :|:::.i.../.: : : : : : ｀:く : : : : : : .i ヾ
: : : : :|::::i/: : : : ≠'⌒＞- ､.: : : .:i
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: : : : :| : : : : : i : : : : : ', 　∨¨　,ﾊ

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篠ノ之束がちらりとこちらに視線を寄越す。
一応、存在自体は認知されていたようだ。

こちらから挨拶もしたのだが、その時は見事な無視だった。
気まぐれなのか、見下されているのか。
ともかく、どれだけ彼女に失礼な態度をとられても、怒るわけにいかない。

彼女は逢花重工開発部の重鎮であり、今後のマーシフルの運用に
深く携わっていく人間なのだ。ぞんざいには扱えない。
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4106： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 22:18:50 ID:Go1kThLo0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
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　　　　　　　　　　 /: : :.:rｬ!: : : : : ヽ:_:_:_: :i: : ',: : :', V ',: :､
　　　　　　　　 ,: :.i: : :!　 '; : : : : :´',ヾト､ﾄ:;ハ: : ',〉〈!: : ',
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　　　　　　　　　 |: : |: : :!　,r= ミ＼: : !.ん心》|: : :!: : : ',: : i
　　　　　　　　　 |: : |: : :! 《 .ｨ心　　｀¨ ゞ..ソ　 !: : :ﾊ: : : :',: |
　　　　　　　　　 |: : :',: : ',.　ゞソ､　　　, , ,　 ,: : :!rヽ: : : : :!　　　　　　　へ？　あー……デート。気晴らしのな。
　　　　　　　　　 |: : : ヾト-　, , ,.　　　　　 /: : ムｲ: ',: :{: :',
　　　　　　　 '; {: : :| ハ　　　　, - .､　　 /: : /: :i : : :',: ';: :ヽ
　　　　　　　　　　.ヾ: : |　|:.ヽ　　　　　　　 /: :＞== ミ:､: ', ',: : :',
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　　　　　　　　　　 |: |: :!　'; : i : :|:.＞=≦三{{　　　　　 ,: !|: : : ',
　　　　　　　　　　 |:.ﾊ: !.　ヾヽ: !: : :_:_}::}}::::}}　　　　　 ',:ﾘ: ; : :|
　　　　　　　　　　 |'　ヾ!　 .rｰ７７/ !＞.:''::::::::', .､　　　　 !: :/: : :!
　　　　　　　　 .!　　　　ﾊ::ﾉ::::／::::::::::::::::::::::',. ',　　　　 ∨ !: /
　　　　　　　　　　　　,.＞.:´::::〃:::::::::::::::::::::::::::::',ﾐ', 　　　 ∨ミ､

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ≠l l : ﾚl Ⅳ　､ |: : :从⌒ヽ､:ⅥV : | : li : : |///γ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ､　／　「「 |l￣代ﾐｭ_　L:/　_ ＼|＼l| :/V | : ll : : |///i/////}　　　　　　……へえ。
　　　　　　　　　　　　　　　.／"　　l〔　ヽ| lﾟ L_＿}　　　　　　ｲ_)心､ l|// V| : ll : : |///l/////l
　　　　　　　　　　　　　　　「|／　　ヽ　⌒`￣ -`{　　　 ´　　　 ¨´ " ノ : :/ | : ll : : |///l/////l
　　　　　　　　　　　　　　／ヽ　　　　}=-　＜ /: ハ　　r　、　　　／ : : :/:ノ: : ll : : |///l/////l
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　　　　　　　　　 ,　´　　　　　／`〔 {　／ : / /¨} ￣ /` - =　７　「ニニ　∨:/: :l: : : |-----＜
　　　　　　　 ,　　　　　　　／　　　￣ ¨ ＞ /　ﾚ　´　＿＿/　「 y￣　　l'ヽ :ｌ: : : |///////ヽ
　　　　　／　　　　　　／__　　　　 (_γノ_／ ,.　 -=-　＜　／ﾚ : }　　　 l　＼: : :|///ヽ////}
　　　　 ,´　　　　　　／ﾊ//∧　＞ ´　￣￣　´¨ ￣　＞、 ( : : :／八　　ﾄ,　　＼l////ﾉ///ﾉ
　　　 Y　　　　_　ノ　　　}///r ´　　　　ﾆ≠-　　　／　　`( y ) l　「 =- ´ l　　　＼ //////
　　　　>　、　＿　　　,.ノ//ノ{　　　　　　 -=　　　,'　　　　　( y ) {　「」|　　 l　　　　　 }/////
　　　　　　　　　　　　　　 V　',　　　　　　　　　　　　　( y ) }　「」|_　ｲ　　　　八///
　　　　　　　　　　　　　　　` 込　　　　　　､　　 li　　　　　　Yｨ /　　 |　　 '　　ヽ／ :∨/
　　　　　　　　　　　　　　　　　个、_ ,.　　　＼　 ',　　　　　ノ/} ゝ＿r-}　　 ' ￣「 : : : : :,

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そこで初めて、篠ノ之束の意識が、まともにこちらへ向けられた気がした。
じろりと検分するようにつま先から頭のてっぺんまで視線を巡らせてくる。
椅子を軋ませ、おさげにした髪を弄りながら、愉快気に目を伏せた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4107： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 22:29:56 ID:Go1kThLo0: 　　　　　　　　　　 r,―zzz-、
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　　　　　　　 ': : :/: /:/:./:|:ｲｨr=ｫ､　{: :.:.|: |-､:.:.|: :.:.:.ﾄ､: .　＼_〉
　　　　　　　/: : /: ｲ:/:ｲ:.:.圦込り　乂:_｣ __| |: :l: : : :|　｀＼
　　　　　 ,: : :/:´: :'∧ : : l 　　　　　之ｵ|:./:.| ,:.:|
　　　　 /: : : {: : : : :|＼: 〉　　　　　 '　　｀¨/': :.八: |
　　　　　/: : : : :,: : |: :.|: :| ､　　　r ―.､　　 /: :|:/　リ　　　　　　　あのはやてちゃんに、そんな顔させるなんて、ねえ。
　　　／: :/: : :∧: :, : |: ,　＼　ゝ　ﾝ　 .ｲ: :./'
　　 /: : :./: : :/: : :, : : |＼　　｀　._　＜:./:イ: .　　　　　　　　　　　それも、こんな男が……ふぅん。
　　,: : : ,.　 ´〈ﾑｰ.∨: | /∧　　 /＼|: : : ,: : :ト､:.
　 /: : /　　　〈ﾑ }!∨{' //|　　 {　/l|: : : l: : :|　 ,:.　　　　　　　　　　　リンクスとして見るところはコジマ汚染への耐性くらいだったけど、
　,: : :/　　＼:　〈ﾑl| }:ハ/}l|　　 ∨l∧: : :|⌒Y 　 : .
./: : :|　　　＼〈ﾑⅥ: :.}　|-､　 _∨ l〉,: :! 　 l,　 }: |　　　　　　　　　　面白いところもあるんだねえ。
': : : ,'　　　　　　〈l／{: : 〉l|　　　　∨〈: :ﾊ.　 :.　 l: |
: : :/　　　　　　　 |　〉: {/　　 ::.　　＼〉: :}　 |:.　l: |
: : {　　　　　　八': :ﾉ＼__　 :､　　　ヽ:ﾑ　ヽ ,: :|
: : :＼　＿＿__ 　 /´ 从{　ﾏ/ ＼ Y　　　/＼　 }' : |
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　　 ,:': :／'"ｨｱ'　　　／: : : : : !!: :!,:', :!: ',: :.V: : 、:',: : : ゝ--く´
　　 {: :/: ァ'´　　　／: : :!: : ,': :ﾊ: :!:',:',:',: :i、: ':,: :､メ:、: : : ':,: :',
　　ー'"　　　 ,:':/: : : :i: : !: :i: ﾊ:{: :ヽ:',_,{_ヽ: :ヽ:ヽメ: :メ:、V:.',
　　　　　　　 ,:',ィ': : ': : :i: :.!: ﾊ:ｒ 'i: : : {ヽ:'￣':,｀:メ:.､ヽ、ー(: V:.,
　　　　　　／´ :': : :': : : ': ,ィ{´'{　j: : : {　':{,zz≧,_',ヽト--: :',: :ヽ:,
　　　　　 ´ 　 /: : :i: : : :,〈ﾊ:{≫示ー､{　 ´.j_r::'ﾘ｀》 ': : : : :!:,: : :.＼
　　　　　　　　,': : : j:.!: :、:!'ｱ'ﾏrタ　　　　　　｀ ´ ,:/: : : :ﾊ!: ":': :r-
　　　　　　　 ,': :／ !:i: : :':ム｀ ´　　:j　　　　　　　 ,/!: : : :ハ!:!: : : ,':,
　　　　　　 /イ　 ,ﾊ:!,: : : 'ム""　　　　＿_　　　　八: : :{: : ∧: : : ,:.、
　　　　　　　　　　,': :!::〉: : :',:.ﾊ、　　f'´　　　}　　　ｲ:!_,斗'/: :/: ',: : : :.,::.、　　　　　　　　　　　……私、今ちょっと試してることがあるの。
　　　　　　　　　 ,': ://ﾊ_____,ヽ:ヽ､　ゝ、　,ノ　 ,.ｲ!: :i: : !:/: : ': : : ,: : : : ,: ':、
　　　　　　　　　,': :/ ': : : : :i: : : : j:＞.、　 ., ＜. . i'メ!: : ,: : :,: : : : ':,: : : :.V、:.、　　　　　　　　　VR訓練の応用なんだけどね……興味ない？
　　　　　　　　 ,': :/ ,: : : : : :!: : :i:,': : !ｨﾊ¨´. . . . . .V i: :,': : :,: : : : : : ___: : :Vヽ: :.、
　　　　　　　　,': /　,: : : : : :.!: : :!': :.,' ,ィﾉ. . . . . . . / i: :!: : ﾊ!f＜:´:::::::::｀メ:.V　ヽヽ、　　　　　　　「な、ないですお」
　　　　　　, ヘ::/　 ,: :＞::'':ri: : /: :/ _!. . . . . . . . /z :,: : : ,　i!f'、:::::::/::r--' くV　ヽヽ、
　　　　／- ,V´!　,'イ:::::::(//!: : :,/"'/:、. . . . ._,/-,ヾ:}: :./　.i! !'::::::ｧ'"´ｒ'ニ__j: :.、　ヽヽ、　　　　　上手くいけば君もランカーリンクスだよぉ？
　　　,ｧ '" j !ﾊ { /::::::!::r'//,ﾉ: :://''ﾉ　ヽ. .／ :}:::(,' ﾉ: :{　　i! !)／　ィ'r '' "!/: : :.、　　ヽ: .、
　　　〈　fﾊ j"´ ∨:::::::!:ﾉ'//!: : ﾉﾉ::,'　　　　　　 !:::::( !: :八zzj :!:! -―=='´ _j:::i: : : :.、　　 V:.、
　　　ヽ　｀:.、　 }::::::::j /,ィ: :f-'::::/　　　　　　 '::::::::7: :ヽ　、,ｧf　　　 .,.ィ::::::::::!: : : : :.　　　.V:.、
　　　　ヽ　　ヽ /::::::（ィrj: :ノ::::／　　　　　　　ヽ::::::〉: 〈:｀´ゝ!ゝ____r'ﾌ、::::::::::::!:＼: : : .、　　V: ,
　　 r,≦八____ノ !:::::::::/f: : j:／　　　、　./　　　　ヽj: : :j: : : : ! ｀¨¨´!｀Yi::::::::::::::::::::Y: : : .、　 V: !
　　 !j　 ! ｀ー "ﾊ:::::/:::ゝイヽ　　　 ': ,'　　　　　,ィゝ:ﾉ:::::::::::!　　　.!=='!::::::::::::::::::八: : : ::ヽ　.V:!
4108： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 22:34:02 ID:Go1kThLo0: 　　　　　　　　　　 r,―zzz-、
　　　　　　　　　　 |l 　　　∧__　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　 |∧　　　 ∧: :＞､　　　,..ィ∨∧
　　　　　　　　　／|/∧　　　 ∧: : : : : :＜////∨∧
　　　　　　　　　 . ':／イ: :| 　　　 |: |: : : : : : ヾ'　　∨∧
　　　　　　　　　　':.//: : : /乂＿＿ノ|: : ､:{: : : : : : :. 　 ∨∧
　　　　　　　　 /: :{/: : : : : : :.:∧: :/ |: : :!:＼: : ',: : : :..　 ∨∧
　　　　　　 /: : :' : : : : ｲ´/￣|:7ヽ|: : :!: !: ＼:!: : : : : .　∨∧
　　　　　　　 ': : :/: /:/:./:|:ｲｨr=ｫ､　{: :.:.|: |-､:.:.|: :.:.:.ﾄ､: .　＼_〉
　　　　　　　/: : /: ｲ:/:ｲ:.:.圦込り　乂:_｣ __| |: :l: : : :|　｀＼　　　ざっくり説明するとね……
　　　　　 ,: : :/:´: :'∧ : : l 　　　　　之ｵ|:./:.| ,:.:|
　　　　 /: : : {: : : : :|＼: 〉　　　　　 '　　｀¨/': :.八: |　　　　　　　ほら、AMS接続での操縦って、感覚的なものが大きいでしょ？
　　　　　/: : : : :,: : |: :.|: :| ､　　　r ―.､　　 /: :|:/　リ
　　　／: :/: : :∧: :, : |: ,　＼　ゝ　ﾝ　 .ｲ: :./'　　　　　　　　　　　それを逆手にとって、優秀なリンクスの戦闘データを追体験させて、
　　 /: : :./: : :/: : :, : : |＼　　｀　._　＜:./:イ: .
　　,: : : ,.　 ´〈ﾑｰ.∨: | /∧　　 /＼|: : : ,: : :ト､:.　　　　　　　　　　　その人のコピーを作れないかって。
　 /: : /　　　〈ﾑ }!∨{' //|　　 {　/l|: : : l: : :|　 ,:.
　,: : :/　　＼:　〈ﾑl| }:ハ/}l|　　 ∨l∧: : :|⌒Y 　 : .　　　　　　　　　　まだアイデアの段階なんだけど、素材の確保は大切ってね。
./: : :|　　　＼〈ﾑⅥ: :.}　|-､　 _∨ l〉,: :! 　 l,　 }: |
': : : ,'　　　　　　〈l／{: : 〉l|　　　　∨〈: :ﾊ.　 :.　 l: ||　　　　　　　　　　「いや、だから……」
: : :/　　　　　　　 |　〉: {/　　 ::.　　＼〉: :}　 |:.　l: |
: : {　　　　　　八': :ﾉ＼__　 :､　　　ヽ:ﾑ　ヽ ,: :　　　　　　　　　　 AMS適正者は貴重だからさぁ。
: : :＼　＿＿__ 　 /´ 从{　ﾏ/ ＼ Y　　　/＼　 }' : |
: : : :////////∨　 /: :.| 　 }､}　＼＿／---∨:.∨
: : :///////// | 　 {: :从　 ||　　　　　￣{/ｲハ: :{
: : {///r―--､/::::::..¨´...　 /'　　　　　　　 | | }: : .
: : :＼_j!　　　 |:::::､::::::::::::::/,'::::::::::_-- '　　　 ///: : : :.
: : : : : ,　　　 {:::::::｀::..._／ｲ_,...＜＿::::::::....／／: : : : : : .
: : : : :,　　　 l　　　 { {　　　　　｀7¨7 ´|: : : : ,: : : : : .
: : : : ,　　　 ,　　　　　ﾏ､　　　　　 / / 　 |: : : : : ,: : : : : : .
4109： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 22:41:43 ID:Go1kThLo0: 　　　　　　　　　　　　　　＿__　　　　　　　　　{´￣｀ヽ、
　　　　　　　　　　 {　　_＼　　　　　ﾏ_ ｡ }_,||
　　　　　　　　　　　＼} 　＼　　　　　　　ﾏ__ 　||
　　　　　　　　　　　　　　＼　　ヽ　＿＿__ ///＼!!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 }＞. :´: : : : : : : : :＞､/
　　　　　　　　　　　　／: ,: |!: : :|: :＼:＼: : : ､｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　 , ': : :/: :||::､:.|､＿_:_:､＼: :.∨:ﾑ
　　　　　　　　　　 /:/: :.':ィ-|{从:| ＼{＼｀＼: ､:|: : : .
　　　　　　　　　　　　 /ｲ: |: :|:|从{ ＼{ｲ苡ｵヽ}: /＼､: : ;: .
　　　　　　　　　　　　　 /: :|: :|:{泌ｿ　　　:.:.:.: /:ｲ: : : |:＼: : .　　　　　　　なんなら、お礼もするよぉ？
　　　　　　　　　　　　　 , : : |: 从 :.:.: ' ＿_ 　　 /: : :./: /: : : .
　　　　　　　　　　　 |: :./|/:.从　　V:.:.:.}　　 ´√´:.:/: | : : :.　　　　　　　そうだねえ……私も君とデートでもしてあげよっか。
　　　　　　　　　　　 l／　　|:|:ム　ー'　　ｲ: : : /: : ! : : : .
　　　　　　　　　　ｸｽｸｽ　　 /:,|: |: :｀: . __,... ´　|: : :,:,ィ⌒ヽ､: : : .　　　　　　自分で言うのもなんだけど、私も容姿には恵まれてる方だからさ。
　　　　　　　　　　　　 /:　|: |: : r=r-|　　|^|: :./|| 〉　　＼: :.
　　　　　　　　　　　 {/ /-j: :/!| Lﾉ　　{l |: :{ jj|_〉　　＼＿､＼　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　／ //: {l｣／ _ｨ―/ |: :|_/ｲ　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　_,.　　´　　{/イ／r-ゞ-｀¨ｰ'⌒ヽ l|　　　　　　　 }
　　　　　　　　｢　　　 /,{＞- ´ ,.と二＿〈_l ｰ'´￣∨ 　＿_　　　 '
　　　　　　　　　 |　　,.イ-┴- ､:/／Toﾉ|　∨ ∧　　∨//// ＼,∧
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　　　　　　　〈　　　ヽ＼::＼:::...... 　､:::::::::||::::::,..::'::::::::.　　　　　j: : :,: :,: : :.
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　　　　　　　　　　 ∨　　人ヽr==777{7}}//≧ ､　　｝: /-////＞､:.:|　 }: :|

　　　　　　＿＿＿_
..　　　　／　　　u　＼
　　　／　　／　　＼＼　　　　　な、なめやがって……その手には乗らないお。
..　／　し（○）　（○）＼
　 |　∪　　（__人__）　 J |　　　　こっちだってそれなりに目が肥えてるんだお、アンタ程度じゃ動じねえお。
..　＼　　u　　｀⌒´　　／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
篠ノ之束が挑発的に胸元へと手をかける。
あまりにも眼に毒な光景に、はやてが身構えていた。
自分の眼を塞げるように、いつでも飛び掛かれる姿勢をとっている。

だが、こちらとて、それなりに耐性はある。
何しろ、あのなのはと毎日のように顔を合わせ、アルトリアに部屋に居座られ、
はやてにくっつかれたりしていたのだ。慣れもする。

