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【安価】やる夫は誰かのために戦うようです【R-18】

1： ◆x0SRSoJXe.：2018/11/18(日) 22:14:42 ID:NOfdPGR20

　 　∧　｀i¨ヽ　　　i 　 i 　γ⌒ヽ｀i¨ヽ　｀i￣'｀|￣｀ヽ.　　.i＼　i＼
　 _/,,∧ ├く　 　 ∧ .∧　｛{　　 }｝|-く.　├一.|　 　 ｝　　.| | ヽ| .:iヽ
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　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 γ⌒ゝγ⌒ヽ ｀i¨ヽ ｀i￣'＼‐┘ｰ, .| └─:＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　　 ｛{　　　｛{　　 }｝├く　├一.　￢┌ .:| ┌─'′＼
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●この作品は株式会社フロム・ソフトウェアによって平成18年12月21日に発売された、『アーマード・コア4』の二次創作作品です

●原作との相違点も多く、作者の知識の至らない点は自己解釈によって補われています。あらかじめご了承ください

●この作品はフィクションであり、実在する人物・地名・団体とは一切関係ありません
3003： ◆x0SRSoJXe.：2020/08/31(月) 21:05:34 ID:9KYN3ddk0
失礼、一文抜けてた。

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　　 　 ﾞ　　 　 　 ＼ ＼_]二ニ‐_|二二／　　　　 　 　 ＼二二|_-ニニ[_／ ／　　　 　 .ﾞ
　　　ﾞ　 ＿___________≧=]二-_／＼__/_》x ┐　　　 ┌ ｘ《_､_／＼_-ニ[=≦＿＿＿_____ .ﾞ
　 　ﾞ　　＼＿＿＿＿__ｘ―z[＿　〈ﾆ[_,/二[ 　 　 　 ]二Ｖﾞ]ﾆ〉　___]z―ｘ_＿＿＿＿／　 .ﾞ,,,,　 ,:'´⌒ー
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⌒´￣¨¨¨z__　＼＿＿＿_／八]＼　[二二[　 j__｣ 　]ニ二]　／[八＼_＿＿＿／　ﾞﾞﾞﾞ　　｀ﾞﾞ
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⌒ー　　ﾞﾞﾞﾞﾞ　,:'´　　　￣¨¨¨´　.＼_八〃⌒>､}〉〈{VF⌒ヽ八_／　　　.⌒ー　　___　　　　　　「避けましたか。まあ、すれすれを狙いましたし、
　　　　´￣¨¨¨　　__　　　　　　　 / 厂]｢ニr＜__二ノニ〉]｢ﾍ　　　 　 　 　 　 　 ¨ﾞﾞﾞ　__
　　　　　　　　　　￣¨¨¨ﾞﾞﾞ　---./ ,　 　 ﾏ_}ｘ‐xz‐z《ﾆ〈｢ `ﾏ_，　　 　 ___　　　　　 ,:'´　　　　有り得る話ではありましたけど」
　　　　　　　　　　　　　　　　（../ /　 　 '^〈／〈／]_/＼〉 　 vﾍ.--　¨¨ﾞﾞﾞﾞﾞ　‐‐‐　⌒
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈_,:　　 〈／}_/＼〉　}八　　　　Ｖ_〉　　　...‐‐‐　⌒__ア
　　___　　　　____　　　　__　　　___　　,.:´　..(ﾆ＼__/／)ー…＝ミ ´＿＿　　'´¨¨¨´
--⌒＿＿￣¨¨¨¨　　　　　　　　　　___ 　 . Vﾆ}｢/ﾆ/　　　　 　 ）.__　ｧ
　　　　￣¨¨¨¨⌒ヽ　___　　＿＿　　ﾞﾞﾞ¨¨¨　.V'jLﾆ/　　　　　／.￣¨´　　¨¨¨　___　　　　　⌒　　￣
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣¨¨¨´　　ノ__ﾉ
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【ネクスト：ラズルシェニェ　種別：軽量逆関節】





　　　　　　　　　　　　 _　　　-─--　　　＿　　　 ./ﾆニニ}h､_
　　　　　　　　　 ＞╂╂╂_-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ-_　 /ﾆア:::::::..マﾆ＼
　　　　　　　　／╂╂-／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ〉ﾆ7:::::::::::::::::::＼ﾆ＼
　　　　　　 , ╂╂╂_‐ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニj{ニj::::::::::::::::::::::::::::寸.ヽ
　　　　　, ╂╂╂_-ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ､ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾔﾆ{::::::::::::::::::::::::::::::::寸iiヽ
　　　　 j{╂╂-_/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ ヽ ､, -──ﾊニ';:::::::::::::::::::::::::::::::::寸/
　　 　 j{╂╂╂{ﾆニニニ＞'"＞'"　 ) i ＼　　　 ヽ､ﾏ::::::::::::::::::::::::::::::::ﾔ
　　　 j{╂╂╂-_ニ＞'"╂／　 　 ／ ,ﾞ 　 ヽ　　　ﾊ, .ﾏ:::::::::::::::::::::::::::::ハ
　　　j{╂╂╂╂／╂╂ ′‐-‐''"　,ｲ　　　 ∨　　　ヽﾔ::::::::::::::::::::／　 ∨_,ｨ
　　　|╂╂╂_イ╂╂-/　　──''" ,ア　　　 ∨　 　　ﾊ;;;;;;;;;;:＞'" 　 ／ ∨′
　　　{╂╂╂j╂╂╂/─テ、-‐七　ヽ,　 　 　∨　　　ハ　　　__＞''"　　 '､　　　　　　　　手ひどくやられたみたいですね、傭兵さん？
　　　 ` 冬╂{╂╂-,ｲ/ ,笊沁　ﾔﾊ ',　.∨　　　 ﾄ､ ＼-- .ヽ¨´ 　 　 　　　 ヽ
　　　　　　　 ﾞi╂-∧　 ｲ{　｀ｿ　 } .}　ﾔ　∨　 　 i　ﾞ¨|ニ=-､ﾑ　　　　　　　 　 寸　　　　　　ああ、そのまま寝てていいですよ。
　　　　　　　　i!-/　ﾊ,_　,　　　　/ｲ　 .ﾔ　 }　　　|　　|ﾆニニ| |∨　　　　　　 　 ∨
　　 　 　　　　 i!'-_ﾍ, ＼_,} 　　　 ﾉ　　 ﾔ　ﾊ　　 |　　|ﾆニニ| |ﾑ＼　　　　　　　 ｌ　　　　　　　後片付け、しといてあげます。
　　　　　　　　 ﾞｰｲ　｀ヽ j{__　　 rｧ　 　.ｊ ./ｪ}!　.| ﾔ　|─､ニﾊ ﾔﾍ.:ヽ::..　　 ..:: 　 ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　 ｀￣≧s｡ _/}/j　}!　j　＼,|>.-､＼ﾊ ﾔﾆヽ ヽ:::::...:::::　.∥
　　　　　　　　　　　　　〃´,ｨ＝} }　　j ｲ/|ﾆj　/::＼／:::/ﾆ＼｀ .ﾔﾆﾆ＼ .:::::::::　/
.　　　　　　　　　　　　 /　　　　ﾌﾒｰ'ﾞ/,/| |=j,ｲﾆﾞ／:０:/::＞､ﾆ≧-ﾆﾆニ＼::::::/
　　　　　　　　　　　　 ′　　　'ﾞ　　./ﾆ.7 ｌ/ /ﾆ/:::;;／ｌヽｰ匕ﾆﾇイﾞ＾¨¨rヽﾆ＼
.　　　　　　　　　　　　|　 　 　 　 ∨ﾆ7＿_ノﾆニ¨ニ| 'i, ∨ﾆﾆ∧　＾`Ｘゝ-∨ﾆヽ
　　　　　　　　　　　 从　　　　　 /´ﾆ二二ﾆ=-＜二|　i, .∨ﾆﾆ∧　　　　 ﾉﾆﾆ.∧
　　　　　 　 　 　 　 　∧　 　 　/ﾆニニニニニニヽ_i　.i,　∨ﾆニﾆ≧s｡_ｲﾆニニ∧
.　　　 　 　　　 　　 　 　',　　 ./ﾆニニニニニニﾆ∧.i　 i,　 iﾆニニニニニニニﾆﾆﾔ
.　　　　　　　　　　　 　　‘，.∥ﾆニニニニニニﾆﾆﾆ i　 i,　 |ﾆニニニニニニニﾆﾆ.}
　　　　　　　　　　　　　　　,∥ﾆニニニニニニニニﾆ.i　 i,　.ｌﾆニニニニニニニﾆﾆ′
　　　　　　　　　　　　　　　 .{ﾆニニニニニニニニﾆﾆ}　 },　∨ﾆニニニニニニニﾌ
.　　　　　　　　　　　 　 　　八ﾆニニニニニニニニﾆ7　∧　 ∨ﾆニニニニニﾆメ
【ブライドルランク3　アリサ・イリーニチナ・アミエーラ　スポンサー：アヴィアコル】

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太陽を背にしたそれは、ネクストだった。
シュクヴァールとは似て非なる姿は、荘厳だった。
猟犬のような頭部パーツとイヌ科を思わせる四肢。
背中には六連装の大型スラスターが装備されており、翼のように広がっている。
手には大槍のような形状のハイレーザーライフルらしき銃身が握られていた。

ラズルシェニェの腕が、銃身が帯電している。
赤雷が纏わりつき、砲口からは光が漏れ出ている。

可憐で、それでいてどうしようもなく冷淡さに満ちた声が聞こえてくる。
あのネクストのリンクスのものだろう。ぼんやりと痛みで霞む意識の中で、
他人事のように考えた。
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3004： ◆x0SRSoJXe.：2020/08/31(月) 21:06:00 ID:9KYN3ddk0

　 　 　 　 　 　　,,-‐'´￣ヽ
　 　 　 　 　 　/ 　 　 　 　｀‐､
　 　 　 　 　／　 　 　 　 　 　 ヽ
　 　 　 　／ 　,-‐‐'´￣￣｀`‐-､l
　 　 　 　 l ／　 　 　 　 　 　 　ヽ
　 　 　 　 l´　　＿,-――――――-､
　 　 　 　 l,-‐'´,-‐'´,￣ .､ ￣￣｀l 　　ヽ
　 　 　／ ,-'´ ....　　｀｀　´ 　く::::､ l､__／　　　　　　　　 ラズルシェニェ。
　 　 く　　l 　く::/　,‐､ 　　,::::.､`` l l
　 　 　￣l 　 　 ___l::::::l　　l:::::::l,‐. l/　　　　　　　　　　　何の用だ、アヴィアコルの猟犬。俺を殺したかったのなら、
　 　 　 　入 　 l:::::::´､　iii　i‐:::::/ l_
　 　 　 /　　l　　`´＼::::::::::::::/｀' / ＼　　　　　　　　　　 最初からおまえが出てくればよかったものを。
　 　 　/ 　　lヽ 　　く::::::::::::::::ヽ/ l　 　＼
　 　　/ 　　く　`‐-､　!::´￣!´/　l 　 　 　＼_　　　　　　　「色々あるんですよ、事情が。説明するの面倒なので、しませんけど」
　 　 /　 　　l 　 　 ､`二二二､　 　 　 　　　/､
,‐､,-l､　 　 　l｀――､_ l　 　 　 ヽ .l 　 　　/　　　　　　　　……俺は、おまえには勝てん。
,-‐'´｀`‐-､　 ヽ＼＿＿l　 　 　　l/ 　 　 /
　　 　､‐‐-､＼＼ 　 　 l　 　 　 　V 　 /　 _
　 　　ヽ 　 　 　 ＼　 　l 　 　 　　ヽ 　-‐'´
　 　 　人 　 　 　 　＼　l 　 　 　 　ヽ
　 　　//＼ 　 　 　 　 ＼　 　 　 　　ヽ
　 　 //　 　＼_ 　 　 　 ＼　 　 　　/ 　 　 ／
　 　// 　 　 　 ｀`‐-､　 　 ヽ　 　 /　 　／
　 //　 　 　 　 　 　 ｀`‐-　 l　 ／　 ／





　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 __,..、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /"´- rﾍ!　　 　 　 　 　 　 il 　 　 i　　　　　　　 ,､
　　　　　　　　　　　　 　 　 /　 ,,.r;:1ll|r;'"^!　　　,、　 　 i| ____ _i|　 　 　 ,、　 ﾚ‐ミ:;;,､
　　　　　　　　　　　　　　 /　,ｨ;;;::::=-'k illl|'　　,ｨ';>|　　 ,!ゞミr彡}ｺ,　 　 |べ;､ |llll|　 ヾ;,
　　　　　　　　　　　　　 /　,;::／　　　|k'ゞ! 　 ; |lllll|　　;!ゝゞﾞYﾀ;| ﾄ;, 　 ｜llllﾍJr''　ヾ　ヽ
　　　　　　　　　　　　 _＞'＜,. - ‐ﾗ'"ｿ　 lﾞ!　!/ﾈ=|　　,!;ﾘヾｰｸく ト!　　 !;|f^ミl !　　　ヽ ﾞ、
　　　　　　　　　　　＜__,,,　ゞ;;シ"　　,!rｧ'ﾐ',ノ‐ニ､`F^ヾトＬ,, ;:;;ゝ,k--;-'､i、　ゝ;＼　 ､,.　〉
　　　　　　　　　r‐''"7　 ハ　　`"`　､　 r''"／`ー＜,,,,.∠,ﾉ::|_!ゞ､_ヽゞ_'"ミゝ､,レ .,＼,.J^｀ヽ、　　　　　　　素直ですね。
　　　　 　 　 　 |:: : : :: : : /^ヽ、-マ､,,,..;ｺ、:!､..,　 ,...、　,r-､　ｒへ､,,ゝミヽ｀ミ;:i;;;::;,'"　"ヽ;/^'''ー､
　　　　　 　 　 ;!.: : : ,...../　,.r'":::::::;;ヽr==-;ｧ彡フｿl',.二^/ト､ｒー､r－-`ミﾞ7;;;:!ア＾ゝｰ:ｙ"i!:::::::::::::|　　　　　　 投降でもするおつもりで？
　　　 　 　 　 / .:::::/　　 /　!::::::::;;;' r'　　''Ｔ ;;レ;;く:;　,,r彡ゞ1　 ,ｨi;　 ,._　　｀ヾ~`:::`i　 ＼ ヾ:;:;;:::::|
　　　　　　　/ :::: ./ ;　 /　 ,!::::r''",7　　　 |;:リ7:::r'^,ソ〈　/　 `"//ト､ﾄ:〉、|ミ､`､::::::|　 　 ﾞ、　ﾞ:;::::l,　　　　　　こちらとしては手間が省けて助かります。
　　　 　 　 / .:::　 〉;　/　　;!:::;'　 ;'　 　 　 !　 ;!ｒ''"　　,ﾉ､./`< /ﾍ、 ,,　ﾄ　　　 `"^:､! 　 　 ヽ　 〉:::|
　　　　　 /.::::::　:/　/　　 ,!::::ﾞ、 ;'　　　　 |;!　;!　　 _r'　　 //　　 ﾞ､[:::;!|:;ﾞ:.､;:ﾄ､ﾐ､ヾ,＼　　　ﾞ､　::::::`､
　　　 　 ;'::::::　.:/　/　 　 ,!:::::;'' ,'　　　 　 |;} ,;!　 ,ｨ" ミ　　|`'1　　 |:i　彡;､ ヾゞﾐi!　ミ;;〉 　 　 :､ ﾞ:;;;;::ﾞ:,
　　　　/..:::::: .:/　/　　　,;':::::;' /　　 　 　 !;! ;!　f　　r'"i､　　ｒ'　　　:;!　;ヾ ﾞ;,　 　 |　i;;|　　　　　ﾞ､ ﾞ､:::::ﾞ;,
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3005： ◆x0SRSoJXe.：2020/08/31(月) 21:11:15 ID:9KYN3ddk0

､､､....＿＿　　　　　　　　 ト
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　⌒ﾆ=-　　_: : : : : : : : : : : : : : : : . . .　｀′　_　　／￣￣｀`
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ヽ.∨　　　　　　　　　　　　　　／ ＞｡,: : : : : : ∠ ／: : . . . . ._／￣￣￣￣77
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　/　∨　　　　　　　　　　　 ／　　＜＼＼＼＼＿:_:_: :　:　:　:　:　:. . . :／/
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. 　 　　∨　　　　　　　 |　　　　　　　＿＿＿＿／.:./￣　　　＼__／ ／／＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いや、こうする。
　　　 　 ∨　　　　　／　　＜￣￣／/ / // ＼.:.:.:.:￣ア　'⌒ヽ|__／: : : : : ／ ＼
　　　　　 〈　　　　く＿＿　　￣　く_,/_/_／　　 {＿_／　/￣￣7ｧ⌒￢ｧ: : :　　　 ＞
　　　　　　∨　_　-　￣￣￣ ＞　 ＞-'￢￣￣`ー`ｰ‐弌.:.:.:.://〉　／: : _,.｡s≦⌒
　　　　　 　 ｢＿＿　　　　 ／￣￣￣＞ｧ┬┬=ﾆ＿｀丶､.:.:.:＼/／｡s≦⌒
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　　　　　　　　　　　　　(⌒/　 　ノ 　 　 ｨ炸ミk/~"/''＜:i:i:ｉ:i:i:＼ ∨///
　　　　　　　　　　　　 　＞-----　　 ／弋ツ　　,: 　　／＼:i:i:i:i:i//／
　　　　　　　　　　　　／　 　 --- 　　∥ ""　 ／ 　 ｨ炸ミk ｀¨¨７´
　　　　　　　　　　 ／　 　 ⌒７　　|　从　　／　 ／ 弋ツ /　　　|　　　　　　……クリムゾンネイルのパイルバンカー。もぎ取ったんですか。
　　　　 　 　 　 ／（ (　　 　 / | 　 |　 {　　⌒¨¨　´　 "" /　 　 从
.　　　　　 　 ／　　 ＼ ／.://人　 　从　　　ー ､ 　　 . : : :/　/: : )　　　　　　取るに足らない傭兵が人質になるとでも？　本気ですか？
　　　 　 　 ∥　　　 ／. :.:/　　　＼/ 　 ＼ 　 　 　 .ィ : / /　/ :／
　　　　 　 ∥　 . : : {＼／　　　|　　|ﾆ=-　うぅT爪: : |: :／ イこ(　　　　　　　　　「さあな。ならんなら盾にするだけだ」
　　　　　　{{ : : : ､丶`　　　 イ.:|　　|Ｏ二 /∧{二∧ |: : : : :.|/ ∧
　　　　　　乂／ 　 　 ＞――八　 乂二// ∧=/ﾆ|∧: : : : し/＼⌒)ヽ　　　　　　…………。
　　　　　　 /　　／　/　　　　　　 ､　 ＼/＼＼〈／|二＼＿}-{ / /⌒V
　　　 　 　 {　 / ＼　　　　　　 　 V=-　 ＼=＼＼/二二/,八:Ｌしノ二 〉
　 　 　 　 人　し)）　|　 　 　 　 　 |ﾆﾆﾆハ V /＼＼ﾆﾆﾆ./,|:＼ﾆ}ﾆﾆ |
　　　　　　　 ｀⌒ 　 |　 　 　 　 　 |ﾆﾆﾆﾆ.}　〉ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆx=ﾐ | }＼ﾆﾆ|
　　　　　　　 /(　 ／|　　 　 　 γ |ﾆﾆ⌒=匕ﾆﾆﾆﾆ Ⅵﾆ ＼__＞ﾐﾆﾆ/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
視点が上がり、ラズルシェニェと呼ばれた機体と向き合わされる。
胴体が挽き潰されているらしく、上半身だけがヒステリックベインに鷲掴みにされ、
持ち上げられているのだと分かった。

巨大な鉄の杭のようなものが視界の端に映る。
ラズルシェニェのリンクスはパイルバンカーと呟いた。
確か、近接武器のはずだ。それがマーシフルに向けられており、
ヒステリックベインはその様子をラズルシェニェに見せつけている。

つまり、今自分は人質にされているのか？
頭が上手く働かない。
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3006： ◆x0SRSoJXe.：2020/08/31(月) 21:14:03 ID:9KYN3ddk0

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／　　 　  /ｰｒ'　　 　 |.╱╱ :.:.:.:.:.:.:..:.:.:／.:／.:.:.:.:.:／  　 ／／l| 　 　 　}＿|__|_,.. -‐'﹨_﹨╲「╲!-
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／ 　 　 | 　 　 　  /　　　l　 /./ :.::.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.へ∠_／ :.:.:.:.:.:.:.:////../.:/:/＿/r/__╱:./ ! :.:╲.:.:.:╲╲.:╲
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　 ＿＿ l.　　 　 /! 　　 　 |Уニニﾆ.ｒ ｀ く:.／　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:〈///.:／.:.:.:.〈＿f´ト-＜三＞- '.:.╲.:.:.╲╲.:!
／.:.::.:.:.: l＿＿_//　 　 　/  ―┐　 /./一　 　 　 / 　 .＿＿　　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:..:人.ゝ廴/￣ .:.:.ー―＼_.╳╲
　.:.:.::.:.:.／　  !￣　　　　/ 　 　 l　 /./　 　 　 　 .'..::´:.:.:.:.:.:.:.:.::.＞＼.:.:.:.:.:.:厂{ 　 ＞一! ! .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.╲╲
　.:.:.:／　　  | 　 　 　 /　　 　  |.╱╱　 　 　 　 <-―-､＿:.:.:.:〈〈´:.:.:.:.:.:.:.〔 　 し〔 .:╲╲|_|、　 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..╲╲
　／　 ＿＿ l.　　 　 / !　　　　.|У＿＿　 　ｒ‐´‐-､＿_,ｨ╲╲///:￣￣:ヽ⌒ヽ::/　 .:╲　 ╲　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〉.〉＿
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　　　　　 　 くニ二二/ﾆ7ー‐┤  l　l　|╱￣ ヽ.:.Y:!|:!ﾉ'⌒ヽ彡ｰ=､: ヽ＿/ヽ:╲:::::!:/　.:.:|.:;-､ ￣￣￣ヽ〉ｰ〉　　厂￣￣￣　ﾗ
　　　　　 　 └ｰ-==ニ╱.:.:／:!l　l　l.╱: :／: : !.:.:}:!|' 　 　 〈二二〉ー=ﾆ彡':::/:ｰ'′.:.:.:.|/╲_╲ ＿　　　￣ 　 ./　　　 　 .／
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「じゃ、逆にこっちから宣告します。今からあなたをその傭兵ごと消し飛ばします。
私のラズルシェニェ相手じゃ、盾にすらなりませんよ」

ロールシャッハが沈黙する。
すると突如、視界が二転三転した。いや、実際に機体が回転している。
景色が吹き飛び、空と地が何度も入れ替わる。投げ飛ばされたのだ。
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3007： ◆x0SRSoJXe.：2020/08/31(月) 21:18:24 ID:9KYN3ddk0

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　　　| .|/7/ゝ､（　＼ﾄ＿_ﾆ-'´＼､　.....／ // 　 l＞､＿＿＿|　〕ト｡　　 ヾ〔}}　＼.||　 /
　　　| .|7/　　 /＼/　 ＿＿＿／ ＼.| ／　ヽ　/‐‐､‐＜.＜≧s｡　　_:_　　＼ヽ ..|| ∨ /
　　　l .l /　 /､　 ,､　/＞､＿＿＿＿..--､ /　 ﾄ-<-' 　 ＞､.}! : : : 〕ト､ 〕ﾄ､ . ＼:|| _＼′
　　　ﾍ V＜　 ヽ-'´`　 ∠ﾆ／＼ゝ､.:.）-'´　 くﾆ___ゝ----'´ ト...._.''-"-'',.'=====,.'..￣ `ヽ
　　 　 ＼＼---＜　／￣＼　　 |　 .〃` . ∧＿/∧ =ハ.||　.._ /i_。 ''"
　　 　 　 ＼＼　/ 7--< //､V　 |　 . ﾍ　　 ﾄ､V　　∧..ﾊ.|| .‐' __/／i}
　　　　　　　＼＼/＼与＞-､ ヽ､ﾍ_　.|＼_ﾉ.ﾍ ＞＜.,.-‐ｉ}.''"｀　 ｀ヽヽ､
　　　　　　 ／ﾍ＼＼/￣￣￣￣￣　__ヘ.　　ﾍ　　 .|　,||　　 　 　 .|i /　ﾊﾞﾁﾁｯ
　　　　　　|　　/ //￣'￣/‐‐--==ﾆ..￣＼ヘ＿| . ,.' 　.||　 　 　 　 .||
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　　　　　　ゝ/　./　∧　／　／ ￣　ヽ､Y　＼　　.|i. : ´　　＼　　　 .＼丶
　　　　　　　　 /　/ / /7 　|　　　　　 ∧Y＼ ＼　　　　　　　　　　　/∧i
　　　　　　　／ ／＜V　＼|　　 　 　 　| |‐Z_＼ ＼
　　　　　 ／ ／　／-|　 　ﾍ 　 　　 　 / |　　＼＼_＼
　　　　／ ／ イ|　　 |　　 　 ヘ┬＜´　V──z＿_￣＼
　　 ／ ／／　| |　　 |　　　 l￣　 　 　 /￣ﾆ=‐‐--=ﾆ＿＼
　／ ／／　　 | |　 　 V　　 |　　　　　/
　 ／／　　　　V　　 　 Y　　＼　　　/