今の自分には、生半可な色仕掛けなど通用しない。多分。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4110： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 22:52:06 ID:Go1kThLo0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. : ´: : : : : : : : : : : :｀_: . ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: -: : : : : : : : : : : : : : _:＼:＼
　　　　　　　　　　　　　　　 , -＜: : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ヽ: ヽ:＼:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 /: ,: : : : : : : : : : : :､: : ∨: ､: : :∨: _ : ヽ::.
　　　　　　　　　　　　　　,:': /: :/: : /:| : lV∧: |: : : V: :V: : :V: ,x: ∧::.
　　　　　　　　　　　　　 /: /: :/: : :l|: |: :l| 　 |: }: : : :|: : | : |: |/_,}:〉:､|: l
　　　　　　　　　　　　　.': .': : : : : :|:|_:|: :l| 　 l: | : : ∧: :| : |: |: : |/ : |: .
　　　　　　　　　　　　　|: |: : : |: : :|:l: :＼|　从|: ,: |　|:_／:|: |: : }_: : |: : 、
　　　　　　　　　　　　　|:∧: ,: V: 从ィ雫≧､　|∧:| ｨ≦雫ﾐ:|: /-ﾐ,|:|: :V＼　　　　　　　　束。それ、最近お釈迦になった案やろ。
　　　　　　　　　　　　　|:{　V､: ∨:l∧ Vzり　　　}'　 Vzりﾉ|/r､ﾉ|:|: : |: ､:＼
　　　　　　　　　　　　　ゞ　 }: ＼〉:∧　　　　　　　　　 ,､_／: |:|: : |: : ＼:ヽ　　　　　　しかもただの追体験とちゃう。
　　　　　　　　　　　　　　　 |: :|: :| : ∧　　　　　'　　　　　 ∧: :|: : |:|: : |: : : : ＼: .
　　　　　　　　　　　　　 .': :|: :|: /:个 .　　　- ､　　 . 个:l: :|: : |:|: : |＼: : : :､ヽ}　　　　　薬物と戦争の追体験で弱らせた上で
　　　　　　　　　　　　　 /: : :|: :|:八: }: | ＞　. 　　＜|＼: : : ,: : |: : ∧: |＼: : }
　　　　　　　　　　　　 ,: : :/:|: :|: : :〉l从/.|＼::｀´-:／ |、＼- ､: V:/: :l :|　 ∨|　　　　　　　人格を上塗りするちう代物やんけ。
　　　　　　　　　　　　 {: :/__|: √/　{' /...|　＞＜　　|..V　＼｀7'＞､:|__　}/
　　　　　　　　　　 / ｢￣´　 |:/ ＼　 ,'......|　////∧ /....∨ ／| /　　　｀Y⌒＼　　　　　　　やる夫君をオモチャにするんは見過ごせへんな。
　　　　　　　　　　 '　 |´￣￣/ || 　 V....../|ｲ　〉-〈　 ,.........∨＼〉　　　 / 　　ヽ
　　　　　　　　　 / 　 ∧ 　／|/---/... /...|　////| ∧........∧￣￣＼　V　　　　 :.
　　　　　　　 /＿_/＿／｢￣　　 ,.＼/.....l　|/// |/...∨./.....∨ /　　∨　　　　　　＼
　　　　　　　/´　　／ | 　 /　　　 /.￣.........∨///_/.........＼.......∨ /　　}、　　　　　　　＼
　　　　　／￣￣￣￣　／　　　 ∧................ ∨...../..................>.....∨　＼＿＞----- 　、　＼＿＿_
　　　 /　　　　　イ＿＿＿/.....＼...............∨.,...............／............＼＿＿　　　　　　　　　＞￣　　＼
　　　／´￣￣￣￣￣￣.....{....................＼............V...........／.......................}､...............ー--　　＿＿_　　　　　＼
　／............................................人.......................＼........∨..／..........................人＼.....................................＼｀ヽ､
／.......................................／´　　ヽ:::::::::::::...........＼....∨................::::::::::イ　＼＼.....................................ヽ　＼　　　　＼

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＼､ ':.　| | |＼__ア: : :.:.:|: :|:∨:､{∧: : :.∨＼: : :∨: : :∨､: : ､　　　　　　＼　　　　　　　　そ、そんなに怒らないでよ……。
　｀ | |　} |　' {/: : : : : :.:|: :|: :∨ : ∧､: ､|＼:{＼: :! : !: :∨＼:'＼　　　　　　　　､
　 /{ |_// /　;: : : : : : : |: :|＼{＼: :∧＼}￣＼￣| : |: : :|:r ､ヽ　＼　　　　　　 Y
イ　|＿/ ,'　 {: : :|: : : : :|: :|_ノ＼　､ ∧　　　　_　| : |: :.ﾘ:|　｀　 //ヽ､　　　　　　,
　　｀ー'　　 |: |:.∨: : :T´从　　　＼:｣　-≠'´　|: /: /:∧　　　{/∧　｀　ｰ　　/
　　　　　 |/| : ∨: :∧{　､＿ノ　　　　 u /:ｲ: /: :| ﾑ}　　ﾏ/∧　　　　ム､
　　　　　 |　,: : :∨: : :＼￣　　　 ;　　　__　 /イ: : j!　∧ 　　∨/＼＿_／// :
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　　　r/∧∨∧ j:/　　（_| ||: : : :|-､ |＿｀¨´ /´　 !: :{ー'ー-' 　　　　　　／＼
　 ,.....--|∧∨/}　　　　（_| ||: : :.∧ ､j　　｀　　　 /|: :|　　＼　　　　　　　／: : : : :＼

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それでも止まらぬ篠ノ之に、隣のはやてが制止に入る。
敢然としたはやての口から恐ろしい実験内容が語られるが、
当の篠ノ之は悪びれた様子など欠片もなかった。
精々が叱られてしょぼくれる子供のようなものだ。

「堪忍な、やる夫君。この通り、悪気なくこういうこと言う子なんや。
失礼極まりないけど、なにかない限りは無害やさかい、そっとしといたってや」

はやてが呆れたように、庇っているのかそうでないのか分からない言葉を並べる。
なんだか、本当に子供のようだ。

ひとまず、ここでこれ以上彼女を責めてもどうにもならない気がしたので、
自分も怒りの矛先を収めることとした。

当人が悪いと思っていなければ、反省のしようがない。
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4111： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 23:00:37 ID:Go1kThLo0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
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　　　　　　　 '⌒7.: .:|.:|.:.{＼ |.: |.:_|__< ／|.: .: : |.: .: .: .:.:.:|
　　　　　　　　　　 /. |.: |.:| :fﾊ　|.: |.:_|,,_:|＼:八_/7 : .: .: .: . |
　　　　　　　　　　 :( :|.:人V:じ　j.:〃ノ刈:. /／∨.: .: .: .: .:.:.|
　　　　　　　　　　／.: .: .:「　　　 V'少У.:.:.:/|.: .: .:.:|.: .: .:|　　　　　　　　はあ……行こか、やる夫君。
　　　　　　　　 ⌒7.:/.:.ﾊ　　　 ' ' ／.: .:／ノ .: : .: |.: .: .:|
　　　　　　　 _　　 {:/＼八 _／)＞'.: .:.:／.: .:/.: .: .: .:|.: .: .:|　　　　　　　　邪魔したわ。
　　　　 __/　) __　　　／￣ 7 : : ／￣:／ : .: /.: 八 : 八
　　　　　「{ {　し'　}　　r/ 　　 /.: .: /＿／　⌒∨ .:/.: :)/⌒＼
.　　　 { 　　　ﾉ　　/／　人.:.:/　＼￣￣Y￣/＼＿
.　　　人　　 / 　／　　　　 ∨　　　＼　＼ /　　　　＼_
　　　　　 }　　 {　 /￣￣￣＼　〉＿　　＼　{　　　／　 ∧
　　　　　 } 　　　 '　／　　　　／}　　　　　　＼　／　／　}
　　　　　　　　　}/.／　　　　／／　　　　／　＼　　　　∧
　　　　　,'　　／{＿＿　　／イ　　　　　　／　　　 }　＼　／/ /
　　　　　;　　|　 |　　　　 /--≠-　　　　　＿　　　/　　 ∨ /／{
　　　　　{／ |　 |＼　／　　 /　　　　　　　＼./　　　 }／＿_＼
　　　八　 |　＼　/　＼＿{　／　　　　　　 /＼　　 ∧------{
　　　　　　＼＼__／　　　　　{ 〈／　　　￣￣〈. 　＼〈　＼　　　〉
　　　　　　　￣　　　　　〉 }　　　＿＿＿__〉＿＿＼＼　＼　 {

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それからというもの、ぱったりと会話が止んでしまった。
発端は篠ノ之束であるのだが、如何せん、ここは彼女の店だ。
退散するのはこちらというのが筋である。

はやてに手を引かれ、小さなリサイクルショップを飛び出す。
篠ノ之束は変わらず、拗ねた様子で口を尖らせながら、
自分たちの背中を見送っていた。
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4112： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 23:00:55 ID:Go1kThLo0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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4113： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/02(日) 23:01:44 ID:Go1kThLo0: 今日はここまでだ。次回は明後日、5/4の午後八時からとする。

シーユーアゲイン。
4114：安価のやる夫だお：2021/05/02(日) 23:05:39 ID:9eE.oYPs0: 乙でした
4115：安価のやる夫だお：2021/05/02(日) 23:06:02 ID:CtqWqpPE0: 乙ー
4116：安価のやる夫だお：2021/05/02(日) 23:18:42 ID:v0NXCodk0: 乙
4117：安価のやる夫だお：2021/05/03(月) 23:50:13 ID:WGSPx6/E0: 乙でした
4118：安価のやる夫だお：2021/05/04(火) 20:01:29 ID:R4Wboi6A0: 　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　ハロー。
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　　　　＼||
4119：安価のやる夫だお：2021/05/04(火) 20:03:07 ID:WylwkrR.0: ハロー
4120：安価のやる夫だお：2021/05/04(火) 20:09:24 ID:R4Wboi6A0: 　　　　　　　､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　　　wifiが速度制限食らってニコニコ動画すらまともに再生できない>>1だよ。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　　　投下しながらツイッター開くのも一苦労だ。ファッキュー。
　　　　/ : : : : : : :┌─┐
　　　　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　　　　近々光に切り替えるから多少はね。はじめていこっか。
　　　　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣
4121： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 20:10:29 ID:R4Wboi6A0: sageついてるうえに酉も外れていたではないか……

とんだポコチンスレ主もいたものだ。
4122： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 20:11:14 ID:R4Wboi6A0: 　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
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　　　　　　　:.:.:.:.:.:.:.:.: |ΛＶΛ|:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.|／|∨|:.:.:.:|
　　　　　　 | :.:.:.:.:.:.:.:.|　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:|l:.: |／|〉〈|:.:.:.:|
　　　　　　 | :|:.:.:|:.:.:|:|／⌒　|:.:|:.:.:.:.:⌒ﾄ:.|l:.: |／|Λ|:.:.:.:|
.　　　　　 V|:.:.:|:.:.:|:| 　　人:|:.:.:.八:.:| 八:.:| :. | :. |:.:.:.:|
　　　　　　　　|:.:.:|:.:.:|:| ｀i|ｌ　　 |／｀i|l　　 Ⅵ : 厂↓:.:.:|
.　　　　　　 V八:八　l|ｌ　　　　　 l|l　　 |:|:./k6｜:.:.:|　　　　　　　――上手くいかへんもんやねえ。
　　　　　　　　　|:.:;′, , ,　　　　　　 , , 　|八　　ﾉ:.:.:.:|
　　　　　　　　　|八　　　　　　　＿　　　　　　イ:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　「はは……」
　　　　　　　　　|:.:个:..,　u.　　Ｖ　ﾉ　　　　イ|:.:|:.:.:.:.|八
　　　　　　　八|:.:.|:.:.:i:.:‥┬　　　￢≦∨八 |:.: Ν
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　　　　　　　⊂⌒＼　 /￣　|＼ｨ只ﾄ／|⌒　　　 |/-ｧ冖つ
　　　　　　　(＿　ィﾆV 　　 |ニ|/Λ |ニ|.　　　 /ﾆ(　 ⌒＼
.　　　　　　　 |ニニ＼＿ノﾆﾆ∨//- 人＿＿ /ニﾆ＼＿_ ﾉ
　　　　　　　＼二二＼ニニﾆ∨二二二二/ニニ /
　　　　　　　　　 )＼ニニニニニ|ニニニニ＼二二/＼
　　　　　　　　／　　＼／::|二二|ニニニニ/: ￣| 　　ヽ
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　　　　　　　 {　　　　　 |::::::｢ニニニニニﾆﾆ｝:::::: |　　　　|

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たどり着いた河川敷では、川の流れる音と木々のざわめきが聞こえるばかりで、
人気もなく静かなものだった。向こう岸の地平線上に見える街並みも、
少しずつ明かりが灯り始めていた。

日は傾き、肌を炙る日照りも随分とおさまった。
汗を吸って重くなっていた肌着も、今ではすっかり乾ききっている。

瑞々しい緑が生い茂る地面に、はやてが腰を下ろす。
疲労を滲ませたため息を漏らし、遠い目で沈みゆく夕日を見つめていた。
つられて屈む。立ったままでは彼女の表情が読めない。

「はやてさん、スカート白いから汚れちゃうんじゃ」

「かまへんよ、どうせ洗濯するさかい」

少しだけぶっきらぼうに彼女は言うと、そのまま唇を固く結んでしまった。
白い帽子が夕焼けの色を微かに映している。
陰の下の彼女の横顔は、どこか物憂げだ。

純粋な黒とは言い難い、若干明るめの髪がそよ風に揺れている。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4123： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 20:14:31 ID:R4Wboi6A0: 　　　　　{　　　　　　　＼＼　／　　　　　　　　　　＼
　　　　　 ',　　　￣⌒丶　｀`＜､._￣￣￣￣｀`丶､._　　ヽ
　　　　　　＼　　　　　　＞'⌒: : ｀`丶￣｀`丶､._ 　　＼　',
　　　　　　　＼　　　／: : : : : : : : : : ヽ: ｀`'～───-- L
　　　　　　　　＼ . : :/: : / : ヽ: : : : : : ',: : : ',: : ',: : ',: : ',　ヾ､
　　　　　　　　　 /: : :l: :l: ｌ : ﾑﾊ : ',: : : : l: : : ∨: }､ <: : :',／=≦｀ヽ
　　　　　　　　 ./: :l: :{: :l: { : {　 ∨:l: : :l斗─寸ノV＼l:|＼─‐-:ヽヽ
　　　　　　　　　{'l: :l: :{: :l: :',: :V⌒l:ﾊ: : }: ﾚ允lﾊヽ:.l: : :l:＼|　ヽ)､: }　',
　　　　　　　　　{入{l: {: :l: : 'l斗斧l　l: / l}´乍心: : }: : :V彡} 　　}ﾉ
　　　　　　　　／　ヾ',:.＼{､: ＼Vｿ　}/ 　　 Vソl:/ﾊ: : : }:ﾉ:.}　　　 ',　　　　　　ほんま、笑えへんわ。元気づけよう思うて、
　　　　　　 ´　　 , -Ｖ: : ヽ}ｰゝﾞﾞ､　　　　ﾞﾞﾞ　ﾉﾚﾍ : : ｌ:ノ　　　 }
　　　, -'"　　　／　　|: l: : : : ゝ　　_ _ 　　／ﾊ／|: : :|彡､＿＿_レ　　　　　君の好意を利用するような言い回しして……
　　´　　　　　 ´　　　 |从: : :l: : l丶､　　,ｨ''´　lヘ　|: : :|
　　　　　　／　　　　 |　Ｖ: |廴l＿/￣＿　　.′　 |: : :|　　　　　　　　　　　　このザマやしなぁ。生娘とちゃうくせに、
　　　　　／‐-　　＿＿_,ｨア''´_,, -─‐寸ﾊ､　l_　　 |/l:.,'
　 -‐　 ´　　＿＿＿__ノ=厶ｨ'´　　　　　寸ﾏｰ‐'　 / ,l/　　　　　　　　　　　　　年下の男の子一人慰められへんときた。
　､　　　,ｨニニニニニｧ寸ｱ　　　　　　　 }Vﾊ}
　　｀　‐|ニニニﾆﾆア　　}l'　　　　　　　 }ニﾔ　　　　　　　　　　　　　　　　　「はやてさん……」
　　　　 {ニニニﾆﾆ{　　　,'　　　　　　　/　,iニﾆ〉
　　　　　Vニニニニヽ u ,'　　　　　　 /　 /ニ}‐'
　　　　　 ∨ニニニニヽﾉ　　　　　 /　／ニ}ﾉ
　　　　　ﾊゝｰ---‐''´ 7　　　　/,ｨi〔=／
　　　　　｛ニニニニニ/ 　　　 /ﾆﾆ／
　　　　 {ニニニニﾆ/　　　　 /=／

　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　／　　─　　 ─＼　　　　　　　……感謝、していますお。世話になってることもそうだけど、今日のことも。
　　　　　　／　　（●）　（●）＼　
　　　　　　|　　　　　（__人__）　　　|　　　　　　こう見えて、楽しんでましたお……トウキョウのこと、忘れてたくらいに。
　　　　　＼　　　　｀ ⌒´　　 ,／
　　　　　　ノ　　　　　　ー‐　　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
それを聞いたはやては、自嘲気味に鼻を鳴らした。

「なんだか、逆になってもうたなぁ。前は私が君に色々しとったんに、
今じゃ君に気ぃ遣われてなぁ。世の中、分からへんもんやね」

はやての視線は相変わらず茜色の空へと向けられている。
雲がいくつか千切れ飛び、穏やかに流れている。

少し言い淀んでから、はやては続けた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4124： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 20:22:18 ID:R4Wboi6A0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　　----　 __
　　　　　　　　　　　　　　　 _／: :⌒: : : "´: : : : : : : ､
　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒: : ､／: : : : :‐‐: : ､: : : :＼
　　　　　　　　　　　　　／: : : : -ﾍ: ::/⌒＼ : : : : : ＼: : : :.
　　　　　　　　　　　　　　ｉ: : : : /: : /{:/⌒＼: :＼: :＼: : ＼: : '，
　　　　　　　　　　　　　　|: : : /: ::/: ﾊVﾊ: : : ､: : /,: ∧＼∧: :.
　　　　　　　　　　　　　　|: : / : / {/""ﾞﾞ}: {: : : ＼: V/∧//ﾊ: :.
　　　　　　　　　　　　　　{/::': : :': :{　　 }: :､: : : : :＼V/ﾊ: : :}: :ｉ
　　　　　　　　　　　　　　{/:ｉ: : :i: 八⌒八 : {＼⌒: }⌒: : }: : }: :|
　　　　　　　　　　 /: :{: : :{: iｨぅ灯^ ヽ{　灯うぅ: :} : }: : }: :|　　　　　　　私な、正直な話……よう分からへんねや。君のこと。
　　　　　　　　　　　　　 ': : 八: :Ⅳ､Vツ　　　　乂ツⅥ: :,＾Ｙ : :|
　　　　　　　　　　　　　: : : i: ::＼乂:.:.　　,　　　 .:.:.:.ノ : /ノ: :∨　　　　　　　まだ戸惑ってるちうんが正しいかなぁ。
　　　　　　　　　　　　　ｉ: l: {: {: ::込 u　　　　　 ⌒7ｲ:/: ＼{
　　　　　　　　　　　　　|:八{: {:､: :.:}: ::.. 　 r__，　 ..: : :/V: :. : ::}　　　　　　　　会ってからこの方、子供と大人って思うてきたさかい。
　　　　　　　　　　　　　|'　 {:八{＼}: : i :::.. __　イ　. :/　 }/: : 八__
　　　　　　　　　　　　　　八／ﾆ7: : ﾉ: ／/ﾊ　 . :' 　 /: : :'ニﾆ=- _　　　　　　男と女って方向に急転換ちうのも、ね。
　　　　　　　　　　　　　　　r{ﾆﾆ,:.:: :/／　　/ 〉 rく　　 ': ::ﾊニニニﾆ=-_
　　　　　　　　　　　　　　　{∧ﾆ{乂:/___　 /、　 {⌒＼八(.:.Vニニ／-=∧
　　　　　　　　　　　　　八ﾆﾆ／/ ／ У 　　〉　 ∨.:.:.:.:Vニ'-=ﾆニﾆ}
　　　　　　　　　　　　　　'　{ﾆ<.:.:/／〉／　　　/ {: . 　|.:.:.:／ﾆ/ニニニﾆ

　　　　　　＿＿__
　　　　／　　　　＼
.　　　／　　　　　＼
.　　／　　　 ―　　ー　＼　　　　　……。
　　|　　　　（●）　（●）　|
.　　＼　　　　（__人__）　／
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　＼
　／´　　　　　　　　　　　ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
言わんとすることは分かる。
自分は最初、世話を焼かれるまま、甘やかされるままだった。
それはまさしく、大人と子供の関係性だった。

少し判断が違っていれば、自分はあのまま、はやてに促されるがまま、
このコロニーで平和に暮らし、今頃はネクストなど無縁の生活を送っていただろう。

それが悪いとは言わない。学校に通ってみないかと彼女に言われたとき、
心が揺れたのも事実だ。

けれど、今となっては、それではだめなのだ。
はやての近くに居続けることは、リンクスとしての自分にしかできない。
だからこそ、彼女の提案を断り、家を出て、トウキョウに戻った。

そんな、ずっと世話を焼くばかりだった相手と、
いきなり男女の関係というのも難しいのだろう。
自分はスタートラインにすら立てていなかったのだ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4125： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 20:37:01 ID:R4Wboi6A0: 　　　　. . ＜: : : : : : : : : : ≧: : .
.　 , : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞、
　,: : : : : : Y´: : : : : : : : : : : : :丶: : : : :＼
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : : ヾ:.、
: : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : ; : : : ; : :ﾊ
: : : : /: : : : : :/;_:_:;: : :/: : : : : : :∨: : ∨: :!
: : : ::{: : : : : : {´｀´｀∨: : : : : : : : ∨≪∨:{
: : : ::|: : : : : : | _,．--}:-:、 : : : :; -:∨≪Ⅵ
: l : {:!: : : : : : !´　　__l! ∨:|ﾍ : }从: }: : : |ﾘ
: |:l:从: {:-: : ::ﾄz====㍉,　　 }/__,ﾑ:| }: : |
: |:|: : {｀ヽ ∨:!ゞ辷:ノ　　　（ ´¨´八.!::从　　　　　　　　君のことは、せやねえ……その、魅力がないわけとちゃうんよ？
: |:|: : ｀ヾ_- ., 　　　　　　　　,　　 .: : : ト、
: |:|: : ∨: 〉く: 、　u.　　 __ .,　　.ィヘ:_:_、｀ヽ　　　　　　　ええ子やとは思うてんねん。うん。
::介∧ ∨{　 Y: ＞、　￣＜: :{ ゝ_ィ^ヽ.
:{ .l: :∧ ∨:＼）: }ヾ:、/￣_Y二ﾆrｆ´｀｀　　、　　　　　　　 ……しっかし、私が初恋の相手かいな。荷が重いで。
:| .|:∧　＼{~ ‐}:l:!　 >‐ミ {_|＿　{ﾉ^ヽ　　　、__
ゝ/　∧　　　　 |ﾊ./三三∨￣｀ヽ. ハ　　　〉:::::Y　　　　　
_/　/ ∧　　　 /　}!ゞ三三≧--=ﾆﾆﾆ{ト-::イ:::::::::!
.　　 /　＼.　/　 .!::::::＞:..寸二〉::::>:::::｀ヽ:::::::::::::::|　　　　　　
,-=ミ　　　.У＿.」::::::::::::::::＞<::::::＼:::Y::::::::;::::::;ノ{
　　　｀ヽ　 {　　　.|:::::::-＜::::::::}::::＞::Ⅵ:::::::::::Y:::::::l、
　　　　　　 l! 　　 !::::::{:::::::::::::└::―:-Y::o::::::::}::::::::|::＼
　　　　　　 l!　　ム::∧::::::::::::::::::::::::::::｀::、::::::|:::_:::_::_:::::
　　　　　　 l!　イ::::::::::::::＼::_:_::::::::::::::,::-::‐'::´:::::::::::::::ト、

　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　　　＼
　　　　／　─　　 ─　＼
　　　／　（●）　（●）　＼　　　　　　え、そういうものなんですかお？
　　　|　 u. 　（__人__）　　　 |
　　　＼　　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　「私が君を変な風にしてみい、なのはちゃんに顔向けできへんわ。
　　 /⌒ヽ　　ー‐ 　　ｨヽ
　　 / 　　　　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　　　　　てか、どないして私んことなんか好きになったん？」
　　/　　／　r─--⊃、　|
　　|　ヽ,.ｲ　　｀二ﾆﾆうヽ.　|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はやては至極冷静に、不思議そうに質問してきた。
こういうところは本当に相変わらずである。

しかも、一度フった相手に、自分に惚れた理由を説明しろ、ときた。
中々にハードな問答である。しかし、ここで言い淀んではいけない。

遠い場所で、報告を待っているであろうクーガーとカズキの顔が浮かぶ。
当たって砕けたなら、彼らは笑ってくれるだろう。
当たらず砕けたとしても、しょうがねえ奴だと笑ってはくれるだろうが、苦笑に違いない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4126： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 20:42:46 ID:R4Wboi6A0: 　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　／　　⌒ 　　⌒＼
. 　　　／　　　（ ●）　（ ●）＼　　　　　　……多分、少しずつ好きになっていったんだと思います。
　　　　　| 　　　⌒（__人__）⌒　|
.　　　　＼　　　　　｀ ⌒´ 　／　　　　　　　色々良くしてもらって、ここで一緒に暮らして。なんか、傍にいると安心するようになっていて。
　　　　 /⌒　　　　　　　　　ヽ
.　　　 | 　ヽ＿＿　　　　　＿　',　　　　　　　気が付いたら、はやてさんのことばっか考えるようになってました。
　　　　 :､＿　　　　）　（￣＿丿
　　　　 | 　／￣｀ｉ　　／￣　｀ｉ　　　　　　　
　　　　 |　　　　　　| 　　 , 　　　|
　　　　∧　|　　　 |＿_／　　 /
.　　　　｀ーヽ＿ | 　 | 　＿／
.　　　　　　（＿＿）　､＿＿）

　　　／￣￣￣＼
　　／　　　　　　　＼　　　　　で……はやてさんに、守られてばっかりはいやだって、そう思ったんですお。
　/　─　　　─　　　ヽ
　|　（●）　（●）　　　|　　　　　せめて自分の身は自分でどうにかして、その上で、一緒に居たいなって……
　＼;ﾍﾍﾍ人__.）∩　／
.　 ,ヘヽヽヽ __ノ　）　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　-　ー――　-　..
　　　　　　　　　　　　 , 　 ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞､
　　　　　　　　　 ,　'" : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　 , .' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ' ,
　　　　　　, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :、: : : : : : : : : : ',: : : : : : ',
　　　　., ': : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : :､: ヽ: : '､: ',: ',: : : :i: : : : :!: :',
　　　　/:,: : : : : : i: : : : i!!: : : : : : : : : : :i! : ﾊ: : :!: ',: ',: : : i､: : : :!: : ',
　　　 ,': :!: : : : : : !: : : : i i: : : : : : : : : :,' ',: !　',: :!: :!: :iﾆﾆ:!､ヽ／!: : !
　　　,': : !: : : ',: : :', : : : i! ',: : : : : : : /iイﾘ￣.i: !',: !: :!: : , !／／!: : !　　
　　　!: i: ! : : : ',: : :',､: : :',. ',: : : : : : ,'!' ,ィ千示気ﾘi: :,'イ,イ／ヽi!: : i
　　 !: :! ',: i!: : :ヽ: :',ヽ､: !__'､: : : : ,'　" 　 !::i!:::i!:::!i: ,'イ.:.,': : : /: ! : ',
　　　!: :!: :',:',: : ヾ､､:.ヽ〃::心ヽ: : :!　　　　Ⅵし:::ﾘi:/ : : ,': : : ,': : ',: : ,　　　　　　　ふ、ふーん……。
　　 ',: :i! : ',!',: : : : ヽ.　 ∨刈　ヾ:!　　　　ゞ''" /'.!: : /: : : ,': : : :',.: :,
　　　 ',: !',: : : ヽ: :､: ∧. 　ゞ-'　　　　　　 /i/i/i/ ,': :/: : : /: : : : : ',: :,
　　　　',:', ', : : : ヾ､',ヽ:', /i/i/ ヽ　　　　　　　　　/:.,ｲ: : : /! : i : : : i!: :!
　　　　 ',:', ヽ: :i!: : :ヾ､ヽ、　　 ,､　　　　　u.　/イ/ : : //: : i!: : :ﾊ: : !
　　　　　ヾ､. ヾ!,ヽ: : : iヽ: ヽ、　　　　　　　　 , イ. /: , ｲ:/!: : i!: : / ',: :i
　　　　　　　　 ', : : : i､: ＼.:＞　　　　 ,.イ　　 /:ｲ--､/: :/i: :/ 　 !:.i
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4127： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 20:52:32 ID:R4Wboi6A0: 　　　　,..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼.:.:.:.､
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:ｌ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{ :.: ＼＼ :.:. {　　//　_ﾉ::::ﾊ秀个s__}:.:.:.:} :.:.:.:.:.:.: }~丶 V:.:.}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:.　　　　　　　……せっかくや、彼氏彼女っぽいこと、
ｉ{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{ﾄ､ヽ(　＼:{　　ｲ　　{忤 r'ｿノイ:.: }.:.:.:.} :.:.:.:.:.:.: }｀ヽ} i}:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:.
ﾊ.:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.:《fう　　丶　　　　乂_ ／　 }:./}:.:.:.:} :.:.:.:.:.:.: }=- } , :.: }:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:.　　　　　　　してみる？　それくらいは付き合ったる。
:.:}＼:.:.:.:.:.:.:.＼:. Vﾘ}　　　　　　　 ¨¨´ 　　 }/ }:.:.:.ﾊ :.:.:.:.:.:.:.}　　/ :.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:
:.:}乂:.､:.:.:.:.:.:.:. ＼V　　　　　 /i/i/ｉ/ｉ/ｉ　　/　}:.:./7:.:.:.:.:.:.:.:.}ノ ∧ :.:. }:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:　　　　　　　今日振り回したお詫びっちうてもアレやけど。
:.:}⌒ヽ:＼ :.:.:.:.:.:./　　　　　　　　　 / 　}:.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.,　/:.:.} :.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}:
:.:}　 /:＼(＼{＼丶　　　　　　　　　　　　　 }//:.:.:.:.:.:.:.:.:./イ:.:.:.:} .:..:.}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}
`(　,.:.:.:./:.:.:.:.＼.:.:.:.＼　　　　　　　　　　 //:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.ﾉ{ :.:.: } .:..:.}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.
　 /.:.:./{:.:.:.:.:.:{.:.:.:.:.:.:.ﾊ　　r‐　､　　　___＿　 ,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:./ ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:
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　{.:.:{　 {:.:.:.:.:.:{＼:.:.:＼:.:＼.:.:／　　　　　＼〕iトイ----- ＼　}:.:.{ 　＼:.:.:. } ＼.:.:.:.:.
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　　ヽ　　.: { : {　　　｀＞-/　　　　　　　 ‘，　 }--- ＼----＼_⊥ ）ｲ
　　　　､.:.､:{　　　　　 ′　　　　　　　　　　　　　}----- ＼-------＞o｡
　　　　　ヽ(＼　　　 {　　　　　　　　　　　　}　　}‐‐‐‐‐‐‐‐＼---------〉

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はやてはようやく視線をこちらへと寄越すと、幾度か口を開いては閉じた。
言葉を選んでは、口にしかねているのだろうか。

髪を片手でくるくると弄びながら、視線を自分と地面へと上下させている。
空いた左腕で足を抱き寄せるようにし、縮こまっていた。

ようやく出てきた言葉は、予想の斜め上をいくものだった。

彼氏彼女っぽいこと？　恥ずかしながらよくわからない。
一体何を思ってそんなことを口走ったのか。
もしかしていやらしいことだろうか？　いや、はやてに限ってそんなことは。

なんにせよ、これはチャンスというものなのでは。
はやてが起こした、一時の気の迷い、気まぐれなのでは。

返答に困っていると、彼女も深く考えずに先ほどの台詞を口にしたのか、
口を噤んで目を伏せてしまっていた。

下↓1　どうしますか？
1．やったぜ。お願いしよう
2．紳士ぶりの見せどころだ。お断りしよう
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4128：安価のやる夫だお：2021/05/04(火) 20:55:08 ID:WylwkrR.0: 1
4129： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 21:05:06 ID:R4Wboi6A0: 　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　／⌒　　⌒＼
　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼
　　　／　 ::⌒（__人__）⌒::: ＼　　　　　おお……！　お願いしますお！
　　　|　　　　　|::::::|　　　,---、
　　　＼　　　 `ｰ'　　　しＥ　|　　　　　「うわ、すごい食いつきやなあ。じゃあ早速」
　　　／　　　　　　　　　 l､Ｅﾉ
　　／　　　　　　　　　　　｜　|
　（　　丶- 、　　　　　　ヽ_／
　　　`ー､＿ﾉ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐……‐-
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　　　　　　　　　　　　_／＿.: .＿)＼.: .: .~"''～､、.:/＼| |: .: ヽ
　　　　　　　 /.: .: .: .: : ＼.: .:.＼: .: .: .: .: .: .:.＼ /.:＼.: .: .:.
　　　　　　　　　 /.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :＼.: .: .:＼.: .: .:＼/ ∧. '，'，
　　　　　　 /.: .: .: .: .: :|:∨ﾊ.: .: .: .: .＼.: .: .:＼.: .: .:＼.:.'， '，'，
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　　　　　　 .: .:/.:.|.: .: |.: .:| :|＿|_. .: .: .: ＼ : | .: |.:_:|＿.:|.: .: .: .:| : ..'，
　　　　　　 ∥:/.: .:|.: .: |.: .:| .:　八.:.:＼.: .: .: : |／|.: .|.: .: |.: .: |:∨ : .: '，
　　　　　　∥.: .: .: |.: .: |.: .八:＼__＼:(_＼ : .: |　 |.: .|.: .: |.: .: |) |.: .: .: :'，　　　　　　　　「はやてさん、これって……」
　　　　　　{　ｉ.: .: : | .: 人: .: .: ／￣ノハ　＼.:|　　x===ミ.: .:人八.: .: .:.:'，
　　　　　　 |.: .: : |.: : : |:＼ : 乂乂＾ツ　　 )　　　, ,　ﾉ／イ.: :| : : .: .: '，　　　　　　　水遊びー。ふふ、なーに想像してたか知らんけど、
　　　　　 j八.:.:.|八.: |.: .:| .: .: :＞, ,　　､　　　　　　 /|: j|.:.:.:|.:＼.: .: .:'，
　　　　　　　　　＼| | :＼.:.:.| : .: 込　　　　_　　 '⌒) 　 .: :| :ﾘ.:.:.:|.: .:.:＼.:.:.:'，　　　　　　　そういうんは早いでー。
　　　　　　　　　　　:|.: .: .: .:|.:|＼.: .:> ,. 　＇‐-‐　／ | ∨/.: .: :|.:＼.: .: .: : :
　　　　　　　　　　/.:|.:|.: .:.:.:|.:|／(　　　＞　　 _／　/:|　| : .: | .:|＼￣＼.: .:i
　　　　　　　 /.: :|.:|.: .:.:.:|.:|//∧　 /:::|　|＼＿／../　:| .: : |.: |/∧　 ∧.:.|
　　　　　　　　　. .: .:|.:|.: .:.:.:|.:|／⌒∨:::: |　＼ニﾆ／　 ∧ .: .|.: |＿_〉 /　∨
　　　　　　　　　| 八|八.: .:.:|.:|/＼_/ :::::: | /⌒> <⌒／:::∧.:.:| :八　∨ ＼ '，＼
　　　　　　　　　| ／　∧.: : 八　 /::::::::::::|　　〔:i:i:〕 /:／⌒ﾊ :|/　＼＼　＼　＼
　　　　　　　　 /　　/　:).: .: .:∨⌒７⌒:〕　 /:i:i:| /:::::::::::::::〉八￣/￣ニニﾆ-_　　　.
　　　　　　 /　／／⌒＼.: {.ニ〈::::: 八_/:i:ｉ:ｉ:|::::::::::::::／-=ﾆ∨:::::∧ニニニ-_ 　 |
.　　　　　　 /／ _ -ニ／/ニ=- ⌒＼::::::〈⌒:::/:::::: ／〔_______〕L:::/::::::~ﾆﾆニニ-_ |
　　　　　　　/　く_ノ=／:::::{／:::::｀`～､::＼:::ヽ_/::: ／:::::::::::::::::::::::::V::/ ::::: 'ニニニﾆ_|
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はやては一瞬目を丸くしたものの、すぐに悪戯っぽい笑みを浮かべて驚きを消した。
立ち上がって尻をはたくと、膝を曲げて片足立ちをしながらパンプスを脱ぎ捨てる。