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「おっと」

回転が空中で止まる。一転して砂漠を見下ろす形となり、
そこには砂煙を巻き上げながらオーバードブーストで疾駆する
石ころ大のヒステリックベインの姿が見えた。

「逃げましたか。まあ、こちらもあなたを放り出して追うわけにもいきませんし。
今回はプラマイゼロですね……っていうか、生きてますか？」

ラズルシェニェのリンクスが淡々と一人ごちる中、段々と意識がはっきりしてきて、
状況が呑み込めてきた。

救援に来たネクスト相手に人質に使われた挙句、今もこうして抱えられているのだ。
文字通り、お荷物だ。そう考えた途端、居ても立っても居られなくなり、
考えなしにメインブースターを起動させた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3008： ◆x0SRSoJXe.：2020/08/31(月) 21:20:35 ID:9KYN3ddk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 　。s≦╋┼╋≧s。
　　　　　　　　　　　　　　 　／╋┼╋ ＞――― ≧ ､
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　　　　　　　　　　　 　 　 !┼╋┼ 'ー ≦s。::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　_＞╋┼ ╋ァ－､－≧s。:::::::::::::::::‘,
　　　　　　　　　　　　 ／x≦≧=ｧ ´ X´　 ＼＼ ｀ヽ≧ ､::::::::::!
　　　　　　　　　　　　｀´　／　ｧ'-　´x笊ﾐ　　≧＼　＼＼}:::::::;
　　　　　　　　　　　　　／　,xf笊)　　 ‘¨　>s。　　＼　＼',:／
　　　　　　　　 　　　／ 　 / 　 !､ 　 　 ／イ　＞ ､　 ∨　ヽ　　　　　　　あっ、こら！　変なことしないでください！
　　　 　 　 　 　 ,＞‘,　　 '. 　 ∧ ｒ　､.u ／イ／!ヽ ヽ ',＼　＼　　　　
　　　　　　,　　´　　　≧s。＼'　 ヽ -'　 。s≦ _」_ ＼} }　 ＼　＼　　　　　持ち帰ってあげますから、暴れないでくださいよ、いいですね！？
　　　　 ／　　　　　　　 _,ィ｀ヽ Ｙ 介≦ィ> ¨ﾏ;｀ヽ:::Yﾉｲ _　｀ヽ　　ヽ
　　　 /　　　　 -=＝≦´,(_二ﾉノ-//:／　　　ﾏ;　∨!―― ≧s。 　 ‘:,　　　　オペレーター！　マーシフルのオペレーター、
　　 　≧s。 　 　 　 　 　 ￣　 ／!／　　　　　}:|　 {ﾉ　　　　　　 ｀ヽ　‘
　　　　　 　 　 ≧s。　 　＿ r'ィ／{　　_　　　 .}:!＿,　　　　　　　,/　',　}　　　　応答してください！　こちらラズルシェニェ！
　　　　　　　　　　　　　＞:::::／イ::',イ　∧ ／ｧ:－-∨　　　　　 !(-_ﾉノ





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼
／ 　　　　　　　　　　＼　　　　　　くっ……。
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／　　　　　　　こんな、はずじゃ……。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ところが、ブースターは虚しく黒煙と破裂音を一度上げたきり、動かなくなった。
最早自力での飛行すら不可能なほどに破壊されていたのだ。

死の恐怖から解放された途端に、羞恥心と不甲斐なさに胸の内を支配され、呻いた。
自分一人でも、と粋がった結果がこれだ。

帰った後のなのはの眼が、怖かった。
いや、彼女は戦果どうこうで自分を軽蔑したりはしないだろう。
けれど、それでも、怖かった。
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3009： ◆x0SRSoJXe.：2020/08/31(月) 21:20:54 ID:9KYN3ddk0

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3010： ◆x0SRSoJXe.：2020/08/31(月) 21:27:02 ID:9KYN3ddk0
〜Tips〜
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　　　　　　　　　　　,r '￣,-‐'´￣/i
　　　　　　　　 　　.l//'　　＼/￣ヽll
　　　　　　　　　 　 l'´　＿＿＿＿＿l
　　　　　　　　　　　レ二二二二二二-‐'フ
　　　　　　　　　　__l二二二二ヲく´￣¨i´
　　　　　　　　 ＜ニ_l/l,､/〉'〈/〉/〈　　/
　　　　　　　　　　　　 K〈/､　l/l　`_, l//＼
　　　　　　　　　　　∧lヽ∨l　l/l､〈' / i///＼　､
　　　　　　　　　　 //´ '､ヽ´　｀`'　/ //////l､　`‐-､_
　　　　　　＿,-‐'´//_/_/_i ヽー, '＜ 〉//､///l/｀`‐-､l
　　　　　/l/ニニl,-‐'´　/ ＼／/　 /l＼///////////l
　　　　/　ll　　/／,　　　　 l　 /　 /､l　　＼/､'ヽ　　l//l
　　　　l　l l　　 ＼; ;　　　　＼　／　〉, i　　 ／｀'__///〈,
　　　　lヽヽl　　i　i＼;;　　　　,`'　　　l　l,-‐'´l　 l//'　´,入
　　　 .,iヽレl　　',-‐､_＼､　／ .,‐､,-‐＜　 l＿__」/　///　l
　　　〈ヽ＼「L/　　｀､￣.∨　 人_ ∨ ＝´￣　///l_,-‐'´,-'´l､
　　 , ｀ ￣ヽ､l　､ ＼　 ./,-‐'´､=く/ ＼'　　//////＞／￣〈
　 ,r' ,-､‐-､二､l/,-‐'､,-'`7,､¨`＜l,´//l--く/////＝二＝､ヽ､
. /,-‐'｀`‐-´/￣　//7/＿i‐- 　＿｀`‐､_ヽ｀‐ ∨,､〉ヽヽ､_ ,､∧,
l/／　 i　 /　　　 l/､ ,r'l二l`‐　 ,_､｀`‐､‐'/ i´i　l　;　 ; ヽ,' ヽ､l l
'､　／/i　 l､_,､l､　l`‐-Kヽ＿`　二二,///　ヽ〈 l　 ;　;　ヽ　／ i
｀‐-/　､　‐､l￣　 ､冫//////｀`‐'///／〈,､　l‐く　　,､　,´｀ ／
　　｀`‐-､〈_入､＿_,-‐'///////､/､,/､/////,//,､_/,-‐―'´
　　　　　　　　 l///////､/￣｀`‐-､//､//､///l
　　　　　　　　 .l///､/二/〉,-‐'〈｀`‐-/‐,＼l//l
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　　　　　　 /　レ'　///￣ヽ　/　　/　∨' l/l ＼/＼
【Name】
ロールシャッハ
【Status】
AMS適性：C
ネクストに問題なく搭乗できる。

戦闘技術：A
ネクスト操縦技術。
関節技にヘッドバットとやりたい放題。

【Note】
ランク20の謎多き男。
ブライドルランクが実力を反映していない稀有な一例。
独立傭兵だが、仕事を請け負うということは少なく、専ら自己判断で動く。

極端な右翼主義者で企業も大嫌い。女嫌い。風呂嫌い。洗濯嫌い。

臭い。

かつてはSIのノーマル部隊に身を置いていた。
他のコロニーに住む友人やその家族がテロリストの脅威に晒された時、
私用でノーマルを持ち出すこともできず、指をくわえて見ていた過去を持つ。
それ以来社会や秩序は人を守らないと企業を見限り、
AMS適性を見いだされネクストを与えられた途端に脱走したという。

【new】
ネクスト戦においては実は無敗。というのも、勝てる相手勝てない相手をしっかり見極めて襲っているから。
勝てない相手に勝算なく挑むことはせず、周到に用意したり、勝てる状況と見込んでから襲い掛かる。そういった判断力に長けている。

企業連からは厄介者として認識されていたものの、ランク以上に戦力評価は高い。
一周目の第二次ネクスト戦役開戦前においても、水面下で勧誘や鹵獲の検討など、企業たちにもなんとか彼を戦力に加えようとする動きがあった。

一周目における彼の死因は潜伏していた狙撃機ネクスト国崩の存在を察知できなかったため。

3011：安価のやる夫だお：2020/08/31(月) 21:29:49 ID:9Tki4.XY0
強い、でも臭いｗ

3012： ◆x0SRSoJXe.：2020/08/31(月) 21:41:47 ID:9KYN3ddk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　´￣￣￣｀　、
　　　　　　　　　　　　　　　 　／　　　　 　 　 ／:::::ヽ. ／＼
　　　　　　　　　　　　　 　 ／＞＜　　　　 　 ｀ ＜::::/::::::::::::＞ 、
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /.:´:::::／ ＞= ﾆ二_三＞､ {:::/ ￣∨::∧
　　　　　　　　　　　　 　 {:::::::::/ ∠斗＜广,.へ. .ヽ. .l:/. : : : :∨::∧
　　　　 　 　 　 　 　 　 八:::::/ / /-ﾉ- /　ィ ﾋﾊ: .}.:./. : : : : : :ｉ::::::ﾉ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＞イ ,ﾍｨfち.′　　　 li/ ,i: : : : : : : :レ
　　　　　　　 {　　　　　　　 ／// ﾍ. /　　,　　　ﾙｲ:l: : : : : : : :l
　　　　　　 　ヽ　 　　ｰ=≠ イ/./ ／､　 　r-　 /厶l: : : : : : : :l
　　　　 　 　 　 ｀ ー=≦ ｰ=彡'′ /. .＞‐-r. 彡:::::::!: : : : : : : !
.　　　　　｀ ー=＝≦. . . . . ./|. . . . . ./!ハ__圦:::::::::::j＼ ＿ ／l
.　　　　　　 ／.. . . . . . . .／.人. ./. . | Lノo ヽ}:::::／| 　 　 　 八
. 　 　 　 ／⌒'ー==≠彡／　ﾉ厶斗＜_　ヘ.,j∠:::l |､ 　　　/
.　　　　/　　 　　／　 ／.　 ´　 ／.::::/ .:::::/米 /:::l |ﾊ　　 /
.　　 　 {　　 　 / .　　´　　　 ／. ::::::/.::::::::ヽ イ::::: !:|:∧　/
.　　 　 ヽ　, 　 ´　　 　 　 ／.::::::::::::′::::::::::::::::::::::::l l :::.∨
.　 　 　 ／　　　　　　　 ,/.::::::::::::::∧ ::::::::::::::::::::::::::!:l::::::::!
　 　 　 |　 　 ヽ,_　　 ´　{:::::::::::::::/　∨:::::::::::::::::::::::l l::::::∧
　　　　 l　　　　|　　　　 ヽ::::::::::/ ´　∨ ::::::::::::::::::::!:l ::::l　i
　　　　　.　　　 |　 　 　 ノ::::::::/　　　 ∨:::::::::::::::::::j !＿l　|
　　　　　}―仁ﾌ ヽ二ﾄ. ｀ ＜/　　 　 　 ￣￣￣ /厶 '′|
　　r　 ´,ﾚ ´_r ､○r‐升=／7―-　　 _　　　　　/7l 　 　 |
　　l＞　 ｨf´＿ .二. _ ﾉ./　/　　 　 　 　 ＞ ､|｀'く |　 　 ﾉ
　　| ＜　　　　 , rくヽ ,つ./　　　　　　　　 　 ﾊ／ |　 ／
　　 ￣￣￣ヽfヽヽ.ヽ} し′　　　　 　 　 　 / /　｀l／
.　　　　　　 ／ヽ）. ｀＾　　 　 　 　 　 　 　 / / 　 ｜
. 　 　 　 ／　　／　　/　　　　　　　　　　 し′　 ∧

【Name】
アリサ・イリーニチナ・アミエーラ
【Status】
AMS適性：A
極めて高い適性の持ち主。
高負荷の機体であろうと問題なく搭乗できる。

戦闘技術：B
ネクスト操縦技術。
若年ながらもランクに相応しい経験を積んでいる。

【Note】
18歳女性。
アヴィアコル所属の若き女性リンクス。ブライドルランク3。

色素の薄い金髪に淡い碧眼という出で立ち。
ロシア系の美女ということもあり、ネクスト・ラズルシェニェの存在感と相まって、高飛車な言動とは裏腹に企業内では彼女を神聖視する声もある。

高いプライドとそれに比例する実力の持ち主。
コロニーへの被害を避けるといった一面もある他、冷淡な言動から僚機から煙たがられることもあるものの、誤射率もゼロ。
頭の回転も速く、即興で作戦を立てることもしばしば。僚機は嫌な思いをしつつも何だかんだで助けられるので、あまり悪くは言えなくなるらしい。

【new】
トップランカーの中で出撃率は随一に高いものの、ミッションの秘匿性も高い謎に包まれたリンクス。
所属する企業の関係からか、因縁あるノルドルム所属、なおかつ元ランク3のアルトリア・ペンドラゴンとは少々気まずいようだ。（アルトリアは意に介していない）
一周目の第二次ネクスト戦役においてはアルトリア・ペンドラゴンと並んで最高戦力として数えられており、最後まで生き残った。

（一周目ヒロイン）

3013： ◆x0SRSoJXe.：2020/08/31(月) 21:46:10 ID:9KYN3ddk0
　　　　　　　　 .| |　|　　　　　.| .|　|　　　　　／　　 ',
　　　　　　　　　| |__|　　, -― | .|　|￣￣￣ヽ、 ,ﾍ　',
　　　　　　　　　.|　 ﾞ!／　　　　! ゞ､i￣ヽ--、 ＼　l　',
　　　　　　　　　 |,イ　　　　　　〉　 .!.!　　　　ヽ、＼i　',
　　　　　　　　／　　　　　　　／ト、.!.!ー―､　　ー､＼',
　　　　　　　/　　　　　　　　/　 ,!､〉.イ二二二ヽ　 ヽ .ヽ
　　　　　　 /／,.,.,,,　i 　 ＿ソヽ' /　|　　;;;;;;;;;;;　 ＼　ヽ, ヽ
　　　　 　 ,!　　""ﾞ　/￣_ノi　　i".　 !--、＿＿＿＿ヽ　i　ヽ
　　　　　/　　　　／/￣!.＞'"i .|　/￣ヽー――‐､／、 ヽ、 ∨
　 　 　 /　　 , イ　,ﾞ＞イ__,,イヽ| /　　/　C,,,, -‐ｲ　　 ヽ　 ヽ ∨
　　　 /　 ／,,＞イ.!／￣/　.ﾞ/"ヽ,＿/ﾞi'""　　　　　　　 |　　 ! ∨
　　　!＞イ"　　　　ヽ、　!､_/　　, イ　　!、　　　　　　　　|　　 |　∨
　　　　　　　 　 　 　　ヽ／ , イヽT|　　　 ヽ　　　　　　　 |　　|　 .∨
　　　　　__, -ー――‐| , イ　〉 /| |.!、　　、　　　　　　　　|　　ヽ、
　　 ＞,"-ー‐ﾞ二二＞|　　　,!ｲ　| !､ ￣i　i　　　　_　　　　|　 ＿ ヽ
　　／　 ／￣,, イ"　 |　　 i" .|　 |　|　　|　!、　　　ﾞi　　　 ／ 　 ￣
AA：ZOE　アヌビス
【Name】
ラズルシェニェ
【Type】
軽量逆関節
【Architect】
リコア・ハーディマン
【Status】
火力：A　機動力：A　耐久力：B　持続力：B　負荷：E
【Note】
暗褐色の軽量逆関節ネクスト。アヴィアコルの旗頭。
モチーフはエジプトの冥界神とも言われており、翼を携えたジャッカルとでも言うべきフォルムが象徴性を顕著にしている。

武装は新型ハイレーザーライフルのみ。ただし、内部機構が豊富。
ブースターは独自技術により高い瞬間出力を誇り、音速を超え、瞬間移動と見紛う機動力を実現している。

逆関節機の特徴として高い跳躍力を持ち、EN効率にも優れることから空中戦に特化している。
逆に地上戦での旋回性能や安定性は低いことから、陸での戦いは不得手。
超高速の三次元戦闘が本領。クイックブースト出力は凄まじいが通常推力は低く、突発的な機動が特徴。

撃破率が極めて高く、当機と戦闘後に生き残った者が極端に少ないため、公開情報が少ない。

3014： ◆x0SRSoJXe.：2020/08/31(月) 21:46:58 ID:9KYN3ddk0

　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　＿_⌒＞:.ミー‐､　＿＿
　　　 　 　 　 ⌒＞―:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:....、　 ＿
　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.く⌒:.:.:.ミ ､
　 　 　 　 ／:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　/／/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ
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　　 　 　 ,:.:/:.:.:.:.:j:.:.|:-|‐十十ト |/　　 |十|十‐|-､:|:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
　　 　 　 |ｲ:.:./:.:.:|:.:.|:.ﾊ|　V 八　 　 　 |ﾊﾉ 八ﾊﾉ:.|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　|:.:.ｌ|:.:.:ﾊ:.:.:.-r竓芹坏　　 　 竓芹抃-|ﾉ:./.:.:j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　「なのはさん……やる夫は……」
　　　　　　|:.:.||:.:.:| |:.:.:[　 辷ｚリ　　　 　_辷ｚツ　/:/:./:ﾘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　　　　ヽ八:. | |:.:.八　 　 　 　 ,　　　　　　 /:/:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　　　　今は、生きて帰ってこれたことを喜びなさい。
　　　　　　　　 ヽ|八:.:.:.ゝ 　 　 　 ｀　　 　 　 /ノ:./:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　　　　 ＿　　 　　＼:.:ト　　 　 ｰ一 　 　 ／:.:/イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　私自身、驚いてるんだから。君はツイてるよ。
　　　　 /ニﾆ=-　__　　V＼:＞　　 　 　 イ /:.:./　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　 　,ｲニ7　 ｰ=ニﾆ=　厂/ ￣ ７‐≦zノ/:.:./　　.| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　　／}}:ﾆ7　 ＼　　 辷7　〈　　 /天ヽ　 /:ノ 　 　 | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 ′ﾉ'ﾆ7　　　〉　 　 /　　 ヽ／/Ｙ]　∨　〕ﾆ､ 　 .| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |
　 ﾚノﾆ7　 　 ∧　　　＼　.／| 〈_//　/　　|-ニニミx__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　 /ニ7 　 　 /∧　　　 ／.　 |―-.、∧＿_|　　-ニニニヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:|
. /ﾆフ　　　 /::::::::.　 　 ＼ 　 |ニニ/　 ＼　　　　 　／ﾆ=i:.:.:.:.:.:.:.: |
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ベッド脇のパイプ椅子に静かに座ったなのはの表情からは、怒りは感じられなかった。
伏し目がちに自分を見下ろし、「とにかくよかった」と呟く。
その様子は、怒っているというより、どこか申し訳なさそうだった。

それが逆に、辛かった。

「あのレベルのネクストの相手は、まだきつかったね。
今度からは協働相手を見つけてから任務に当たろう」

「でも」

「背伸びしたって痛い目見るだけだよ。ましてや戦場では死に直結する。
死にたくなければ、分相応の戦いをすること」

布団の下で握り拳を作る。
メディカルルームで一日安静を言い渡されたこの身体は、
至る所が包帯やガーゼが貼り付けられ、点滴に繋がれていた。
全身打撲と擦り傷、歯も三本折れていた。

帰投途中、ラズルシェニェに運ばれている時、意識を失ったらしい。
気付いた時にはベッドに寝かされており、処置も済んでいた。
折れた歯も綺麗に修復されていて、つるつるの歯の感触が舌から伝わってきた。
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3015： ◆x0SRSoJXe.：2020/08/31(月) 21:47:09 ID:9KYN3ddk0

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.　　　 　 　 　 　 | |／二二二二＼＝＝＝＝＝=| |
　　　　　　　　　 |/ （;;○） ＼＼＼＼.　　　　　　 | |
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　　　　　 　 _rーー‐‐- ､_ ;;#;/　/　//￣ヽ＿＿_.| |
　　　　 __ノ￣￣￣￣｀ ヽ__`-ー´⌒ヽ＿ノ 　 .／| |　　　　　　「ありません。ちゃんと休みなさい」
　　／￣　　　　　ヽ_　_　　ーー　ヽ__　ヽ、...／　 | |
　ノ　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 ｀ヽ／| 　／| |　　　　　　 けど……やる夫は……
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:.:.:.:.:!:.: ',:.i:.:.:.:! 　 |　　　 | ＿　.|　　　　＿ヽ 　 .ヽ　　ﾏ:.::.:.///:.:.:.:.:.:.:.:.: |
:.:.:.:.:.',:.:.:.',ヽ : ', ヽ,,,____,,,,,,=＝　　 　 　＝=,,,___,,__ ｲ. //:.:///:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　　　今度、もっと実践的な訓練をしようね。
:.:.:.:.:| ',:.:.:.:トヽ:.',　￣´´´´　　　　　　　　　｀```￣ 〃//ﾚ〃:.:.:.:.:.::.::.:.: : |
:.:.:.:.:|　ヽ:.|:.:..:.＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／／: !:.:.:.:.:.:.::.:.:.: : |　　　　　 私も色んな機体でシミュレーション相手になる。
:.:.:.:.:| 　 ヽ:.: : ﾊ　　　　　　　　　 ｉ 　 　 　 　 　 ／/:. !:.:. : |:.:.::.::.:.::.:.:.:.:.:.|
、: : |　 　 !.:.:.:.:ｉﾍ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:. /|:.:.:.: |:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　　　　　君には次のネクスト戦で勝てるようなってもらうよ。
. ＼:| 　 　ヽ:.:.:.:! .＼　　　　　 ― ―　　 　　 イ/:.: / |:.:..:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　 |　　 　 .＼ :.ヽ、. ヽ　　　　 　　　 　 イ 　./::. / ｜:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　
　　　　　　　　　＼ ヽ ./|　＞.、 　 , ＜　|, 　./:.:./.　｜:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　 　 ヾ≠＼.　 　｀´　 　／.ｉ､/:／ . 　 |:.::.:. |:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　 　 　 　 　 　 ,､r´　.|　 　 ヽ 、_　- ´　　.|/　ヽ . 　 !:.:. : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　 　 ,､r:´/　 　 .|　　　 /、　,ヽ　　　.|　　∧｀ヽ.|:.:.:.: |:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　 ,､r::´:::::::::/.　　 　 |　　 /ゝ‐‐./ ｉ　　 .|　 　 ∧:::::｀ヽ:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|

3016： ◆x0SRSoJXe.：2020/08/31(月) 21:47:32 ID:9KYN3ddk0

　　　　　　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.‘，:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　 　 ／:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:.:∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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　　　　/:.:〃:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.＼:.:.:.:.＼:.:.:.:＼:.:.ヽ:.i:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 /:.//:.:/:.:.:./:./:.:l:.:. l:.:.|‘，:.:.:.ヽ- ―ヽ―:丶:.:}:.l:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　 　 //　{:.:.′:/:.:.{: : |: : |:. |　ヽ:.:.:.:.:＼_廴_＼:.:.:.＼/}:r ､:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　 /　　i:.:.i:.:.:.i:.:. i:. : |:.:.:|-‐　　＼:.:.〃圦::::寸ヽ:.:.:.}/:}　 ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　でも、次の任務も用意しとく。一気に全部できなくてもいいの。
　　 　 　 |:.:|:.:.:.|:.:.|:.:.:.:.／| |:.| 　 　 ヽ:.:.:に::::::ら ′〃:.l } 　}:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　 |: |{:.:. l:.:.:l:.:.: {ヽ,圷心　　　 ￣ 辷Zノ　 /l:.:.: | 　/:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　一つずつ、できることを増やしていければ。
　　　　　 Ⅵ‘， !:. ヽ:.:.ヽ{ ∨ら　　　　　　 　 　 　 |:. : |￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　ヽヽ:.:.:ヽ∧｀乂シ　 、　　　　　　　　|:. : ||:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　 大丈夫、君なら倒せるようになれるよ。
　　　　　　　　　＼＼:.ゝ＼　 　 　 __　 ´　　　　　｜ : ||:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　ﾄ､{:.lヽ　 　 　 　 　 　 　 ／　! : /|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　　 私だって本職の教官だったんだから、見る目はあるつもり。
　　　　　　　　　　　　|:.:.: |　 ＞　　 　 　 　 ／　　 l:./. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　r ､ |:.:.: |　　　 　 　 r-＜　　---/＼ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　　（とりあえず、自信をちょっと回復してもらった方がいいかな。
　　　　　 r 二￣　　 ｀ヽ､|　　　　　/ヽ‐r ￣　　 ／　　 7--　＿:.:.:.
　　　 ／　､　　｀ヽ￣ヽ___/　,､r´ ／/ﾆﾆ∨ ／　　　　　i＼::::::::::::::｀ヽ　　　　　　　このまま抑え込んでも、逆に変な事しそうだし。
　　／　　 ヽ ゝ､　　｀ヽ､／　 ／／ ／l .／　　　　　　　l　　＼:::::::===:ヽ
.／　　　　＼ ヽ／ ===-┘/∠／ / ／　 ＼　 ＿ 　￣　 　／ ヽ::::::::::::　　　　　　　難度の低い案件を後で探してみよう）
　　　　ヽ　　} /　／　　 ／::::::::::::.／　　　　　　＞ 　 　 　 /　　/::::::::::::::
　　　　{____ノ┘ / {　　 ｌ::::::::::: ／　　　 ＞ ￣　　　　　　〃 　 /::::::::::::::::
　　　　 /　　__ノ　 i　　 l::::::／　 ＞ ´　=======　　　 /　　　/:::::::::::::::::
　　　／7 7　　　　 l　　l::/ ／　　　　　　　　　　 }　 ／　　　/::::::::::::::::::::