呆気にとられる自分をよそに、軽やかな足取りで敷き詰められた石の上を
渡っていくと、彼女は川の中へと足を突っ込んだ。

くるりと身を翻し、座ったままの自分に向かって手を振っている。

少しでも変な想像をした自分が恥ずかしくなる。
誤魔化すように乾いた笑いを浮かべ、靴に手をかけた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4130： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 21:14:11 ID:R4Wboi6A0: 　　　　　　　　　　　　　　　　_......-―- ‐::::::::::::::::::::ｰ-
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　　　　　　　　ノ个ｰ＜⌒　　　　　　　 /::::／_ノ ::::::|:::|
　　　　　 _,,.､....::::::::::::::|::::|::::|　　　V ￣⌒ヽ　　厶イ:::::::::::|i:::::|:::|　　　　　　　　　あ、そーれ。
　　　／／::::::::: /|:: |::::|::::|:}ih､　乂　　ノ　　ｲ:i:|:::/::::::::::|i::::ﾉ :|
. 　　　 /:／:::::::斗| ┴=ミ::乂i:i:}ih､　　　イi{八i:iﾉ/::::::::::: |i :::|:ノ　　　　　　　　　　ふふふ、彼氏彼女が川に来たらなぁ、
　　　　 {/::::::::/　　ｧ''゛￣~"寸i:i:|　　　／　 ∨ﾊ::: |:::::::八::|　
　　　　　　∨/　　 {　　　　 Vi:|｢＼　ﾉ　　　 }　 }:: |::::/　 }:|　　　　　　　　　　　　こうやって水掛け合うんがお決まりなんやでぇ。
　　　　　　　　　　八　　　　　ﾉﾉ＼／⌒＼　八.八:|:/ ＿斗r＜￣　　
　　　　　　！　　　＞―‐=''゛　　＼｢::::｣ ∨__⊥ﾆ广￣　　　　＼　　　　　　　　　「は、はやてさん、勢い強すぎ……」
.　　　　　从　　　　　　　　　　／￣￣￣
　　　　　　　 | ＼＿＞――　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　暑いんやしちょうどええやろー？
　　　　　　　 |　　Ｌノ‐┬＜＿　　　　　　　　　　　　　　　＿／　>ｨ
　　　　　　　 |＼　　　ノ　＼　￣―＿＿　　　　　　　＿- ￣<　,.ｨi{:i:i:
　　　　　　　｛　　/／　　　　＼　　∨厶云ニ=- =ﾆ入___ノΛ　 ∨ji:〔
　　　　　 .＼/　　　　　　＼　∨///　／｢　￣]　| /　＼　　　＼
　　　　　　　　|　　　　　　　　　＼∨/／　　　　 /=ﾔﾞ　　＼＿
　　　　　　　　|　　 ∨　　　　　　　　　　　　　　　／　/　　　　　／
　　　　　　　　|.　　　 ∨　　　　　＿⊥　　-=ﾆ〔　　 /　　　　 /
　　　　　　　 ∨　　　ﾞ'ー--　￣ 7　　　　　｛　　　　　　　 /
　　　　　　 ∨　／　　　　　＿厶―　　　　｝　　　　　／
　　　　　　 /／　　　　　　　　　　}　　　　_入　　　　／
　　　　　　　　 {　　　　　　　　　　　｛＿＿／｛<　＼__／
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　／＿彡　　ﾉ八
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ―｢￣｜／　　＼
　　┌‐--‐ ⌒〕ト------ ‐　　　Ｌ　ノ　　　　　　＼
　　！　　　 /｢ |＼＿＿｣Ｌ　　　　 j〔　　　　　　　　　　＼
.　　！　　 / ﾉ八　　　　￣￣　 /厂⌒＼　　　　　　丶
　　！　　　　＼　　　　　　 /　　　//^＼　　　　　！
　　　＼　　　　　　　　　　／　　 //　　　＼　　　　　！

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穏やかな流れの中に足を踏み入れると、心地よいくらいの冷たさだった。
足の底にごつごつとした石の感触を感じるが、
水の流れで研磨された丸さのおかげで痛みは感じない。

ズボンを捲っていると、はやてが不意打ちで足を振り上げて水をかけてきた。
飛沫が舞い、頭へともろに被ってしまう。

はやてが鈴の音のような笑い声をあげ、はしゃぐ。
さらに水をかけようとしてくるものだから、顔を上げようにも上げられない。

一瞬、視界の端に黒くて艶のある下着がちらりと見えた気がしたからだ。
自分がスカートであることを忘れているらしい。
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4131： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 21:33:58 ID:R4Wboi6A0: 　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　　 u.＼
　　　　　／ー‐-:::::::::::-‐' ＼
　　　／　 t　 j:::::::ｨ　ｯ　＼　　　　　　ずぶ濡れだお……。
.　　　 |. u 　｀¨､__,､__,¨´　　　 |
.　　　　＼　　　｀こ´　　　／
　　　／　　　　　　　　u　.＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . ''"ﾟ~.:／⌒＼ ‐-ミ
　　　　　　　　　　　　　 /⌒＼／/.: .: .:.:⌒＼.: .: .:.＼.: : ＼
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　　　　　　　　　　　　　 /.: .: .: .: .:|/:∧.: .: .: .:.:.:.|.: :/〉:＿/∧: : ﾊ
　　　　　　　　　　／.: .: .: .: .:.:i'"⌒ : |.: .: .:.:.L〈/_/〉//￣V .: i
　　　　　　　　　　　　／.: .: .:|.: .: .: .:.|＿　 |:|.:.| :／|:∧〈/|./ .: .: |.:/ |
　　　　　　　　　　 '⌒.: |.: .:|.: .:.／八_ 　 |:|:.:|.:.:.斗tミx :|'， : .: |: .: |
　　　　　　　　　　　　　| :|.: .:|.: :|.: : ｨう㍉八.:| :/　ノ(_,,狄 '，: : |: .: |
　　　　　　　　　　　　　| :|.: .:|.:八.:八 Vリ　　j/ 　ヒ'少ﾟ | :ﾊ.: : | .:八　　　　　　ふー。ま、後で一緒に洗濯したるさかい。
＿＿＿___ 　　　　　 |八 : |.(.: :＼.:＼, ,r'　　　 , , , 　/|./)|.: .:|:/.: :|
　　　　　　＼　　　　　　 /:＼ .＼.: 八⌒　､　　　，　_彡ｸ／|.: .:|.: .: :|　　　　　　そろそろ帰って、お風呂とご飯といこか。
　　　　　　　 ',　　　　／.: ／ : : ／　＼＿_　　　　　イ.:.:.:|.: :八 : :|
_　　　　　 | 　　／⌒7.: ／￣￣(￣　　∧__. :　　　:| : : |.:/ .: ) .:|　　　　　　　少ししたら、また任務や。英気、養ってかへんとな。
￣￣￣＼　 |　　　　 /.:/ ／⌒＼￣＼　 |＼_　 _,／|＿_|/ .: .: .: |
　|　　　　 )／　　　／人:(/ニニニﾆ＼.　＼_〉 /　八 ∧___/＼. .: 八
　|　　　／　　　／　／ |ﾆ/⌒ヽニﾆ| ＼_／／＼／＼／⌒＼＼: :..)
　＼__（＿＿__,／　／　　|八　八ニ.|＼:::::＼　〉-〈(　　　　＼/｀
.　　　　　／　／　　〔ニ|＿|ニニ|ニ.＼:::::＼---〉､＿＿＿_／
. 　　　／　／　　　　 |＼ニニニ∧ニニ/::::::::＼ :::厂|ニﾆﾆﾆ.|　
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こちらがすっかり水浸しになったところで、はやても満足したのか、
水面を片足でかき混ぜていた。

なんだかんだで、はやてもまんざらではなかったらしい。
それが、自分には嬉しかった。
はやてに気を遣ってもらったことよりも、彼女の表情の陰りが晴れたことが、
もっと嬉しかった。

安堵を覚え、シャツの袖をねじって絞りながら、頬を緩める彼女を見つめる。

彼女の言うように、こうしていられるのも、今の内だ。
少ししたら、また戦場に出なければならない。
拠点こそ平和なこの場所に移ったが、外の世界は変わらない。

この時代において、コロニーから一歩出れば、そこは戦場だ。
そして、自分たちはリンクスだ。企業の保有する最高戦力なのだ。
平和な時間に、いつまでも居座ってはいられない。
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4132： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 21:56:07 ID:R4Wboi6A0: 　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
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　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　＼:.| 乂;;ツ从:.Λ:.:. /:.|　　　　　　　……ね、やる夫君。実は私も、人を守り損ねたこと、あるんよ。
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|
　　　＼　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|　　　　　　　　「えっ……」
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　　　＜ |＼__:.:|:. /:.:八|　　　　　　　　あん時な、私はまだ十代で――
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|
　　　／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
　/￣￣/::::::::::::::::::::∨　　　Ｖニ＞''´　　|:: :: :: :: /::::::::::∨__
:: :: :: :: 厂￣￣＼:: /{＿_／{⌒｀}＼　　Λ::: :: ::/::::::::::::::::⌒＼
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さあ帰り支度だという時。
はやては一瞬押し黙ると、穏やかな表情でそう告げた。

ちょっとした思い出話でも語りだすかのように、
口許を綻ばせながら彼女が次の言葉を口にしようとする。

そして。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4133： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 21:56:22 ID:R4Wboi6A0: 　...|ヽ　　　　||.
　...|　`,　　 | |
.　 .l　　`､／　!
.　 .l　　　　　 |
|` ,/　 ,､／|　 |.: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
|　 .,／　　 |　 |　　　　l＼＿＿＿＿＿....: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
.＼＼　　 |　 !　　　　ヽ＿＿＿＿＿＼　.: . : : : : ; : : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
. :..＼ヽ, 　 |　|　　　　　　　　　　　　 / ／ .`｀　　　　　｀`　: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
: . : . ＼j 　 .| .|　　　　　　　　　　　　＼ヽ＿＿＿＿＿＿＿　....＼' : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
. : . : . : . : . :.| .|　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣´　...〇　〇　〇　: . : . : . : . : . :
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-_-_-_-_-,,/| {j..: . : . : . : . : . : . ′　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿.:
-_-_-_-_-/ :|ﾆ|　: . : . : . : . : . : l､＿　　 _　　＿＿　　　 . 笊tttttttttttttttttttttttttttttt.:
竺竺竺ﾃ　:|ﾆ|.: . : . : . : . : . : :. ,　￣￣　￣　　￣￣　〈＼⌒＼＼⌒＼＼＼＼＼＼　:
ﾆﾆﾆﾄ．　　 :|ﾆ|　　　　　　　　　　　　　,,,...,.､,.､,...､-‐‐‐‐-- /ヽ＼⌒＼＼⌒＼＼＼＼＼＼.
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ｉ:ｉ:|　|| | : |＼ |ﾆ|_||:.;:.;:.;ヽ　:　:　:　:　:　:　:　:｡o . ㌻　　`/ｰ/　　　　|..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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過去の亡国、その夕焼け空を、けたたましいサイレンが引き裂いた。
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4134： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 21:56:41 ID:R4Wboi6A0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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4135： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/04(火) 22:24:55 ID:R4Wboi6A0: 今日の投下はここまでだ。

次回なんだが、これまた休みがわからない。モコイさんのGWは一日早く終わるのだ。

休み……というより、仕事があれば何十連勤でもするし、なければ出勤せず家にいる、みたいな状況でね。

仕事がない日がまた分かったら、連絡するよ。シーユーアゲイン。
4136：安価のやる夫だお：2021/05/04(火) 22:26:04 ID:B5IBBCMQ0: 乙
4137：安価のやる夫だお：2021/05/04(火) 22:27:12 ID:WylwkrR.0: 乙でした
4138：安価のやる夫だお：2021/05/04(火) 22:57:08 ID:5n8osPD60: 乙ー
4139：安価のやる夫だお：2021/05/08(土) 00:19:09 ID:hbGIFLlE0: お疲れ様でしたー

はやてさん、天然だけど芯のあるいい人ですね。
4140： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/18(火) 21:00:38 ID:JH8WGtug0: ハロー、モコイさんだよ。

仕事の進捗が今日良くてね、明日は休めそうなんだ。

というわけで、次回は明日の午後八時から開始とする。

安価も取ろうと思っているから、よろしくね。
4141： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:05:40 ID:tn/NubPk0: 　　　　／||ミ
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4142：安価のやる夫だお：2021/05/19(水) 20:07:52 ID:O/ms2EVY0: ハロー
4143： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:12:55 ID:tn/NubPk0: 　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　今回から大きく話が動く。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　丶｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　やる夫君たちの立場や動きも一周目とはだいぶ違うものとなるだろう。
　　　　　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　で、なんだがね。
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､　　　　これからの安価では、デッドエンドのみならず、
　ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |　　　　　その後の展開を変える安価を取り入れていこうと思う。
　　　　　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　｀ヽ _|
　　　　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　　 |: : : : : |: : : : : !
4144： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:16:18 ID:tn/NubPk0: 　　　　　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　／: : : : : : : : : : ::',
　　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　人数を考慮しての安価の頻度の低さではあったんだが……もっとあってもいいだろう。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　具体的にいえば、状況が安価によって変わっていく。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　戦況、生存者の数、敵の数……そういったものだ。話の大局には関わらないが……
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　ちょっとしたゲーム要素の追加だと思って、楽しんでくれると嬉しい。やってこっか。
　　　　　　　　｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　　　　ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ
4145： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:16:59 ID:tn/NubPk0: なお、これは二週目の終わりまでであり、三週目からはいつも通り、安価範囲は会話やヒロインの選択に留まる……
4146：安価のやる夫だお：2021/05/19(水) 20:23:17 ID:evNqc4S60: なるほど
4147： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:31:44 ID:tn/NubPk0: 　　　　　　　 |::::: |: : : . . .　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : : : : :|:::::::|
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下降するエレベーターの中で二人。
他に誰も乗っていないエレベーターの中で、直立不動のまま、
眼前の中年の男を見据えた。

私を出迎え、先ほどまで商談を纏めていたスーツ姿の男。
品のいい黒いジャケットに身を包んでいるが、年齢が感じられる体型は
隠しきれず、いかにも冴えない男とといった風貌を成していた。

視線だけはまっすぐで、こちらの目を見て話してくれてはいたが。
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4148： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:39:47 ID:tn/NubPk0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　_r=＜⌒'／　　　　〕ｉト .,
　　　　　　　　　　　　　　　　√｀ヽ､V '／　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　ム==ミ､:{／⌒ヽ　　､　＼　 .∧
　　　　　　　　　　　　　　 f´-=ミ:､ヾ{if','///∧　.‘，　.＼ .∧
　　　　　　　　　　　　　　 }　 , -=ｧ─＜ｒ'─:}∧　∧＼　.＼.l
　　　　　　　　　　　　　　〈／／/ u　　　　 .||　V:､＼＼　.|
　　　　　　　　　　　　　　 .}./// -‐=＝ニ＝ｻﾆ=ヾ＼ .＼ヾ!
　　　　　　　　　　　　　　 fヽ/{　_＿＿_ ,ji　Vｔ:､＿彡ヘ　.ヽ|
　　　　　　　　　　 | ∧!_´¨-tｯ‐ｧ l　 l∧-tｯ=j = Vヾ!
　　　　　　　　　　　　　 v　i.　　｀三彡:l　 l/iミ三´　　.l　 }　　　　　　　　　　　いやはや、あのミズ・タカマチがおいでになられるとは……
　　　　　　　　　　　　　／ｖ .!　u　　　　| 　.|　　　　　 l　/､　
　　　　　　　　　　　／　　Ⅵ　　　　f’ !:. .: ! ｝､　　　.ﾚ' V ＼　　　　　　　　　大した歓待の用意もできておらず……
　　　　　　　　／　/ 　　|　　／ｲ≧=-=≦¨ヾヽ　 .l 　 V　〕ｉト .,
　　　　　　　. ｡s≦　／/　　 .∧　 (从ｨｖｊ人ivﾄｖ仆}　　/　　 ∨　　　　　〕ｉト .,　　　「いえ、お構いなく……」
　　　. ｡s≦　　　／ ./　　　 l　 '，　　＞=＝=＜　　／ヽ　　 ∨
　　　　　　＿彡.’　 /　　　　l　　　≧x　　　　　　／　　.}　　　 v
　　　¨￣　　　　　 / 　　　.|　　　　　｀ー--_＜　　　 |　　　　‘，
　　　　　　　　　　/　　　　　.|　　　　　.r=V/r､　　　　　 |　　　　 .‘，
　　　　　　　 /　　　　　　|､　　　　∧ヾ=ｲ∧　　　 /!　　　　　 ‘，
　　　　　　　　 /　　　　　 |∧　　 /　 V.//　＼　 ./.il　　　　　　‘，
　　　　　　 ./　　　　　　　 .| ∧ ／　　 }/ﾑ　　　ヽ'　ﾘ　　　　　　.‘，
【シェルビー・M・ペンウッド　桜花重工最高経営責任者】
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白髪交じりの髪を上品に整髪料でまとめ、立派な髭を蓄えた西洋人男性。
役職にふさわしい恰好ではあるが、立ち居振る舞いがいささか見合わない。
腰が低いわけではないのだが、震える草食動物にも似たものを感じる。

こう見えても、彼こそがオルデンブルクグループ内で最大の規模を誇る企業、
桜花重工のCEOだというのだから驚きだ。
企業の重鎮など、捻くれた老人やお高く留まった高級官僚もどきばかりと
思っていたので、余計に意外だった。