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　 ,. -‐-､　　　　　　　　　　　　　／:/⌒
　　　.. ／: : : : : :ヽ　　 . . .-――-. . ､　l: :/-‐: ￣￣｀ヽ
　　.／: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : ｀ヽ: : :-＝＝ﾆ￣｀＼
　　i: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_: :＼
　　|: : : : : : : : /: : : : : : :＼: : : : : : : : : : : : : :i: : : : :＼ヽ: ヽ
　　| : : : : : : : !:{:{: : : : : : : : :＼: : : : : : : : : : :l: : :l: : ヽ:ヽ ヽl
　　| : : : : : : : l: l lヽ: : : : : : : : : :＼: : : : : : : l: : : l: : : i: :l　 }
　　|: : : : : : : : l: l:l: :＼: : : : : : : : : : : : : : : :/'´}: :l:/: : l: :l　　　　　　（筋は悪くないはず……倒せはしなくても生き残ってるのが証拠。
　　|: : : : : : : : ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : : : r‐/〉': // : : ﾊ: l
　　|: : : :l: : : : : :|ヽ: : : : : : : : : : : : : : ／{ l .l'ｲl /|: : / .}/　　　　　　　マーシフルも本来はネクスト戦に強い機体。
　　|: : :/ : : : : : l　_ヽ: :⊥: _: : : : : ／　　〈ｲ: l/' l:／
　　|: :/: : : : : : /./'⌒l´　　　｀ー ´　　　　.l: :l　 '　　　　　　　　　　　　基礎も十分。あとは実戦経験をしっかり積めば、
　　|:/: : : : : : /　r-'＝＝＝=_-､ /　　 ／l: ,ﾘ
　　|': : : : : : :/ ./＿＿＿　　　 ｀､ｭ_／　 l:/　　　　　　　　　　　　　　　あのランク1に届かせるのも、決して無理ではないはず）
　 /: : : : : : :/'´:::::::::::::::::::::￣:::::::ー`-...　/'
　i: : : : : : : :l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::.....､
　l: : : : : : : l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::⌒i
　!: : : : : : :l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::r=､
. l: : : : : : :l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::{{　 ヽ
. |: : : : : : l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::ヾ､ /





.　　　 　 　 　 　 __　　＿＿＿__　　　　　 　　　　 __
.　　　 　 　 　 　 | |／二二二二＼＝＝＝＝＝=| |
　　　　　　　　　 |/ （;;○） ＼＼＼＼.　　　　　　 | |
.　　　　 　 　 　 /￣|（__人__）二二二ヽ.　　 　 　 | |　　　　……。
　　　　　 　 _rーー‐‐- ､_ ;;#;/　/　//￣ヽ＿＿_.| |
　　　　 __ノ￣￣￣￣｀ ヽ__`-ー´⌒ヽ＿ノ 　 .／| |
　　／￣　　　　　ヽ_　_　　ーー　ヽ__　ヽ、...／　 | |
　ノ　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 ｀ヽ／| 　／| |
/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)　|／ 　|_|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 　|／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
負けた。
それだけではない。何もできなかった。
自分はあのヒステリックベインに一撃も当てることができず、
マーシフルをスクラップにされた挙句、ラズルシェニェに助けられた。

自分は負けるためにリンクスになったわけではない。
歯噛みしすぎたのか、また血の味が口の中に広がりつつあった。

やらなければ。戦わなければ。
リンクスになった甲斐がない。

今、生きている甲斐がない。

それだけが、全てだ。
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3017： ◆x0SRSoJXe.：2020/08/31(月) 21:48:00 ID:9KYN3ddk0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3018： ◆x0SRSoJXe.：2020/08/31(月) 21:55:23 ID:9KYN3ddk0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',　　　　　　　　今回はここまでだ。いやね、やる夫君も弱いわけじゃないんだが二週目は相手が悪い。
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　一週目でネクスト二機撃破＆マーシフル大破まで持っていったロールシャッハさんだからね。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　アルトリアと協働した場合は途中でマーシフルが撃墜されて、
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　アルトリアが単独で撃退することなった。今回のアリサとの遭遇は隠しイベント的なものだ。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　あの子も結構なレアキャラだからね。
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　. . .-─‐-. ミ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : ｀: ..
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 }Ο : : : ◯: : : :,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : :i　　　　　　　やる夫君も一周目では無人機相手だったりランクマッチで勝ったりして
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 { -===- ､: : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉: : : : : : : : : :ノ　　　　　　　 自信をつけていったが、二週目では出てくる相手が悪くて追い詰められてるね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i: :｀ﾆﾆﾆ´: : : : ‘,
　　　　　　　　　　　　 　 　　__/ : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　頑張れやる夫君、一人前のリンクスになってはやてにラブハートだ。
　　　　　　＿__　 　 　 　 ／.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
　　　　　/ :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |　　　　　　　次回は来週の月曜日、9/7午後八時からとしよう。
　　　 　.′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/　| : : ‘,
.　　　　‘::::::::::::::ﾉ: : : : : :ﾊ ＼{／: : : :／⌒ﾞヽ : : :‘　　　　　　　シーユーアゲイン。
. 　 　 　 ゝ-=彡-──＜¨¨ﾟ‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :′:::::::::::/______」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋:::::: ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀¨´

3019：安価のやる夫だお：2020/08/31(月) 21:56:47 ID:gLqy0H0o0
乙でした

3020：安価のやる夫だお：2020/08/31(月) 22:14:40 ID:9Tki4.XY0
乙ー

3021：安価のやる夫だお：2020/08/31(月) 22:25:33 ID:..Sx2TkQ0
乙
どちらにしろ墜ちるのは確定事項じゃったか

3022：安価のやる夫だお：2020/08/31(月) 23:11:33 ID:Rs6MFcVk0
乙

3023：安価のやる夫だお：2020/08/31(月) 23:48:29 ID:6pdTqgys0
乙でした

3024： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 20:00:30 ID:gObNmhhw0

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿　　　　　　　
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||





　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´　　　　　　　今日は大変だったね。モコイさんもコンビニに行こうとしたら通り雨喰らって撤退したよ。
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐　　　　　　　天候も信用できないから洗濯物も干せやしないしさ。
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　　　　　　　　　　 ｱｲｶﾂ
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿　　　　　　台風に向かってACするしかないね。
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ　　　　　　　
　　　　　　￣￣￣　￣

3025：安価のやる夫だお：2020/09/07(月) 20:04:13 ID:ld0pjMiM0
ハロー

3026： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 20:04:54 ID:gObNmhhw0

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ノ　　 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 f,. '"⌒Y　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　∨ 　 　 　 　 　 　 　 ハ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　r ‐イ ､　　　 　　ゝ､＿＿＿,　￣ ゞ、 　 ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:::::::j:＼ヽ、　　　　　　　　　￣ ｀Y　 　 　 {
　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:::::::/r-‐､ヾ,　　　　　　　　　　　　{{　　　　/
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈:::::::/:::':､_ﾟ:」:j:＞ ､　　　　　　　　 　 7　 　 /
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀メ、::::::::::r‐ｧ::::::｀:＼,＿_　　 　 　 /　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　 ＿l　 ｀ー'／ j:::::::::ｰ-=:､＼｀丶、　ｆ'　　　/
　　　　　　　　　 　 　 　 ／::::::|　 　 '´　 {::::::::::::＼ﾟ: :＼Y＞xく, -- ｧ/
　　　　　　 　 　 　 　 ／:::::::::::ﾊ　ﾄ､ ､　　＼:::::::::::::.￣.:/::r‐ﾃイ 〃,´　　　　　　――ミッションの概要を説明いたします。
　　　　　　　　　　　　i:::::::::::::::::::l　＼＼　　　＼:::::::::::ノ／ ノ ノ／ノ
　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::j　＼｀ヽ≧ｧ　　 ￣￣r-‐ｧ─{／
　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::/'､　　｀　 　 　 　 　 ∠ ノ::::イﾊﾄ､
　　　 　 　 　 　 　 　 Y::::::::::::l: : ::〉‐ r　＜￣￣￣::::::／／: ﾉ:ﾍ、
　　 　 　 　 　 　 　 　 }::::::::::::|／f ,-ｆ ー──── ´／: : :/:::::ﾊ
　　 　 　 　 　 　 　 　 l:::::ト､/: //::::ﾊ　　　　　　　／: : : :/:::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　 　 /::::::| : : /7::::::::::l　　　　,. . :´: : : : :/:::::::::::::::∧
　　　　　　　 　 　 　 l::::::::| : /　〉-r ´|　　 イ : : : : : : : /::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　 　 　 　 |::::::/ /／::::/ 　 }／: /: : : : : : : :/:::::::::::::::::::::::::::':.、
　　　　　　　　　　 　 V:::l 〃::::::::j　 ／: : /: : : : : : : :/:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　 V:| |::::::::::/／: : : : :￣￣￣｀く:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
　　　　　 　 　 　 　 　 |::| |:::::::/´: : : : : : : : : : : : : : : ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　 　 　 　 　 　 |::| |::／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::/

3027： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 20:12:14 ID:gObNmhhw0

　　　　　　　　　　　　　　　 ,..　‐　'　　　　　　　　　　 ｀ 　 ､
　　　　　　　　　　　　　, ィ"　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ` ､
　　 　 　 　 　 　 　 ／//　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
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　　　　　 　 　 i///´ ｀　､//, ,　　　,. ,, '／"　 　 　 　 　 ヽ,.,　　　　　ヽ
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　　　　　 　 　 l/!　　　　　　　 ｀ ´　　　　　　　　　　　　 　 }/,.　　　 　 !
　　　　　　　　 l'!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 {///,.　　 　 l
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　 　 　 　 　 {.!,..　..._　　　　　　　　　　　,.． ''"´　　 ｀　　　　!'//／ , , /!
　　　　 　 　 ;--―‐｀'''''''''￢､　　／￣￣￣￣￣￣~" ''''''┬-./ .／　,' ｌ
　　　　　　　ｌ:.l:.!.:.:.:＿__:.:.:.:.:.:.:`:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＿,,;-:.:.:.:.:.:./　!'　'´｀　! ,!　　　　　　依頼主はIGIO。
　　　　　　　l:.:!:.l:.:.:.　　 ｀ゝ;.:.:.;-､:.:.:.:.:.:.:．_''"´‘’_/:.:.:.:.:.:./ 　 　'::::::　.!l
　 　 　 　 　 l:..!:.l:.:.:.ー‐:.:.´:.:.:!i　 i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣:.:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　）::: ,' l!　　　　　　　今回は、まあ、言ってしまえばトラブル処理です。
　　　　　　 　ﾞ:.:.､!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!,' 　 ﾞ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　(;::::ノ /!
　　　　　　　　ヽ !:.:.:.:.:.:.:.:.:.: '/　　　`ｰ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　'" 　 　 　 ' 　, ｲ',!　　　　　　　　新型兵器の開発施設が反体制テロリストに強襲されまして。
　　　　　　　　　　、　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌イ///
　　　　　　　　　　　､　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　l///　　　　　　　　　 あなたには、その鎮圧にあたっていただきます。
　　　　　　　　　　　 丶　 ｰ--――--　 .....＿_,　　　　　　 , '　.!//
　　　　　　　　　　　　　＼　　　 -―-　　　　　　　　　　／　　 !'/　　　　　　　　　　　　
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　 　 　 　 　,∠．-‐＝'"l
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ　　　　　 　 　 　 ／ニニニニ二l
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｉ ､　　　 　 　 ／二二二二二二∟
　　　　　　　　　 　 　 　 ,.. '"　lニ丶. ＿. ＜ニニニニ＞‐''"´　　|｀ヽ





　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　 　 ＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l 　 , -‐ '´￣ ヽ　　　 　 　 ､ ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 Y´　　　　　　　〉　　　　 ｀ヽ ヽi
　　　　　　　　　　　　　　　　/　,　-―　 　 〈　　　　　　 ヽ　|
　　　　　　　　　　　　　　　r Y:￣ﾄ､「￣｀ヽ__ヽ＿r‐- ､ 　 ヽl
　　　　　　　　　　　　　 　 |　|.:.:.:.ﾚj|:.:.:.r‐'´￣　V ｲ个|　　 ,'
　　　　　　　　 　 r‐､　　　 Vヽ:.:.:.:.:|:.:./　　　 　 　 lノ/　　〈　　　　　　敵戦力のノーマル機たちは、どうやら素人ではないようです。
　　　　__　　　 　 |　 l　 　 く　 ｀ ｰ┴'　　　　　　仁ソ 　 　 i
　 　 〈　 ＼ｰ-､　ｌ　 |　 　 └=＝テ‐ァ‐ヽ　　　「　 ＞‐-､〈ﾄ､　　　　　こちらの防衛戦力も苦戦を強いられています。
　　 　_ゝ､　＼‐ヽﾄ　 ヽ　　　　r┴ィ´　　　 　 ノ ／ 　 ／ﾍヘ＼
- ‐ ﾆt‐''´＼ ﾉ　ｿ　　 |　　 　 |￣　　　. -‐'´ ／ 　 ／　　 〉::::ﾄ､＼　　
￣　　 ヽ、　 ｀ヽ、 　 /　　　　 `ー‐イ　　 ／ 　 ／　　 ／:::::::::::
　　　　〈} ＼　　 }　 lr'　　　　　　, ｲ7|　／ 　 ／　　 ／:::::::::::::::::
　　　　/L＼｀ー' フｲ　　 　 , イ　/ﾄ-彳　 ／　　 ／:::::::::::::::::::::::
　　　 /::::::ヽ｀ー‐ヲ厂￣￣ ／　/ l::::::| ／　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::
　　／::::::::::::｀ ーｲ/::::::::::::／　　/　{::::/　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::

3028： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 20:14:07 ID:gObNmhhw0

　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /ﾍ　｢lﾍ　　　　　　　 　 　 ,ｨ7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　|_ '∧〉　　　　 　 　 　 ､∨
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　|]　'∧〉　　　　　　　 丶/
.　　　　 　 　 　 　 〈ﾍ　　　／∥　　|i|.　'∧〉 　 　 　 　 ､`./
.　　　　　　 　 　 　 〈ﾍ　／ _∥　　 | |.　 '∧〉　　　　　､　/　　　 　＿_
　 　 　 　 　 　 　 　 〈ﾍ ￣ ∥　 　 | |　　|ｰ|l〉　　　 ､` ./　-‐　￣〉_ノ
　　　 　 　 　 　 　 　 〈ﾍ. 　ﾑｲ　　 l}/ 　 |'/|/〉=‐　￣　　_ -=ﾆ￣
　　　 　 　 r―――'ﾆ≧ｭ_.｣　　　/∧ 　 |'/||l∧-=ﾆ〈／/ /
　　　　　　 ￣∧｀ヽ tｰ:ｭ　rl!　　/辷=‐ _.|'/||　|〉_＿＿/／
　　　　 　 　 ,′l 　L＿＿//　　|r-　_　　|//＼!∧ｰi､　}
　　 　 　 　 ∧　Ⅵ┤.:l: .} ﾉ! 　 |..:::::ノ:.￣ﾑ'/////!　ｌ`r{
　　 　 　 　 |　l 　ｌ| lﾚ匕!/ |　　|＜廴:.__ノ　V///∧　!ヽ)
　　 　 　 　 |　l 　ｌ|: .{(_){{　| 　｣!L√∠＞ ´ ∨///｢|　　'，
　　 　 　 　 |　l 　ｌ|: .l: .ﾚ' /L./| 　厂ﾚ′´ 　 ∨//,|.||l　　'，　　　　　　　「僚機としてカタストロフィ……アリー・アル・サーシェスとの
　　 　 　 　 |　l 　ｌ}: .l_'/ /　/:i} 　| /　 /　　 　|///ｌ｣∧ 　l|
　　　　　 　 l　l γﾍﾉ/ /／:i:/ 　,l〈.　〈　　　__ Vﾝ///｢| 　l|　　　　　　　　協働ミッションとなります。不測の事態に備えた後備え、
　　　　　　　∨､r≦'/ /:i:i:i:ノ___/」V´ 丶　　ｌﾍ. ＼ //ｌ｣ 　 |
　　 　 _,.､r≦ : . / / /:i:／∥∥ﾊ l|　 　!　　| ∧/ ＼'/∧　|　　　　　　　　ということで。あなたにはサーシェスの援護を頼みます」
　　　/ .: .: .: .: .:/ / /i:i/ 　{|__{|　ﾘ|　 　 | 　/ 　∧ 　 ∨∧ l}
　 　〈　.: .: .: .:./ / / Y　　/　/ﾍ/ |　 　 !　|　　l　 }､　 ∨∧ }!
.　　　`ｰ'＾￢/ / /イヽ、 l|ｰl|　ﾉ　!　 　l 　L＿j／　', ﾍ∨∧ |
.　　　 　 　 / / /匕r|j .r |__ﾙ∧　|　　 '　 　/_　　､-‐､l}∨∧l}、
　　　　 　 / / /　{{{{　/ / /　､ﾉ　∨ / 　 .∧ﾍ ,' 　 ヾ}l} ∨∧j}
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　　　　　　　　　　　 ﾏ‐-r'7　　　　　　　　 　 ゞゝ､__.ﾉL｀　.､ 　 〉<∧
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　　　　　　　　　　　　ｌ二l　　　 　 　 　 　 　 ∨ 　 /｀⌒Y　　 　＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 └‐┘

3029：安価のやる夫だお：2020/09/07(月) 20:16:06 ID:zAYJuzrw0
ひろし!

3030： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 20:17:39 ID:gObNmhhw0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r ﾆ_￣ ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/-z-t_-.　　ﾟ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〈／　:::::::)　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}'´..:'::::ｲ_,.　､{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ'ヽz≦ _　-ﾍ、　　　　　　　　……ええ、そうです。言ってしまえば火消しです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／}　／二二ﾆﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／／jｲ二二二二二Y　　　　　　　くれぐれも、ご内密にお願いしますよ。
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／／／二二二二二ニ7
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／／.イ二ﾆﾆ三i二二ﾆﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／=≦二二ニ三三|二二ﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　,.イ二二二二ﾆﾆ三三/二ﾆﾆ「
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／二二二二二二二ﾆ／}ニニﾆ|
　　　　　　　　　　　　 ／二二二二二ニニニ∠ イ二二=l
　 　 　 　 　 　 　 　 /二二二二二r===≦二二二ニニ／
　　　　　　　　　 　 /二二二ニﾆく. Ⅵニ二二二二斗 '
　 　 　 　 　 　 　 /≠}二二二ニﾆﾄ-V二７
　　　　　　　　　　　/ｲ二二二二二二ﾆ=7
　　　　　　　　　　 ,'三 ≧======ﾆﾆﾌ}=7
　　　　 　 　 　 　 i三三三三ニニ／. |/
　　　　 　 　 　 　 }三三三三ニ≠
　 　 　 　 　 　 　 |三三三三ﾆ/
　 　 　 　 　 　 　 |三三三三７
　 　 　 　 　 　 　 |三三三三i{

3031： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 20:18:16 ID:gObNmhhw0
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　　_＿__._ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └‐ｫ |UU　 `
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 くノ　　　　　＼ ,,_人､ノヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)ヽ　　　　（　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　)　　　　　て
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／^⌒`Y´^＼　　　　 ._ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＵＵ/7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 くノ
3032： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 20:19:55 ID:gObNmhhw0

┌───────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　　　IGIO軍事研究所防衛　依頼主：IGIO　 　 │
│　　　　反体制勢力を排除せよ　　　　　　　　　 │
│　　　　僚機：カタストロフィ　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
└───────────────────┘

3033： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 20:28:45 ID:Lp/QWtx60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /ニ７
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / _-=
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / _-ﾆ
　　　　 　 　 　 　 　 _＿＿　　　　　　　　/　-ニ 　 　 　 ／〉
―――‐=≦￣￣￣　　_　￣¨ﾆ=┐　　/　-ﾆﾆ 　 　 ∠／
＿＿＿＿＿__ -=ﾆﾆ= (_￣)`'＜ﾆl| ＼/　,‐ﾆﾆ 　 .／／
　　　　　　　l 　 ￣￣　ｌ ￣ｌ 　｀' `'＜/　/=ﾆﾆ　／／
￣￣￣￣￣￣￣￣`'弋__入＿_ 　｀/　/=ﾆﾆ／／
　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣＼/　/ﾆニｲ／　 　/７
､　　　　　　　　 　 　 _＿／　</７/∟/=ニ/´ 　 　 / /
. ＼ 　 　 _,.､-=77////_,､‐､、＼〈/ 　}ｌ-<⌒＼ 　 / /
　 　＼＜ //////_､＜⌒∟イ＼＼._/　　 ＼ﾏ､＼
　　　　＼´￣￣¨　 -=ﾆ_ヽ_ {l : .:＼＼ rヘ. ム_r-┘　　　　　　　　　　こちらカタストロフィ。リンクス、アリー・アル・サーシェスだ。
==＝＝彡　　 　 　 　 　 ｀`圦: : : .: :＼＼　＼ﾑ'ー‐―┐
＿＿　　　　　　　　 　 　 　 }∧: : .: : :γ ､＼┘ﾑ__＿／　　　　　　　　久しぶりだなァ坊主。よろしく頼むぜ。
　 　 ＼　　　 　 　 　 　 　 λ∧_:_: : :弋ノ入 ＼} ﾊ
　　 　/　　　　　　　　　　 /∧　＼ ＼くl:i:i:i:i|＼ 　.ﾊ
　　／　　 　 　 　 　 　 ノ //∧　　＼ 〉⌒V＿ ＼_/ 　 　 　 　 　 _＿
￣`'＜＿＿＿＿_｡s≦_/////∧　 　ﾏ､ー'’　￣￣辷＝＝＝＝ﾁ､r‐'ﾆヽ
￣￣￣￣￣￣￣￣ ,.ィ⌒> //∧　　 ﾏ}‐ミ_＿_　 　 ￣￣￣￣ヽｿ,ゝｰ､.》
　　　 　 　 　 　 　 イ 　／///＿,l|　 　从　l} 　 ￣`''ー-－―━┷‐一'ヾ
　　　　　　　 　イ　　／///／　　l| 　 ∥__ノ ￣￣〉二ﾆ=＝＝＝＝＝彡
　　　　 　 イ〈 　､ヽ｀ ￣￣　　　 .l| 　∥　　　　　/
　　　 イ 　｣＞'´　　　_＿＿ 　 　 l|　∥　　 　 ／
　イ 　＞ ´　 　 ､丶´　　 　 ｀ヽ　.l| ∥　 　 ／






　　 　 　 　　｜ V /　 ィ＿ノ: / : /. : . 　 /:　 . :{从ｨｿ.
　　　　　　　　Ｖ/ ,'　　廴＿ ィ　: l: : :　 . ｌ　. :／　　 ＼: . .
　　　　　　　　｛{　|　　　 .　. : : : : |: :　　: l : :/　　＿＿ Ｖ:　:
　　　　　 　 　 ｀　|　 . . :　. : : ｲ : | | : : : : ､_廴／≦　　 Ｖ:
　　　　　 　 ,　 　 | . : : :　: : : lﾉ∠l∧: | : /ｒ≦ｨ矛了 　 //　　　 :　　　.
　　　　　　 ｛､＿ノ /. : : : : : : l´ｒ弋仗 ゝ:|　　二￣　　 /ｲ:　　　. : 　 　 : .　　　　　　　今回は内容の割には報酬も美味い。
　　　　　　　ﾞー‐ ｲ: |: : : : : : :ゝ ￣　 ヽトゝ　　　　　　｛　V　　. : :　　　　:
　 　 　 　 　 　 　 l: :|ヽ : : : : : 三ｿｨ　 ′　　　　 　 　 　 ﾉ　　: : :　 :　　 :　　　　　　　　お互い、イイ感じに稼ごうぜ？
　　　　　　　　　　ゝ:{　 ＼: : : : 彡'　　 l　　　　　　　　　 ゝ　　 : : 　: . . : :
＼　　　　　　　　　 ｀＼　 ヽ: : : :ヽ　　 ヽ,,`,,, ; ; ;_,;z;; ;,　 ､）　: . :　　 : : : :
　 ｀ヽ￣￣￣｀　 ､　　　　 ﾉ: : : : : ＼ ､;;='''ﾞﾞ"~´　　　　∠ゝィ: :　　　: : : :
　　　　 :.　　　　　 ＼＿__{ : : : : : 厂∧　イ￣ヽ　　　／ヽ.／{: : : .　　: : : :
　　　　　::..　　　　　　＼　 ＼ｒｚく　 ｊ : ＼ｊ: : : : ＼／: : : : ｝　Ⅵ |: .　　: : :
　　　　　 :::i::..　　　　　　ヽ　 丶ヽヽ.V: : : : : : : : : : : : : : :/　／ヽlヽ　　: : :

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中南米エリア、緑が消えうせた荒野に位置するという軍事研究所を目指し、
深紅の機体と並走する。駆動系や出力系にも問題はない。

負傷も大して悪化することなく、翌日には不自由なく動けるようになった。
マーシフルもほぼ全壊したことから、予備パーツによる再建造に近い形となり、
結果的に一から修理するよりも時間はかからなかった。
費用は二倍近くかかってしまったが、その分早く復帰することができた。

さも上等な料理を前にして舌なめずりをするかのように、
サーシェスが低い笑い声をあげるのが聞こえてくる。

「よろしく頼むお。やる夫も、今回は失敗できない身だお」

「おお、リキ入ってるじゃねぇか。いいねぇ、若いのは血気盛んでなくちゃよ」

本当に感心しているのか、茶化すような反応だ。
態度はどうあれ、この男の実力は本物だ。十二分に頼るに値する。
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3034： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 20:41:47 ID:Lp/QWtx60