インナーエリアの本社オフィスを訪れると、すぐさま彼が直接出迎えてくれたのだ。

ただ、話してみたところ、存外にまともなことを言う。
周囲の部下からも冷たくあしらわれたりはせず、むしろ暖かい目で見られていた。

リーダーとしては珍しいタイプだ。慕われているという点では、
組織の団結力こそ高いものの、独断でのコントロールは効かないだろう。

よほど緊張しているのか、さっきから汗を額に滲ませている。
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4149： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:46:32 ID:tn/NubPk0: .　　 / / / 　　ヽ }　＼　＼　＼　　　ヽ　　
.　　 V ./　-‐=ﾆ　} {.　　＼　＼　.＼＿＿j＿
　　　 Y　て二ミ､ Vヾ　　＼　ヽ
　　　　}　　ィテ=ｧ　.＼.　Ｙ⌒Y.
　　　 /　　　`¨　　∪ .＼ﾉ心　　　　　　　　　（英雄ナノハ・タカマチと、そのお抱えリンクスとのスポンサー契約。
.　　 /　　ヽ　　　　　　 .
　　人_　-‐ '　＼　　u　　　　　　　　　　　　　傘下企業として立場の弱い桜花として逃す手はない。
　　　　{_j_j_j_j_j_j 〉　　　　　　　　　　　　
　　　　　ヽ‐-　　 ′ 　　　　　　　　　　　　　しかし、可愛いお嬢さんだと聞いていたのに、功績以上に立派な方だ……
　　　　／:ヽ　　　　　　 .／.
　　　 }::::::::::≧，_-‐　／　　　　　　　　　　　　私なんかじゃなくて、秘書に応対させたほうがよかったのでは……？）
　　ﾉ::::::::::::::::::/ ヽ／　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　---　ﾆ￣￣:/:.:.:./　-――　、
　　　　　　　　　　　　　　 ,イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ゝ:.:.:´:.＿_――‐- ＼
　　　　　　　　　　　　　／:.: ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-:.:.:.::.≧ｭ､　｀
　　　　　　　　　　　　/‐‐／:.:.:.:.:.:.:./:l:.:.:.:/:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ、:.: ＼
　　　　　　　　　 /:.:.:/:.:.:.:.:/:.:.:/:.:.!:.:./:.:.|:.:.:ﾊ:.:|:ヽ:. |:＼:.:.:.＼:.:.:.:ﾍ
.　　　　　　　　 /、:/:.:.:.:.:/＿/__/L// /ｉ:./ .ｉ:.:!:. ｉ:. |:.:.:.ｉ:ﾍ:.:.:丶:.:.:.ｉ
　　　　　　　　　　 |:.:. ｉ |:.:.:.:i:.:.:/／/／／7 /　//_L|:.:.ｉ: l: l:.:.ﾍ:.:.:ｉ丶 |
　　　　　　　　　　ｉ丶|:.|:.:.:.:|:./斥拆心　／　/,≠､|:./:.:.!:.|:.:.:.:ｉ:.: |　ｉ:|
　　　　　　　　ﾍ:.:ゝﾊ:.:. |:|《ら::::り　　　　ﾊ:::} }l/l:.:/:.:|:.:.:..!:.:.:|　ﾘ
　　　　　　　　 / 　ヽ:ﾍ　辷zｼ　　　う:ﾂﾉ /://:.:.!:.:.:.|.|:/　　　　　　この度はご契約いただき、感謝いたしております。
　　　　　　　　　　ヽ{:.:.:.:トヽ　　　　　　ゞ'　／ // / |:./ |′
　　　　　　　　　　　　　|:. : |　　　　　　　　 ,　　　ﾚ':./:/:.| }/　　　　　　　　しかし、締結してから申し上げるのも、
　　　　　　　　　 !:.:.: ト、　　　　　 ―　　イ:.:.:}/:.:.:|/
　　　　　　　　　　　　ﾍ:.:.:| |　　　　　　イ:.:.:|:.:./:.:.:.:.|　　　　　　　　　　おかしな話とは存じますが……
　　　　　　　　　　　　ﾍ { l　　＞　__ イ: : |:. /::.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾍ=、― ￣7　＼:|:/:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　　　　　あれほどの破格の条件、本当によかったので？
　　　　　　　　　　 ,x/ |/|／|　　／　　／≧ｭ､:.:.:.:.:.:. |
　　　　　　　 ,､r::´/　ﾚ/≠´!　/　　　ｉ::::::::::::::::::::::::≧ｭ､--- 、__
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4150： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:53:21 ID:tn/NubPk0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.．─ ﾆミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿／/77≧，　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィ'' ヾ ii} ./////ハ　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ -‐=ミﾞ　゛¨¨¨¨¨ミ刈　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉-‐=ｧミ＿　　　　　　　 V　　　ヾ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　／,' '´￣ ¨''ヽ､_　し＿{　＼ヾ　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } /　/ ィﾆﾆ≦{{i　u {ﾊ､＿_＼　＼＼.　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒Y　　 {弋.・ j }　　　ｒﾆﾆ≧､＼　ヽ　 ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { 斥.|　ヾ　`ｰ彡/　　　ヽ弋’ノヽヽ人/　　　　　　　　　　　ああ、もう商談は終わったのだし、
　　　　　　　　　　　　　　　　 ', ツ|　　u　　 /　　　ヽ　￣-‐彡　}'心}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ゝ | u /ｒ-‐ｧヽ　　　　〉､　u　 u .ﾊﾋﾉ　　　　　　　　　　　　もう少し砕けてくれても構わんよ……
　　　　　　　　　　　　　　　　ィ/////,{　 {{{ ／:.:.:.:＼__ ／:.:.:＼　u .ﾊィ_
　　　　　　　　　　 ,ィ////////,ﾊ　ヾ `ｰ-‐=彡ヾ:.:.:.::.:.:.:.}　　ﾊ/,∧＞，_　　　　　　　　　　社内のみんなのようにね。
　　　　　　　　　　　ィ　　|/////////,ﾊ u　　 `ｰ= ‐､二二ヽ从　ﾊ///∧　　＼＞，
　　　　　　　　ィ　／　.／/////////ﾊﾍ　　　　　　　　　　ノ　　ﾊ/////∧　　　＼　＞，
　　　　　／　.／　／///////////,ﾊ　＼ヽ＿　　　　　　　　ｲ |////////＞，　＼　　＞，
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先ほど応接室で行われた商談には、蹴る要素のほうが少なかった。
マーシフルの整備チーム、やる夫への医療チーム配備、
地下施設の使用許可と資材や弾薬の提供、援助。
果てには任務の受注の可否すら任せてもらえる、とのことだった。

手厚いサポートに、自由の利く立場の保証。
もっと苛烈な条件を叩きつけられると思っていた身としては拍子抜けだ。

これでは、私たちを手元に置いておくメリットがやや薄いのでは。

ペンウッドは苦笑いを浮かべつつ、赤裸々に内々の事情を語った。

「保有しているだけでも意味があるのだよ、ネクストというものは。
今やネクストとは力そのもの。ネクストの数が戦力の規模であり、
ネクストの強さが企業の強さと同等といっても過言ではない。
保有するネクストが多いほど、強いほど、我々桜花の立場も強くなる。
傘下企業……下の立場というのは、いつだって辛いものなのさ」
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4151： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 20:57:37 ID:tn/NubPk0: 　　　　　　　　　　　　　-― -
　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 ∠　―― -　　　:::::::..　　　＿＿
　　　　　ィ::i´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::..､ l ／r――　＝‐､
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　　/::l:::::::l::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::ヾ:::::l
　. {:::::l:::::::l::::＼/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::::::::lヽ::l
　 l::::::ﾍ:::::::＼/::::::::::::::::::::::::::i::::::i::::l:::::l:::::::::::ヽ::::::::l::::::::l ヽl
　 l::::::::::ﾍ::::::/::::::/:::/::::/:::::::l::::l::l::::l:::::l:::l::l::::::l:::l::::::l::::::::l　|　　　　　　兎にも角にも、桜花に留まらせるため、ということですか。
　. l::::::::::::ﾍ::l:::::::l::::::l:::::l:::::::/:::://::/l:_/l_｣_l､:::l:::l::::::l::::::::l
　　ヽ::::::r‐‐|::::::l::::::l:::_｣::-r‐:/7フ´｢/ .l/ｫﾐ:::l::::l::::::l:::::::l　　　　　　　　「お察しの通りだ」
　　. ヽ::{　　l:::::::l:::::l:´::l:::/∠ ﾆ＝ﾐ　ﾁﾟ://::/ /:::::ｲ::::/
　　　ヽ＼ヽ:::::l::::::l::::<´,イ　 ,ﾘ　　 .ﾑ//;ｲ:::/::::/.l:::/　　　　　　　　　まるで旧時代の核ですね……。
　　　　ヽ:>ｰl＼{ヽ{ヽ{　辷z/　　　　 l'//::/l:::/ l::/
　　　　　V　 .l::::l` `　　　　　　　 v':/／ l:/　l/　　　　　　　　　　　「核よりも依存性は高い。重要度もね」
　　　. r,/　　 .l::::l　　　　　　 _ ／l:::l:::l /'
　　　/〈ヽ､　　ヽ:ヾ､　　　 ´／::::::l:/:::::l
　　./　＼　ヾヽ､ヽﾍ/` ┬-....´:::::::::/'::::::::::l
4152： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:10:34 ID:tn/NubPk0: ／　　／　／　／　　　　´　　　　　　　　　　-‐　⌒｀　　　　　　　　　', 　　∨∧
　　／　／　／　　　-‐　　　¨¨￣￣　／´　　　　　　　　　　　　　 }　　　}　 }
　／　／　／　　＿_　-‐　　　¨¨￣￣ア⌒ 　　　　　 u　　　　　　 }　　　} /
,　　／　／　／ __ 　ﾏ==-‐ 　¨¨　ア´ 　／　　　　　　　　＿　　__,,_ }　　　}′
　 / 　／　　　}! /⌒ヽ　ﾏ==-‐ 　ア´　　 (__)　　　--──＜ ___,,ｚ-‐=叭　ノ
　′／　　　 }! 　 /⌒}　!　-‐　フ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}! Y´
,　 /　　　　　 }!　　　 }　|__ア´ 　　　　　　　‐-　　＿＿_　,,, 　　-‐___アﾉ |′
　/　　　／ }!　　 /⌒} 　′　　　　　　　　　　　 {:.｀}ililト-=≦ｭ,_´::::::／　′
,/　　　／　　}!　　 }　　!　　　　　　､　　　　 {:.　ﾏﾑ　込歹^::/ 　　′
　　／　　　　}! 　 }　　}　i　　　　　 (__}　　　　＼　^ｰ===彡 ;:::j　　{
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〃　　　　／　　} f^ー=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆミｧ､　　｀¨¨¨´ 　　　　　　'
　　　　／　　　ﾑ} 　　　　　　￣￣￣¨　‐=ﾆﾆﾆﾆﾆミｧ; 　 ο　　_ 　　　　 '
´￣ア不,＿／´ }　　　　　　,ｚ‐‐ ､　　　　　 ‐===ｆ′　　／　　　　 !
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､　　＼　　 {ｒ==ﾐｊ　　　 |:}　　　　 ',　　!　　ﾏ :{／ __ノ　ｲ　} | }
=＼　　＼　 } 　　:|　　　 ! }　　　　 ',　 } 　　 ∨¨¨ｰ‐ァ入{^},リ
ﾆﾆ_＼　　＼j　　　}　　　 |　}　　　　 }　 ∨　　∧　　　 {
二ﾆﾆ_＼　　　,′　　}　　　 { 　}　　＿　'; 　∨　　∧ｰ‐　ノ
二二二ﾆ＼　,′　　,'／￣｀　 }　レ´ 　　 ';　 ∨ ￣｀∨´
二二二二ﾆY ／￣ { 　　　 ∧ {　　　　　j{　　{:　　 ∧
二二二二ﾆ{ 　　　　}! 　　　　 ∧{　　　　　ｊ{　　{: 　　 ∧
二二二二ﾆﾑ　　　 }!　　　　　　ｊ{　　　　　ｊ{　　{: 　　　∧

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「マーシフルを加えれば、我が社が専属で契約しているネクストは二機。
そのリンクスも、片やネクスト戦役を生き抜いたランカー、
片や伝説の英雄が後見人を務めるリンクスだ。
いくらオルデンブルクという後ろ盾があるとはいえ、そのオルデンブルクに
見捨てられたら最後、我々傘下企業は終わりだ。
独立とまでは言わないが、もしもそうなった場合、他企業から
買い取ってもらえるだけの価値を残しておきたいのだよ」

切実に語るペンウッドであったが、随分と保守的な考えに聞こえた。
野心も希薄で、欲望でギトギトになった支配者特有の思考も見えてこない。

小物なのか大物なのか判断に困らされる。
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4153： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:16:39 ID:tn/NubPk0: 　...|ヽ　　　　||.
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ｉ:ｉ:|　|| | : |:＼＼|_ﾘ:.;:.;:.;:.;:.)　:　:　,,,,;;;;,.｡o≦/㌻.:.＿＿___./ｰ/　　,.ィ㌻ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ...
ZＺＺ|| | : | :|:|＼|:|:.;:.;:.;:.;ノ--ミ:.;:.;;';';';'///ﾏﾆﾆﾆ..ﾆﾆﾆﾆ/　/　,.ｨ癶竺竺竺竺竺竺竺竺竺竺
-_-圦 | : | :|:|＼＼;';';''´;';';';';';';';';';';';';////,|_|_|＿.＿|_|__弌,.ｨ㌻　　＼＼＼＼＼＼＼＼＼＼
-_-_-メ､::| :|:|::/|￣ヽﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾃ;'; //|l／ﾍ-_-_ .-_-_-_-_-||　　　　　＼＼＼＼＼＼＼＼＼
ﾆﾆﾆ/ﾐs｡|_,|:l/77x￣| |二二| l._ t≦/||／,.ィ＾＾＾.＾＾＾＾＾＾^||　　　｡o≦ｉ||二二二二二二二二
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さすがに高層ビルの最上階フロアから地上一階まで降りてくるには、
少々時間がかかる。ペンウッドの切ない事情を聴きながら、
企業上層部にもこういう人はいるものなのだな、としみじみしていた。

そこへ、室内であるにも関わらず、甲高いサイレンが響き渡った。
建物内での火災警報などというものでは済まない。
内から、外から、コロニー中に雷鳴のごとく鳴り響いていた。

取り乱し、目をひん剥きながらも端末を取り出すペンウッド。

このサイレンには聞き覚えがある。
幼き日に故郷のティルピッツで聞いた、あのサイレンだ。
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4154： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:22:44 ID:tn/NubPk0: 　　　　　　　/　 / / .／ﾉ ./¨¨¨¨¨''ﾆ=‐-ミﾆ=‐ ＼
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　　　　　 }.　 / 　､　・　　} .|:.:.:.:. 　､　・　　}　 { 　 |
.　　　　 /⌒ヽ　ヾ `==彡′|:.:.:.:.　ヾ `==彡′ .{⌒ヽ　　　　　　　　な、なんだね、今のは！？
　　　　 {　{心| 　　　　 /　{:.:.:.:.: ﾊ　　　　n　　|斥 .}　　
　　　　 {　し .|　　 ∪　ノ　ｒ､　　ｒ､ヽ　　　　　| し ,'　　　　　　　　……敵襲！？　敵対信号をキャッチしただと？
　　　　入ゝ.!　　　　/　ゝ-‐=ﾆﾆ=‐- ､',　　　 |　ﾉ
　　　　　　ヽ_|　∪　/　从: :i:i : i:i :i:i: : i从　∪ ├彡　　　　　　　　　は、はあ……へ！？　バカな。
　　　　　／ {　　　　ｒ┬┬┬┬┬┐ }　　　}＼
　　　-ｧ''　　ﾊ　　（　　　|￣￣￣￣￣¨|　　　ﾊ　ﾍ _　　　　　　　　そんなことをしたら、企業間での全面戦争になるぞ！？
／　／　　　　}､　　　　弋二二二二ノ　ﾉ　 / }　　ﾍ　＞，
　 /　　　　　.|. ＼　　　　　　　　　　　　　　/　 |　　 .ﾍ　　＞，　　　　地球を人が住めなくしたいのか！？
. /　　　　　　|　　ヽ　　　　　　　　　　　　, '　　.|　　　ﾍ　　　＞，
/　　　　　　.{　　　≧，　　　　　　 _，＜　　　 |　　　　ﾍ　　　　　＼
　　　　　　　　',　　　　　二ﾆ=‐-‐≦.　　　　｜　　　　ﾍ
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　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　オルデンブルクの参加企業本社施設に、
.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　　　　　　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ヽ　　　　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　直接敵襲とは。正気を疑いますが。
.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　 -‐-　　　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　 ',:.:.:.:.ﾍ　　　　　　　 |:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　「れ、冷静だね……」
　　　　　　　　　　　ヽ:.:.{　ヽ、　　　　 .＜.|:.:./l　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　で、勢力は？
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そうだ、正気の沙汰ではない。
ただコロニーを襲うだけなら、テロリストの皮をかぶった敵対企業の
破壊工作であったり、兵器の実戦テストである可能性も高い。

だが、四大企業の参加企業、その本社を兼ねるコロニーを襲うということは、
四大企業そのものに表立って戦争を吹っ掛けるという行為に他ならない。

いったい、どこの誰が、そんな向こう見ずなことを。
企業連からの粛清対象になって終わりだろうに。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4155：安価のやる夫だお：2021/05/19(水) 21:25:41 ID:evNqc4S60: やべーぞぉ
4156： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:26:55 ID:tn/NubPk0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.．─ ﾆミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿／/77≧，　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィ'' ヾ ii} ./////ハ　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ -‐=ミﾞ　゛¨¨¨¨¨ミ刈　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉-‐=ｧミ＿　　　　　　　 V　　　ヾ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　／,' '´￣ ¨''ヽ､_　し＿{　＼ヾ　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } /　/ ィﾆﾆ≦{{i　u {ﾊ､＿_＼　＼＼.　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒Y　　 {弋.・ j }　　　ｒﾆﾆ≧､＼　ヽ　 ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { 斥.|　ヾ　`ｰ彡/　　　ヽ弋’ノヽヽ人/
　　　　　　　　　　　　　　　　 ', ツ|　　u　　 /　　　ヽ　￣-‐彡　}'心}　　　　　　　　　敵は……一機のみ。現在、海上をマッハ3で移動中。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ゝ | u /ｒ-‐ｧヽ　　　　〉､　u　 u .ﾊﾋﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　ィ/////,{　 {{{ ／:.:.:.:＼__ ／:.:.:＼　u .ﾊィ_　　　　　　　　　　　こちらへ直進してきている。
　　　　　　　　　　 ,ィ////////,ﾊ　ヾ `ｰ-‐=彡ヾ:.:.:.::.:.:.:.}　　ﾊ/,∧＞，_
　　　　　　　　　　　ィ　　|/////////,ﾊ u　　 `ｰ= ‐､二二ヽ从　ﾊ///∧　　＼＞，　　　　　勢力は……アヴィアコル。
　　　　　　　　ィ　／　.／/////////ﾊﾍ　　　　　　　　　　ノ　　ﾊ/////∧　　　＼　＞，
　　　　　／　.／　／///////////,ﾊ　＼ヽ＿　　　　　　　　ｲ |////////＞，　＼　　＞，
.　　　／　／　.／//////////////,ﾊ　　＞，ﾆ=‐--‐彡，＜ |////////////＞，＼／/|
　　／＼／　／/////////////////ﾊ　　　　＞，_ ，＜　　 .|/////////////////////|
　　∨//＼／///////////////////,ﾊ　　　　　////＼　　　i/////////////////////{_
.　　 ∨/////////////////////////ﾊ＼　　./V/////＼　　.|//////////////////////}_
.　　 ///////////////////////////,ﾊ.　＼/　 V///ﾊ　ヽ/.|///////////////////////ﾊ
　　 }////////////////////////////ﾊ　　　　./////ハ　　|///////////////////////ハ