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│.　　　　ｉ＼:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:./:.:.:/:.:.: |:.:.:.|:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ｉ ヽ:.:',　　 　 │
│　 　 　 |:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.ｉ:.:./:.:.:.:. ｉ:.:.:,':.:.:.:..|:.:./|:. |:.:.|: |:.: |: : |　 ヽ:ｉ　　　..│
│　　　　 |:.:.:.:.:.＼:.:.|:.:/|:.:.|:.: |:.: ｉ:.;:‐7|‐二|メ|:.:|:.:|:.:.||:.:.|　　 ヽ　 　 .│
│.　　　　 、＼:.:.: ヽ|:/-|:. ! : |:.: |:.: /x 斥 |/ {:/|: !:.: ||:.:|　　　　　　 .│　　　　ミッション開始。敵勢力を殲滅して。
│　　　　　ゝ:.:.＼:.:. |{´｀ｌ:.:|:.:.:|:.:.|:./ﾍ　{::ﾘ/ 〈/ ｌｲ:.:./l:./　　　　　　...│
│　　　　　 |＼:.:.:＼:|＼ ゝl:.:.:|:.:.|/　　 ゝ'　　＼ |:./ ﾚ′　　　　　.....│　　　　　情報では敵はSI製ノーマルって話だけど、
│　　　　　 |:.:.:.:.ヽ、ヽ:|　｀!:ヽ:|、|　　　　　　 ／ ﾚ′　　　　　　　　 │
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.＼/　 ‘， ＼＼ 　 　― ´　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　何が出てくるか分からないのが常。
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　ﾍ:.:.:.ﾍ　　　　/　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.≠__　　　ﾍ:.:.:ﾍ ―‐´　　　　　　　　　　　　　　...│　　　　　　　油断しないで。あと、今回は君が支援機。
│　　　　　 |:.:.:.:.:. / ｀ヽ､≧ｭ､_ヽ :.{　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　 |:.:.:.:.:.:|::＼　　 ≧ｭ､｀ヽヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　カタストロフィの援護に専念。
│　　　　　 |:.:.:.:.:./::::::::＼ 　　　 ＼ｌ┤　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　 |:.:.:.:/:::::::::::::::::＼　 　　ヘ{ ヽ、　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　 |:.:.:/:::::::::::::::::::::::::＼　　　|＼ ゝ　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　 |:.:/:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ｀￣ 7　 ﾍ´ヽ　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　 |: ｉ::::::::::＿＿＿＿__|　　,′ 　 ﾍ::::ｉ　　　　　　　　　　......│
│　　　　　 |: |:::::l´::::::::::::::::::::::::::＼　＼　　　ﾍ:|　　　　　　　　　　　..│
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　　　　　　､＿,r--ミヽ ､
　　　 ､__‐''´:.:.:.:.:.:.:.:.｀':.ﾚ)
　　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:ir:.:.:.ミ､
　　　 ''/:::::::::ｒ::::::{::::〈｀ヽi:.:l ﾞ
　　 ､ノ;::::::::::l::;:ノｲ:::l;}ﾀl::::::しi_
　　､_ノ::::|:l'‐弋',‐ｲﾍ　ｲ:::i::): : ｀ヽ-. .､.＿　　　　,..,.. --､
　　　f/;ィ:l:i:::::匕 ....:_',∧ヽ,ｨ: : :_:-ﾍ_: : : : :￣: フ/　 i　ヽ＼_　　　　　　　　マーシフルのオペレーターさんよぉ、そりゃねえんじゃねえか？
　　r' ´ ヽ,＞-‐ヽ｀ﾉ:ﾞﾍ ヽヽi､:{ フと´｀>r '' "´ ||.l _ ヾ　ヽ　＼｀7
　.i!　　 ノ_　ﾒ-__,r, >､:jノl'' '　ヽミ''　　l　　/　　V　｀ｰ'>､ ヽ､　＼　　　　　　若いやつの熱ってのはな、抑えたり律したりするのは悪手だ。
　.l　　,r l　｀ﾒ´l.lﾞf<＿j,ノ　　　 .〉､｀'_ ﾞ 　 　 　 rfヽ　ｲ,ﾆ「´ |＼　 ＼_
　 ヽ,'　 l　　l|.|　l '､ ｀　　　　　 j:::::｀:ｰ..､　　 ノ r――'　,j　 l: l ｀‐ .._,ﾉ　　　　……おい、マーシフル！　俺に並べ。二人とも前衛だ。
　　l　 /　　l !.l l　: ヽノ　ｰ-　　l::::::::::::::::::ヽ:'´:::..: ｀ヽ-‐'/　/: l
　　l /　　　Y ゝil　 ヽ､, -　　　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..: : :|　|: :l　　　　　　　　　　「ちょっと、勝手なことを」
　　 l 　 　 　!　ﾞ' |.　 i　　　　 　 l_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ｰ': l
　　.ﾍ　　 f ﾉヽ　j　　|i　　　 　 　 ﾈ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l
　　　 i i　lｲ　 l＼ヽ.　ﾍ　｀　　　_／,ゝ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　 ,￣　／l　l }ﾉ､　 ﾄ　　　　　ノ　 ,〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::l

3035： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 20:51:58 ID:Lp/QWtx60

　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 弋､__
　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ:::::::::::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽﾆﾆノ
　　　　　　　　　　　 　 j::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::＞': : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 /:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::´: : : ｲ: : : : : : : {:::::::: : : ',
　　　 　 　 　 ﾄ､_____ノ::::::::::::::::j:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ .|: : : : : : : ﾊ:::::::ヽ::::::|
　　　　　　　　ヽ､::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::-─ ､ノｲ: : : : : 丿j:::::::::ﾉ}:::ﾘ
　　　　　　　　　 Z::::::::::::::::::::::ﾘ::::::::::::::::::::::::::ｲ　弋ﾗミ从::::j::::ﾉｲ小:::／.ﾉノ
　　　　 　 　 　 ｲ::::::::::::::::::::::ﾉ:::ｲ::::::::::::::::::::::弋___　　　　ｿ' | ¨}:::::::/　　　　　　抑えつけるよりも、上手い具合に発散させてやれや。
　　　　　　 　 　 >::::::::::::::::::´:::::ﾊ::::::::::::::::::弋ー´　 　 　 　 ∨从小､__
　　　　　　　　　{:::::::::::::::::::::,ｲ/　',::::::::::::::ﾂ¨¨´　　　　　､.＿ 〉′　¨´　　　　　おめえも暴れてえだろ？　戦果を挙げてえだろう。
　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::ﾄ　　 }:::::::::ﾒ　　　 弋==＝ｲ/::::{
　　　　　　　　r‐‐ﾐ､（::::::::::人.　 八::::{|　＼ 　　　 ￣´/::::小､__　　　　　　　　 なら、どうしたい。
　　　　　　　 /:::::::::::jｱ￣　ヽ､｀¨'' 从{　 　 ＞ ､ 　 　j:::::::jj
　 　 　 小､ノ:::::::::::ｱ弋　　　　＞- ､_ 　¨¨¨く__. ｀¨¨ |::::ﾉ
　　　　　Y:::::::::::::ｲ　　 ＼　　　　　　　｀＞､_ ヽ＼ ヽ ﾚ′
　　　　 /ｲ::::::::::::ﾘ　　　　 ｀¨ー-- ､ 　 　 　 ｀＞､j　ﾊ





　　　　 　　　　＿＿＿
　　　　　 　 ／　　　　　＼
　　　　　 ／　　　 　 　 　 ＼　　　　　　後方支援ではなく二機での突撃、了解。
　　　　／　 ＼ ,　, ／　　 　 ＼
　　 　 |　 （ー）　 （ー）　　　　 |　　　　　「やる夫君まで……」
　　　　＼ 　（__人__）　 　 　 ,／
　　　　　ノ　 ` ⌒ ´ 　 　 　 ＼　　　　　　
　 ._i⌒i⌒i⌒i┐　　　　　 　 　 ヽ
　（ l　 l　 l　 l　l
　 ヽ 　　　　　/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
今回の任務、失敗は許されない。
一機でも多く敵機を撃滅し、施設を確保し、無事に帰還する。

これは、足掛かりだ。これからリンクスとしてやっていくための。
それなら、サーシェスの提案に乗らない理由もない。

鼓動が急かすように早鐘を打つ。
敵はどこだと声には出さずに呟いた。

「もう……アリー・アル・サーシェス。何かあったらタダでは置かない。
最悪、あなたを放って単独での撤退命令を出すこともある。留意して」

「ハハッ、美人が凄むとおっかないねぇ。行こうぜマーシフルのリンクス。
戦争だ。俺たちが主役の舞台だぜ」

なのはが冷え切った鋭利な声でサーシェスに警告を出すが、
当のサーシェスは笑って躱した。ネクスト戦役の英雄を怒らせて、
それでも飄々としていられる辺り、大物かもしれない。
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3036： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 21:05:06 ID:Lp/QWtx60

　　　　　　　〔￣￣￣￣￣￣｀iヽ､　　　　　　　　　/＼
　　　　　　　　￣￣￣￣￣Z}　i 　 ｀Y 　＿　　_／ ⌒込､
　　　　　　　　　　　　　　　(ﾉ|　|　　_jﾚ'´ ＜￣i }　　/::::::::｀Y
　　　　　　_＿__, -‐'⌒ir'´{ :└┴'´7ｲ　　　 ＼j/　/{::))‐))::j}
　　　　r/^ゝ―}:{ i　i {ｴ}　ヽ　　〉-/{ ﾄ辷O彡'ナ　j r――､〈_
　　　　(￣￣｀ヾﾐヽ､zｼ厂´｀￣¨7 /｀{r‐ｫjﾄ-‐'＼/ {f´ヽ/(⌒)入‐ｧ､
　　　　 ｀￣ヽ､＜:{￣´　　 　 　 {　{‐､｀￣´:/　fj込､_＞'￣ヽ´　//:ﾉ　　_
　　　　　 　 　 ￣f⌒＞―――圦_ﾍ:{::::厂〈　 〈: : :_ﾉ}/-‐ /　　 ))'―‐'7:/i
　　　　　　　　　 (:￣＞――――(_(｀辷jz‐{＿_＞'´￣｀v'　 ／__＿＿.{:{　}
　　　　　　　 　 　 ¨´　　　　　　／/〉､＿_ (_(_く/ 77ｽ／¨~´フ ／　　 ｀ゞ'
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　//　 〉‐〉}j´ /_///'´＞≦´／,.イ)
　　　　　　　　　　　　　　 ,-‐ｭヽ//　,ｲ￣l:|　 ｀,＞‐-ｲ ＞ｨ'´／／
　　　　　　　　　　　　　／／/　 〈　/ {　 {:{　 /⌒ヽ:　＿＿ .／
　　　　　　　　　 __ 　 /-/_./込　,'¨ ,込＿iレ'０､:_ ／　 ＼￣　ヽ
　　　　　　　　∠_::入{-/:::::〉_(⌒)／　　　　　　 ../　　＼　＼＿__＼　　　＿__
　　　　　　　/ ０/:ｽ,ｲ/:::::/:}辷ｨ　　　　　　　 　 '　　　　 ／＿＿￣/'／　　　　＼､　　　　　 　 ∧
　　　 　 　 / ０/:/7入:::/／　〈　　　 　 　 　 ./　　　　 / /=-　 　 //}　　　　　　 }.Υ　　　　　/__∨
.　　　　 　〈 O,ﾑ:ノ/＼｀ｰ―彡'　　 　 　 　 ./　　　　 / /ニニﾆヽ〕 {/＼＿＿ノ〉.}　!=-／￣ 廴￣〉-, ＿＿＿
　　　　　　 ￣＜,ヘ , ' 7￣´ﾉ　 　 　 　 　 /　　　　 / /ニニニ/　{ 廴ヽ__◯__ノ∧/ /(＿--　 __　　 乂_}＞''~
　　　　　　　 ／／ {　 {　 ／　　　　　 　 ./　　　　 / /≠≠≠7　 )h､/_}_ﾆﾆ__}_ヽ/_/廴￣￣)h､ ＼　　/´
　 　 　 　 ,ｨ心´-‐' ＼ ￣j　 　 　 　 　 ./　　　　 / /ニニニ/ {＿{////弋zz}//}￣} ／ ＼ニニﾆヽ∨/
　　　　　/入＿＿,ｨ≦＞'　　　　　　　 /　　　　 / /ニﾆ=-＿__{＿!//////////〕__/　　　 /ニニニ}ﾉ'
　　　　　ヾﾐ込三＞'´　 　 　 　 　 　 ∧　　 　 / /ﾆﾆ=-〈＼:.:.:.:.:.:.:.:ヽ///// ／{ ==＼ ／冖冖冖'´
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼ 　./ /､／ ＼　＼￣￣￣ﾉ◎　／ヽ 乂__ノ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＞＜　 〕iト{ /＼ {￣__}￣´　／ヽ　 ∨　 ／､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　/{￣__} r=イ＼　 〉　｡s≦ニﾆ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ {￣__}〈　　＼}ィi〔ニニニﾆﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 }! .!￣｀}ﾉ､＿/ニニニニﾆ=- (
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∧ {::::::::}二二ニニニ==-　≦ ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 { (￣)￣:::::::::::::::/∧:::::::::::::::::}ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 {::::::::::::::::::::::::::::/　 ∧:::::::::::::::} ∧ ∨

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逸る気持ちを抑えられぬまま、カタストロフィと肩を並べて荒野を駆ける。
やがて、研究所というよりも巨大な工場といった風体の建造物が見えてきた。
鉛色の長方形が幾つも聳え立ち、IGIOの企業ロゴが外壁にあしらわれている。

ゲートは開けっ放しになっており、そこから敵ノーマルたちが流れ出てきた。
情報通り、SIのノーマル機だ。特別変わった様子もない従来機フレームである。

「現在、内部での防衛戦力が応戦してる。挟撃の形になるね。
迅速に敵を撃滅して、内部の救援に向かって……でも、これ」

「高濃度ECMが散布されてやがるな、どういうこった？　なんかきなくせえぜ」

ノーマルたちが各々のバズーカや垂直ミサイルを放ち始める中、
サイドブーストで射線をずらしながらも、サーシェスはなのは共々訝しんだ。

「とにかく、倒すお」

「ま、そうだな。まともにやれば当たるもんでもねえ。
リラックスしていけ、ルーキー」
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3037： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 21:16:29 ID:Lp/QWtx60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/7　　/　/　/7/7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/∠〃/　　￣/
　　　　　　　　　　　　　　　 r'⌒o_Λ　　　　　　 /|/|／し、_　　　　　　　　　/ /￣ /　 /￣
　　　　　　　　　　　　/￣/　宀辷　ヽ＞　　 /|/ 　　　　　　∠＿＿　　＿＿ /＿
　　　　　　　　　　　/　 /へ々缶〔卅〔〔=(二(〓〇))）∑⊃>　≡ ⊃≫ ＿ ≡⊃≫ ￣＿＿＿≡⊃≫
　　　　　　　　　　/＿/　＼_乃　　 ゝ　　　　＼　　　　＜￣　　￣￣　 　 /￣/　/7/7
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ{:V: i :}: :／_:_}__／-､!- /-'´{／{_／i{ ./　 r ' 　 ー‐＜｀ヽ、　　 　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　＜:jI斗＜:-:-:_'ノ/　　}､　　／　 }!　　}＿_／　 　 　 　 　 　 ｀ー―‐､_ ＼!
　　　　　　　　　　　　　　　　 _ -//ヽ　 }､:_:_/ /--､/:｝　´　　 〈 　 /　　}_　　　　　　　　　　　　　　 ＼_ ＼
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　 　 　 　 _ -　　　　　 jI斗ｓ≦、＞--- ' 　 |! ,}, ／ /　 /､_/／_｀ヽ　　　　｀ヽ__ｒ_－'i/　 / 　 ヽ
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　　　　　　　　　　　　　ノ }　 ,。z}t-{ノ{ー－--､ i {--/ /----＜_＞､__／- '　　ヽ- ' {、r'
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　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　 ／　 〉 　 　 　 　 i_}_/-､fﾟ´　　｀ヽｰ/　　　　 /　　　 /--ヽ
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　 　 　 　 　 　 　 /　　　 ／　／　　　　　　　　　　　　　　　　{ /　 {　r'ヽ　ｒー､}｀　 {　　　 }　　 }　　＼

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迎撃に出てきたダークオリーブのノーマル機が隊列を作り、
派手に榴弾やミサイルを浴びせかけてくる。

たかがノーマルと言えど、榴弾もミサイルも直撃すればダメージになる。
ましてや、その二つはネクスト機にも有効な武装だ。
地上に留まって射撃戦をするのは得策ではない。

メインブースターを唸らせて離陸し、高度を上げつつ、こちらもライフルを構える。
突撃したいところだが、敵の密度が高い。数も弾幕も、だ。
レーダーには赤いミサイル反応が散りばめられ、敵機も少なくとも三十はいる。

自分もカタストロフィも高耐久型のネクストではない。
地道に射撃戦で数を削っていくしかないだろう。
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3038： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 21:29:40 ID:Lp/QWtx60

　　　　 　 　 　 ＿＿＿_
　　　　 　 　 ／　　 　 u.＼
　　　　 　 ／ー‐-:::::::::::-‐' ＼　　　　　　ECMのせいでミサイル反応が近場の奴しか捉えられないお……
　 　 　 ／ 　 t　 j:::::::ｨ　 ｯ 　 ＼
.　　 　 |. u 　 ｀¨､__,､__,¨´　　　 |　　　　　おかげで迂闊に突っ込めないお。
.　　　　＼　 　 　 ｀こ´　　 　 ／
　 　 　 ／　　　 　　　　　u　.＼







　　　　　　|;;/;;;;;;;;;;;;;;;／;;;;;;イ;:.:.;;;;;:.:.:.:.;;;;;;:.:./::　　　　＼;;;;;;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}
　　　　　　∨;;;;;;;;;;;;‐=-‐;;;;{;:.:;;;;;;;;:.:.:.;∧;;;;/:::　　　　　　＼;;;:.:.:.:.:.:.;;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..|
　､_ 　．-'''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{;;;;;;|;;;;,/i;;;;;:.:.;;/ |;;/::::　　　　_,.．-':::|;:.:.:.:.:.:{;;;;;;;:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　>二;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{;;;;;A;;;/ |;;;;;;:.:;;|::::＼__,,.. -==''≡ﾐ､::/:.:.:.:.:.:.|⌒};;;;;:.:.:.::.|:.|　　　　　　　　じれってえなぁ！　持久戦のつもりか？
　　　　/;;/;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;;;|/ｆ＝- =|;;;;;;;;;|:::／　_,.-''ひﾘ　_从/:.;;:.:.:.:.:ヽ　 |;;;;:.:.:.::.|:.ヽ
　　　（;;;/;;;;;;;;;|;;;;人;;;;;;ヽヽ=弋ﾂｲ;;;;;;ヽ:::　彳ヽ=ﾔ-'''" /;;;;;:.:.:.:.:.:.:.ヽ丿;;;;;;;;;;;;;;;:.:＼＿_,　　　　手練れってのはマジらしいな、
　　　 ∨|;;;;;;;;A;;;;;;;ヽ;;;;;;ヽ ￣ ´´＼;;;;ヽ::::::::｀::::　　　 {;;;;;;;;:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼__,,..／
　　　　 |;;;;;;;;;八;;;;;;;;;＼;;;;;;;;;≧::::::::{::::::￣￣::::　　　　 |;;/|;;;:.;:.:.:.:.:.:.:.:.）;;;;;;;;|;;;;;）￣　　　　　　　ノーマルでの対ネクスト戦闘が型に嵌ってやがる。
　　　　　{;;;;;;;{　ヽ;;;;;;;;;;;;;ト:::::: :::::::{　　　　　::　　 　　 《　{;;;;;;;:.:.:;;;;;:.:.:|;;;;;;;;||;;;丿
　　　　　 ＼;|　　＼;;;;;;;;;ヽ:::::::::::::く　　　　　　　　　　　　ヽ;;;;;:.:.:;;;∧|;;;;;;;;丿|/
　　　　　　ノ　　　　　＼;;;;ヽ:::::::::::::ヽ ´　　　　　　　　＿ノ;;;;;;:.:;;;;|∨;;;;;;;/
　
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しかもSI製だけあって、その装甲は堅牢だった。
実弾装甲に強い定評に違わず、一機沈黙させるのにライフル弾十発以上は
確実に必要になってくる。

レーザーであれば一撃だが、マーシフルのEN効率といえど乱射はできない。
カタストロフィもレーザーライフルを携えているものの、手こずっているようだ。
QBを吹かしながらの射撃戦が続く中、一機、また一機と撃破していく。

時間を取られているが、こちらとしてはダメージが大きいわけではない。
ここまで回避に失敗するようなミスも犯してはいない。
敵としては、このまま弾切れを起こすか、
数を削られ突破されるのを待つばかりのはずだ。

集中力の糸を断たれぬよう回避と照準に意識を向けていると、
敵機の動きに変化があるのを捉えた。

弾切れを起こしたと思しき敵機が施設内へと少しずつ撤退していき、
別の機体が交代するかのように出てきて、戦列の穴を埋めているではないか。
このままでは埒が明かない。勝てるだろうが、時間がかかりすぎる。
柄にもなく舌打ちすると、オーバードブースターを起動した。
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3039： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 21:34:20 ID:Lp/QWtx60

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :― ､- : : :ヽ　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　 　 　 /: : : 〉': : :/: : : :／: : , : : : : : : : : : : :｀ : : ＼ ｀ :ﾍ　　　　 .│
│　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /: : : / : : /: : :∠._:_／ｲ,イ , : : : : : : : : : ＼: :ヽ 　ヽ　　　...│
│　　　　　　　　　　　　 　 　 ′: : ' : : : l: : :/ /／｀メ、//| ﾊ: l: : : : : : : : :＼､ﾍ　　　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　| : : :_l: : : : l: ,.ｨ 7´:てﾊ　 >　ﾘ. }ｲ.: : : : : : : : : : ヽﾘ　　　　....│
│　　　　　　 　 　 　 　 　 　 V´う.l: : : : l: :{ ん::::::::ﾘ'　　 　 /｀ﾒ､ : 〉: : ﾊ:、 ﾄ.ﾊ　　　　　..│　　　　　　やる夫君、どうするつもり？
│　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　ﾙ: : : ﾊ:l 辷ヒ_ノ 　　　　,ｨう、 l/: : : : l |: l l: |　　　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　 　 　 }､　| : : ﾍ ｀　　　　　　　　ん:/ﾉノ: : ﾊ: : | |｜| l　　　　......│
│　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |: :Y}: : :.ト:.､　 　 　 　 　 〈:ン´r- ､' : |: ;'　!:l .ﾚ　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |_ノ '. : : :.　　　　　　　_　 ' 　 ムﾆ､}: :ﾚ 　 ﾘ　　　　　　　..│
│　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 . イヾ:､ '.ﾍ: ﾍ　　　　　 ´ ´　 　'　l　ン : |　　　　　　　　　　...│
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│　 　l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:l.:.:.:.:.:!　　　　　 ヽ∨　　　　　　　　 〉:.:|: : : : :!　　　　　　　　　......│
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　 　 　 　 　 　 ,,.. ´　　　　　　　｀・ 、
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　突貫してアサルトアーマーで蹴散らしますお。
　　　　　　/　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',　　　　
　　 　 　 _l;;;;;;;;;,,,　　　　 　 ／　　 　 　 .l　　　　　　 一度連続QBでロックを外してから突撃すれば被弾も抑えられますお！
　 　 　 　 l;;;;;;;;;;;;;;; 　 ､_,.ｨtﾁ　） 　 　 　 |
　　　　　　',.　　 /　i　　 ヽー‐ '　　　　/｀ヽ､　　　　「……ハイリスクではあるけど、利点もあるか。分かった、やってみて」
　　　　　　 ＼　乂人＿__ﾉ､　　　 ,. ＜
　　　　　 　 　 ＞-｀￣￣｀'　-　　　　　　　　　　　　了解！　どの道、救援対象がこうしてる内に全滅したら意味ないお！
　　　　 　 　 　 　 ｀ー―

3040： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 21:47:22 ID:Lp/QWtx60

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ //∧‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／￣＼　　　　　　　 　 　 <／////∧‘,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿　　　　　　　　　 　 　 　 ＼　　　＼　 　 　 　 　 　 　 /////ｌ'∧_}　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ ヽ　ヽ　　　　　　　　　　　　　　＼　　　＼ ｢ |　　　　　　///////　　　　 　／
　　＿＿＿＿＿　　_　　 　 　 　 　 　 　 ／／／ﾌ^ｿｭ､　　　　　　　　　　　　　　＼　　　＼|　　　　　／}x┐//l　 　 　 ／ 　/
　 └-､、　　　　　　　￣｀`''〜､、　 　／／／　辷ﾕ⌒ヽ　　　　 　 　 ＿_　r==く￣￣|...､ 　＼　 　／　7／ ]//|　　 ／　 　/
＿＿　　｀`''〜､、＿＿_　　　　　｀`''く∠／　 　 辷ﾕ　/￣￣￣`ー＜_､イ弌:::::::l}　　 |:::'::ヽxく 　 /丁７/ 丿7//　／　　　　|
＼　 　ﾆ=-　_　　　　　 ￣＼　　 　 　 　 ￣｀`''〜込ノ　　　 　 　 　 /　　　 |::::彡 ー┴ゝく::::::::>└斧ｹ∠..///___|　　　　　 |
.　 ＼／:::＼ 　￣￣￣￣＼ ＼＿　　　　　　　　　　｀`''〜､、　　　　ヽ＿＿厂　 　 　 　 　 >'’ /⌒ー'~　/::::::::::::ヽ　 　 　 /ミ
　　　 ＼::::::::＼ 　 　 　 　 __L_＿_ ￣¨ 　‐=ﾆ_　　　　　　　　｀`''〜､、　　　 ￣＼　　　　　‘,　∧__／/／⌒ヽ:::::／＼＿／::::l}
　　　　　＼::::::::＼. 　 　 く:::::＼　　二ﾆ=-　_　　¨　‐=ﾆ_　　　　　　　 ｀`''〜＜￣　　／~~丁`∧__／/　　 　/￣　　　 　＼::ノ
　　　　　　 ＼:::::::::>‐――＼::::＼　 　 　 　 　 二ﾆ=-　_ﾇﾆ弌／>　／> 　 　__｀` ／ 　 ／7/　　　／ﾐ≡／　　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　 ￣　　　 　 　 ＼:::::>-　＿_　　　　　　　　￢／／.／／ 　 ／￣／ 　 ／//八__／く__ノ‐┷‐┐
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ￣ 　 　 　 ￣　━‐　＿　<／　<／ 　 ／ 　／　 　 / /／ヽ〈＿／￣￣〕___/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ￣/∧　 　／￣￣　　´　　 　 /／//r＜７ヽﾆ=＞∠ﾐ＿「￣]
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／￣　/∧_／　　　　　'　　　　 ∠///// 　/ﾆ＞´ ／　从::::| 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く　／　　　　　　　　　 ′　 　 ／:::::｀ヽ// 　/__/ﾆ／　／⌒Ⅳ　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣　~''＜　 　/ 　 　 ／{::::ﾝ ::::>./ 　/ 　／ ヽ,ｨ 〉　　]　　　|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　 / / ﾑ　 　 　 　 √　　　　　ｌ 　＼