　　　　　 /|:.:./:.:.:.:／:.__:.-ｵ‐‐ メ≠//＿:.//:.:/　.}:.| .|:.:.!|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　　　　,'||:./:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:/:.:.,∠__// /:.::／,':.:/　　|/__|:/ |:.:.:|:.:.:.:.:.:ヽ:.ﾍ:.:.:＼:.:.:.:.}
　　　　ｉ:.|:.ｉ:.:.:〃:.:.:/:.:./〃,r-ニ､ヽl／　/／　　/　 .|7 ﾒ､:,':.:.:.:.:.:.:.:.}ヽ:ｉ:.:.:.:}ヽ:.:.:ｉ
　　　　　!:.:/|:./|:.:.:.:.ｉ:.:.〃 .ん::´:::::j .｀　〃　　　　 ,.廴 .|:./|ヽ:.:.:.:l:.:.ｉ:.:}|:.:.:.:.ｉ　ｉ:.:.|
　　　　　 y .|:.ｉ.|:.:.:.:.|:.:|ヽ. f::::f ｽ::/ 　　/ 　　　〃r--､彳 .|:.:＼/l:.:.|､:|:.:.:.:.:.| .|:.:.!
　　　　 | {',| {:.:.:.:.|:. | 　 ',::ヽ:':ﾂ　　　　　　 /::,-::::7.i! ,':.:.:.:/:|:.:/:}:.:.:.:.:.:.| .|:.,'
　　　　　ヽヽゝ:.:.:{',:.| 　　｀￣.　　　　　　　i!::f_/::/.以:.:.:/}:.:}:/:.:!ｉ:.:.:.:.:.:! .|/
　　　　　　　ヽ/ヽ:.:.:ｉ .＼　　　　　　　 .ｌ　　　ヽ__シ ´7:.:/:.:.:〃:.:./:|:.:.:.:.:,'|/　　　　　……はい？
　　　　　　　ｉ:.:.:.＼＼　　　　　　　　　 /　　　　　　　 /／:.:.:./|:.:.:.,':.:|:.:.:.:/ !
　　　　　　　 .{:.:.:.:.:|.､＼　　　　　　 .r ‐ ､　　　　　　／/:.|:.:.:.:.:!:.:.:/:.:.|:.:.:/:.:|
　　　　　　ｉ:.:.:.:.:| ﾍ　　　　　　　　｀　-′ 　　　　 /:.:.|:.:.:.:.,':.:/:.:.:.:|:./:.:. |
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　　　　　　 ',:.:.:.:.',.| 　＼　　　　　　　　　　イ }:.:.:.:.:!:.:.://:.:.!:.:./:.:.:.:. : |
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4157： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:32:06 ID:tn/NubPk0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼､　　 ,'＼､　　　 /∧　　　　　__＿_ ,､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ,ヘ＼､　,',ﾍ |.|　　　 .|_|/ﾄ.　　　　 | |..／　＼ｨ'ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ／ヽヽ// ,',ﾍ「T|　　　 |i|ii|.　l　　　 .|_|ﾊ_ ﾆ- ､＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /／　　 /ﾏﾞ ,'　 .|ii|i|　|l　|l .i|ii|　 l　　　 ||｀'ﾍ　　｀　＼',
　　　　　　　　　　　　　＿ Г|　　　 ./ /　l 　 |ii|i|　 |lイ|l¨＼　 !　　　.／'ﾞ　.〉〉　　　＼
　　　　　　　　　　　　　|ヽ`ﾄ､|､／ヽ〈_/　_| ／|ﾞﾆl　/ tｭｌｋ=､＼| 　.／'ﾞ.| |　.i/―-､　　　〉､__
　　　　　　　　　　　　 /　ｌ∧ |　　　｀〉〉|V|′ |¨ﾞｌ厶ｨｹ7^_ノヽﾊ／'ﾞ　.| |　.∨　　＼__,/'´＿>　　　　　　　　　「ブライドルランク2……
　　　　　　　　　　 /　 /　l!.|　　 // |ﾑ|!　 |　|／￣|匕il　　ilｨ|､＿　ﾄﾄ､　∨＿＿__/ー'　/＞'＾ヽ
　　　　　　　　　　　/　　　 |! |＿_,// .l　 |､ノl /　　_,/f⌒i|__/　／　｀ヽ//＼ﾐ>‐-､_」　 i＜　　　 l　　　　　　　アヴィアコルの猟犬だ」
　　　　　　　　　　./　　　　/ﾍﾄ-､.| |　!　.|ｰ､.l.|ﾍl /７｀il´ｆ''ヽl￣Y　　　 .ﾍ　　｀V　, -､＿|　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　 /　　, '＾ｰ'　.ﾍ　ヽｿ ,'.._∧　ﾍﾍﾐﾑｲ._jl ヽ.ノ/　/フヽ∧｀'ﾍ. 　__〉'　　　 /＼　　　　　ヽ
　　　　　　　　 ./　　 i　　., '￣∨　| ,' / ソV７´ﾐｚ､/l_７ヽ､｀ソ彡ヘ_ノ＾ｰﾐ〉'´/　　　／ト.､＼,､　　　　ヽ
　　　　　　　　/　　　j 　 ,.'　　　∨ .!,' |　l /７　　／} | l　jﾐフソ　 |　ヽ. 　 ∧/ ＿∠ -┴ｧ＼　＼　　　ヽ
　　　　　　　./　　 ., '　, ' 　　　ヽ |　|　/７　／'ﾞﾉ厶' .ﾉﾐＺ{ l 　 |　　　｀iソ〈￣＜_　 -‐'.ヽ. ＼　 `i　　　ヽ
　　　　　　 /　　 , '　, '　　　　　　　ｿ ,'　lメ.／'ﾞ.イ/ｰ､_〉-‐'＾ヽ!　 .|　　　/　./　二!　￣二!'..ヽ　＼ .ﾄ､　　　ヽ
　　　　　 ./､　 , '　, '　　　　　　　 ,'　' ,ｲ,rｹイ〈7 　 _〕　／ｱ⌒ヽ!　　 .|　/　/｀=ﾆ二￣´ '. ヽ.　　＼＼　　　ヽ
　　　　　/　 `'　., '　　　　　　 ,'　' ｆｹ '//　// ,' / /／r'ﾞﾄ､　ハ.　　ﾉ./　〈＼＿_￣〉　　'.　ヽ　　＼＼　　ヽ
　　　　./　　　 , ' 　　　　　　 ,'　／'ﾞ　|/　〉　' / /〈ミ{-､ﾊ　　 '. ._// /^ﾏ￣＼¨∨　　 .'.　ヽ. 　　＼＼　　ヽ
　　　〈　　 _, '　　　　　　　　　　／'ﾞ,'　　|　　'　,'ノ／｀￣∨ﾍ.ﾍ　　/kノ / 　｀ｰ-┘ .∨　　 '.　　ヽ.　　　　＼　　　ヽ
　　　　｀ヽ/　　　　　　　　　　／;ﾞ　,'　　..|　 |7´／　　　　ゝ､ヽ.ヽ〃ヾノ　　　　　　 .∨　　.'.　　ヽ　　　 ∧＼　　ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　／'ﾞ　.〈_,/　　／|__.ｨｹt､　} 　　　 i!　ﾄ､_ノﾏ ∧　　　　　　 ∨　 .'.　　　ヽ　　 ∧　　＼　ヽ
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　　　／〉　　　　　　　　　　　 /　　 /　　　 x=＝=::､＿_〃＿＿__..　∨　'. l
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　　　　　　　　　　　　　　　レ'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨|
4158： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:32:22 ID:tn/NubPk0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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4159： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:42:27 ID:tn/NubPk0: 　　　　　{　　　　　　　＼＼　／　　　　　　　　　　＼
　　　　　 ',　　　￣⌒丶　｀`＜､._￣￣￣￣｀`丶､._　　ヽ
　　　　　　＼　　　　　　＞'⌒: : ｀`丶￣｀`丶､._ 　　＼　',
　　　　　　　＼　　　／: : : : : : : : : : ヽ: ｀`'～───-- L
　　　　　　　　＼ . : :/: : / : ヽ: : : : : : ',: : : ',: : ',: : ',: : ',　ヾ､
　　　　　　　　　 /: : :l: :l: ｌ : ﾑﾊ : ',: : : : l: : : ∨: }､ <: : :',／=≦｀ヽ
　　　　　　　　 ./: :l: :{: :l: { : {　 ∨:l: : :l斗─寸ノV＼l:|＼─‐-:ヽヽ
　　　　　　　　　{'l: :l: :{: :l: :',: :V⌒l:ﾊ: : }: ﾚ允lﾊヽ:.l: : :l:＼|　ヽ)､: }　',
　　　　　　　　　{入{l: {: :l: : 'l斗斧l　l: / l}´乍心: : }: : :V彡} 　　}ﾉ
　　　　　　　　／　ヾ',:.＼{､: ＼Vｿ　}/ 　　 Vソl:/ﾊ: : : }:ﾉ:.}　　　 ',　　　　　　警報……敵襲？　アホなんとちゃうんか……
　　　　　　 ´　　 , -Ｖ: : ヽ}ｰゝﾞﾞ､　　　　ﾞﾞﾞ　ﾉﾚﾍ : : ｌ:ノ　　　 }
　　　, -'"　　　／　　|: l: : : : ゝ　　_ _ 　 u. ／ﾊ／|: : :|彡､＿＿_レ　　　　　ここは四大企業の傘下、そのお膝元やで？
　　´　　　　　 ´　　　 |从: : :l: : l丶､　　,ｨ''´　lヘ　|: : :|
　　　　　　／　　　　 |　Ｖ: |廴l＿/￣＿　　.′　 |: : :|　　　　　　　　　　　　企業連にケンカ吹っ掛けようちうんか？
　　　　　／‐-　　＿＿_,ｨア''´_,, -─‐寸ﾊ､　l_　　 |/l:.,'
　 -‐　 ´　　＿＿＿__ノ=厶ｨ'´　　　　　寸ﾏｰ‐'　 / ,l/　　　　　　　　　　　　　自殺行為やろ……
　､　　　,ｨニニニニニｧ寸ｱ　　　　　　　 }Vﾊ}
　　｀　‐|ニニニﾆﾆア　　}l'　　　　　　　 }ニﾔ
　　　　 {ニニニﾆﾆ{　　　,'　　　　　　　/　,iニﾆ〉
　　　　　Vニニニニヽ u ,'　　　　　　 /　 /ニ}‐'
　　　　　 ∨ニニニニヽﾉ　　　　　 /　／ニ}ﾉ
　　　　　ﾊゝｰ---‐''´ 7　　　　/,ｨi〔=／
　　　　　｛ニニニニニ/ 　　　 /ﾆﾆ／
　　　　 {ニニニニﾆ/　　　　 /=／

　　　　＿＿＿
　　　／ヽ、　_ノ＼
　／　（○）　（○）＼　　　　　　敵……はやてさん、こっから地下の基地に行く手段って……
／　　　（___人__）　　..＼
|　　u　　ﾉ　　　ヽ,　　　|　　　　　「地下直通のエレベーターが街のあちこちに隠されとる」
.＼　　　（/⌒ﾉ´ﾌ　 .／
　　>　　 .￣￣´　　<.　　　　　　　　行きますお！

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
鳴り響くサイレンに続いて、町内のスピーカーから女性の声が発された。
極めて事務的ではあるものの、その若い声は緊迫していて、
現状の危うさを如実に表しているように聞こえる。

「コロニーに対し、敵対信号を発する敵対存在を確認しました。
島民の皆さんは落ち着いて、指定された座標に避難してください。
これは訓練ではありません。繰り返します……」

響き渡る放送に負けぬように声を張り、はやてに呼びかける。
微かに動揺を滲ませるはやての手を取って陸に上がり、
濡れたままの足で靴を履いて、河川敷から道路へと駆け上がった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4160： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:49:04 ID:tn/NubPk0: 　　　　　 __＿＿
　　　　／　　　　＼
　　／　＼　　／　＼　　　　　　「やる夫君、戦う気なん？」
　／　（●）i!i!（●）　＼
　| 　u ,　（__人__）　　　 |　　　　　　もちろんですお。もしかしたらネクストかも……そうしたら、抑えられるのはやる夫たちだけだお。
　＼　　　 .｀⌒´　　　　〆ヽ
　　/　　　　　　　　　　ヾ_ノ　　　　　はやてさん一人に戦わせるつもりはハナっからないお。
　/rｰ､　　　　　　　　　　　|
/,ﾉヾ　,> 　　　　　　　|　/　　　　　　「……分かった。ほないこか」
ヽヽ〆|　　　　　　　　 .|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
トウキョウにいたときにも、何度か耳にしたことのあるサイレン。
ネクスト戦役末期の時にも度々鳴り響いてはいたが、
当時の自分はまだ子供で、瓦礫の山の影でクニヒコと震えるばかりだった。

だが、今となっては違う。今の自分にとって、脅威とは逃げる対象ではない。
戦うべき対象だ。ましてや、それがこの場所を脅かそうとしているのなら。

はやてが暮らしてきたこの場所を、町医者の間や、ハセガワが暮らすこの場所を、
誰とも知らないテロリストに傷つけさせてたまるものか。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4161：安価のやる夫だお：2021/05/19(水) 21:53:06 ID:evNqc4S60: 頑張っていただきたい
4162： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 21:56:07 ID:tn/NubPk0: ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　　　　　　 , - ‐‐‐-　、:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.ヽ、
　　　　　,イ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.ヽ:.:/く::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｉ
　　　／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:--‐ヽヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: |
　　 /:.:／:.:.:.:／:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:./:.:.: 7|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
.　 /／/:.:.:.:/:.:.:/:.:.:.:/:.:.l:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.!: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
.　/　 ,':.:.:.:/:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.ｉ:.:.:|:. ∧:.:!､:.:.:.ヽ:.:.ヽ__:.:.:.:}:.:.:.: }:.:/　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　,':.:.:.:,':.:.:.:.{:.:.:.:.:.|:.:.ﾊ:.ｉ　ヽヽヽ:.:._メ:.´ヽヽ:.:.ｉ:.:.:.:|/:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　やる夫君！？　今どこ！？
　　ｉ:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|　　ヽ／,イ圷≧ｉ:.ｉ:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　「町の河川敷！　地下の基地に向かうとこですお！」
　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　|.　　',:. | ',:| .|ヽヽ｀.ﾋﾘ　　　　　　 /:/／:.:.:!　/: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　オッケー、そのままドックまで行って！
.　　　　　　ヽ|　ﾘ　!:.:.ヽ＼ヽ　＿　　　　.〃|:.:.:.:.:./_/／.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:|
.　　　　　　　ヽ　　ｉ:.:.:人　　　∨　ヽ　　/　 !:.:.:.:./／. 　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :|　　　　　　二人とも迎撃に出てもらうよ！
　　　　　　　　 ',:.:.:.:.ﾍ　　 `ー '　　　　|:.:.:.:/.　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |
　　　　　　　　　　　ヽ:.:.{　ヽ、　　　　 .＜.|:.:./l　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　＼ｉ　　　＞.-t ´　　　|:/‐┤、.　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 r､| .-　￣/　／　ｉ、　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃.ヽ　　　.／　　 |::｀ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
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はやてに導かれるままに、夕焼けに照らされる車道をひた走る。
そのせいで、ポケットの中で鳴動するPDAに気づくのに遅れた。

慌てて取り出すと、なのはからの着信だった。
通話が繋がると、なのはは間髪入れずに現在地を確認してきた。
指示を受けつつ、端末を右耳に当てながら走り続ける。

「なのはさん、マーシフルは！？」

「まだ修理中！　実験用の機体があるから、それに乗って！」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4163： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 22:13:40 ID:tn/NubPk0: 　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　　　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .　　　　　　　……おかしいわ、こんなん。
.　　　从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　　」::|:|,ﾉ: ;小:.
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i　　　　　　　こんな場所に敵襲なんて……それこそ、
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼　　　　　　十年前以来や……
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、
. 　　　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　　 -=ﾐ,V{　　,ハ　　　　　
　　　　〈,　　 / 　　 V　V^V__/^V　|/　/　　＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　　　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　／　　 |ー━=ﾐ」
　　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　　 _.」Ｌ
　　 |⌒ー}　　　　 /　　＼ V　　 /　　＼　　_|　　ー=ミ__ )
　　 |　　ﾉ　　　 ,/　　　　＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗～'へ　￣￣| 　」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　　　　 .V　 rﾉ.　　　＼

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　　　　|:/.　!:.:.:!:.:.:!:.:.:.《 {::::::::ら　　　　´ {:::::刈》/: /ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　やる夫君、よく聞いて。
　　　　|j 　 ',:. |:.:. |＼ヽ. 辷シ　　　　　辷シ /:／:} /|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　　|　　 i: |!:.:.|:.:.:.:ヾ､　　　　　j　　　　　 /!:. : ｉ_,' |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　……これから、十年前の続きが始まるかもしれない。
　　　　　　　ﾘヽ|!:.: : ﾍ　　　　　　　　　　　　 }: : /　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　 ',:.:.:.:.{ヽ　　　￣　　　／/:.:,' 　　! :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　ヽ :.:.ｉ　＞　　　　イ　/ :./　　　|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
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4164： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 22:15:51 ID:tn/NubPk0: ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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　　　　　 nﾍ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,ｲ.:.:..:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨｀ヽ.⌒ヾ:.､
　　　　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　｀ﾍ
　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!
　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';
　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|
　　　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!
　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!　　　　　　敵機は一機。個体名……ネクスト・ラズルシェニェ。
.　　　　ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!　　　　　　アヴィアコルのランク2。今、オルデンブルクに
　　　　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　　　　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′
　　　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/　　　　　　　　　　　　　救援と事態の説明を求めているけど、応答なし。
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　　 .,／: :.j　／}′
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|　　　　　　　　　　　　　　　桜花は……オルデンブルクに、
　　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰイ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|　　　　　　　　　　　　　　　企業連に、見捨てられたのかもしれない。
////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||
/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|
j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|
j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|
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4165： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 22:16:05 ID:tn/NubPk0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・
4166： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 22:21:59 ID:tn/NubPk0: ┌───────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　コロニー・アマツ防衛戦　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　依頼主：---　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　接近するラズルシェニェからコロニーを防衛せよ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　搭乗機：実験機ネクスト　味方勢力：ネクスト八咫烏、ノーマル三個中隊、MT一個大隊、航空機部隊群　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　敵勢力…ネクスト1機　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
└───────────────────────────────────────────────┘
4167： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/19(水) 22:24:00 ID:tn/NubPk0: さて、続き……と行きたいところなんだが、今日はここまでだ。

安価とるところまで行きたかったんだがね……

次回なんだが、明日の午後八時も投下しようと思う。その日の仕事はそこまでかからないはずだから、早めに帰ってこられるはずなんだ。

それじゃ、シーユーアゲイン。また明日ね。
4168：安価のやる夫だお：2021/05/19(水) 22:24:13 ID:evNqc4S60: 乙です!!
4169：安価のやる夫だお：2021/05/19(水) 22:25:16 ID:O/ms2EVY0: 乙ー
4170： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:01:24 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　／||ミ
　　／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　＼ ::::||
　　　　＼||
4171： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:09:36 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　　　､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ　　　　　　　知り合いにBlood borneを勧めたら、最初は断固拒否されたのに、
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　　最近ハマっているのに草を生やしている>>1だよ。
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　　でもあの作品、たまに厄介なファンがいてニガテ……というか、
　　　　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　　フロムのファンってそういうのいないかい？　コアなゲーム好きな自分に自己陶酔、みたいな。
　　　　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　と_ : : : : : : ノ : :ノ　　　　　　　　オタク趣味なんてのは、各々勝手に、密やかに楽しむくらいでいいと個人的に思うがね……
　　　　　　￣￣￣　￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　,- ‐‐ -　､
　　　　　　　　　　　　　　　ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　　　　　　　 /○　○: : : : /
　　　　　　　　　　┌─┐　　i_ _ _ : : : : : : :{
　　　　　　　　　　┃茶┃　　｀,_　_｀=-: : : :|　　　　　　　話が逸れたね、やっていこうか。
　　　　　　　　　　├─┤　　　i: : : : :_: : : :'
　　　　　　　　　　￣￣￣ー‐'' ｀-‐´ : : : : : :ヽ　　　　　　　大戦争パートだ。こっからは激しいよ。
　　　　　　　　　　　　ゝ __ ,..　ｲ : : : : : : : : l: : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　 { : : : : : : : : :|: :.|
　　　　　　　　　　　　　　　 ,､ '" : : : : : : : : :ﾞ､:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　（ : : :‐ ､ : : : :__,. : : :Y"
　　　　　　　　　　　　　　　` ー‐┘￣‐〈＿ ,,ノ
4172： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:10:05 ID:ouBoW6Ao0: ＿＿＿＿＿
　 /.// ＼　　≧s。
. /.//　　 .＼　　.ゞ ≧s。
/.//　　　　　＼　　　 ◎}i〉/7
./_i{_　　　　　　＼　　 ,ｨ〈|ﾆ{
二i_ ｀'≦。,　　　　.＼.//ﾆ二},,,_
　i　｀'≦。, ｀''ヽｨﾌﾆﾆヾﾆﾆﾆ'...........ヽ,
i .i　　　　　　ヾ_i{　　　ヾ二{................∨
i .i　　　　　　　ﾏi。　　　　.}ｿ...............　}
i､ゝ,　　　　　　ヾii。　　　/=====.､.　ﾑ
.＼　〉,　　　　　 .ヾii。　/≧s二≧ゝｨ==＜
ﾆﾆゞ　.|'＜　　　　　.ヾﾏ////iイ......//￣.ヾ,}i
ﾆ／|　 |　　.｀''＜　　　　i////i......//:}i　＿Y
ii|　 |　 |　　　　　｀'＜....i////i....//:::ｿ┐ﾆミ
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////iゞ'´::::::::∧....｀∨
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i:::::::::∨:::∧..... ∨
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i::::::::::::∨:::∧......∨　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　 ,ｨ､
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i:::::::::ヽ::ヽ::::∧....≧､　　　　　　　　　。s≦コ |.|＿,,,,,。ｲ　|.|
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i:::::::::::::ヽ::ﾐi::::∧...　｀'＜　〉s≦＿　　　コ |´　　　i|　　|.|
ii|　 |　 |　　　　　　　　　i////i::::::::::::::::::ヽ,∨:::≧s。　 .｀'＜／ﾆﾆ≧s。...コ |　　　. i|　ﾉﾉ