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「いいねぇ、そういうの！　こういうグダグダした戦闘は好みじゃねえ。
俺も同時に突撃するぜ。的は一つより二つの方が良い、あっちも手に余る。
派手にやれや！　おまえのタイミングでブッコみな！」

燻ぶっていたサーシェスが吠えると、鉄板のような大型ブレードを構えるのが見えた。

迫りくるミサイルを右、前、さらに右と連続QBで回避する。
視界が急激にスライド移動し、ミサイルアラートが止んだ。今だ。

通常推力を落とし、オーバードブースターへとEN配分を偏らせる。
背部へと白熱、プラズマ化していくコジマ粒子が収束していき、
直後、機体が吹き飛ばされるかのように飛翔する。

半ば滑走する形で戦列へと突進していく。PAが空気抵抗で減衰していくが、
マーシフルのコジマ出力なら、この距離であればすぐに回復する。
彼我の距離を詰めていき、残り五十メートルといったところまで接近したところで、
アサルトアーマーを起動した。

装甲が展開され、PAを構成するコジマ粒子が震え出す。
直後、カメラアイに保護シャッターが降りると、大気を揺るがす音が轟いた。
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3041：安価のやる夫だお：2020/09/07(月) 21:54:22 ID:zAYJuzrw0
サーシェスかっけえなあ

3042： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 21:59:01 ID:Lp/QWtx60

　　 /: : : : : : :/: : : : : /: : : : {: : : : : : : : : :/ //／´　　　　 ﾌ//　./∧　　∧
. 　/: : : : : : :/: : : : : / |: :∧ﾍ: : : : : : : : / // ﾄ　 ∩　　／//　./: : ∧　　∧
　/: : : : : : :/: : : : : /⌒!∧､ ∧: : : : : : :{ /ｲ　{　　 ｚ＜´ 　 　 /: : : : ∧　　∧
　{: : : : : : :.|: : : : : :|　/厶云　∧: : : : :イ　 　 レイ　 　 　 　 /: : : : : : ∧　＿」
　|: : : : : : :.|: : : : : :| イ　　　 ＼､＼: : :.:{　二￣￣￣´　　　/: ／￣´/: :.∨　 ∧
　ﾄ､: : : : :..:|: : : : : :|　{　　∩　　冫　ヘミ≧=ｰ'　　 　 　 　 |/　　 　 {／´　　　 ∧
　|　＼: : : :|: : : : : :|　　　　　／//　　　　　　＼　　　　　　 {　　 ／⌒　　　　　　　＼
　{ｉ　　ゝ─ﾄ: : : : :∧　ゝ-＜　ｲ/　　　　　　　　　　　／⌒ヽ　 /　　　　　　　　　　　 ＼
＼|　　　　　∨: : : :ゝミ三彡　/　　　　‐-　　　　　　 ィ⌒ﾍ　 /　　 ∨　　　　　　　　　　　　　　ハッハーー！　やるじゃねぇかオイ！
. 　＼　 　 　 ∨ﾄ: : : :≧=ｰ' /　　　　　　　　　_　 　 ／　 ｊ ∨　　 　 ∨
　　　∨　　　　＼＼∧　　　ゝ　　　 ‐　　　　、｀ ／／＾.ノ /　　　　　 ∨　　　　　　　　　　　　　こっからは乱戦だ！　こうでなくっちゃなァ！
.　　　 ∨　　　　　 ≧=ｰ　　　　＼　　　､　｀､ ／／　　　 /　　　　　 　 .}
　 　　　∨　　　　　　　∧　　　　ﾉ ｊ　｀ィ彡-￢´　　　　 /　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　覚悟しやがれ……あ？　んだよ、アレ。
.　　 　 　∨ 　 　 　 　 　 ヽ　　　 r彡ィユ´　　　　　　／ } 　 　 　 　 　 |
　　　 　 　 ＼　　　　　　　　＼　　＼⌒´　　　　＞‐´　 /　{　　　　Y⌒Y
　　　　　　　　＼　　　　　　　　＼　　∨　　　／　 　 　 |　 ﾄ､　　　 ゝ ノ
　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　ヽ　 ∨　イ　 　 　 　 |　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　､　∨ /　　　　　　|　 　　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
PA消失アラートと共に視界が回復する。
吹き飛ばされ、瓦礫の山へと姿を変えた外壁と敵機たちの残骸が
周囲に転がっていた。被弾も大したことはない。即席の作戦だったが、上手くいった。

「よしっ、あとは残ったノーマルを片付けて、施設内に突入すれば」

今ので敵の全てを殲滅できたわけではない。
レーダーに映る敵機の反応の半数は消失していたが、残りはまだ沈黙していない。
ブレードを振りかぶり、アサルトアーマーを生き残ったノーマル機へと
手当たり次第にカタストロフィが飛びかかっていく。

歓喜と快哉を叫ぶサーシェスだったが、何かを察知したらしく、動きを止めた。
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3043： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 22:16:32 ID:Lp/QWtx60

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│　　　|:./ .|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:!:.ｉｲうﾐ　　　 　 {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |　　　......│　　　　　データ照合も該当なし。
│　　　|/　 !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j　　　　　 辷シ　!:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　......│
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立ち上がる黒煙が強烈な風圧で吹き飛ばされていく。
施設の中央にゲートでもあったのか、それは巨大な頭を建造物の中から出すと、
徐々に高度を上げていき、その全貌を露わにしていった。

円盤状のウイング、蜻蛉のような胴体、尾に見立てたかのような砲塔。
生体的な姿をしたそれは鉛色の装甲に覆われており、
ネクストを優に超える巨体にもかかわらず、悠然と飛行していた。

「ど、どういうことだお」

「どうやら思っていたより面倒なことになってたようだなぁ……
こりゃ、アレだろ。研究してた新兵器だろうよ。今の今まで起動に手間取ってて、
俺たちとの戦闘は時間稼ぎだったわけだろ」

「それって」

「ECMが散布されているのに、ECMメーカー装備機がいねえ。
こりゃ残留していたECMだ。つまり、先客がいたのさ。施設は既に制圧済み。
連中が勝機もねえのに撤退しなかった理由もコイツだ。
大方、先の強襲には指揮官がいたんだろうよ。優秀なヤツがな」
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3044： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 22:35:35 ID:Lp/QWtx60

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r=ﾆ三三三ﾆ=-,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.. -==ニニニ===--　__　　　｀ﾞ` -y-+-‐‐'"　　 ＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ., '”三三三三三三三三三三` ､　　　 /　l,..-=ﾆ三三三三三ニ＝- ..,,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ﾏ三三三三三三三三三三三ノ　　 ./ﾆY三三三三三三三三三三三＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀` -=ﾆ三三三三ﾆ=-‐ '"´ゝY,===､-l_`＜三三三三三三三三三三.ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 ` -'"- ､_./ニ//`ﾄ､__,.-､__フ .‐---======-‐ '"´
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　 　 　 　 　 　 　 ｀`.-=.､　　 ＼ ｀.-、　ｌ｀､|　　　!／ 〃　,/　ゝ_ノ l__/　　　ﾑﾏ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀`.-=.､＼　｀'-.ゝ 　　　　　 　 ./ ／/.´｀ i　　　　 ﾑﾏ
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尾に当たる部分、細長い砲塔がこちらへと向けられる。
砲口の周囲の大気が震え、緑色の燐光が舞うのが見えた。
コジマだ。間違いない、あの兵器はコジマ兵器だ。

あんな大口径のコジマキャノンなんて喰らった日にはネクストと言えど蒸発する。
直撃を避けたとしても、かなりの損傷は免れないだろう。
戦闘の興奮が一気に冷めていき、戦慄へと変わっていく。

「やる夫君、敵兵器の下に潜り込んで！　あんな大型コジマキャノン、避けようがない。
あのフレームからして真下は狙えないと見た。足元から集中砲火！」

「なら俺はデコイだなぁ、しょうがねえ！　マーシフル、加速力はてめえの方が上だ！
俺が引きつけてる間にさっさとカタつけてこいや！」

二人に叫ばれ、考える暇もなくオーバードブースターを再起動する。
カタストロフィは自らの役割を果たすべく、地面を蹴って舞い上がっていった。

そこへ敵兵器のコジマキャノンの充填が終わったのか、
甲高い発射音を轟かせ、空を引き裂いた。
サーシェスが咆哮しながら、必死の連続QBでそれを掻い潜るのが見える。
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3045： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 22:56:03 ID:Lp/QWtx60

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{　　　　　　＿V/／´｀ ､＞ 。:.:.:.:.:..､___ 　　Vililill{　 / }、 i}／　　　　　　　　　よし、やってや――
ヽ_jI斗ｬ≦￣￣￣｀ヽ／＞{ili{≧s､_:.:.:.:.:.､　 Vililiヽ__/{　} i　V/
ililil{_　　　_＿／ 　 　 ＼il＞-､ililij!ililヽ;.:.:.:.＼_!ilililili}_　 '　ヽ, V/
ili{´ヽ、／　　　　　　　 __＼ililil_}ilil>‐<､ヽ、:.:.:.}ilililili} V/　　 ヽV/
iliﾄ､　 ＼　　　　　　／　　 ｀ヽililil＞-<ilヽ/≧'ilililil〈　 〉　 　 　 }!
ililili} 　　 Ｖ/　　　./　　　　　　｀ ＜ilililililil＼　｀ヽ＞ー＜　　　 }!
ililili}　　　 V/　 　 V/　　　　　　＿　｀¨¨｀Y-＜ﾟ　　　 / 　＞ ､}!
ililili}　　　　V/　　　V/　　　　　{f¨｀ヽ　　　　　　｀ﾟ ＜} 　 　 　 ＼
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ilili/　　　　　_V/　　　}!　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ　　　　＼.そ
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今まさに飛び立とうという時、コックピット付近の装甲に着弾があった。
着弾、と言えるほどのものかどうか。破片が当たった程度のものだ。
だが、それでも確かに、何かに撃たれた。

レーザーサイトか何かがセンサーに引っかかったのだろう。
微かに発砲音のようなものも聞こえた気がする。

気にかかり、ちらりと眼下へ視線を落とす。
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3046： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 22:56:43 ID:Lp/QWtx60

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そこにいたのは、敵機の残骸の一つだった。
幾つも転がる中の一つ。荒野に砕かれた装甲をぶちまけられ、
内部機構を無残に晒したSIノーマルが倒れ伏すのみだった。
先程のアサルトアーマーで吹き飛ばした内の一機だろう。
そのはずだった。

カメラを拡大させると、展開されたコックピットハッチが映し出された。
その中から、何かがはみ出ている。

理解するのに時間がかかった。理解するのを拒んでいたのかもしれない。
そして、それが何であるかを理解した時、全身の緊張が解け、血の気が失せた。

ダークオリーブの軍服に身を包んだ人間が、血塗れの手で拳銃を握り、
こちらへと銃口を向けていたのだ。

ヘルメットのせいで顔は見えないが、体格からして男だろうか。
兵士としては屈強とはいえず、どちらかといえば細身だ。
肩で息をしながら、マーシフルへと銃を向け、動かない。
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3047： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 22:56:53 ID:Lp/QWtx60

　　　　　　 _-―――- ､._
　　　　 ,-"´ 　 　　　 　　 ＼
　　　　/ 　 　 　 　　　　　 　ヽ
　 　 ./ 　　　　　　::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　か…………
　　　|　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 l　　 　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::;l
　　　` ､　　　　　　　 （__人_）　.;/
　　　　　`ｰ,､_　　　　　　 　　／
　　　　　／　　`''ｰ─‐─''"´＼





　　　　 ＿＿＿
　　　／　　　　　＼
　 ／　　　_ノ　 ヽ､_＼
／.　u.　(（●）三（●）＼　　　　　　　勝てないって分かるだろ！！　さっさと逃げろよっ！！
|　　　　　　（__人__） 　u.|
＼　 　u.ヽ　|r┬-|/　／　　　　　　　　なんで立ち向かってきてんだお！！
／ 　　　　　｀'ー´ 　 ＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
反射的にライフルを向ける。もちろん、敵対信号などないからロックできない。
マニュアルモードでターゲットサイトに敵兵を収める。

けれど、直接狙って撃つことはしなかった。
照準をずらし、敵兵に当たらぬようにライフルを連射する。
地面がえぐり飛ばされ、土が派手に巻き上げられる。

そんな中でも、敵兵は銃を握って離さない。
それどころか、更に無意味な発砲を続けてきた。
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3048： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 22:57:17 ID:Lp/QWtx60

　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　　u　＼　　　　　　　　　「なにやってんだァマーシフルッ！！　早くしやがれッ！」
　　　 　／　　＼　 　 ／＼　
　　　／ 　し （○） 　（○） ＼　　　　　　……。
　 　 |　∪　 　 （__人__）　 J |
　　　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／　ﾊｧﾊｧ





　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　　u　＼
　　　　 ／　　＼　 　 ／＼　　　　　　……っ。
　　　／ 　し （＞） 　（＜） ＼
　 　 |　∪　 　 （__人__）　 J |
　　　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／　ｺﾞｸｯ

3049： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 23:01:04 ID:Lp/QWtx60

　　　　　　　　　　　　　　　　/_ -‐＜//ヽ、 ヽ、　　　　/ /_ -‐ _// /　　　/ ／　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　 __ ／´　 /　 / 〈／/　｀/　　 　./ /_-‐' ´ /./,. -‐ /／ヽ、
　　　　　　　　-‐ "l｀/_ヽ_　　　ヽ /　 _〉´＿ヽ　　　 ＜´　　　 / /　　　/.' /　　ヽ、
　　　　　　／／　,' /　（:::::）‐--‐´､＜l/ |　　 ', __　/.　｀ヽ／/ /　,. - /　/、　　 　', ／
　　　　__./ ／_.. ‐ヽl 　 ／　　　　　｀ヽ|　|　,‐/´　ヽ_　　,'／／-'´　 |　/　　ヽ、　 /
　　　/／,.-'´　　　ヽ-'´　　　　　　　　|、 |/ / ヘ　.| |ヽ,' ／ ヽ、/　 l/‐ 、　, -'´/／ヽ、
　　 ／/ ／　　　　／　　　　　　　　　.|ヽ { ,'|　　 ヽ| l´　　　　 /ヽ、 ',　　／l‐‐/ヽ、＿ヽ
　　 l /／　　 -‐ ´　　　　　　　　　　　| l　ヽ　l　 //´/　　　／　/　｀l　 /__,'-‐' ´￣
　lヽ_　, ‐-／　　　　　　　　　　　　　　|,,|/　| .| //　/　　／-‐二 ─､_´_´二＿‐--＜
　l /‐-＝〈　　　　　　　　　　　　 　　 |///ヽ、／／　 ／ //::::::::::::￣ ',　　　　　￣｀ ‐ 、
　l__', ',--´　　　　　　　　　　　　　　　|　/l ／　/---´‐´/l::::::::::::::::::::::/|
　ヽ----´　　　　　　　　　　　　　　 /　| /　／|　　/　　l::::',::::::::::::::::/::::|-　_
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　/ .　レ ´／l　 /　 　 l:::::ヽ-‐:::":::::::,'‐- ...._｀ ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'　l ,.-‐'´　 ',　 ／／-',:::/:::::::::::::::::/:::::::::::::::::::ヽ、ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　/　　　 ／.',/ ／ヽ､:::',::::::::::::::::／::::::,:::-‐:::、:::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/　,. - '´ //ヽ´//ヽ ヽ､ヽ-‐:::´::::::::l´:::´,:‐ヽ｀ヽ::::::::ヽ
　　　　　　　　,. -‐───── ､__‐､‐'´￣￣｀ヽ〈::‐-´::／ヽ:::ヽ､::::::l／/:::::ヽ､:::ヽ:/::::::
　　　　　┌‐´l／:::‐-二_‐‐--::::_::〉／ヽ::,::::──::::ヽ':´::::::::::::::::::::::::／::/::::::::::::::::ヽ/-、::::
　　　　　　ヽ､（:::::｀::::::‐┐::｀::::‐:::/‐--:'´|::::::::::::::::::::/:::ヽ::::::::::::::::／::::/:::::::::::::::::::::/::ヽ:::ヽ
　　　　　　　　ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::,'l::::::::::::::／::::::::::::ヽ､::::: /::l:::::::l::::::::::::::::::::/::::｀ヽヽ
　　　　　　　　　　￣　‐---　::_l, ‐-､__/l＿_:／‐´::::::::::::::::::::｀ヽ｀l::::::::l::::::::::::／/:ヽ::::::::',/::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　,'/',　　l　',::::::::::::::',:::::::::::::::／::|::::::::',::;::-'´:/::::::::::ヽ::/::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l,'::::',　l　｀フ-､::´::',::::::::／::::::::',::::／:::::／::::::::::::::::::/:::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　丶-,　/ヽ ヽヽ､｀´ヽ-‐‐‐ヽ,. -'´/::::::::::::::::::／:::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､ ／／　 ＼＼::＼::::',::::::::://:::::::l:::::::::::::::／::::::::::::

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ライフルをパージし、放り投げる。
自分でも分かっている。これは矛盾している。あまりにも、大きく。
あんなに大量に倒してきたのに、今まで何機撃墜したか分からないくらいなのに。

今更、こんなことをするだけ、不毛だと分かっている。
けれど、撃てなかった。こうせずにはいられなかった。
途轍もなく傲慢なことだと、自分で自分を責めた。
だが、理性だけでは、感情を殺し切ることができなかった。
自分を止められなかった。

敵兵へと左手を伸ばしていく。
掬い取るようにして確保し、ひとまずこの場から遠ざければいい。
そんなことを考えていた。
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3050： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 23:06:36 ID:Lp/QWtx60

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敵兵の身体が突如としてぐらつくのが見えた。
糸が切れた人形のように全身から力が抜け、崩れ落ちるのが見える。

地面へと転落し、身体を激しく痙攣させた後、兵士は動かなくなった。
激しい出血もなかったにもかかわらず。

その答えを、自分は知っていた。
高濃度のコジマ汚染に晒され続けた結果だ。

視界が暗転しかける。息が止まっていた。
思い出したかのように呼吸を再開し、激しく肩を上下させる。

そして、無駄と理解しつつも、さっきまで生きていた人間を、下の地面ごと掬い上げた。

手の中の亡骸は、やはり、動く様子はなかった。
心臓が悲鳴を上げ、滝のような汗が額を伝う。
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3051： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 23:16:02 ID:Lp/QWtx60

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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＜∨::／|/:Λ <:::＞｀¨¨〈__／　寸ト---､
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　　　　 ＿　-=ニ￣　　　　　　　/　 /〈　　 >_ノ　　　　,､ ／ﾞ'〜ﾍ、　ﾉ-<
..-=ニ￣　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｲニ厂￣　　　　 / ＼＼　　 |　ﾞく　 　`:、
　　　　　　　　　　　,....ニ-￣´"''〜: : :　 　 　 　 　 (◯)イﾞ'> >___|　　‘， ＿`、
　　　　　　　　 ,ニ-￣::::::::;:::':::::::::: : :　　　　 　 .／ 　 ／しｨ／>　 　 　 〈´　__`、
　　 　 　 ニ-￣.::::::::::::::;:::';:::':::::: : :　　　　　　 /　　／､　／／　)　　　 　 Ｙ::::J:｝
　　ニ-￣.:::::::::::::::::::::;::':;::':::::: : :　　　　　　 ／__ 〉'ﾞ　　└＜__／〉　　　　　 〈ミノ
-￣.:::::::::::::::::::::::::::::;::';::'::::::: : 　　　　...___ /￣　 〉　 　 　 )　 ＿/
／:::::::::::::::::::::::::::;::'::::::: : :　　　　　 ／ // 　　／　　　　　∨￣７
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　　　　　　　　　〈ﾆ〉　 　 ／ ''"´
　　　　　　　　 /¨7へ(ニ)
　　　　　　　 ./　/　,//
　　　　　　　 ′｛しｲ/
　　　　　　　乂＿／

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亡骸を降ろそうと思い、姿勢を低くした。
その拍子に、指の関節部に死体の足が挟まったらしく、変な形に折れ曲がった。
それが、限界に達しつつあった精神にとどめを刺した。

オーバードブースターを起動し、一直線に野を翔けていく。
何もかもを振り切るように。ブレードすらも投げ捨てて。
曇り空の下の荒野を、ただひたすらに。
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3052： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 23:16:16 ID:Lp/QWtx60

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／〉
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｢ｌ 　／_,/
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿　　　　　　 | ! / ｨ７ 〉　　 　 　 　 _､＜>
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 弋ﾆ=-　_　 　|.l/ 　/ /　　　 　 _､＜ イニｱ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 `'＜ニ=- _|7 　/ / 　 　_､＜　イ二=‐'
　　　　　　　　　　　　 　 　 ,ｨ⌒iヽ__　_,､ゝ､_/ 　,仆从＼辷=‐イ二=‐
　　　　　 　 r‐＜　　　　　i'Y.:　.| ﾉ｢廴_,／7 __ノ＼＼ゝ､　 ｀ヽ=‐
　　　　　 　 |―‐｀　、　　 ! l　..::|匕r'~入 / ∧､: :. .＼＼＼ ／ ＼　　　　　　　　　　　　クソッ、クズ野郎が！！　俺も目が衰えたな！
　　　　　　　`'＜.　　丶、 |.:ｌ ...:ﾉ ／　,ｨ(l{_/廴｣ト==彳ヽ＼入　,ｲ ＼
　　　　　　 　 　 | 　 　 ＞‐=ﾆ／　,ｨ(ユﾆ=lﾄ､l　|__／‐く)=ﾐ､ ／/-､_ ＼　　　　　　　　　やめだやめ！　俺も撤退するぞ！
　　　　　　 　 　 ｌ＞ ´　 　 ／　／　　　　 l|ゞr<|_/jI斗f‐-／　/ 　 ＼_ ＼
　 　 　 　 _ ､＜ 　 　 　 ／　／　　.;＞〜'＾〉 ｀/ﾍ/　 　 　|/´/　　 　 ＼_ ＼
.　　 　 丶　　　 　 　 ／　／ ＞'"´　　 　 (___/// 　 　 　 ゞ'’}　　　　　 ＼_ ＼
　　 ／　　　 　_,.　／　／ ´　　　　 　 　 /{ー .ｌ{　　　　　　　 l! __　　　　　 ゞ､ﾑミh､＿＿＿__＿＿＿＿＿＿＿
　　ー==＝''"´ 　 `ｰ'~ 　 　 　 ,､zｰ┬‐く≧=-.l{　　 　 　 　 /ノ ﾊ　　　　⊂ニﾋ刈斗＜/////////////////77＞
　　　　 　 　 　 　 　 　 _　-z／　/ .⊥ -=ﾐ　　∧　 　 　 .／''"~｀ｌ}　　　　　　　 `¨¨≧ｭ､イ＞ ´￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　_ ､＜　 　 )=-＜ 　l} 　 /ｲ／＾ヽ_.｡s≦ヽ　　　 ﾘ
　　　　　　　　　　㍉――v/＿/ ーソ=-'’ /∧ 　 )｀ヽ,..::;ﾉ 　 　/
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3053： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 23:16:36 ID:Lp/QWtx60

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3054： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 23:23:41 ID:Lp/QWtx60

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　 　〃　 ─　　─　＼
　/ 《 　 （〇） 　（〇） ヽ
　|∩||　 　 （__人__）　　}}　　　　　　……。
　|∪《 　 　 ｀ ⌒´　　 ∥|
　＼　 ミ三三|￣|三彡／
　_,,, ト ＿＿　兀 ＿ イ,,＿
/　　 i　 　　 　| |　　 　 i　 i

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あの後、作戦領域外までひたすら突っ走った後、海岸へと出た。
そのまま海へと突っ込み、身動きが取れなくなったところを、
輸送機が回収しに来た。

今は、コックピットの暗闇の中でぐったりと脱力している。

頭の中にはさっきまでの光景が壊れたビデオのように繰り返し蘇り、
度々呼吸することをわすれては思い出し、発作のように苦しんだ。

胸が痛い。意識が朦朧とする。
通信要請が入り、何も考えずに応答した。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3055： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 23:24:52 ID:Lp/QWtx60

　　　　Vﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　 Vﾆﾆ＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　 个、ﾆﾆ` ､ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≦ﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　,;':!ﾆ＼ﾆﾆﾆ｀　、ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≦ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　i:;:!Lﾆ」　＞ﾆﾆﾆ｀ヽﾆ|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　|:;:;:;:|ﾆ!　i:::::::::へ_ﾆﾆ |ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/リﾆﾆ
　　　　',:;:;:;:!ﾆ!　,::::::::lイ｀ｰﾐﾐﾄ┬―――――""""" _ィ≦≧:::ﾆﾆﾆ｝ﾆﾆﾆし'ﾆﾆﾆ
　　　　 V:;:;!ﾆ!　 ,::::::| 乂　｛i｝ﾍ:::::::::::/　/:/＿_z≦二＿＿　j::Lﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆ≧≦
　　　　　V:;!ﾆ! 　 〉:::!　　｀ー 人::::И　'《:,"￣ｲ￣｛i ｝　　 〉,::::::/三7　 /　 /:;:;:;:;:;
三三三三弍:;',　 |:ヽヽ、　　,　　乂! ｀　 |　　　ゝ ＿＿x　 ,::::::/:::::/　 /　 /:;:;:;:;:;:;
三三三三三:;:;,　 ',:::l> ≧≦　　 ﾉ ｀　　　　　　　　　　　 ,::::::/:::::/　 /　 /:;:;:;:;:;:;:;　　　　　　よぉ、クズ野郎。いい性格してやがるじゃねえか。
三三三三三V:;:　 ヽﾄ、　　　　 ,　　　　　　　　ヽ、　_　イ::::/ ::::/　 〈　 /:;:;:;:;:;:;:;:;
三三三三三 V:;:　　ヽ＼｝　　 ,　　　　　　　　　　￣／:::::V/"":;:;:;:;＜ﾌ:;:;:;:;:;:;:;／　　　　　　 生身の人間殺したのがそんなに堪えたかよ。
三三三三三ﾆV:;:;　　 ヽ　 　 〈　　　　　　　　　　 ,´::::::／:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:|:;:;:;:;:;イ三
三三三三三三V:;:;　　　V '、,,,,ヽ　　　　　　　　 ,:／／:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:｀￣:;く三三
三三三三三三 V:;:;　　　 ,　ヽrx＿＿＿＿＿＿(／:;:;／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;, '三三
三三三三三三 ７:;:;:;:;｝　　,　 乂二二二二二／:;:;:／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／三三三
三三三三三三/:;:;:;:;:;｛　 　 、　、｀ー――r ´:;:;:／:;:;:;:;:/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／三三三三
三三三三三三!:;:;:;:;:;:;:ﾑ　　 ヽ　j//////　!:;:;／:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:;:;:;:;:;:／三三三三三