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喧騒に包まれたドック内。水を流し込まれた蟻の巣のような、
混乱を極める中で、整備チームたちの怒号が飛び交っている。

音感センサーを切れば聞こえなくなるが、それでも入れておいた。
少しでも情報が欲しかった。この異常事態において、何よりも不足しているのは、
情報に他ならない。敵の情報も味方の情報も、あまりにも少ない。

だが、それは誰もが同じことで、企業連に見捨てられ、
あまつさえブライドルのランク2が敵対信号を発しながら向かってきている事実に、
皆恐れ、動揺するばかりだった。聞こえてくるのは怒鳴り声と悲鳴ばかりだ。

慣れないパイロットシートに四肢を固定され、うなじの接続ジャックに衝撃を感じる。
直後、視界が暗闇に閉ざされ、それからすぐにドックの光景が現れる。

機体のカメラアイの視点から、対汚染スーツに身を包んだ誘導員の誘導灯を見つけ、
カタパルトとの接続状況を確認してから姿勢を屈める。

今回の出撃ははやての八咫烏と同時にカタパルトから射出、海底トンネルに侵入し、
そこから海上へと浮上するという手筈だ。
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4173： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:17:35 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r、
　　　　　　　　　　　　　　　　/｀ー- ､_　/,,/
　　　　　　　　　　　　 // 　　　/l |　l　　　　　　　　　　　 r、
　　　　　　　　　　 /./　　　　 / l!,|　l i　　　　　　　　　　/ /
　　　　　　　　　 /　｀ー- ､_/　li !　l,f='ｰ-､＿.　　　 / /
　　　　　　　　　　/　　　　　　 l l 7// ./ヽ´Y､ヾ　　　/ /
　　　　　　　　　/　　　　　　　 l lll ﾛ/_/ /ヽ,ﾉﾉ､｀li┐/ /i
　　　　　　　　 /　　　　　　　　 l ,l　 /ゝ-'一ヾ」　/ーゞ-i､l
　　　　　　　　　 /　　　　　　　　l ,l　 i |〉ｰ'i´ii"ｿ､/.　 /;rｰiﾞ`''…ｰｯ,､ ..　　　　　　
　　　　　　 /　　　　　　　　 l ,! 　 ,ゝ≡=ソ／｀ー/:;! l;;:l　　　　　＼_ヽ
　　　　　　　　/　　　　　　　　　,! .l､,r´　　　//　　　(oiil;;;l;;;l`ｰ──´／／　　　　　
　　　　　　i,ﾟ　　　　　　　　　/　.! i ｀ー-//　　　 /｡ i!;;;l;;;l`'ｰ─ｯ"ソ"
　　　　　　　 |}　　　　　　　/ 　 !､l｀:::::-､| |￣￣ｿ/;;;::il:;;;;lヽｰ-､/ソ
　　　　　　　　ﾘ￣'ｰ- ､、_,,､-'＼　l　|:::::::::::il　l､＿ ,i二ﾆ;;/ ilニー-､
　　　　　　　 /　　　　　 7 ｬ::､P ヽ!ｰ|::::::::::::i|　〉─,〉ﾞｰ‐' / i　　//
　　　　　 /　　　　　 /i ｬ::､P／ー|::::::::::::il／ﾆ二7ミｸﾌ´/　 //
　　　　　　 i　　　　　　/　l:::;;／｀ﾞー/｀ー-､/三二i／　/┘─''
　　　　　 l　　　　　/　 /´　ヾ,.／　　／/､＿＿＿＿/＼ {l
　　　　　│　　　　/　 /　　／iー､／　/'i　　　　　　/iﾄ､ i=i
　　　　　　│　　　./　 /　／　　l／　　/　〉ｰ───'ｲ i､ i=i
　　　　　　│　　 /　 /／　　　 /.　　 /　/　　　　　　ｿ　l .i=i

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機体の挙動が、重さが、マーシフルと全然違う。
マーシフルを操縦しているときも、自分の肉体が機械の巨人になったような
感覚だったが、それとは訳が違う。まるで知らない人間の体に乗り移ったみたいだ。

今回与えられたのは、IGIO製の旧型フレームネクスト。
実験機として格安で買い取られたとされるこの機体には、
最低限の装備しか持たされていなかった。

アサルトアーマーもPA収束装置もなければ、いつもの射出対応ブレードもない。
武装も軽めのレーザーライフルと、耐熱コーティングが施されたシールド、
お守り代わりにハンガーに格納されたレーザーブレードくらいだ。

これで満足に戦えるかどうかは分からないが、贅沢は言っていられない。
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4174： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:20:31 ID:ouBoW6Ao0: ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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　　　　　　 ,､イ.:.／.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:::.:´.:.:.:.:.:.:.､.:.:.:.＼
　　　　　 nﾍ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,ｲ.:.:..:.:,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨｀ヽ.⌒ヾ:.､
　　　　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　｀ﾍ
　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!
　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';
　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|
　　　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!　
　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!
.　　　　ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　　　状況が不透明すぎる……冷静に行動して。
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!
　　　　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　　　　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　　　ひとまずは八咫烏と上空で待機。
　　　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　　 .,／: :.j　／}′　　　　　　　　　　　　戦闘行為に発展するようなら……
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|
　　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰイ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　　　　「するようなら？」
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|
////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||
/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|
j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|
j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|

　　　　　　　　＿＿　　　　　　　　＿＿　　　　　　　,x≦ ヽ
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　　　′　 l:.:/i:.:.:.:. i:.:.:.:.:.:. |:. : |＿|:. |:.: : |＿|:.:.}:.:.:.:.:.i:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　　　　　　……全力で応戦するしかない。
　　　　　 |: { |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|斗: ´|:.:.:|:.:.|:.:.:´!:.:.:|｀ヽ:.: : }|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　Ⅳ {:.:.:.:.:.::.:.:.:.|:.:|:. : |:.:.:|:.:.|:.: : |: : |:.:.:}:.:.:.:/:|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　最悪、今回の戦いは防衛戦じゃなくて、撤退戦になりうる。
　　　　　　　　 .::.:.:.:.ヽ:.:.: ゝ===‐'| /|:／ゞ==７:.:.:.:ｲ　!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　ﾏ:.:lヽト:.､ヽ　　　|′,　　　 /:／:. |　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |　　　　　　やれるだけやるしかないよ。
　　　　　　　　　ﾏ{　|:.:.:.:|ヽ、　　 r　ｭ　　／}:.:.: !　|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　ヽヽ:. !　　ト　　　　イ､　i:.:. / ｜:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　　　　　　　＿__ゝ{-,/| ＼＞＜／} ヽ|／、 :|:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |
　　　　　 r‐‐=ﾆ二::::::::::::::/　|　　〉r〈　　 i　‘，:::::::::::≧ｭ､:.:.:.:.: |
　　　　　/::::::}:::::::::::::::::::::_/　　|　 /{≠{∨　|　　.::::::::::::::::::::::::: ７､:!
　　　 /:::::::::ｉ ‐=ﾆ　　《　　 :|／ //l l ∨/l　　 }ﾆ=‐::::::::::::: /:: }|
　　　 /ヽヽ:: ∧　,　　　　ヽ__/ l　｀__Ll　 ′≪　　　　　｀　/:::::::i__
　　 .:　 //:: /　∨　　　〈　　 l〃:::::::::ヽ,'　　 7　　　　l　/ ',::::{{　ヽ
　　 {_ノノ:::/　 /　　　　 ∨ 　:l:::::::::::::::::,'　　 /　　　　 l:/ 　 ',::ゝ',　',

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4175： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:26:33 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　　　　　　 __´￣￣二ﾆ=　、
　　　　　　　　／　　￣´ 　　　　　　ヽ
　　　　　　 /　/ｨ　　　　　　}i　　　　∧
　　　　　 /ﾔ'7=ﾆ二二二≦_｣Ｌﾍ/　 ∧
　　　　 ;　 /＼_　　､＿　￣Ｖ⌒{ 　 / }｝
　　　　　:; 　}(●）　　（●　）　〉人 /　/^}　　　　　　　　　　　　　「……弱気になってもしょうがない、か。
　　　　　 '､ {（　ｨ'　　　　　u./／Ｌ {__/(__/
　　　　＿{へ≧＾ゝ､___ノ_z彡二弐≠ ＞／￣￣ミヽ　　　　　　　　実験機ネクスト、仮称脇差、出撃スタンバイ」
　　　　r{_ `ｰ=＜三＞'’ ）二二／　//　　　___　　　＼
　　／/ ｛＼　　｀￣　 /二二／/ 　/ｲ　　Ｙiっ) -┐　＼　　　　　了解、いつでも出られますお。
　｛　　Ｖ〉　　　　　　〈ﾆ二彡イ　｛｛　　 }｣つ）二! -02 |ｌ
　｛　　 i ＼　　　 /｝ト､　　 i　 /八ヘ　　￣´　　　　　 |ｌ
　　)〉=ﾆi　　＼＿∠_//ｚ/＼　i／　　＞　_　　　　　　　 /ｌ
　　　汀 i　　　〔_二//￣　　＼　　 /￣７　＞＝-≠〈/
　　！| iﾄ　　　　＼　　　　　　＼/　 /　　　　　　勹[_]
　　　　　｀v 　　　　＼　　　　　　　＼/　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　＼　　　　　 /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
なのはが聞いたこともないような言葉を発する度、
今起きている事態がこれまでにないほどの非常事態であることを感じさせられ、
心臓が強張る。

あのなのはが「しかない」などと言うなんて、今まであっただろうか？
あったとしても、数えるくらいしかないだろう。
それほどに聞き覚えがない。

とにかく、今は出撃するしかない。解放されるゲートを見据え、
オーバードブースターを起動させる。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4176： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:29:19 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　　　　＿
　　　　　　／: : :｀ヽ　　　＿＿＿　　　　　　　 __
　　　　　／: : : : : : : ＼,　´: : : : : : : : : : :‐-､　 ,ｨ彡'´
.　　　　 /:／⌒＼ : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : :Ｙ:ノ＿＿
　　　 ′: : : : : : 〉'ミz: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ
　　　　i: : : : : : : / z‐- : : : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :‘，
　　　　|: : : : : : :′:.: : : :.‐-/: : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : :|
　　　　|: : : : : : i: : i: ＼: : : |: : /: : : / : /: : /| : : : ,: : :|: |ヽ: :|
　　　　|: : : : : : i: : i: : : ヽ:.:.|: /|: : : :|: :/卞/､|,ｨ|: / : /|: |　∨
　　　　|: : : : : : :∨:､: : : : : {vﾍ!: : : :!v {チ抃.｀ﾚ'|: / .ﾚ'
　　　　|: : : : : : :八: :＼: : : ヽ ,'＼: ﾊ　弋ツ　 / |/　　　　　　（最悪、私たちだけでも、無関係を主張して降伏……と考えもしたけど。
　　　　|: : : : : : :|　＼: : ヽ: : : |: : |＼|.　　　　{　　　
　　　　|: : : : : i :|　　＼:.:., -‐|: : |　　　　　　〉　　　　　　　　ランク2を出してくるあたり、企業連も本気……
　　　　|: : : : : i :|　　　./　　ﾍ : |　　　 ‐-／
　　　　|: : : : : i :|　　.r―──‐ ､| ＼　＿／:|　　　　　　　　　　ランク1のこともある。やる夫君のことを邪魔者扱いしていてもおかしくない。
　　　　|: : : : : i :|　 ./　　　　　＼＿＿|ﾊ/__
　　　　| : : : :,　-─'￣￣￣￣￣￣::::::::::::::::::::::::｀＞x　　　　　　　今はこっちのほうが安牌と見たけど、さて）
　　　　|: i : ｔ' :::::::::: ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, -‐:::::::::::::i
　　　　|: i : |:::::::::::::,':::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ::: i:::::::::::::::::::: |
　　　　|: i : |::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨| :::::::::::::::::: |
　　　　|: i : |::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾍ|::::::::::::::::Ｙ⌒Ｙ
4177： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:29:30 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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4178： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:44:39 ID:ouBoW6Ao0: ～Tips～
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　 / 「l　　/　　　 / ∧
　　　　　　　　　　　　　/ 7`7ﾆVi　　　/ / /
　　　　　　　　　　　　ヽ'_/‐ｭ叮::〕　 / /-─､､
　　　　　　　　 / ,ﾆﾆヽ├イ_ノT´ｰｲ／￣ヽい　＿＿_､
　　　　　　　　 V　　 ,r'7に7_／￣/..　　　　:::∥　　　　|
　　　　　　　　ﾄ｡ｭｲ _ __／/　　 ∧.:｡ｭ.:.:./:,,,//　　　　|.|
　　　　　　　　　｀7〈r─〈　ヽ￣｀ヽ　.　　　:::∧ﾄ───ｲ|
　　　　　　　　　　/　＼;;;;＼/ﾆﾆﾆﾆ7ヱｸ::::∧'＼ : : : ／ :|
　　　　　　　　　　〉Q))ハ==く´ __ _＿レ ::::::/ﾞｉ／: : :┼ :＼ |
　　　　　　　　 /´　.:rrｲ.:::/ /r=＝＝.　::: ∧ｉ.＼ : : V: :.／ |
　　　　　　／ｨﾝ＾>'ﾊ///.::/ / .::.r＝ rl.::::∧ﾞｉ. ／: : : : : :＼ |
　　　　　,ｨ'v′／ ,</ 「￣「　.:::.i 　　 l. ∧､ﾞｉ |: : : : : : : : : : :|
　　　　　ｌﾚ’／_,-ぐｿ　 ',　 ',　 .::i　　　{ :＞r‐─‐ --;..人___|
　　　 .／／人＼彡'　　ヽ二ヽ_ﾊ　　　.｀|∪|' |　　　　　　　 }:
　　　<／／　　＼/！__ / 　! 　　 ', -‐！|∪/￣￣￣￣￣Ⅳ
　／へ'　　　　　　　i　 i　, ｲ　　　 ', __ 」人ｌ∧　　　　　　　 ’
<／　　　　　　　　　l弐( (0)　　　　ﾚ´　ﾄ|::::!ﾊ　　　　　　　 ’
　　　　　　　　　　　|￣| 〉´〕　　　∧.　.　　|:::|ｌ:　　　　　 /
　　　　　　　　　 /l　 l/　/｀ヽ　ﾄ､', .　　|::ｌ:　　　　　 /
　　　　　　　　 l/　 ′/　　〉.！ヽ　　 '|::ｌ　　　　 ./
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【Name】
脇差
【Type】
中量二脚
【Architect】
桜花重工研究開発部
【Status】
火力：D　機動力：C　耐久力：C　持続力：A　負荷：B
【Note】
桜花重工研究開発部において運用されていた実験機ネクスト。
IGIO製の旧式フレームで構成されており、最低限の武装しか持たされていない。
主にブースターなどの内部機関のテストに使用されていた。EN負荷は低く、AMS適正が低くとも問題なく運用可能。

近接適正も申し訳程度にあるが、FCSは射撃戦向け。

IGIOから格安で卸された機体であり、そうそう実戦に駆り出すようなものではない。
4179： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 20:50:42 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　 /
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海底から急速浮上し、派手に水飛沫を巻き上げる。
夕暮れの空の色を映した海面に、自機の姿が映りこんだ。
見慣れぬ無骨なフォルムのネクストは、マーシフルよりも肉厚であるものの、
どこか貧相に見えて仕方がない。
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4180： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:00:13 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
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.　　　从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　　」::|:|,ﾉ: ;小:.　　　　　　　　……こっから町の様子が見えるけど、まだ避難が終わっとらん。
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　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八　　　　　　　　商店街も、住宅街も、アウターもインナーもてんてこ舞いや。
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、　　　　　企業のお膝元の人々が避難慣れなんてしとるわけあらへん。
. 　　　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　〈,　　 / 　　 V　V^V__/^V　|/　/　　＼　/　　　　　　　ノーマル部隊が誘導しとるけど……もう少し手間取るやろな……
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　　　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　／　　 |ー━=ﾐ」
　　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　　 _.」Ｌ
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　　 |　　ﾉ　　　 ,/　　　　＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗～'へ　￣￣| 　」(
　/　 /　　　/￣,.. ．-‐　'''""~ 　　　　 .V　 rﾉ.　　　＼

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先に海上に上がっていたはやてと通信回線を開く。
漆黒の装甲を鎧武者に見立てたようなフォルムのネクスト、
八咫烏に乗る彼女は、不安げに声を潜めて、町の様子をうかがっていた。

赤いカメラアイが忙しなく動き、彼女の心情を伝えてくるようでもある。

「とにかく、ここで敵ネクストを待ち構えるお。
ひとまずそいつを墜とせれば、この場は何とかなるはずだお」

自分にも言い聞かせるようにして呼び掛ける。
ネクスト単騎による強襲であるのなら、それを退ければ何とかなる。
現代におけるネクスト戦というのは、そういうものだ。

何機墜としたか、敵軍の何割を壊滅させたかで勝敗が決まるのではない。
ネクストが落ちた方が負ける。

それは自分たちも同じことで、自分とはやてが墜とされれば、
このコロニーは真っ裸も同然だ。ノーマル部隊など蹴散らされて終わってしまう。

どのみち、全ては自分たちにかかっているのだ。
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4181： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:11:58 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__　　　　　　　 , ﾍ
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空から自分たちのものとは別のジェット音が聞こえてくる。
見上げると、茜色の空に幾つもの雲の筋が形作られていた。