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　/ 《 　 （〇） 　（〇） ヽ
　|∩||　 　 （__人__）　　}}　　　　　　あ……う……。
　|∪《 　 　 ｀ ⌒´　　 ∥|
　＼　 ミ三三|￣|三彡／　　　　　　「もったいねえ。本当にもったいねえよ」
　_,,, ト ＿＿　兀 ＿ イ,,＿
/　　 i　 　　 　| |　　 　 i　 i

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
通信回線が開かれ、聞き覚えのあるしゃがれた声が響いてくる。
声の主は高らかに自分を罵ると、心底残念そうに呟いた。

それから、まるで親が子に諭すかのように柔らかい口調へと転じた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3056： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 23:28:39 ID:Lp/QWtx60

ノ : : :__ ﾉ : : /: : : : : : : : : : ,′: : : : : : | : : : :|: : :|/ｲ:／⌒ヾ.: :ヽ : : ヽ : : ヽヽ::',
_; ィ´／／ｲ/: :/ ,ｨ: :/: : : :/: : : : :／: : !: |: : :|: : :|　´　 　 　 ヽ: :',: : : :',: : : |　',:|
::: ／イ:::::::/: ,ｲ://:,ｲ: :/: ,' : : :;ィ´:ｨ : : |: !: : :|､ : |　　　　　 　 |ヽ:i: : : :|: : : |　 !|
:'´:::,::::::::: ,'／//;' /,' :/ﾚ/ : : //'´:ﾉ: :ノi: |、:｜',: :',　　　　　＿|:::i:|: : : :!: : : |　 ﾘ
::／:::::::::::′::i/::ﾚ':::! :':::,' : : :,'::::／／:;ｨ::V::ヽﾉ:::| : ﾍ.　　 ／／j:: |:!: : :｜ : : ! ノ　.ィ
'/::::::::::::::::::::｜:::::::::|/::/ /／:::/／:／,':::;ﾊ::::::::::,' : |､:', _ノ,ィ''7´! ﾉ' : : : ヽ: : :|ーく::::::　　　　　よく考えてみろ。世界は戦争で回ってる。
′ :::::::::::::::::::|:::::::::::レ',ノ'::／/::;:ｨ‐-/∠__|:| : /.: :ﾉ ,Xz'ﾆ´''´　|:|: : : : : : :ヽ: ',::::::::＼
::::::::::::::::::::ヽ､',___／／:::::/ ,ｲ::/ぇ‐ｧ弋ｧァ/::/.: :,'　{　|｀　　　 ﾉﾉ : : :;〈: |､: i ､ヽ、__,:　　　　　一に戦争、二に生活、三に娯楽だ。
::::::::::::::: / :::::｀ーｧ'― ‐1:/::ﾚ'　／￣￣'´{:::{.: :/　 レ'　　ー'イ: : : :/}::| |,|: |´｀ー‐'::
::::::::::::::/ ::::::::::: /::::::::::::::|'::::::ヽ、 　 ,|　 　 Ⅵ.:,'　 ´ヽ　 　　　′ : ,',ｲ´!ﾉ:|: |::::::::::::::::　　　　　 戦争で生き残り、勝つってことは、
:::::::::: ,′/::::::::,'::::::::::|:::: ヽ::: ::､:｀ー'ﾉ　　　　V　　 　冫　　 / : : : {'　V:::::|:/::::::::::::::::
:::::::::/ヘ{ :l::::::i::::::::::::!:::::::::::: : ､ヾ¨´　,.ｲ　　　＼-､ r' 　 　 '} 、 : : ﾞXﾞヽノ':::::::::::::::::::　　　　　 人生において勝利するってことに他ならねえ。
r''¨￣｀¨ヽV´{:::|::::|::|::::::: ::: :::: ヽ.｀二ノ ｨ' ,､_＿＿,．- '　/,'　| : : :ヽ ヽ{_, ｲ:::::::::::::::
￣ ｀ 丶､　＼Ⅵ::::|::ヽ:::: : : :_;＞‐｀＝‐ ､_｀¨¨￣＿,, 　 ,{/　｜ : : : ヽ-r‐':::::::::::::ノ　　　　　　そして俺たちはAMS適性を持っている。
　　　　　_＞ 、 ＼!＞' ´￣ .: .: .: .: .: .￣ヽ｀ヽ､　}::::ヽv':::ヽ /|、 : : : : ＼::::}、／:::::
　 　, ィ´　　 , ゝ'´ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: . ＼ﾉ|'″::::::::＼ヽ`く ヽ: : : : ヽ Yイ:::::::::::　　　　　　絶対無敵のネクスト様に乗れるんだ。
　／　　 , イ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:｀ヽ.:::::::::ヽ::ﾍ::ヽ:}　!ヽ: : : : }:', |::::::::::::
'´　　 ／ヽ、__ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: /:／ .: . ヽ.::::::::ヽﾍ::｜｜:.}:}､ : ﾊj､|::::::::::::　　　　　　どういう意味か分かるか。
.　 　 ヽ、.: .: .: ｀.: ｬ‐ ､ .: .: .: .: .: .: __, .:ノﾞ´〉｀ｧ-= :/::::::::::::',:}',:|　ﾊ:,'ﾉ.:i:｜.:.j'__:::/::::
　　　　,ﾊ .: .:ヽ、 .:ヽ::::ヽ、＿_, ィ.: , イﾙ:'´: / .: .:./::::::::::::::::ij i:!/ 7ﾞ.:.:.:|: |:ノ.:.:.{ '::::::





　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 弋､__
　　　　　 　 　 　 　 　 ｲ:::::::::::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽﾆﾆノ
　　　　　　　　　　　 　 j::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::＞': : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 /:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::´: : : ｲ: : : : : : : {:::::::: : : ',
　　　 　 　 　 ﾄ､_____ノ::::::::::::::::j:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ .|: : : : : : : ﾊ:::::::ヽ::::::|
　　　　　　　　ヽ､::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::-─ ､ノｲ: : : : : 丿j:::::::::ﾉ}:::ﾘ
　　　　　　　　　 Z::::::::::::::::::::::ﾘ::::::::::::::::::::::::::ｲ　弋ﾗミ从::::j::::ﾉｲ小:::／.ﾉノ　　　　　俺たちはちょっと頭を使って上手く立ち回れば、
　　　　 　 　 　 ｲ::::::::::::::::::::::ﾉ:::ｲ::::::::::::::::::::::弋___　　　　ｿ' | ¨}:::::::/
　　　　　　 　 　 >::::::::::::::::::´:::::ﾊ::::::::::::::::::弋ー´　 　 　 　 ∨从小､__　　　　　　　 戦場で常に勝者でいられるんだ。つまり、人生の勝者だ。
　　　　　　　　　{:::::::::::::::::::::,ｲ/　',::::::::::::::ﾂ¨¨´　　　　　､.＿ 〉′　¨´
　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::ﾄ　　 }:::::::::ﾒ　　　 弋==＝ｲ/::::{　　　　　　　　　　　　　 金、名声、女、権力、何でも手に入る。
　　　　　　　　r‐‐ﾐ､（::::::::::人.　 八::::{|　＼ 　　　 ￣´/::::小､__
　　　　　　　 /:::::::::::jｱ￣　ヽ､｀¨'' 从{　 　 ＞ ､ 　 　j:::::::jj　　　　　　　　　　　　　　　戦場においても、ネクストにさえ気をつければ、
　 　 　 小､ノ:::::::::::ｱ弋　　　　＞- ､_ 　¨¨¨く__. ｀¨¨ |::::ﾉ
　　　　　Y:::::::::::::ｲ　　 ＼　　　　　　　｀＞､_ ヽ＼ ヽ ﾚ′　　　　　　　　　　　　　　　　ノーマルをブ散らすだけで巨万の富が手に入るんだ。
　　　　 /ｲ::::::::::::ﾘ　　　　 ｀¨ー-- ､ 　 　 　 ｀＞､j　ﾊ

3057： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 23:31:05 ID:Lp/QWtx60

　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 　　 　　 　 ﾞｌ
　　　　　　　　　　　　　　│　,－　／　ﾉ　　ﾄ、　　　　　／ソ　／ヾﾍノﾍ 　 　 　 ￤
　　　　　　　　　　　　　　│.//　ﾉ　　/　γ'　ﾘ　　 　／　/／　 　　　 　 ﾐ 　 　　│　　、
　　　　　　　　　　　　　　 ﾞｌｿ!| /　　/　ノ　　 ﾚ'リ　ノ 　 　 　 　 ／ﾞ''"＾ﾐ　　　　 　 ゝ__ノ}
　　　　　　　　　　　　　　　　!ﾚ　　‐彡'　　 　　-彡　　 　 　 ,／ 　 　 　ミ　　　　　 　_／　,
　　　　　　　　　　　　　　　　ｿ　　　　　　　.ｒイｨ'│　　　　 ,7 　　,,..-　　ミ　　　　　　ﾆ二ソ
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　 /　”≧从_　/'!ｲ'..-‐''"　　 　 丿　　　　　　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　ー '　　 　 　 　 　 l´弋 trｯ乂.|! 火,xtf:ﾗﾉ ｱ 　　l" 　　　　　　ﾉ　　　　　　　俺たちは自由なんだ。何でも好きにできる。
　　　　　　　　　　　　　　` ''‐./　　　　　　ﾄ、 "￣- 　 　 ''ﾐ- ￣ ｀　　 /　　　　　　　＼__ﾉ}
　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　│　　　　　 l　 　 　 　 　 　 / 　　　　　　　　　ノ　　　　　　この時代は俺たち戦争屋の時代。
　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　 弋　　　 　 ,'! 　 　 　 　 　 彳　 　 　 　 　 　 ｌ"
.　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ　　 　 　 　 　∧　''' "　`　 " ''''''''　 　 /| 　　　　　　　　 ｸ　　　　　　　　戦場は俺たちリンクスの楽園だ。
　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅵﾍ_　　 　 　 　ヽ、　-----ｰｰ''　 　/ │　　　　　　　　ﾘ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾘ　 　 　 　 　 ﾄ､　　''--　　 　／ /│　 　　　　　　 f-'ｿ　　　　　　　 どうして悔やむ？　どうして恐れる。
　　　　　　　　　　　　　 ＼､　 ／　　　　　　 ,‐│ ＼ ｒ,,-,,ｭ　／　 / ｿﾘ　　 　 　 　 　 ノ
　　　　　　　　　　　　　 　 ｀二／　　　　 　 ｆﾆ土ュ,_爻炎爻_,.ｪェﾁｿﾚ　　　　　　　　 ヾ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　 │　　　　ﾐ爻爻ｼ~　　　　彳 　　　　　　　　　ゞ
　　　　　　　　 ＿_......--‐‐‐'ソ　　　　　　 │ 　 　 　 乂乂　 　 　 　 ﾚﾘ　　　　　　　　　　ヽ　　 _r-----
　　　 _rｧ--'￣ 　 　　　　 /　从Ⅵ　　　/ﾘ-...___　　　 ﾞヾ"　　　　_ ,彡ミ　　　　　　　　 升－－/





　　　 ,,, ＝＝＝＝,,
　 　〃　 ─　　─　＼
　/ 《 　 （〇） 　（〇） ヽ
　|∩||　 　 （__人__）　　}}　　　　　　そのために、人の命を……
　|∪《 　 　 ｀ ⌒´　　 ∥|
　＼　 ミ三三|￣|三彡／　　　　　　「テメエが言っても説得力ねえんだよクソ偽善者が！　マトモぶってんじゃねえぞ！」
　_,,, ト ＿＿　兀 ＿ イ,,＿
/　　 i　 　　 　| |　　 　 i　 i

3058： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 23:35:44 ID:Lp/QWtx60

　　　　　　　　　　　 , ─´──-＜::::::::::::::::` ｰ────-- ､
　　　　　　　　　,　´　　, - ─ ´￣,　-　─　´　￣￣￣￣￣　｀丶
　　　　　　　 ／　／, ´　　＞　´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　／　／/ ＞　´　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∧
　　　　　/　／, ＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |
　　　　　|／　＼　　　　　　　　 　 　 　 ,　-──────-- ､　　 　 |
　　　　 /　 　＿ヽ　　О　　　r　 ´ ￣: : :／|: :/:ｌ´: : : : : : :|: : : : ヽ　　/
.　　　 /　 , ´　　 |　　　　　＿ｌ: : : :/: :／ヽ/／､:ｌ: : : : : :／､: : : : : ｌ　/
　　　 |　 /　　　　｀ｰ─ ´ |　|: : //／く￣ィ､ヽ ｌ:ヽ: : ／/__ ｌ: : : : : ｌ/　　　　　　いいかあ？　この時代に……いや、常にだ。
　　　 ヽ/　　　　　　　　|　|　|: : ',　 　‐ ｰ＾´ ソ､ｌ､: / ィ‐ ､｀|: : : : : ｌ
　　　　 |　　　　　　　　 ｌ　|__|＿: :ゝ‐ィ　　　　　　 　　ヾｰ　ｌ: : : ／ｌ　　　　　　　人類史が始まって以来、人間は三種類に分かれてきた。
　　　　 | 　 　 　 　 　 ｌ´　　　 　 ＼　　　　　　　　,　　/　_ﾉ: /､　 ｌ
　　　　 |ヽ　　　　　　 ｌ　　　　　　　 ＼　　　　　 　 　 ′ヽィ-‐´　ｌ　　　　　　　 実際に手を汚して弱者を殺し奪う者、
.　 　 　 |　',　　　　　/　　　　　　　　　 ヽ´ニニ二 ｰ-､　 /　　　 /
　　　 　 ',　＼　　／　　　　　　　　　　　 ヽ::::::::::::::::｀ /　/　　　 /　　　　　　　　　殺され奪われ強者の糧となる弱者、
　　　　　 ',　　￣　　　　　　　　　 r ､　　　 ＼ｰ-､::::/　/ 　 　 /
　 　 　 　 ∨　　　　　　　　　　　 ゝ '　　　　　＼ ∨　/　　　./　　　　　　　　　　　そして……殺し奪ったものを分け与えられ、
　　　　　　 ∨　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ　/　　　./ヽ
.　　 　 　 　 ∨　　　　　　　　　　　　　　　　 　／ ｀　ｰ -　＿| |　　　　　　　　　　　血塗れの土地と金と飯で生きてるクセに、
　　　　　　　　ゝ───────- ､ 　 　 ／　　　　　　　　 /
──- ､　　　　|　　　　　　　　　　　　　丶　､　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　『私たちは罪もなく暮らしています』ってツラしたゴミ共だ！
　　　　　＞ ､　.|　　　　　　　　　r───--- ､￣ ` ┬--- '
　　　　　　　　＼　 　 　 　 　 　 ｌ　　　　　 О |　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　実行犯かそうでないかの違いしかねぇのによォ！！





　　 /: : : : : : :/: : : : : /: : : : {: : : : : : : : : :/ //／´　　　　 ﾌ//　./∧　　∧
. 　/: : : : : : :/: : : : : / |: :∧ﾍ: : : : : : : : / // ﾄ　 ∩　　／//　./: : ∧　　∧
　/: : : : : : :/: : : : : /⌒!∧､ ∧: : : : : : :{ /ｲ　{　　 ｚ＜´ 　 　 /: : : : ∧　　∧
　{: : : : : : :.|: : : : : :|　/厶云　∧: : : : :イ　 　 レイ　 　 　 　 /: : : : : : ∧　＿」
　|: : : : : : :.|: : : : : :| イ　　　 ＼､＼: : :.:{　二￣￣￣´　　　/: ／￣´/: :.∨　 ∧
　ﾄ､: : : : :..:|: : : : : :|　{　　∩　　冫　ヘミ≧=ｰ'　　 　 　 　 |/　　 　 {／´　　　 ∧
　|　＼: : : :|: : : : : :|　　　　　／//　　　　　　＼　　　　　　 {　　 ／⌒　　　　　　　＼　　　　罪？　笑わせんな！　生きてるだけで大罪人だ！
　{ｉ　　ゝ─ﾄ: : : : :∧　ゝ-＜　ｲ/　　　　　　　　　　　／⌒ヽ　 /　　　　　　　　　　　 ＼
＼|　　　　　∨: : : :ゝミ三彡　/　　　　‐-　　　　　　 ィ⌒ﾍ　 /　　 ∨　　　　　　　　　　　　　だったら、んなもん考えるだけ無駄だ！
. 　＼　 　 　 ∨ﾄ: : : :≧=ｰ' /　　　　　　　　　_　 　 ／　 ｊ ∨　　 　 ∨
　　　∨　　　　＼＼∧　　　ゝ　　　 ‐　　　　、｀ ／／＾.ノ /　　　　　 ∨　　　　　　　　　　　　もっと利口になれよ！　俺たちに神はいねえ！
.　　　 ∨　　　　　 ≧=ｰ　　　　＼　　　､　｀､ ／／　　　 /　　　　　 　 .}
　 　　　∨　　　　　　　∧　　　　ﾉ ｊ　｀ィ彡-￢´　　　　 /　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　いるとするなら、俺らこそが神だ！
.　　 　 　∨ 　 　 　 　 　 ヽ　　　 r彡ィユ´　　　　　　／ } 　 　 　 　 　 |
　　　 　 　 ＼　　　　　　　　＼　　＼⌒´　　　　＞‐´　 /　{　　　　Y⌒Y
　　　　　　　　＼　　　　　　　　＼　　∨　　　／　 　 　 |　 ﾄ､　　　 ゝ ノ
　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　ヽ　 ∨　イ　 　 　 　 |　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　､　∨ /　　　　　　|　 　　　＼

3059：安価のやる夫だお：2020/09/07(月) 23:36:59 ID:ld0pjMiM0
極端だけど世界観的には正しいな

3060： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 23:41:16 ID:Lp/QWtx60

　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
..　／　 _ノ 　ヽ､_　 ＼
／ oﾟ(（ー）) (（ー）)ﾟo ＼　　　　……。
|　　　　 （__人__）　　　　 |
＼　　 　 ｀ ⌒´　　 　 ／

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もう何も考えられなかった。
声の主の叫びも、それ以上の意味を理解する気力すら、起きなくなっていた。
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3061： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 23:41:28 ID:Lp/QWtx60
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　┌─┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　│ :: │
　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┌┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 └┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3062： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 23:47:52 ID:Lp/QWtx60

　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼／￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣｀.　 ＼ 　　 ＼
　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　 、　 　　、
　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　i　　　　 l
　　　 　 　 ＿／ 、　　,ｲ　　　　　　　　　　　　/
　　 　 　 （ 　 　 ）_／＿＿＿＿＿＿ノ＿＿ノ
　　　　　　￣￣

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あれから何時間が過ぎただろう。
何日かもしれない。もしかしたら、まだ数分しか経っていないのかもしれない。

メディカルチェックを終えた後、部屋に駆け込み、電気を消し、
ベッドに潜り込んで体を横たえ続けていた。
マットレスに体が沈み込み、段々その境目がなくなっていき、
やがて消えてなくなってしまえばいいのに。
この閉じた瞼が、二度と開かなければいいのに。

喉が渇き、空っぽの胃が呻き声を上げているが、何かを入れる気にもなれない。

なのはは、何も言わなかった。表情は、窺い知れなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3063： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 23:55:43 ID:Lp/QWtx60

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　　　　　　＼　　　　　　 /:＼ .＼.: 八⌒　､　　　，　_彡ｸ／|.: .:|.: .: :|　　　　　　　　　　こんばんは、やる夫君。
　　　　　　　 ',　　　　 ／.: ／ : : ／　 ＼＿_　　 　 　　イ.:.:.:|.: :八 : :|
_　 　 　 　 　 | 　　 ／⌒7.: ／￣￣(￣　　∧__. :　 　　:| : : |.:/ .: ) .:|
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　＼__（＿＿__,／　 ／　　|八 　 八ニ.|＼:::::＼　 〉-〈(　 　 　 　 ＼/｀`〜､、
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　 　 　 　 /　　　 　 　 　 :|::::::＼ﾆ./::::::::::::|::::::::::＼:::::::::}::::: ＼＼ニ|. 　 　　　＼　　　　　　　　　 　＼
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　　 　 　 ＼　　 　 .､-''":<＼:::〈:::::::::::::::::::::::::::〉:::＼___/::::／:::::::::::::|_/_／￣￣)　　　　|　　　＼
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　　　　　/::::ノ ::::::::::::::::::::|::::::::::::::|:::::::::::＼::::::: |:::::::::::〉　　　 ＼:＼::::::::::／´ 　 　 　 　 |　 　 　 |　 |
.　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::: :|::::::::::::::::＼ ::|￣￣〉　　　　　￣￣|~　　　　　　 　　 |　 　 　 |　 |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
暗闇が引き裂かれ、差し込んできた光が瞼の裏を微かに白く染める。
ぺたぺたとフローリングを駆け、誰かが近づいてきたかと思えば、
聞きなれた声がした。優しく柔らかく、朗らかな声。
ちょっとだけ気になるあの人の声。

それでも、目を開き、彼女へと向き直ることはしなかった。
したくなかった。何もかも、したくなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3064： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/07(月) 23:58:22 ID:Lp/QWtx60

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　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |　　　　　　　なのはちゃんから、事情聞かせてもろたで。
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|　　　　　　　もう丸二日も引きこもって出てこおへんて。
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|　　　　　　　
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
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　　　　　　　　　　　　　 -‐━━=ミ
　　　　　　　　　 /⌒:^.: : : : : : : : : ::＞
　　　　　　　_.-=ミ: : : : ＼: : : : : : : : :V: `.
　　 　 　 .ｨ: : : : 7:〉 :∧: : :V: : : : : : :〈/: /〉:.
　　　　 /: : : : : :|/ | : :|:V: : :i : :| : : : : V〉: : ﾊ
.　　　 /: : : : : : :|i　!::斗-V: :|ー|‐|:-|: ::|:|i: : : |i
　　　 ′l: : |i :|i |i_,.ｨﾃﾃﾐ : : |N|ｨテﾐN: |:|i: : : |i
　　　{　｜:::|i :|i |i　 r勿,　|:N　 r勿ﾉ !::|:|5!: : : .
.　 　 　 从::|i: |i |i:　^¨¨　　i　　　 　 」::|:|,ﾉ: ;小:.　　　　　　　　……こないに、ボロボロになってなぁ。
.　　　　　　〕: :|i |N」　　　 ,　　、　　.: /|:| : /: : :|i
　　　　　　　　|i ||:|:i＞　　　　 　 .ｨ :/::」:/〈: : : 八　　　　　　　　もっと、早うにこうしとればよかったんや。
　　　　　　　　|i ||:|:|///〕ﾆ=-　　 | l: : :/　 V⌒V:＼
　　　　　　　　|i7⌒V|　V寸ﾆﾆ才　!: /　　　＼_,V⌒ :、　　　　　最初から、こんなことまちごうとるて気づいとったのに。
. 　 　 　 _　--厶ヘ V　 V /⌒丶　| {　 　 -=ﾐ,V{　　,ハ
　　　　 〈,　　 / 　 　 V　V^V__/^V　|/　/　 　 ＼　/
　　　　/∧　/　　　　 }.　 }i /　Vi{　 」　/　 ______　/　　 __
.　　　 {　　V　 　 　 ,リ,　　}i　　 i{　 }i,　 ／　 　 |ー━=ﾐ」
　 　 r」　　⌒ー‐―(￣￣〉ﾑ　 /| 　i|／　　　　｜　 　 _.」Ｌ
　 　 |⌒ー}　　　　 /　 　 ＼ V　　 /　　＼　 　_|　　ー=ミ__ )
　 　 |　　 ﾉ　　　 ,/　　 　 　 ＼　./　　 f/―‐┐＿__　　　}　＼
　　 ∧__(___　　_/　　　　　　　　＼　　 /　￣￣〉　乙...
　　　　/　　　/八　　　　　　　_ji斗〜'へ　￣￣| 　 」(
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3065： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/08(火) 00:01:47 ID:S0TTnf5Q0

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　　 　 　 | : |人.: : :＼|乂:ソ 　 ＼|　）/(::::狄:|:.:.::.Λ:..::..|:.::.:|　‐┐　　　　　　　　ね、やる夫君。私と一緒においで。
　　　　 　＼|:. :.＼|: ト "'''　ﾉ　　　 ∨ヒジ ::| :.::./） }::..: |／　　 ﾉ
　　　　 　/.:. .:../ :.|八　　　　　　　　　''' イリ:.:./　イ :: ' 　　 ／　　　　　　　　　　もうネクストに乗る必要もあらへん。
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　　　　,.: :. :../ ..::.:.: _jﾆ=‐＼　　　　　／ :／ 　 /:..:/　　　/|　　　 　　　　　　　　　なのはちゃんにもナシつけといたさかい。
　　 　 |.: : :.从: : :/´　 　 　 〕=≦ ／7／　｢"'<::: /　　　/: |
　 　 　 、: :|　 ∨Λ　　　 /　Λ＿／/＾＼|　　∨ 　 　 {￣￣＼　　　　　　　　　　 もうこれ以上、傷つく必要も、傷つける必要もあらへん。
　　　 　 ＼|　 // : :.　　 /　 |::::::::::／: : : :｜　　|　 　 ／⌒Y´　 ＼
　　　　　 ／￣/: :: : :.　/　／⌒Κ＿＿__｜　 ｜　 /　　　 |　　　 |　　　　　　　　　 ええ場所、知っとるんよ。
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　　　　　　　{　 　 　 /　 ／:::: | 　／ |　　｜　 　 ｜　/　　　 |　　 |
　 　 　 r―‐辷...＿Λ／:::::::::: |／ニ｜　 人　　　 |__/　／⌒ 　 　 ＼
　 　 　 | {／-=二|二|＼_:::__／-ニニ|　 　 ｢＼　　 └彳 　 ノ　　　　 ]―┐ 　 /
　 　 　 |/ｰ=ニ|￣二|ﾆﾆ／ﾆ二二二|＼　 |ﾆ{　 　 　 └＜ﾆ＼　　　　 　 厂し′
　 　 　 {-=ﾆニ|二二|ﾆ/ﾆﾆ＞''^｀￣ﾆニ＼ﾆ乂＿＿_ ノニニﾆ|
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3066： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/08(火) 00:09:07 ID:S0TTnf5Q0

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　　　　　　∥.: .: .: |.: .: |.: .八:＼__＼:(_＼ : .: |　 |.: .|.: .: |.: .: |) |.: .: .: :'，
　　　　　　{　ｉ.: .: : | .: 人: .: .: ／￣ノハ　＼.:|　　x===ミ.: .:人八.: .: .:.:'，　　　　　　　――お姉さんのこと、信じてみい。
　　　　 　 　 |.: .: : |.: : : |:＼ : 乂 乂＾ツ　　 )　　　, ,　 ﾉ／イ.: :| : : .: .: '，
　 　 　 　 　 j八.:.:.|八.: |.: .:| .: .: :＞, ,　　 ､　　　　 　　 /|: j|.:.:.:|.:＼.: .: .:'，　　　　　　誰かを信じるなんて、もうしたくあらへんかも
　　　　　　　　　＼| | :＼.:.:.| : .: 込　　　　_　　 '⌒) 　 .: :| :ﾘ.:.:.:|.: .:.:＼.:.:.:'，
　　　　　　　　　　　:|.: .: .: .:|.:|＼.: .:> ,. 　＇‐-‐　 ／ | ∨/.: .: :|.:＼.: .: .: : :　　　　　　しれんけど……最後にもういっぺんだけ、
　　　　　　　　　　/.:|.:|.: .:.:.:|.:|／(　　　 ＞　　 _／　/:|　| : .: | .:|＼￣＼.: .:i
　　　 　 　 　 　 /.: :|.:|.: .:.:.:|.:|//∧　 /:::|　|＼＿／../　:| .: : |.: |/∧　 ∧.:.|　　　　　　私のこと、信じてみてや。ね。
　　　　　　　　　. .: .:|.:|.: .:.:.:|.:|／⌒∨:::: |　＼ニﾆ／　 ∧ .: .|.: |＿_〉 /　∨
　　　　　　　　　| 八|八.: .:.:|.:|/＼_/ :::::: | /⌒> <⌒／:::∧.:.:| :八　∨ ＼ '，＼
　　　　　　　　　| ／　∧.: : 八　 /::::::::::::|　　〔:i:i:〕 /:／⌒ﾊ :|/　 ＼ ＼　＼ 　 ＼
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　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　r' ´
　　　　　 　 　 l　　　　　　＿, -‐ '´厶_
　　　　　　　　 ト-‐ｩ-‐' ＼　　　ィ´　 ｀t┼
　　　　　　　　 ｀ゝ_| !　　　」　　　ヽ　　 / １
　　　　　　　　　__＿」　　 |∧　　　　／　勺
　　　　　　　　"　　　　　　!ヽﾍ　 _／　ﾞ;`

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布団にはやてが腕を突っ込んできたかと思うと、手を握って引っ張り出された。
露出した手をそっと握りなおされる。
はやてはそれ以上、言葉を重ねることはしなかった。

「……分かり、ました」

一瞬、握る手に力が込められた気がした。

どこか遠くへ行きたい。ここでなければどこでもいい。
消えてなくなってしまいたいところだけど、そうするのは難しい。
行先ならどこでもいい。連れだしてもらえるのなら、どこでも。

彼女の手は、仄かに暖かかった。
人の命の、存在を伝えてくれる暖かさだった。

それを感じ、暗く濁った考えが頭を出しそうになり、思考を止めた。
この暖かさを。こういった温もりを。

自分は何千何万と、消し飛ばしてきたのだろう。
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3067： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/08(火) 00:09:21 ID:S0TTnf5Q0

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3068： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/08(火) 00:18:00 ID:S0TTnf5Q0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　MIND-CRUSH

　　　／／,　 ／／／　　　 _,　　　　'／／〃　　　　'　　 ／　　 ,　 ／／　／
　 ／／／／ ／／　　　／/!"　　　_　　′　, 　 　　_,__ __,__／　／, '　　 ´　 　　　　'／
／／／ 　 ／　　　　　/,ｲﾍj　　　〈/　　　／.．=‐',.-‐-、 '／ヽ,　　／／／　　　　／
／ ．　　　　　　　　　/Y_/´　､iI　, 　 ．　.／,,'.ィ'"　 　ﾟ } , ／／`、／／　　　　／／,
　　　　／／　　　　,ｲ／′　／／　　 ',,´／,､ｉｌ|、／,　ノﾉ'／ >　 ;‘ '／　　　,
　　'／,　／　 ／／´　 ,　／／　 .．''´／／／ヾ=_ -く,'=-‐､／, .; 　 　 　 ／,　 ‘／／
'ﾞ／／／　　.´　　 　／／　　 .イ 　 　 　（__,.ｨ77tゝ､.'、　　 }Y､,　 ／　／／　／／
･／ "rｸ　　,／　 ／　,　　,∠　キ　 ，''　 〈ﾞｰrr､､ヽ,')ﾐ､_｡_ノ/　／ '／,　　 ／　　　 ,
＿__ _／ ／／　　　{］　∠!　　"ﾍ　　　　　 ⌒ヽﾉ)ﾐゝィ　､'´／'　／／_, ∠=-―､-、
／　.　．≧ ､／／　 ∠　キ　〃　,／, `、　　　　／　　!／'／　 ／.∠、｀ヽ ＼ヽ} ﾉ
　／　　.．-‐ヽ-‐､∠／"'),　／／,／,　 `ー　　　　　ノ　 　 ＞''´ﾆ､ヽrﾞ＜、ヽ／/
　, ･ ´＿__ '/　／'／／　'／,　 ヾ.≡／　 ,ｨ／／　イ／　/'´.／`/ニ!｀iI､ヽﾞ／. /
ｨ＝‐　￣` {　 {ヽ､＿"'／／.／／／／／ '／ ,丿 ，／　｀"′　［ニ］ ／" ﾏ／　　　 〝
;/;/;/;/;/;/∧　ヽ._　　＼　　"/／／／, ／〃,ｨv'゜¨i`',　　 ／　rｧ　　　　　　　／／
;/;/;/;/;/;/;/∧､　　｀ｰ- _＿-―　"　／,　　ノ／}　 !　＼'_　　 ｀ ／　／／ ／／　　／
;/;/;/;/;/;/;/;/;/;7;7>　_　　　｀「７ -￣-‐／／ ノ　 i　／i /〉' ／ﾉ}／／　　　'
;/;/;/;/;/;/;/;/;/／／;/;/;/≧､___,,,,,,,,,,,,,,,､ ＜´,ﾟ　　j　 _イ/_,_／｀´／<>　　　　, ／
ﾆニ二二ヽ__／ ／;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/ヽ ＼--＜　￣ )"／｀ヽ._　　　　 ／／ ／,
イ／／　二ヽ.　{;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/;/ヽ.＼-‐‐っ彡´,,　　　_}＿__／／　 .,／




　　　　　　　 ､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　おーっとやる夫君メンタルやられて駆け落ちしてしまった！
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　といってもはやてにまだ恋愛感情はない！　これは駆け落ちと言えるのか？
　　　 　/ : : : : : : :┌─┐
　　　 　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　どうなってしまうんだろうねまったく。
　　　 　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　 　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ　　　　　　ちなみにこの迎えにくるのはヒロインで、なのはを選べばなのはが迎えに、
　　　　 と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣　　　　　　　　アルトリアルートの場合はアルトリアが迎えに来る予定だった。

3069： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/08(火) 00:22:20 ID:S0TTnf5Q0

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　　というわけで、今回はここまでだ。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　　次回は来週の月曜日、9/14の午後八時からとしよう。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　　次からは療養編って感じかな……やる夫君のリンクス人生壊れちゃう！
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

3070：安価のやる夫だお：2020/09/08(火) 00:50:14 ID:aAcEbSAw0
乙ー

3071：安価のやる夫だお：2020/09/08(火) 05:39:45 ID:m5iwbrNA0
乙
こんなんじゃ自分のためにも戦えないよ！

3072：安価のやる夫だお：2020/09/13(日) 20:54:17 ID:ztRvEs060
乙です

3073： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 20:08:16 ID:4R4.oKj20

　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿　　　　　　　
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
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　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3074：安価のやる夫だお：2020/09/14(月) 20:16:12 ID:Y2e3rXi.0
ハロー

3075： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 20:21:08 ID:4R4.oKj20

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　　チミたち元気かい？　モコイさんは元気だよ。
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　　今日の昼飯は納豆とみそ汁とご飯で済ませたんだが、消化が良すぎるね。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　　たまにはほっかほかの窯焼きピザとか食べたいね。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　　はじめてこっか。
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

3077： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 20:38:34 ID:4R4.oKj20

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　　 :| :|.: |: .: ､.: .:.:.:乂Vﾂ |/　 　 ゞ''" 厶ｲ|.: .:|.: .: ＼ :＼
　　 :|八八.: .:(＼.:. :〈' '　　､ 　 　　' ' / {.: |.: .:|.: .: .: .:＼:(＼
.　 　 　 ＼＼.:＼＼込　　　､　一　 . :.八.:|.: .:| ￣|＼＿＼: ＼　　　　　　　　　　お。やる夫君、窓の外、見てみ？
.　　　　　　　 ＼.: .:|.:| :＞　.,　　 ／／ﾆ∧ .: .| //|:::: ＼|￣＼ )
　　　　　　　　　八:|.:|＼ :＼　「ニニニ〈 ∧.: :〈　 |￣／|　　　＼　　　　　　　　　「……」
　　 　 　 　 　 /.: : |.:|＼＼.:.Ⅵ::.＼ニニ〉⌒＼:＼|／　 |　　　　厂＼　
　　　　　　　 /.: ..:/|八:: ＼＼:|::::∨￣〈/」　　|:＼(　　　|＼__／　 　 |　　　　　　　ほら、ええから見てみい。
　　　 　　　　.: .:./_.〕／_____＼j::::::::. 　　〈/＼ |::::: ＼ 　 |　 〈＿＿＿__〕
　　　　　　　|.: |￣|￣￣￣＼:|:::::::::::.　　| ///|:＼__∧ /＼　＼　　　　 ＼　　　　　下にあるの、何やと思う？
　　　　　　　|:/|　 |　　 ＼　 /|::::::::::::|＼／￣:|:::::::::|:::L(＿_＼__＼______＼ ＼
　　　　　 　 //|　 |　　 　 ／八＿＿|::::::＼:::: |::::::: 厂::::::::::Yニﾆ＼ //// ＼ ＼
.　　　　 　 〈〈 (_／＼. ／ﾆ/V::::::::＜:::::::::::::＼|::://::::::::'"^:::}:￣＼_∨///// )　 ＼
　　　　　　　〉 /　　／Yﾆ./:: } :::::::::::: ｀`〜､、:＼:{:::::::::::::::: 八::::::::::::::'////／ ＼⌒＼
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どれくらいの時間、そうしていただろうか。あれ以来、時間の感覚がおかしい。
碌な会話もないまま、沈黙だけが流れている。

輸送機は自動操縦で、はやての言う「安全な場所」へ向かっている。
何を以てして安全というのかは分からないが、そうらしい。

しばらくすると、隣のはやてが声を上げた。
首を動かさず視線だけで彼女を見るが、それだけでは不満だったようで、
わざわざ立ち上がると身を寄せてきた。

流されるままに取り付けられた覗き穴のような窓へと首を傾ける。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3078： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 20:44:19 ID:4R4.oKj20

　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ヽ
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　　　　　 　 　 　 __r‐/　/ 　!　 .ヽ　＼
　　　 　 　 　 __/ 　 i　." i　 !.､　 ﾞlゝ　.l＝ｰ..,i-､　　 √/冖ｌ_/⌒/'ｰ､　　 _
　　／∨ ＼/　｀'-､ !.!　 .|、│ ﾞ'‐ `　　.ヽ !　 ﾞﾝ'⌒゛ / 　　` 　./　　..ｌﾞ''"゛ ＼,..ｰ､　　　　　　　　 メ＼
.／ .／ 　.i　 ＼　 ﾞﾆ=- ﾞxX彡爻爻爻ミﾐ￢--爻炎ﾐ--xX爻ｰui_爻X-..＿　,-ﾞヽ､_｀';;､＿＿＿／　|.､ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿
／,/　／　.ｌ : -;;'"彡爻爻ミ璽目旧[]璽旧「幵幵冊龠彡爻爻ミXxﾚ! rv-'/ .,!　.<ﾞヽ_,ﾞヽ＿ ｀ﾞﾞ'ｰ龠爻ﾐXﾆ:::::.::.::.:::::::.....:::::.:.::.::.::::
.┴-←''二=-‐､,,. ⌒`ｰ､璽幵「璽冊[]目高龠璽幵xx＿_xX爻ﾐﾐｉl!爻l／./　.ll,　 .ｌ　 .｀''-ﾐr￣ﾞTTi冖￣　　:::::::　　.....:::::.:.::.::.:::::::
　≠ﾆ'"゛/　| ＼.｀ﾞ''ｰ---..__xX「高[]龠爻ミﾐ''‐爻.-＝―--二＝ィ⊇＿____爻爻炎二＝=-,,..ﾆi !.......:::::.:.::.::.::::::: ::: ..:: .:.::...　....　....
.彡爻ミ/ 　 !　　｀';;v-八´　 ｀'-､爻iii,i...､二=爻（=　‐　二　≡=　三 =ﾆ ）,龠龠爻ミﾐtｒ'"...　... :::..:.............:::::.:.::.::.:::::::　... :::..:......
　璽￣´彡爻炎ミｰ'l―xX彡爻爻爻ミﾐヽ二_ ｀ﾞﾞ'|‐==＝广＝＝ 　.....:::::　.:.::.::.　:::::::..　　　　　　　　...:::::.:.::.::.
.傘ﾐr─-'"￣´.! ﾞ''ーt-　＿x彡爻龠爻ミﾐ___ヽi,,ヽ　 　...　... :::..:.............:::::.:.::.::.:::::::　... :::..:.............:::::.:.::.::.::::::: ::: ..:: .:.::...　....　....
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見えたのは、島だった。
なんということはない、ただの島だ。何か珍しいものがあるわけでもない。
強いて挙げるなら、この汚染だらけの世界の中で、緑色が多く見えるくらいだが。

鈍く重い気持ちでその島を見つめていたが、段々と距離が近づいていくうちに、
その島が普通のものとは違うことに気づいた。

建物が見える。それも一軒や二軒のみではない。建造物群だ。
海に囲まれた島の外縁にはこげ茶の木造建築がちらほらと建ち並び、
中央にはビル群のようなものまで見えてきた。
廃墟ではなく、きちんと人の手が入った建物だった。

森林の割合も不自然なまでに多い。汚染の少ないコロニー周辺区域ですら、
ここまでの大森林はないだろうに、この島には地面を埋め尽くす量の森林がある。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3079： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 20:47:03 ID:4R4.oKj20

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ヽ:::　　　 　　　 __／
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　 　 　 /:| : |: : |:.. :.. :..|　　｜: :.:.:. |:: :..|:. :..｜[／／〉　〈. : .:
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　 　 　 　| : |: : |: |: :テ旅㍉|:|:.: ￢|￣ ｢＞⊥[／／|:..::..|:.::.:|　　　　　　　　コロニー・アマツ。太平洋に浮かぶ水上コロニーや。
　 　 　 　| : |: : |八:..:　r(:;;ﾊ|八 : :.デ笊㍉:..|::|／ : /:..::..|:.::.:|
　　 　 　 | : |人.: : :＼|乂:ソ 　 ＼|　）/(::::狄:|:.:.::.Λ:..::..|:.::.:|　‐┐　　　　　けど、このコロニーは事情が少し特殊でなぁ。
　　　　 　＼|:. :.＼|: ト "'''　ﾉ　　　 ∨ヒジ ::| :.::./） }::..: |／　　 ﾉ
　　　　 　/.:. .:../ :.|八　　　　　　　　　''' イリ:.:./　イ :: ' 　　 ／　　　　　　　桜花重工の本社も兼ねとる特別文化保護区域や。
.　　　 　/.:. .:../ .:.:.:/::::＼　｀　 　 -　 　 ／: ／　/:..:/　　　/
　　　　,.: :. :../ ..::.:.: _jﾆ=‐＼　　　　　／ :／ 　 /:..:/　　　/|　　　　　　　　　　人口は一万にも満たへんけどな。
　　 　 |.: : :.从: : :/´　 　 　 〕=≦ ／7／　｢"'<::: /　　　/: |
　 　 　 、: :|　 ∨Λ　　　 /　Λ＿／/＾＼|　　∨ 　 　 {￣￣＼
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　 　 　 r―‐辷...＿Λ／:::::::::: |／ニ｜　 人　　　 |__/　／⌒ 　 　 ＼
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　 　 　 |/ｰ=ニ|￣二|ﾆﾆ／ﾆ二二二|＼　 |ﾆ{　 　 　 └＜ﾆ＼　　　　 　 厂し′
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.　　　 八 -=二＼ﾆﾆ∨ ／-=ニニニﾆﾆ=‐ﾉ人ニニニニニニΛ＼

3080： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 20:49:06 ID:4R4.oKj20

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　　　　　　 ∥:/.: .:|.: .: |.: .:| .:　八.:.:＼.: .: .: : |／|.: .|.: .: |.: .: |:∨ : .: '，
　　　　　　∥.: .: .: |.: .: |.: .八:＼__＼:(_＼ : .: |　 |.: .|.: .: |.: .: |) |.: .: .: :'，　　　　　　　　　平たく言えば、人が生活してる博物館。
　　　　　　{　ｉ.: .: : | .: 人: .: .: ／￣ノハ　＼.:|　　x===ミ.: .:人八.: .: .:.:'，
　　　　 　 　 |.: .: : |.: : : |:＼ : 乂 乂＾ツ　　 )　　　, ,　 ﾉ／イ.: :| : : .: .: '，　　　　　　　　ミニチュアサイズの日本列島……
　 　 　 　 　 j八.:.:.|八.: |.: .:| .: .: :＞, ,　　 ､　　　　 　　 /|: j|.:.:.:|.:＼.: .: .:'，
　　　　　　　　　＼| | :＼.:.:.| : .: 込　　　　_　　 '⌒) 　 .: :| :ﾘ.:.:.:|.: .:.:＼.:.:.:'，　　　　　　　今は亡き私たちの祖国や。
　　　　　　　　　　　:|.: .: .: .:|.:|＼.: .:> ,. 　＇‐-‐　 ／ | ∨/.: .: :|.:＼.: .: .: : :
　　　　　　　　　　/.:|.:|.: .:.:.:|.:|／(　　　 ＞　　 _／　/:|　| : .: | .:|＼￣＼.: .:i　　　　　　　　ま、そうはゆうても愛着なんてあらへんけどな。
　　　 　 　 　 　 /.: :|.:|.: .:.:.:|.:|//∧　 /:::|　|＼＿／../　:| .: : |.: |/∧　 ∧.:.|
　　　　　　　　　. .: .:|.:|.: .:.:.:|.:|／⌒∨:::: |　＼ニﾆ／　 ∧ .: .|.: |＿_〉 /　∨
　　　　　　　　　| 八|八.: .:.:|.:|/＼_/ :::::: | /⌒> <⌒／:::∧.:.:| :八　∨ ＼ '，＼
　　　　　　　　　| ／　∧.: : 八　 /::::::::::::|　　〔:i:i:〕 /:／⌒ﾊ :|/　 ＼ ＼　＼ 　 ＼
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3081： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 20:53:53 ID:4R4.oKj20

　　　／￣￣￣＼
..　／ ／ 　 　 ＼ ＼
／　 （●） 　（●）　 ＼　　　　日本って、こんな感じ……っていうか、島国だったのかお。
|　　　　（__人__）　　　　|
＼　　　 ｀ ⌒´　 　　／　　　　海に囲まれてるお……。
／ 　 　 　　　　 　 　 ＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
特別文化保護区域、という単語には聞き覚えがある。
企業のお膝元である幾つかのコロニーには、各国の文化が形として残されていると。
生活様式、建築様式、自然環境に至るまで再現されており、
選ばれた上級市民ID持ちの人間たちが暮らしている、とも。

実物を目にするのは初めてだ。
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3082： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 21:03:03 ID:4R4.oKj20

　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　 　／　　　　　　　　＼
　　　　　／ 　 　　　　　　　 　 ＼　　　　　海鳥が飛んでる……汚染もないのかお。
　　　　　|　 　 　　　　　　　　　　 |
　　　　　 ＼　 　　 　　　 　　 ,／　　　　　　「海流操作とか色々大変みたいやけど、汚染はほぼゼロや。魚釣って食べれるんよ？」
　　　 　 /⌒　　　　　 　 　　⌒ヽ
　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　釣り……？
　　　　/　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　|　　　　　　　　　 　　　　　　|
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
亡国の複製に自分が興味を示したのを見て、はやては食いついてきた。
釣り、というのはなんだろうか。話の流れからして、魚を獲るための行為だろうか。
獲る、という行為自体、凄まじく前時代的なものだ。

まったく想像できない。
海で距離だけでなく文明まで隔絶されたであろう島。
どんな人がどのような服を着ているのか、何を食べてどう暮らしているのか。

桜花重工の本社だとは言うが、どこの本社もこうなのだろうか。
未知の衝撃に鬱屈とした思いを掻き消されながら、考えた。
なんだか、世界の外側に来たみたいだ。
この場所からは、戦火の気配など欠片も感じられなかったから。
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3083： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 21:03:17 ID:4R4.oKj20

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3084： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 21:05:04 ID:4R4.oKj20
〜Tips〜
『コロニー・トウキョウ』
旧ジャパニーズエリアに存在するコロニー。オルデンブルクの統治下にある。
軍事拠点としての機能も有しており、ネクスト収容・整備施設などが存在している。
人種も様々（アジア系が若干多い）、かなり小型のコロニーであり、オルデンブルクノーマル部隊などの補給地。
他のコロニーに比べて作りが簡素であり、家々もただの真四角。
旧チャイニーズエリアが沈没、絶海の孤島と化している。そのため位置的な問題から戦術的価値は低い。

残っている価値は補給地とネクスト研究のための施設という点のみ。

治安が悪くスラム化が激しい。というのも、人口が増えても居住区拡大や増設を怠っているため。
子供の出産、育成を申請すれば企業からの支援が受けられるが、保障はない。

食糧プラントと兵器プラントを地下施設として内蔵しており、一般市民はそこで労働に従事している。
ネクスト整備施設の職員たちは中級市民ID。企業からある程度の生活保障が受けられている。


『コロニー・アマツ』
太平洋に浮かぶ水上コロニー。人口約5000、桜花重工本社を兼ねる特殊なコロニー。
特別文化保護区域でもあり、ミニチュアサイズの日本とでも言うべき場所。
中央部をインナーエリア、外縁部をアウターエリアと呼称している。
インナーエリアは桜花の本社施設が鎮座しており、それを取り巻くように都会の街並みが再現されている。
外縁部であるアウターエリアは緑豊か、海に囲まれた過去の日本の田舎を再現している。

市民たちは全員上級市民ID持ちであり、サラリーマンやエンジニア、医療スタッフといった本社勤務の他、
学校や飲食店勤務などの文化再現も業務として執り行う二重生活を送っている。福利厚生や保障もこの時代では格別の扱い。
身体的ハンデがある者、財産に余裕がある者は文化再現のみを行っている例もある。
地下には大工廠プラントが建設されており、桜花の技術者集団たちがネクスト開発などを行っている。

3085： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 21:09:43 ID:4R4.oKj20
『オルデンブルク』
ドイツ系総合軍事産業。
象徴的なデザインは市民にも広く認知されている。現代アートじみた王冠が特徴の企業ロゴを使用。
取り扱っているACパーツはバランスが良く、使いやすい。

傘下にアジア系重工業桜花重工などが存在する。
アヴィアコルとは海底資源を巡って深い対立関係にある。

強力な個体への戦力の集中と、その運用のシンプル化を主題に掲げている。
ネクスト開発に思想、方針共に注力しており、技術レベルはIGIOと同等かそれ以上。

ランク13キャバルリィやランク24リベリオンのように、隙の無い機体構成が特徴。
ただしラケル・クラウディウス博士オリジナルのハイエンド機に関しては話は別で、
ロストワードとマーシフルの二機はその体現ともいえる。
上記のコジマ汚染、AMS負荷も何もお構いなしに超次元的な戦闘能力を得た化け物を陰で保有している一面も持つ。

政治力などで優れるIGIOに比べ、メディアの使い方が上手く、リンクスを英雄化することが多くみられる。
美化された経済戦争と企業イメージに乗せられる人々も多く、人的資源はかなり豊富なようだ。

質実剛健なパーツは信頼性が高いが、コストが高いというデメリットも存在する。
エネルギー分野に強く、装甲や実体兵器の開発は桜花重工が一役買っている。

上記の性質からネクスト開発に傾倒しており、ノーマル機開発がおざなりになっている。
そのため、SIからの機体提供に頼り切り。

『桜花重工』
オルデンブルク傘下のアジア系軍需産業。ヘクス調の桜の企業ロゴを使用。
緻密で高性能な内部パーツ、および利便性に優れた武装を主とする。
取り回しに優れた実弾系兵器を数多く取り揃えており、装甲パーツも実弾耐性に優れる。
かつての極東の流れを汲むからか、刀や武者鎧をモチーフにしている節もあるが、
あからさまな販売促進のためのイメージ付けと業界内で笑いものにする声もある。