ネクストからすれば掌に収まるサイズの戦闘機軍が飛び交っている。
スクランブル発進したのか、いくつかの小隊がまばらに編隊を組んでいた。

桜花重工直属、コロニーの防衛部隊だ。
いつもは撃墜の対象である通常兵器群だが、今はこれ以上に心強いものはない。

通常兵器の攻撃でも、ネクストに一切手傷を負わせられない、などということはない。
戦闘機のミサイルの雨をまともに受ければ、半端なPAはすぐさま吹き飛ぶ。
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4182： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:20:47 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　,,, ＝＝＝＝,,
　　　　〃　　　　　　　　＼
　　　/ 《　　 ─　　 ─ 　ヽ
　　　|∩||　（●）　（●）　 }}　　　　　　「上空の両機、聞こえるか！？」
　　　|∪《　　（__人__）　　∥|
　　／＼　ミ三∩_ノ ⊃彡／ゞ　　　　　おっ……
　/　　乂ゝ _／＿ノ＿イ,＿)
　(　, ′ヽ／　 ,,;;; ｲ/　　 i　　i
　＼　　 " ` ､／￣￣i￣"　 )

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/￣',　　　　　　　　 r‐=
　　　　　　　　　　　　　　　　 r　　 .　　　/￣￣￣:| :ｌ　',
　　　　　　　　　　　　　　＿＿　 fﾆY--∧　/{__／｀ヽ /ｌ :ｌ　ｉ
　　　　　　　　　　　　　 /　 r‐=〈- ((二二}¨{　　　　　/ /! l　 l
　　　　　　　　　　　　　{　　 }イ__/　/　　 i　i　　　　 //　| :!
　　　　　　　　　　　　 ∨　/　f　∨　　ﾉ　ゝ‐=≦　ゝ/:! :　　',
　　　　　　　　　　　　　 f=〈ヽ八f__)二二_____/ 〉〉　　》l　}
　　　　　　　　　　　　　 /　}　∧％------〈‐=≦ 〉ニ ∨!　＼　}　　　　　　　こちらはコロニー・アマツ防衛部隊！
　　　　　　　　　　　　　〉/7 / f--/ r‐=≦/ ＼　{　　 /　l　 l　 /
　　　　　　　　　　　　 / // 　∨　{ / ゝ‐≦', f¨¨ゝ　 i　 :!　:　 {　　　　　　　　ノーマル中隊の指揮を預かっている者だ！
　　　　　　　　　 / // /　ゝ-〈　　　　 ∧i 　 }{ 　 !　ｌ　ｌ　 i
　　　　　　　　　/77∨ /:/　　 /　 i　　　　:〉¨¨〈ゝ--＜}　!　 !　　　　　　　　交戦が開始し次第、海と空から君たちを援護する！
　　　　　　　　〈〈///〉/ヽ　 / ｌ　ｌ　　‐=≦　　〉 / /　}7 ｉ :l　｜
　　　　　　　　 ////// /　{¨¨! ゝ＜77/∨　　 ∧ゝ〈〈/　l :l　 :　　　　　　　　　相手はネクスト機だ、頼んだぞ！
　　　　　　 ///〈〉r＜　 i　 l　　 / ＜:∧　/ヽ　}　￣　　　:　 :|
　　　　　　　〈//／¨　　 / ∧:! 　〉　　　 ∨　　∧　　　　 l　l /
　　　　　_／〉ゝ′　　 /　　 }{　 /　　　　　〉　　　 ∨}:　　 ∨/
　　　　///〃　　　〈　　　}‐=ﾆミ　　　〈 ∨　-　 } i　　　 ¨
　　　〉＜¨　　　　　　〉　 /ヽ　イ　　　　 ∨',{___∨ ﾍ
　　％　　　　　　　　 7￣/　ゝ´ !　　　　　 } ∨　∧　ヽ
.／／　　　　　　　　／ヽ:/　　　　 :　　　　ｉ　∨ - ',--　',

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
通信要請の通知音が鳴る。自分が確認する前になのはが繋ぐと、
壮年男性の落ち着き払った、それでいて険しい声が聞こえてきた。
どうやら海上の後方で構えているノーマル部隊の指揮官らしい。

レーダー上には大量の緑の点が映り、それらで覆いつくされていた。
レーダー画面一杯の味方機に、僚機である八咫烏。

慣れない状況だ。いつもは少数で大勢を打ち破る側だというのに、
今はこうして、大勢で襲い来る敵を待ち構えている。妙な気分だった。
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4183： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:26:45 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　　 .　 -‐〈V＞‐=ミ　 {r　　　　　〉、
　　　　　　／:::::::::::::/　｀ヽ　　ヽ {i.　　　　　　//
　　　　rzく:::::ヽ::ヽ .′ 　　 o -‐i {i.　_r- ､　//　　　 __,　ｚzミ
　　／:::::::＼::::::::八　　　 /　　 }::∨::{iﾟi}::∨/　r≦:i｀V´ ､　　ヽ
. 　〈==ミ:::::::::＼:::::::丶　 /　　ノゝ:`zzz彡’　人:i:i:i:i:{　　ヽo-‐}､
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　　くミ､::::::::::>､:::/::::::`ｰ=zzz≦|::7{i:i:i:i:i{:i:i:i}ｰくY´::::/::::: 、 / 　人／　　　 / /
　　 /:::::::>:イ⊇:::≧x::／:}::く:::::::::/人:::::::ゝzﾍ::::::ヽ:::ムヘ::::｀¨¨´:イ::::> 　　/ /
.　 /::::／/::::／`O::::::::＼ﾉ::::::Y＾〈彡O`:::::::/⌒ヽO}::::::j::::::Yく:イ:::/:´:j　　　/ /　　　　　　　　　　……一体、どうなっとるんや。
　 {:rく　 {:::/::::::::::::＼::::::::ヽ::/　〈:ヽ:::厂厂::¨¨¨`::/}}｀ヽ::::人ヽ::∧イ ., =ﾐ/ /
　　　　　∨:ミ､::::::::x≦ミ､/　ﾊーﾍ::〈ﾆ人ﾆﾆイ {{___rﾊ:／⌒ヽ:::Ⅵ/　r/ ∧、　　　　　　　　　　
　　　　　 {＼:::::::／{ { { { ﾄ〉‐/ ム､　}ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|ミ ¨¨[:::{::::〇::::::〉、.′{≧z ‘，
　　　　￣｀¨¨ ‐Ⅵ从ﾉ　/ /:::::ﾉ￣ ¨¨　　‐- 　..ヽ_乂::Y´:::::::::::}' 　ゝｲ　 '. '.　　　　　　　　　　
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　　　　　　　　　　 /ｰ’::::::,　=ミ:::Y::::::{::::￣:.¨¨　　‐- 　..　_　　　　　　￣ ¨¨　　‐- 　..　_
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　ｉ .: .: .: .: i.: .: :|.: i .:_j_Ⅵ.:V.: .:V i:/i＼}.: .: .: .: .: .: .: .: .: }
　 | .: .: .:. ､j_,. 斗r匕.:i: ﾊ : }'，.: ∨＼i:ｉ}-､.: .: .: .: .: .: .: .:i　　　　　　こないなことしたら、全面戦争になるで……アヴィアコルは本気なんか？
　 | .: .: .: : .:'，.: {八.: .{/　Ⅵ Ⅵ.: }: .: .: |/ }.: .: .: .: .: .: .: .:
　 | .: .: .: ｉ.: .:Ⅵ:i笊芋^ｱ　'， Ⅵ.:|: .: .: |i　, .: .: .: i.: .: .: .::　　　　　　いや、オルデンブルクもグルなんか……？　にしたって、どないして……
　 | .: .: .: | .: .: Ⅵ　Vﾘノ　 }　 Ⅵ|: .: .: |//.: .: .: .:| .: .: .: :
　 |.:ｉ.: .: .:{ .: .:..八　 ´　　　　　 Ⅵ: .: .: |/.: .: .: .: .ｉ .: .: .: :　　　　　　　桜花を潰して、何の得が……
　 |:.|八.: ﾊ.: .〈　　　　　　　　 |: .: .: |､ .: .i : .: .: .: .: .: i
4184： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:34:57 ID:ouBoW6Ao0: ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
なのはが短く告げる。

おそらくは全ての答えを知っているであろう者が、
コロニーの一つや二つを灰に変えられる兵器に乗って。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4185： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:40:21 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　 /　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　/　　　　 /..､　　　ヾ　　〃　　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　i　　　　ノ{:;:;:;:}　　　ｉｉ　　〃　　　　　　　　　　　　　i
　　　　　i　　　ﾞ´ { ゞ'"　　　ﾂ　　　／　　　　　　　　　　　　ｉ
　　　　/｀　　　　ゝ　　　　´　　　／　　　　　　　　　　　　/
　　　　i　　　　　　　ヽ　　　　Ｕ　　／　　　　　　　　　　　/
　　　　i　　　　　　　　}　　　　　　三　　　　　　　　　,..／
　　　＼＿＿＿_ノ　　　　　　　"＿＿＿＿　　　ｲへ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
その言葉の通り、水平線に一点の燃える彗星が現れた。

レーダーに映った赤い点が、消えては映り、映っては消えるを繰り返す。
レーダーの更新間隔をかいくぐるようにして高速移動しているのだ。

速い。ネクストであることを鑑みたとしても速すぎる。

こちらへと飛来するそれは徐々に輪郭を露わにしていく。
後方のノーマル部隊が一斉に各々の武器を構える音が聞こえた。
関節部を軋ませ、射撃体勢に入る音が。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4186： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:51:01 ID:ouBoW6Ao0: ""'';;.＿__　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　　　: : : : : : : : : : : : ｀ｰ=　._＿_
彡´ .＼_]＼　　　　　　　　　　　　､＿ノ　　: : : : : : : : : : : : : : : : :　.／[_／
:::; ;,, ,ノ'.＼ﾆ＼　　　　　　　　　　　￣ヾ　　　　　　: : : : : : : : : .／ﾆ／.:(＿__
:::: : : :___　＼ﾆ＼_,, 　　　　　　　　｀""'''´￣￣フ　 : : : ／ﾆ／　___￣
: :(￣ﾞ.＼＼　＼ﾆ＼__,┌‐‐‐　┐　　　　 ┌ ‐‐‐ ┐__, ∠ﾆ／／／.___,,ノ,
～'ヽ､＿.＼＼_]二ニ‐_|二二／　　　　　 .＼二二|_-ニニ[_／／ .: : : : : <,,, ,, ,,
.＿___________≧=]二-_／＼__/_》x ┐　　 .┌ ｘ《_､_／＼_-ニ[=≦＿＿＿____..: : : :
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その機体は、こちらの射程圏内に入ったことを察知したのか、
突如としてOBを切ると、ホバリングの姿勢を取って停止した。

太陽を背にしたその姿には、見覚えがあった。

あの時、マーシフルがヒステリックベインの手で完膚なきまでに破壊されたとき。
あのロールシャッハにすら「勝てない」と言わせ、手を引かせた機体。

黒い猟犬を思わせるメインフレームに、砂色の装甲。
背部の追加ジェネレーターは広げられた翼のようでもある。

機械の天使、といった印象ではシュクヴァールと同じだ。
だが、決定的に何かが違う。

味方のノーマル部隊が、上空の航空機群が、隣のはやてですら、
その姿を前にして固まっていた。照準だけでも合わせようとするが、
動揺がAMSを通じて伝わってしまっているのか、サイトが震える。
背中に無数の銃口が突き付けられているようだ。
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4187： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 21:55:38 ID:ouBoW6Ao0: ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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　　|: : : : : : : : l: l:l: :＼: : : : : : : : : : : : : : : :/'´}: :l:/: : l: :l　　　　　　　ネクスト、ラズルシェニェとの接敵を確認。
　　|: : : : : : : : ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : : : r‐/〉': // : : ﾊ: l
　　|: : : :l: : : : : :|ヽ: : : : : : : : : : : : : : ／{ l .l'ｲl /|: : / .}/　　　　　　　通信を……
　　|: : :/ : : : : : l　_ヽ: :⊥: _: : : : : ／　　〈ｲ: l/' l:／
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なのはが通信回線を開けないか、今一度要請を出そうとしたとき。
ラズルシェニェの威容からは似つかわしくない少女の声が聞こえた。
オープン回線などではなく、内臓スピーカーによる実際の声だった。

あどけなさが残る声は冷めきっており、背筋を凍り付かせるものがあった。
こちらを見下した、淡々とした口調で、ラズルシェニェのリンクスが続ける。
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4188： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 22:04:51 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　´￣￣￣｀　、
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　／:::::ヽ. ／＼
　　　　　　　　　　　　　　／＞＜　　　　　｀＜::::/::::::::::::＞、
　　　　　　　　　　 /.:´:::::／＞= ﾆ二_三＞､ {:::/ ￣∨::∧
　　　　　　　　　　　　　 {:::::::::/ ∠斗＜广,.へ. .ヽ. .l:/. : : : :∨::∧
　　　　　　　　　　八:::::/ / /-ﾉ- /　ィﾋﾊ: .}.:./. : : : : : :ｉ::::::ﾉ
　　　　　　　　　　＞イ ,ﾍｨfち.′　　　 li/ ,i: : : : : : : :レ
　　　　　　　 {　　　　　　　／// ﾍ. /　　,　　　ﾙｲ:l: : : : : : : :l　　　　　　　交渉を受けるつもりはありません。
　　　　　　　ヽ　　　ｰ=≠ イ/./ ／､　　r-　 /厶l: : : : : : : :l
　　　　　　　｀ー=≦ ｰ=彡'′ /. .＞‐-r. 彡:::::::!: : : : : : : !　　　　　　　降伏も認めません。これは、企業連の決定です。
.　　　　　｀ー=＝≦. . . . . ./|. . . . . ./!ハ__圦:::::::::::j＼＿／l
.　　　　　　／.. . . . . . . .／.人. ./. . | Lノo ヽ}:::::／| 　　　八　　　　　　　
. 　　　／⌒'ー==≠彡／　ﾉ厶斗＜_　ヘ.,j∠:::l |､　　　/
.　　　　/　　　　／　／.　 ´　／.::::/ .:::::/米 /:::l |ﾊ　　 /
.　　　 {　　　 / .　　´　　　／. ::::::/.::::::::ヽイ::::: !:|:∧　/
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　　j　　―　　　　 l‐7　,|　　|⌒l／　
　　| 　 l二_l/　 l/ l　l　｝　 |　 |　　　　　　　　　　あなた方には、ここで全滅していただきます。
　　|　　==l/-―ﾅ＞l　｝　八｜
ヽ　',　.　 / ￣ﾌ¨´// /　/.. ﾊ八　　　　　　　　　　恨むなら、自分たちの運の悪さを恨んでください。
.l　 y　　　　　　ノ/ ｲ　/　,'　',　＼
ﾉ　　　　　　　　／./　/　/　　', ト＼
　　　　　　　　　／　/ ／｛　　　, 　 ',`ｰ-‐
. ─-　　　　　イ　/ /　　i! .i　　', 　　＼
　` 　　　　,　'　l 　/ /　　 j .j!　　 ', 　　ヽ＼
4189： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 22:09:25 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　".　　　　　　　　　 .' ,ｨ　　｀`'　　　　　　　　　　　　 -=≦　　　　　　　 ''"´
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言い終わるや否や、ラズルシェニェの槍のようなハイレーザーライフルに
深紅の光が集束したかと思うと、海を割らんばかりの轟音が耳を劈いた。

びりびりと空気が震え、視界が真っ赤に染め上げられる。
苦悶の声を上げ、反射的にシールドを翳して赤い閃光を遮る。

僅かに残った感覚を総動員して、周囲の状況を把握できないかと四苦八苦する。
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4190： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 22:13:47 ID:ouBoW6Ao0: :::::::... ⌒__丶　＼
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そして、しばし、動くこともできずに、佇んでしまった。
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4191： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 22:13:57 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　､＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,/｀゛＝=､
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さっきまで悠然と空を飛び交っていた戦闘機たちが、
まるでおもちゃのようにバラバラに弾け飛び、空中で黒煙を巻き上げていた。

鉄と炎の雨が海面へと降り注ぐ中、余波にやられたのか、
半分溶解して鉄屑同然と化したノーマル機たちの残骸が音を立てて沈んでいく。

レーダーの画面上から、緑の点が次々と消えていく。
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4192： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 22:22:28 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　％＜　＿
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　　　　　＿＿/¨¨¨∨ 　　 /　/}O V　　 /　　　〈
　　　　〈ヽ　 /　　　　　〉￣ ≫　fｺｲ}　＼〈　　　/: ＼　　　　　　ど、どうなって――
　　　　　ﾏ ∨　　　 fミ／//∧ヽ__∧', 　 ∨／≧ｭ､ ',
　　　　　マヽ＿＿ゝ///f///fぅゝ__}ﾉ‐= iヽ　 /　　} ヽ
　　　　　　　ヽヽゝ--- {z}///z7‐≦ T　|　人{ ＼　／ヽヽ
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　　　　　　　　　　　‐=フ''　　　　　　　　　　　＿＿____‐‐―==---==-ｷ　　　　　　　　′　　/／´　／＿__ｚｧ
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驚く間も与えられず、血のような赤い熱戦の雨が海に降り注ぐ。
叩きつけられる超々高熱の光の奔流に、海上の部隊が飲み込まれていく。

指揮官からの通信も途絶え、途端に救援要請のアラートが四方八方から飛んでくる。
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4193： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 22:26:41 ID:ouBoW6Ao0: ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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　　 {/　　{:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.: ／} 　ﾏ′　　　 / :/.: /:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}ヾ、
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　　　　　　　ﾟ，:.:.|:.:.:.:.:.:. {　　ゝ__ --- ､　,ｨｉ｢=‐　/:.:.:.:.:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./}ハ/
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凍り付いた意識に、なのはの声が響く。
同時に、はやてが動いた。

八咫烏のオーバードブースターが唸りを上げ、
シールドを構えながらラズルシェニェ目掛けて弾丸のように飛翔する。
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4194： ◆x0SRSoJXe.：2021/05/20(木) 22:38:50 ID:ouBoW6Ao0: 　　　　　　 ,,.. ´　　　　　　　｀・、　　　　　　「待って、味方航空機部隊から入電――
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　 ',　　　　　更に12時の方向から敵航空戦力……大規模爆撃機部隊を確認！　コジマ爆弾を積んでる！
　　　　 _l;;;;;;;;;,,,　　　　　／　　　　 .l
　　　　 l;;;;;;;;;;;;;;; 　､_,.ｨtﾁ　）　　　 |　　　　　　今はまだ距離があるけど、あの速力じゃすぐだよ！」
　　　　　　',.　　 /　i　　ヽー‐ '　u.　　/｀ヽ､
　　　　　　＼　乂人＿__ﾉ､　　　 ,. ＜　　　　　　　　なんだって……！？
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企業連の奴ら、本気だ。本気でこのコロニーを消し済みにするつもりなのだ。

このラズルシェニェは、今まで戦ってきたネクストとは訳が違う。
アルトリアのリンドヴルム、クーガーのシュクヴァールに比肩する。
つまり、今まで戦ってきた中で、一番強い。

それに加えてコジマ爆弾の投下部隊と来た。
本気で一人残さず皆殺しにするつもりなのだ。

どうする。今のでこちらの勢力は半壊したといっても過言ではない。
動ける者より動けない者、すでに物言わぬ者の方が大いに違いない。

下↓1
1．この機体じゃ無理がある。中距離から八咫烏の援護射撃に回る
2．八咫烏一機に任せられない。白兵戦を仕掛ける
3．ラズルシェニェは八咫烏に任せて、爆撃機撃墜の支援を行う
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