典型的な技術者集団であり、ノルドルムとは似た者同士。
閉鎖的で保守的、パーツ開発も革命的なものは手掛けず従来の発展形がメイン。
同社の統治するコロニー・アマツは汚染の少ない太平洋周縁部に位置するリゾート地としても知られている。

3086： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 21:29:00 ID:4R4.oKj20

　　　　　／￣￣￣ ＼
.　　　／　　　 ( ●)　　＼　　　　　お、おお……。
　　　|　( ●)　　　⌒）　　|
　　　|　　　 （__.ノ￣　　 /
　　　|　u,　　　　　　　 /
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エアターミナルに降り立つと、ブライドル本部とはまた毛色の違った
光景に出迎えられた。誰もかれも、仕事に来ているといった様子ではない。
人種や年齢こそ様々だが、家族連れに目が行った。
ここはリゾート地としても扱われているのだろうか。

はやてと共に人込みの中を掻き分けて外に出ると、
アーカイブの映像の中に迷い込んだような感覚に陥った。

日本だ。間違いない。何度かデータで見たことがあるが、日本の田舎町そっくりだ。
だだっ広い道路に、建ち並ぶ素朴な木造建築の数々。
石材の塀で区切られた家々には、旧時代的なネームプレートがかけられている。
屋根にはおかしな形の板、とでも呼ぶべきものが鱗のように連なっていた。

そして何よりも。
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3087： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 21:41:13 ID:4R4.oKj20

　　　　　　　　　　　　　　　　　　l''~l
　　　　〃;;:;ヽ:;:.　　　 　 　 　 　 l''~l　　　　　　　　 　 　;:〃:;:;:　 r,,
;:　;:〃;;:　ヾ;:;）;ﾞﾞi.　　 　 　 　 __,..|　|⌒:;ﾐヾ:;:;;,,,ｖrｰ:;:;:;:〃:;:;:;:〃;:;:;:,》:〃::::::::::::::;::;;
;:;:〃;::〃;:;;:;:〃z″　　 .,r‐:;. l.. :』|　|:;彡ミﾐ::　 丿:; :; :;:〃:;:;:;:〃;:;:;:〃!〟:;:;
;:;:;:〃;::〃;:;:;:,,ミ:　　　;:(,;:::;〃l :』,,l　|:ミﾐ彡.,r''''=:;:;:〃　;:;:;:〃;:;:;:〃ヽ:);:::i､　　::.,
;:;:;:〃;:;:;:ミ.《::｀　　;:(;:,ゞ; 〃::;:l(⌒)=|.彡ﾐミ:::ミ　:;:;:;:〃:;:;:〃;:;:;:〃　 ﾞ‐ヽr::;:，:::
;:;:;:〃:;:;:〃:l:;:　　　.;:(,; ::〃:;;;:l :』 |　|:ミ彡.:;ミ::ミ;;;:::〃；；:::〃:::〃〃:::〃:〃）::::〃;:;ヾ::;
:;::〃:;::〃;.ﾉ:: 　　 ;:(;:,ゞ::..:〃 l :』 |　|::;巛lﾐミ:;:;:;:〃:;:;:;:〃:;:;:;:＿＿ヾ〃:;:;:;:〃）ヽ〟
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..　／ 　し （○） 　（○） ＼　　　　　……なんか、じっとりするお。それに、暑い気もするお。
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..　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／





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　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:|斗ぅ＝ミ :|:.:.:.:.:|ｧう＝ミ: |:.:.:.:|:.:.:.:.: |　　　　　　あー、今は初夏やしなぁ。
　　|:.:|:.:.:|:.:|:|:.:.:|:.:.:.:{　)いﾊ　从:.:.:.:.|　)いﾊ Y:.:.: ﾉ:.:.:.:.: |
　　|:.:|:.:.:|:.:|ﾍ:.人:.:.:　乂;;ツ　　 ＼:.| 乂;;ツ 从:.Λ:.:. /:.|　　　　　　 トウキョウちうか、本物の列島は汚染が進行してて
　　|八:.:.|:人:|:.＼＼ト''　　　　　　　　'''　　/:.:.:/　}:.:.:.:.:.|
　　 　 ＼ 　 |:.:.:.:.:.八　　　　 '　 　 _,　　 /彡/_,ノ:.:.:.:.:.:|　　　　　　　半分シェルターみたいな状態やろ。季節感も何もあらへん。
　　　　　　　八:.:.:.:.:.个　　　｀　　　　　　 イ:.:.:.:| :.:.:.:. |:.|
　　　　　　 /:/:.＼／￣　　　　 　 　 ＜ |＼__:.:|:. /:.:八|　　　　　　　　ま、ええ機会やねんな。
　　　　　／:/⌒∨ :. :. :. {＼＞r≦.　　ノ| : :. :. :. :.＼:.:.:|
　　　 ／:.:./ :.:.:.: ∨:. :. Λニ=‐‐=ﾆﾆﾆﾆ|:. :. :. :. :. :./:.八　　　　　　　　やる夫君、これが夏やで。
　　　⌒ｱ/:.:.:.:.:.:.:.:∨ /　 ∨二二二.／｜:. :. :. :. :/:.:.:∨＼
　/￣￣/::::::::::::::::::::∨　　　Ｖニ＞''´　　|:: :: :: :: /::::::::::∨__
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息が苦しい。吸った空気がじっとりと熱を持っている気がする。
日差しも強く、肌やシャツが熱を持ちつつあるのを感じた。
数分と経たず、額から一筋の汗が鼻先へと流れ落ちる。

はやてはジャケット姿のまま平然としている。慣れているのだろうか。
確かに、トウキョウに季節などというものはない。というよりも、
今の人類にとって、季節というのは縁遠い。

温暖化が緩和された今でも、コジマ汚染の影響で、外気に身を晒せる場所は
そう多くはない。ブライドル本部にしたって、あそこもシェルターのようなものだ。
皆、人口の土地で、人の手によって供給される酸素により生きている。

確かに今は六月の始めではあったが、そんなことを気にすることなど一度もなかった。
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3088： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 21:59:53 ID:4R4.oKj20

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　 ＼`r''^´／ :/ﾆ/ﾆ/､,'///, -|´'ｪ￣/､>/尺ﾆ∧::品:::,ノ:::::,／　 ~`'‐､_<」,-" :| || |:| |:| |:| |:|　ﾞ -
,,_r''^´ｌｌｌｉ||'´.::/ﾆ/ﾆ/､,'/-´''llﾚl|エエ/||ヽﾛl:::二}_」l但iく;;;,,:<"K",Kミ､ｉ|l|`''‐ ､-'| ||＼_|:| |:| |:| |:| |
ｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌli||.:::/ﾆ/ﾆ/､,'/.lﾚllﾚlｌ_,l|,,エ/=||=|`､ミ平平'不､.「}{::|"I''i/,,|_i_,_|l|:l:l:l:ｌ |`:| || ｌl|.＼:::|_|:| |:| |
ｌｌｌｌｌｌｌlｌｌｌｌｌi||ｰ^ｰ'^ｰo､/! lﾚllﾚllﾚｌ|エ/_,-''"|´八:l:::l:::, -<´.|ilヽ|lヽ,|l::::llillｌﾞ|lﾄ、ｌ:l::|ﾐ:| || ｌl|7ヽ＼ .| |:| |
|i､､il||||||i||:::_||_:::::|| | llﾚll「~ ｌlﾚｌ|￣lvzN'_|ﾉ::::l`:::|く,_　,` |il::::|ｌｌｌl:|:::::::::::_|l､ ＼l:|ﾐ:| || ｌl|7ヽ＼＼ .| |
ｌｌヽ､ｌｌｌｌｌｌl||_:::||::::: || | llﾚlｌ､__,'lﾚｌ|_llll'''"ll´ll:::::ｌi|::::::: lＸ,,::-''卷」ｌｌlll|ｌl::::::::`|l、k｀'' 　| || ｌl|7ヽ＼＼＼.!
ｌｌｌｌ｀､､ｌｌｌｌ||:::_||:::::_|| | llﾚllﾚllﾚlﾚｌ|_ヽllllｌ::::::|:::::::ｉ::::::　＼ｌ_:::「ヽヽlll|ｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌ|l、llt､k　| || ｌl|7ヽ＼＼＼
ｌｌｌｌｌｌｌヽ､ｌl||─､:_:: || | llﾚllﾚllﾚl_／lヽl´ .l:::::::::::::: 　　 　:::::ｌ:::::ヽヽll/ミ_rくｌlt,lltｌｌ`ｰ| || ｌl|7ヽ＼＼＼
ｌｌｌ ｌｌｌｌｌｌ`､'' ／l_:::_|| | llﾚllﾚll／l／llﾉ`ｰ',,`::::::::　　　　. . :::´~ﾞ`-''il三iｌ|'' ＼llｔllt_!_| || ｌl|7ヽ＼＼＼
ｌｌｌｌｌｌ／`Ｊ　l__|＿,|| | llﾚll,イ／ ,／::::::::::::::　　　　　　 　:::::::::::_;;;_l三ii|:::.. . ＼|＼＼ _l|7ヽ＼＼＼
ｌｌ／ .／､_/_/|＿,||_| llｌ／, ' l／''::::::::::　　　　　　　　 　　 　 :::::il三__|､_,-_、 |::::::`-､`- ､.＼＼＼
'" ／,:::/_:::､l_|l二lﾆ|／l／／`::::::::　　　　　　 :::. 　　　 ::　　　>-''､っ:::::く＿」,/|li::::..　::~ﾞ-､｀- ､､＼
／_l'ﾚ'-<＿〉:|::::二ｌ|／,／｀:::::::::..　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 "'＿,,ｨﾆ´入_|＼li:::..　　..:ﾞ`- ､ヽ
ミｇ､::ﾛ´r-､':::|_::::::: |／`:::::::::::''::::::　　　　　　　　　　　　　　 `ーｪ_ｒ:::::::::::>i-|::::..＼lilr────
ミoミ／￣￣／]::::::::::::::...:::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　￣`_ーz,,＿.:::::_ﾉ:::r─'ｰ|:::＼､￣￣

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はやてに先導されるがままに、アスファルトで舗装された道を歩いていく。
ところどころにマンホールの蓋が点在していたりするのは、他のコロニーと変わらない。
ただ、蓋にも漢字でよく分からない言葉が書かれていたが。
日本語も若干喋ることができるし、漢字も少しは分かるが、習熟しているとは言い難い。

人通りはまばらで、ポロシャツ姿の少年二人が自転車で駆けていくのが見えたくらいだ。

周囲の家はどれも木造で、飾り気がなく、素朴だった。
窓やドアは近代的なものが用いられているものの、今の技術が散りばめられている
程度で、何もかもが旧時代的だった。

「はやてさん、変な音がしますけど」

「これね、虫の声やねんな」

「……虫はハエとかゴキブリくらいしか見たことないですお」

甲高い異音が草むらから聞こえてきたので、何かと思えば虫の声だと
はやては言うではないか。流石に冗談だと思ったが、本人はいたって真面目だった。
虫がこうも鳴くものだろうか。目に入るもの、聞こえてくるもの、空気、土と草の匂い。
何もかもに、覚えがなかった。さっきまでの衰弱はどこへやら、
気付けばあちこちへ視線を巡らし、はやてへの質問も質問攻めへとなっていった。
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3089： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 22:09:44 ID:4R4.oKj20

　　　　　　 ／三三三二ニﾆ≡＝‐x､､､､
　　　　　∠,_=＝≡ﾆニ二三三三二ニﾆ≡＝‐‐===--- ,,,,.
　　　　 .!　.∧￣￣￣ ¨¨¨ '''''' ‐‐‐ -三二ニﾆ≡＝‐=＝≡ﾆニ三二ニﾆ≡＝‐‐==ﾆ `＜
　　　　 !　,' ||　　　　.,____　　　　　　　　　　￣￣¨ ''''‐‐=＝≡ﾆニ二三ゝ､,.三三二ニﾆ＝‐`＜
　　　　.! .,' _|| . 　 　 |!三三三!‐‐-==ｫｯ_______　　　　　　　　　　　　.!　　`|! .t¨¨ ￢ ‐‐--ｬ----`
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　　　 .￣!　.|| 　 　 . |!三三三!　　　 i|!___!i__.! .!　　　.||!¨ﾟ!i¨ﾟ|! !三三|ﾟ　　 !ｉ..!　　　　　　 ! !　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞
===ﾆﾆﾆﾆｉ`|| 　 　 . |!三三三!　　　 i||¨ii¨ii~! .!　　　.||___!i__.|! !三三|!　　 !ｉ..!　　ｪ_____　 ., !　　　　　　　　　　　　　 ＞ '' ´三
三 二ニﾆﾟ',.|| 　 　 . |!三三三!==========ｫ斗ｭｪｪｪ||¨ii¨ii~|! !三三|!　 　!ｉ .!　　{__.!_.}　 .{.!　　　　　　　　　　 ＞ '' 三二ﾆ=＞
=≡ﾆニ二''ヾ_________|!ﾆﾆﾆﾆﾟ」_|!_|!_|!_|!_|! |! |! |!.|!.|!.|l.|¨|!¨|!¨|''!三三!　 　.{ ! !　　!　| .{　　!!　　　　　　 ＞ '' ´三二ニﾆ彡''´ !
二ニﾆ＝=‐ﾟ',三三二ニﾆ≡＝‐二ニﾆ≡亠亠=＝≡≠‐┴-ヽ---.┘､ 　.!.! !　　￣ ¨　　.!!　　 ＞ '' ´三二ニﾆ＞ ‐''´　　.l |
三三三三三_',‐=＝≡ﾆニ二三三二ニﾆ≡＝‐=＝≡ﾆニ二三二ニﾆ≡xｬ.､!_　　　　　 ＞ '' ´三二ニﾆ＞ ‐''´ lイ　　　　 l |
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.|　　　!.! |　　 |!　　|.! l　　　　 l　　　　　l l .l　　　　 }`|.|.|.|.|.|.|.|.! !..|.|.|.|.|.|.|.|.| |　　　 !.!　　 ｉ l　　　　　 l l　　　　　.| l l |　l　l　l:!

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地面から屹立する電柱なるものや、生い茂る木々、鳥の鳴き声、
色々なものの説明を聞いている内に、一軒の二階建ての家屋の前で、
はやては足を止めた。「久しぶりやなぁ」としみじみ呟き、目を細めている。

建築様式は他の家々と変わらない。塀に囲まれた木造の家だ。屋敷に近い。
塀の隣にはトタン屋根のガレージが設営されており、中には丸みを帯びた
水色のファミリーカーが静かに鎮座している。

門扉へと近づいていくはやてを呼び止めると、彼女は不思議そうな顔で振り返った。
ここが何だというのだ。
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3090： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 22:12:48 ID:4R4.oKj20

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　　　　　　　|八.: .: |.: .: .: :| .: ／:＼　 | :/　 |.: .: .: : : / :|.: .: :/ |_,,／|.:. .:.:|.: |　　　　　　　「はやてさん、ここって」
　　　　　　　 　 )八|.: .: .: :|_.:.| 　 　 　j/　　:|.: .: .: : /　 |.: .:/　 .: .: .:|.:. .:.:|.: |
　　　　　　 　 　 　 |＼.: ..:{　)＼　ｨ芋芋ﾐ　:|.: .: .: /　ｨ芋芋ミ:/.: .:.人.: : |.: |　　　　　　　ここねえ、私ん家。
　　　　　　　　　　 八..:＼:{　} ＾)＼ 　 　　　|/):／　　　　　　/.: ／ : .: .: |.: |
　　 　 　 　 　 　 /.: .: .: .: {,/　//⌒:/:/:/:. 　 〈i　　　 :/:/:/: イ　ﾉ.: .:/.: :| 八　　　　　　　「へっ」
　　　　　　　　　/.: .: /.: ／　.:.∧　 　 　 　 ＿＿＿　　 　 　 八.: .: / : : |.: |.:＼
　　 　 　 　 　 /ｲ. .:/.:./　 〈 : : : ＼＿_ 　　|　　　　|　　　　 . : .: ／ .: .: .|.: |.: |⌒　　　　　お家やねん、私の。一人で住むにはちとでかいけど、
　　　 　 　 　 　 |.::∧.: ｀丶、￣￣＼.: .＼　＼＿／　　　イ : .／:|.: .: .: .:|.: |:八
　　　 　 　 　 ＿|:〈_∧.: .: .:L＼　　　).:.:..八　　　　　イ ￣＼/.: : |.: .: .: .:|.: |.: : ＼　　　　　中々いけるで？　夏は涼しいし。冬は冷えんねんけど。
　　　　　　／　　＼￣￣＼.: ｀丶、 .:.／⌒＼＞＜　 |＼　 /＼.: |.: .: .: .:|.: |.: .: .: |
　　　　　/　　＼ 　 ＼　　 |.: .: .:|| ＼　　　　 〉::::/　　＼ ＼　　∨ : .: . 人八.: .:.:.|　　　　　ほれ、はよ上がり？
　 　 　 〈　 　 ＼）　　 ＼__|.: .: :八_ /＼　　/　　　　　　 　 |.　 /.: .: ／￣￣＼.:/
　　　　　| ､　　　　　　　〉 八.: /　 /　　　 /　　　　　 　 　 :|　厶 イ　　 　 　 ∧
　　　　　| ∧　 　 　 　 |　　 )' ＿/　　　 /　　 　 　 　　　 .:|　　　 |　　　　　/　 ＼
　　 　 　 〉　＼　　　　｜/ ／＼　　　　∧＿　　　　　　／/　　　 |￣￣＼/　 / 　'，
　　　 　 { 　 　 ＼　　　|／ 　 　 ＼ 　 /　＼ ＼ 　 　 /／ 　　 　 |　　＼　./ ,: 　　 '，
　　　　 〈￣￣＼. ＼　<　　　　　　 ＼ﾊ.　　 ＼＿　_／ 　 　 　 　|　　　 ∨./　　　　'，
　　　　　}　 　 　 ＼＿/|＼　　 　 　 　~}　　　　／Y⌒＼　　 　 　| 　 ＼　〈　/　＼.　'，
　　　　　}＿＿＿/ ／　|　 ＼ 　 　 ／/|　　 ／:i＼　 /:i:i＼　　　 |　　　 ＼∨ 　 　 　 '，
　　　　　〈　 　 ./　|　　 |　　　＼／　/∧　/　＼／⌒:ｉ「￣ ＼＿_|　　　　　'，　　　　　 '，
　　　　 　 〕　　　　|　　｜　　　　　 /V　∨＿　 {:i:i:i:i:i:ﾉ ／二=-―…　　　　'，　|/ 　 　 '，
　　　　　　〕　　 / .|　 　 ＼　　 　 /￣￣ 　 　　∨:i:i〈./　　　　　　　　 　 　　}　/ 　 　 　 }
　　　　　　〕　 ./　 |　　＼　　　 ／ 　 　 　 　 　 ﾉ:i:i:i:i:＼　　　　　 　 　 　 　 ; /　　／　　}

3091： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 22:17:35 ID:4R4.oKj20

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　　……家。
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼





　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　はやてさんの、家に……？
／ 　　 （○） 　（○） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　今から……？
/　　　　 　|!!il|!|!l|　　／
　　　　　　|ｪｪｪｪ|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
詳しく説明を求めなかった自分が悪かったのだが、完全に不意打ちを喰らい、
さすがに驚きを禁じえなかった。まさか、行き先がはやての家だなどと。
しかも、自分の手には着替えや日用品などの荷物。

いくら鈍く世間知らずな自分でも、これがどういった状況かは察しが付く。
取り乱す自分をよそに、鼻歌交じりで門扉に取り付けられた
原始的なシリンダー錠へ、これまた原始的な金属のカギを差すはやて。

とにかく、つまり。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3092： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 22:22:08 ID:4R4.oKj20

　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　　-――‐-　...
　　　　　　　　　　 , ---く: : :,: -ー‐-:､: : : : : ≧. .､
　　　　　 　 　 ,.イ:, -: : : :`/: : : : : : : : `: : : : : : : : ､ヽ
　　 　 　 　 ／:／ ,.イ: :,､/: : : : : 、: : : : : : : : ',: : : : ',:ヽ
　　 　 　 ／イ : , ': : :,:/ー!:! i : : : ',: ',: : : : : i : ',: : : : !: :',
　 　 　 ./ｲ/: : :/: : ://　　!:i: ! : : : i!: !: : : : : !: : ',: : : :!: !:',
　　　　/' /: : :/: /: :!:!__　 i: : i : : : i!: !: : :/: :,' : : i: : : :!､!: !
　　　 /　i: : :/i: ,': : i､!__ヽ/!: :!: : : :!i: !: :/: :/,: : :/ : : //i :.!
　　　,′ ': :/: :',:i!: : !"i.ヾ/ i:/: : : /=､、/:.//: : /ﾆﾆ/,'ｲi: :!
　　　　　 ',:ﾊ: : i!i: : i　i:ｿi　ﾘ: : ／ /Jヾ,ｲ/: : :/ﾆﾆ/: : ,' : i　　　　　　　　　いらっしゃい、やる夫君。
　　　　　　i! ', : : ヽﾘ 弋ﾘ /:／　 ん::ｿ::i!ｲ: : / : : /: : /: : :i
　　　　　　i.　', : : : i""　, '"　 　 弋武ｿ彡イ : : /､: :/: : : :i　　　　　　　　　とりあえずになってまうけど、今はここを、
　　　　　　　　'､: : ∧　 ､　　　　　'''''　　, ｲ: : ,.ｲ i: /: : : :i!:!
　　　　　　　 　 ヽ､: :ヽ、　ー‐　　　　／: : ／, イ:/: : : :i: !i:!　　　　　　　　　自分の家や思うてつこうてええからね？
　　　　　　　　　　 ヽ:'､ ヽ　＿＿　イ: : :イ/: : :, ｲ: : : i: :!: !ヾ､
　　　　　　　　　　 //,ヾ､:_:_: ＞'": イ":::::/: : ,ｲ: : : : : i: :!-'--,
　　　　　　　　　　/'　 ! !::::::::::￣:::::::,＞:/: : /: : : : : : : !: !:::!　!
　　　　　　　　　　 ＿_ヽゝ-<ニヽヽ::::::/:/:/:i: : : : : : : i: :!:::!　!
　　　　　　　　　　i i-.､　＼:::::::::::ヽヽ' ,!:i: :!:::! i: : : : : i:!: i:::i. ∧
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
はやてが徐に振り返り、こちらへ微笑みかけてくる。
栗色の髪が柔らかく靡き、揺れた。鼓動が一拍飛んだ気がする。
どう返せばいいか分からず、いつも通りに、頷くことしかできなかった。

大変なことになってきた気がする。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

3093： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 22:22:21 ID:4R4.oKj20
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・

3094：安価のやる夫だお：2020/09/14(月) 22:26:22 ID:NyCnu7JQ0
ハロー
やる夫クンは、またヒロインに連れ出されたんだね

3095： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/14(月) 22:28:11 ID:4R4.oKj20

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　　　　短いが今回はここまでだ。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　　　　来週からは路線変更、サツバツ戦争時々エロゲから、天然無自覚お色気お姉さんとの
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　　　　同棲生活を赤裸々に描く日常もの……『元傭兵やる夫は同棲するようです』のスタートだ。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　　　　　涙あり笑いありポロリもあるよ。ぜってぇ見てくれよな！
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',　　　　　　　　……ちょっと今、職場が更にまずい感じになってきていてねえ。
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ　　　　　　　何かあったら、また報告するよ。
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　次回は来週の月曜日、9/21午後八時からだ。
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i　　　　　シーユーアゲイン。
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

3096：安価のやる夫だお：2020/09/14(月) 22:29:37 ID:Y2e3rXi.0
乙ー

3097：安価のやる夫だお：2020/09/15(火) 00:27:48 ID:qsCMO6bs0
乙

3098：安価のやる夫だお：2020/09/15(火) 23:25:32 ID:3AnWX9jg0
乙でした

3099： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/21(月) 20:01:06 ID:btl6Ddz20

　　　　／||ミ
　　 ／ ::::||
　／:::::::::::||＿＿＿＿
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　|:::::::::::::::||　　､　- ‐‐ -,
　|:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
　|:::::::::::::::||_＿＿ : : :丿　　　　　　　
　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ ／ . . . ||
　|:::::::::::::::||／　　　　||
　|:::::::::::::::||　　　　　 ||
　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　 ＼ ::::||
　　　　＼||

3100：安価のやる夫だお：2020/09/21(月) 20:03:05 ID:S7bWY.5I0
ハロー

3101： ◆x0SRSoJXe.：2020/09/21(月) 20:06:23 ID:btl6Ddz20

　　　　 　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　 ／: : : : : : : : : : ::',
　 　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',　　　　　　　　　今日も少し短めかもしれない。最近、こんなご時世だろう？
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　私の仕事先の人々も鬱憤溜まっててねえ、
　.　 ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　従業員同士による光と闇の果てしないバトルが起こっているのさ。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　端的に言うと喧嘩や職場いじめが激化してる。
　　　 丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　 　 ｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　モコイさんちょっと痩せちゃったよ。気力も集中力もあまりない。
　　　　　　 　 　 　 ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　 　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i　　　　　　とはいってもこれは大事なライフワーク、支援金も受け取ってる以上頑張るのさ。
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',
　　　　　　　 丶 ｀‐'´: : : :ﾉ　　　　　　短くなろうと投下お休みはなるべく避けたいと思っている。
　　 　 　 　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　ぼちぼちやってこう。
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　 ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　 　i: : : : i
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　 　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　 ｀ ヽ _|
　 　 　 　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　 　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　 　 |: : : : : |: : : : : !

3102：安価のやる夫だお：2020/09/21(月) 20:21:45 ID:Cdd1D6hI0
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